問題も答えも全て現場にある。の大嘘。

2月9日 曇り後晴れ

魂の声を聞く時間

午前中は月に一度のビジネスコーチ四辻氏によるコーチングセッション。
元々(10年前)は山の様に抱えていた問題解決のためのセッションを受けていましたが、さすがに10年も続けて受けていると問題が無くなった訳ではありませんが、普段から継続して行なうアクションに解決の為の行動が転化されてきて、「あとはひたすらやるだけ!」となっており、最近はビジネスコーチというよりも魂の声を聞く時間?の様な抽象的な 話ばかり。
未来を見つめるいい時間になりました。

 

クレームが撲滅出来ない理由ってなんだ?

昨日のクレーム問題からずっと頭の中にこびりついて離れないことがあります。
それは、クレームを完全に撲滅するという『意識』について。
アタリマエの事ができないというのは、結局、意識が低いということにしかならないのではないか、10年以上も意識を高く持て、と言い続けてきて、スタッフは大まか理解してくれているし、普段はクレーム等皆無なのにも拘らず、なぜ完全に問題が解消されないのか?「なんでやねん。」とずっと考えていました。

フト、思ったのは、クレームが発生するのは大概現場が忙しく詰まり出したときで、「あれもこれもせなあかん」と現場や顧客への対応が複数重なった時に問題が起こり、お客様にお叱りを受けるよな、ってことです。普段ではそんなこと起こらないのに、忙しくなるとクレームになる。なんでや?と。

 

現場最優先の功罪

辿り着いたのは、現場、もしくは事務所での実務とそれ以外の業務のバランスが崩れるからでは無いか、という答えです。良く耳にする、『問題は現場で起こっているんだ!』というアレです。
すこし忙しくなると、とにかく現場で実務を進める事を最優先にして、それに付随する報告、連絡等のコミュニケーションが疎かになる。というより、優先順位が下がるのではないかという事。
「現場で忙しく働いてるから、一生懸命モノを作っているから少々のことはええやん、」と。

 

現場に全て答えがある。

現場に答えが・・という事については全くもって異議はありません。私たちが提供する価値は顧客接点が全てだと思いますし、顧客に提供する商品や成果物、私たちなら建物を作る現場、そしてそこでの暮らしこそ、顧客の価値感との答え合わせの場であり、そこで生じる齟齬を解消するべきであるという見地から見ると間違いなく答えは現場にあると思います。

 

問題は現場にある?は?なにそれ、

しかし、「問題は現場で起こっているんだ!」と、昔トレンディードラマで顔が日焼けで真っ黒な爽やかな青年が叫ぶシーンが話題になってから、いつの間にか「問題も現場にある。」というのが定説というか、信じられている風潮がどーもあるような気がしてしょうがないのです。
私としては、そんなことを言われたら「問題は現場にある?は?なにそれ、」と返してしまうやろって感じです。

 

問題はおまえの頭の中やろ

問題にもいろいろな種類がありますし、十把一絡げにする事は出来ませんが、多くの問題は、現場で自然発生的に起こった事ではなく、そこに携わる人の思考の中に潜んでおり、ふとしたきっかけでそれが表面化して問題が起こる事が大半だと思うのです。
モチロン地震や台風など自然災害も問題になることはありますが、そこは人智の及ばぬところと、出来るだけの予防をしてもどうしようもない事もありますが、どちらかというと、事前の対策が万全ではなくて問題が起こる事の方がこれも大半です。

 

現場最優先が引き起こすジレンマ

そんな風に考えると、問題は(現場にだけに拘らず、事業に携わる全ての)人の思考の中に有り、問題解決をした後の答えこそが現場、そして顧客接点、顧客満足にあると思うのです。
何が言いたいかというと、答えを現場で出そうと思うあまり、現場の外の手配や段取り、諸連絡、コミュニケーション等、目先の作業と関係のない事に対する意識が低くなりがちなのを危惧しているのです。
現場での作業は常に緊急を要します。早く済ます事が出来ればそれだけ利益が上がりますし、必要な時間をかけて丁寧な仕事で完璧な仕上がりを目指す事も非常に重要で且つ緊急なコト。そして、モノづくりの世界では集中力が出来映え、スピードの鍵を握ります。集中力を切らさない為にもそれ以外の余計なコトをシャットアウトして没頭する時間も必要かも知れません。

レンガ職人

3人のレンガ職人の寓話

しかし、3人のレンガ職人の寓話にあった様に、なんの為に仕事をしているのか?という大きな目的を忘れてしまった時点で、いくらいいモノづくりをしていても、その成果物は一切の価値を失ってしまいます。単なる独りよがりのマスターベーションです。お客様を含め、関係各所とのコミュニケーションを断ってしまうなんてコトは以ての外です。

ちなみに、3人のレンガ職人の話とは、

世界中を回っている旅人が,ある町はずれの1本道を歩いていると,1人の男が道の脇で難しそうな顔をしてレンガを積んでいました。

旅人は,その男のそばに立ち止まってたずねました。
「ここでいったい何をしているのですか?」

すると,男はこう答えました。
「見ればわかるだろう。レンガ積みをしているのさ。毎日毎日,雨の日も強い風の日も,暑い日も寒い日も1日中レンガ積みだ。なんでオレはこんなことをしなければならないのか,まったくついてない。」

旅人は,その男に「大変ですね」と慰めの言葉を残して,歩き続けました。

しばらく行くと,一生懸命レンガを積んでいる別の男に出会いました。
しかし,その男は,先ほどの男ほどつらそうには見えませんでした。

そこで,また旅人はたずねました。
「ここでいったい何をしているのですか?」

すると,男はこう答えました。
「オレはね,ここで大きな壁を作っているんだよ。これがオレの仕事でね。」

旅人は「それは大変ですね」と,いたわりの言葉をかけました。
すると,意外な言葉が返ってきました。

「なんてことはないよ。この仕事でオレは家族を養ってるんだ。この仕事があるから家族全員が食べていけるのだから,大変だなんて言ったらバチが当たるよ。」

旅人は,その男に励ましの言葉を残して歩き続けました。

さらにもう少し歩くと,別の男がいきいきと楽しそうにレンガを積んでい
ました。

旅人は興味深くたずねました。
「ここで,いったい何をしているのですか?」

すると,男は目を輝かせてこう答えました。
「ああ,オレたちのことかい?オレたちは歴史に残る偉大な大聖堂をつくっているんだ。」

旅人は「それは大変ですね」と,いたわりの言葉をかけました。
すると男は,楽しそうにこう返してきました。

「とんでもない。ここで多くの人が祝福を受け,悲しみを払うんだ!素晴らしいだろう!」

旅人は,その男にお礼の言葉を残して,元気いっぱいに歩き始めました。

【引用元:福山市教育委員会PDF(福山市立城北中学校の生徒指導だより)】

 

レンガ積みの現場で考えてみる。

例えば、このレンガを積んでいる現場で起こる問題とは、あまりの寒さ、暑さで職人が働けなくなる。または、効率が悪くなり家族を養う稼ぎが出来なくなる、もしくはそんな問題が昂じて職人がいなくなり予定の工期に間に合わないとか、少ない人数で突貫工事をして間に合わしたので品質に悪くなった等々、様々な事が考えられますが、それらは現場で問題が起こったのではなく、全て工事に対する計画や思考の中に問題がある筈です。

気候が厳しい地域ならば工事期間を見直すべきだし、職人が家族を養う稼ぎさえ得れない様な予算を組む事が問題であったり、品質を担保する為の基本的なスキルや思考の欠如だったりするのです。要するに、問題は全て人の中、思考や意識の中に有ると思うのです。

煉瓦造りの大聖堂
煉瓦造りの大聖堂

問題は意識の中に住んでいる。

ちなみに、『問題』をググってみると、Wikipediaでは、

問題(もんだい、problem)は、(問題解決の分野では)現状と目標との間にある障害(差、ギャップ)。

となっています。(なんでもWikipediaに訊くのが正解かどうかの話はおいといて、)目標、目的があってこその問題は常に現場にあるのではなく、『人』にその発生源があると考えておかしく無いと思います。というかそのままですね。(笑)
問題解決は、自分自身の意識、思考を根底から正す事からであり、その結果を現場で答え合わせをするのが正解。という事になります。

 

結論はやっぱり意識改革。

そんな訳で、やっぱり、ですが意識改革に対する取り組みをまず最優先で進めなければならないと今一度、改めて自分自身の中でスッキリ納得した次第です。
しかし、意識改革って言うのは簡単、するのは非常に難しい。考えて意識が変わるものではなくアクションに転化してそのチェックを繰返すしか無いと思っています。

すみれのスタッフにはこれまでも現場作業、建築の実務になんら関係がない、と思える様な事を散々押し付けてやってもらってきました。「こんなややこしいことできへん」と去っていった大工さんも少なくなく、職人を守る会社と言っておきながら、実際は高いハードルを作って振り落とす様なことをして来た事にずいぶんとジレンマを抱えました。

しかし、この度の結論としては、それがまだ足らん。と言う事になりますので、もうワンランク上を目指して踏ん張ってもらいたいと思います。
スタッフの皆さん、宜しくお願いします(笑)

 

おまけ

このような自社の恥ずかしい事例なども含め(涙、)マーケティングについての解説や実践するためのヒントをメールマガジンでも配信しています。決して建築業界だけに当てはまる理論ではありませんので、良ければ登録してみて下さい。モチロン、登録は無料です。

【職人起業塾通信】https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=ylTbGxqzg

その他の告知です。

平成28年2月18 日(木) 神戸市農業共済会館にてJBN主宰のセミナー講師を務めます。【残席有り】
http://keihanshin-mokuzou.jp/pdf/JBN160218.pdf

職人起業塾@京阪神木造住宅協議会 二期生(姫路)残数若干名、三期生(神戸、大阪)の募集も開始しておりますよ。【二期生残席少】
http://keihanshin-mokuzou.jp/shokunin/index.html

建築業のマーケティングの実例を元に分かりやすーく解説した2月10日発売の書籍『職人起業塾』のメールフォームでの先行予約はこちら、【2月10日発売ですが先行発送してます!】
http://www.mediasion.co.jp/?cn=100171

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください