「永久の未完成これ完成である」@編集王

8月6日 快晴 71年前に広島に原爆が投下された日。

 

晴天の週末。

絶好の行楽日和の週末となりました。

とはいえ、世間様とは関係なく、私は今日も事務所に籠ってコツコツとじみーな作業に勤しんでいます。。
海岸までひとっ走り行って冷たーいビールでも飲みながら読みかけの小説でも片付けたい衝動に駆られながらも、来週から8月の月末にかけて怒濤の出張と研修講師としての役目が詰まっており、おまけに雑誌の連載の締め切りも迫って来るという事で、一日中PCに向ってパチパチ。だれて伸び切ったニャロの相手をたまにしながら、なんとか誘惑に打ち勝ちました。。(笑)

 

 

全く話は変わって、、

久しぶりに宮沢賢治の詩を読みました。「一体、何十年振りや?」と、思い出しても分からないくらいの久しぶり加減。『銀河鉄道の夜』を読んで、その独特の世界観をカッコいいと思ったのは確か中学生になっていたか、いなかったか、ぐらいなので、多分40年近く前の事なのでしょうが、改めて読み返してみるとこれが新鮮!というか、懐かしいというか、なにか心に沁み込むような印象を受けました。

全くもって昔読んだ文章を記憶していると思わないですが、現在の私の性格や人格がこれまでの長きに渡って取り込んで来た情報の蓄積によって様々な影響を受けて組み立てられているとしたら、子供の頃に読んだ本はその土台、いや基礎を成しているのかも知れません。

3つ後の魂100までといいますが、潜在意識に植え込まれた感性や価値観は別段意識しなくても現在の趣味趣向に反映されており、50歳近いオッサンになった今も、カッコいいと心を打たれるスイッチが作られているのでしょう。

春と修羅
(mental sketch modified)

心象のはひいろはがねから
あけびのつるはくもにからまり
のばらのやぶや腐植の湿地
いちめんのいちめんの諂曲てんごく模様
(正午の管楽くわんがくよりもしげく
琥珀のかけらがそそぐとき)
いかりのにがさまた青さ
四月の気層のひかりの底を
つばきし はぎしりゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
(風景はなみだにゆすれ)
砕ける雲の眼路めぢをかぎり
れいろうの天の海には
聖玻璃せいはりの風が行き交ひ
ZYPRESSEN 春のいちれつ
くろぐろと光素エーテルを吸ひ
その暗い脚並からは
天山の雪の稜さへひかるのに
(かげろふの波と白い偏光)
まことのことばはうしなはれ
雲はちぎれてそらをとぶ
ああかがやきの四月の底を
はぎしり燃えてゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
(玉髄の雲がながれて
どこで啼くその春の鳥)
日輪青くかげろへば
修羅は樹林に交響し
陥りくらむ天の椀から
黒い木の群落が延び
その枝はかなしくしげり
すべて二重の風景を
喪神の森の梢から
ひらめいてとびたつからす
(気層いよいよすみわたり
ひのきもしんと天に立つころ)
草地の黄金をすぎてくるもの
ことなくひとのかたちのもの
けらをまとひおれを見るその農夫
ほんたうにおれが見えるのか
まばゆい気圏の海のそこに
(かなしみは青々ふかく)
ZYPRESSEN しづかにゆすれ
鳥はまた青ぞらを截る
(まことのことばはここになく
修羅のなみだはつちにふる)

あたらしくそらに息つけば
ほの白く肺はちぢまり
(このからだそらのみぢんにちらばれ)
いてふのこずゑまたひかり
ZYPRESSEN いよいよ黒く
雲の火ばなは降りそそぐ

出典:青空文庫

 

 

宮沢賢治の世界。

この詩の中で朧げながら覚えていたのは、「はぎしり燃えてゆききする おれはひとりの修羅なのだ」というフレーズのみ。自分自身の子供の頃の心の中の荒々しい?風景を垣間みた様な気がして、ほろ苦い様な、甘酸っぱい様な、何かに憤りを感じ、何か根拠の無い自信と自分の人生を切り開いて行く情熱を持っていた、未だ何も分かっていない、しかし、この詩やその他たくさんの小説等を読んで空想を膨らませる事でその後の人生に於ける一番大事な事を吸収していた頃のことをうっすらと思い出しました。そして今もその価値観が心の奥の方に留まっている様です。

唐突になぜ宮沢賢治?かというと、最近読了したマンガの世界観がそれだったからでして、昭和時代に生まれ育った私の原風景とも言えるノスタルジーを大いに刺激され、つい宮沢賢治に再び興味をそそられたという訳です。

今日は8月6日、広島に原爆が投下されてから71年目との事ですが、私が生まれた年はその日から僅か22年しか経っていなかった訳で、高度成長期の終盤と考えると1933年に亡くなってから作品が評価され、その名が広まった宮沢賢治は私にとって決して昔の人ではなく、『注文の多い料理店』は何度も繰返し読んだ子供の頃の愛読書でした。

 

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名作、編集王。

その世界観を醸し出し、思い出させてくれたマンガとは、43歳の若さでこの世を去った天才(私見です。)土田世紀著の『編集王』なる青年誌に20年前に連載されていたマンガです。
泥臭い、重たい、古めかしいと揶揄されてる事もある著者及び作品ですが、ここに書かれている社会の軋轢、人間模様、その心の深い部分に隠されている描写はつい引き込まれずにはおられません。(オッサンならば、、汗、)

ちなみに、先日このブログで告知した、すみれの図書館、『すみれ文庫』にて貸し出しをしておりますので、(全16巻!笑)本社にお越しの際は是非一度手に取ってみて下さい。故土田世紀氏が醸し出す、人(オッサン限定かも、、)を引き込まずにはおられない『世界観』の描写はどの様な職業の方にも絶対に勉強になると思います。前編に編み込まれている宮沢賢治的な世界観はきっと感性を大きく揺さぶられずにはおられないと。

そして、「永久の未完成これ完成である」と言い残した宮沢賢治の言葉を地で行く様な不完全な結末は記憶の片隅にいつまでも残ると思うのです。

とにかく、ご一読、強くおススメ致します!

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