京都、町家での一期一会。

2月11日 建国記念日 快晴

  
昨日の書籍の発売を受けて、早速先行予約を頂いて読了された方からのレビューをポロポロと頂いています。研修のテキスト本なので、本という程のものでもありませんが、それでも少しは参考にして頂く部分もある様で、好意的な感想を頂いてひとまずはホッと胸を撫でおろしています。(笑)
Facebookに投稿頂いたり、ご連絡を頂きました皆様、ありがとうございました。
一般の書店、Amazonでの販売は2月19日前後になるとのことですので、引き続き宜しくお願い致します。

  

建国記念日、祭日の今日はお休みを頂いて京都へ、

(いつもで経っても上達しない)不出来な生徒である私をご指導下さっている茶の湯の先生の傘寿のお祝いを、と社中のメンバーさんと共に先生をお招きして祇園の町家で懐石と、老舗のお茶屋さんで食後のお濃茶を頂いてきました。

寒さもやわらいで、暦の上での春らしい暖かな陽射しの中、暫しゆっくりした時間を楽しむことが出来て、先生をお祝いする会の筈が逆に自分のリフレッシュと勉強をさせた頂くことになってしまいました。なんか、申し訳ない様な、、(苦笑)

とにかく、H先生、この度はおめでとうございます。これからもお身体をくれぐれもご自愛頂き、不出来な生徒ではございますが、ご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い致します。

  

 

先生へのカミングアウト

町家をリノベーションしたとてもいい雰囲気の料理屋さんでの食事と冷酒を楽しみながら、アレやこれやとおしゃべりをしましたが、その中で(お酒の勢いもあり?)私が座右の銘にしている言葉は先生に教えられてから、文字通り常に忘れること無く日々の仕事に生かしています。と初カミングアウトをしました。

   

一期一会の心

それは、茶の湯の心を言い表すのに良く用いられる、『一期一会』という言葉です。
一度の出逢いを、二度と無いものと心得て真摯に向き合う。という様に良く言われますが、茶の湯を習い出してから、先生に直に教わった私の体験からすると少し意味合いが違います。

実は、昨日発売日を迎えた書籍にもその事を引用しておりまして、私が提唱するマーケティング理論と切っても切れない重要な教えとなっています。
(書籍の紹介を兼ねて、笑)以下にそのコラムを転載します。

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*******ここから転載********

コラム5 一期一会

(私見ですが)現在、あらゆるビジネスは既に第三次産業(分かりやすくいうとサービス業) の要素を含んでおり、もしくは含まざるを得なくなってきていると思うのです。

一昔前までサービス業とは無縁と思われた建設業。しかし、工業製品(第2次)の販売と共に、地場で伐採された木材(第1次)を使う仕組みを必要としています。また、ソフト面では接客、設計はもとより(第3次)お客様のライフスタイルに合わせた資金計画の提案が出来なければ市場から必要とされなくなってきています。

職人集団を標榜して創業した私達もここ数年来、社内の1番の課題は「コミュニケーション」と言うことになっています。

そんなことを思うと、あらゆるビジネスは第3次産業以上となるのではないかと思うのです。
その根本として最も重要な概念とは、日本人特有の「おもてなしの心」だと思っていま す。 そして、月に一度だけでも「その心、かたちに触れて、己の日々を振り返る時間を持 つ習慣をつけるように」と私は茶の湯のお稽古に通い続けています。

茶の湯の世界ではそれらを簡潔にまとめて『一期一会の心』と表します。

ちなみに、一般的に解釈されているのは、
「一期一会」の意味… 一生に一度だけの機会。生涯に一度限りであること。生涯に一回 しかないと考えて、そのことに専念する意。もと茶道の心得を表した語で、どの茶会でも一 生に一度のものと心得て、主客ともに誠意を尽くすべきことをいう。出典:goo辞典

私もお稽古に通い始める前はそんな風に思っていました。

しかし、その一瞬を大切にするという概念を突き詰めて いくと言うことは、とんでもないぐらい奥が深いことだっ たのです。
何度か通う内に、アタマをハンマーで殴られたような強 い衝撃を受けて、文字通り目からうろこの体験を未だに毎月のように繰り返しております。

どうゆうことかといいますと、

たとえばこちらの花の写真

小さな茶花の一輪なのですが、一期一会のその席に座ると、その床の間にまるで野に咲いてあるがままの風情で活けられてあります。

何の主張もせずにただ、一服の茶の湯を客人に気持ちよく召し上がっていただく為の風景の一部となって。

しかし、その花がそこに活けられてある背景に目をやると、実は花屋さんには置いてな い和花だったりするわけで、ただその一服の茶の湯のために一年かけて自宅の庭の片隅で大事に育てられているのです。

その一瞬の刹那を大切にして全身全霊でおもてなしを全うするのは、何年もかかって季節ごとの花が毎日生けられるように花を育てることが出来て初めてできると言うことなので す。

それはモチロン花だけではなく、茶器、釜、軸、茶室、抹茶、そしておもてなしをする 人の一挙手一投足、足の運びから、茶筅を置く場所、その他のありとあらゆるものを磨き上 げ、全てを常に最高の状態に高めて客人をもてなせる状態を作れることを指すわけです。

それを、まるで野にある花のように、自然な立ち居振る舞いでアタリマエに提供できる ことを、じつは一期一会と言うのです。

あまりにも厳しく、深いそのおもてなしの心という概念ですが、振り返ると私達の日常の業務にもぴったりと当てはまってしまいます。

「 家を建てたいのですが」「リフォームを考えているのですが」と言ってお越しになるお客様に、そのおもてなしを出来ているか、常に最高の状態でご要望を伺っているか、一分の 隙も無いものを作っているか…。

道半ばというにはあまりにも出来ていないことが多すぎる私達ですが、せめてその心を 知り、高いところを目指しながら日々の精進を積み重ねて行きたいと思っています。

この、習慣と言うにはあまりにも厳しい、常に自分自身の襟を正し続ける姿勢を共に事業を行なう全員で共有することが、たった一度のご縁を紡ぎ合わせ、未来の売上げを作る事に繋がるのだと思っています。

*****転載ここまで******

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感謝と願い

年中を通してろくに休日も無い慌ただしい毎日を送りながらも毎月時間をやりくりして滋賀まで茶の湯をお稽古に通い続ける事が出来ているのはこのような普段の暮らしでは学ぶ事の出来ない価値観、というよりも世界観を学べるからで、いつまで経っても茶の湯のお点前は上達しませんが、それなりに学び取った事は自分自身の血肉になっておるのではないか、なんて思っています。

先生、そしてお稽古をご一緒頂ける諸先輩や仲間に感謝する事しきり、そして先生にはいつまでもお元気でお稽古をつけて頂けますように、お願いしたいと思います。

本日は本当におめでとうございました。そして、ありがとうございました。

 深謝。

 

おまけ

冒頭にも書きましたが、書籍『職人起業塾』は書店、Amazonでは2月19日頃から店頭に並ぶ予定らしいです。代引手数料、送料無料でサクッとお届けするキャンペーン継続中ですので、こちらからご注文頂ければ幸いです。【送料、手数料無料キャンペーン中!】
http://www.mediasion.co.jp/?cn=100171

マーケティングについての解説や実践するためのヒントを(不定期&低頻度ですが、、)メールマガジンでも配信しています。決して建築業界だけに当てはまる理論ではありませんので、良ければ登録してみて下さい。モチロン、登録は無料です。
【職人起業塾通信】https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=ylTbGxqzg

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