未来を見るのを諦めた経営者の話。

令和2年5月11日快晴

夏日。

昨日の夜半から降り出した雨は明け方にはすっかり上がり、今日の神戸は気持ちの良い青空が広がる最高の天気になりました。日中は気温がぐんぐんと上がり、昼前にはすでに28度5月の初旬2回目の夏日となりました。今日も朝から中学校の新築工事現場で配筋工事の着工に立ち会い、図面で伝えきれていなかった部分を補足したり、間違えないように施工図を書いたりと現場代理人の代理人を勤めましたが、強い日差しにみるみるこんがりと肌が焼けていくのを感じた次第です。

変わりゆく建築現場。

鉄筋工の職人と厳しい季節がやってきたね、と話しながら、熱中症にはくれぐれも気をつけるようにと水と麦茶を用意して、こまめな水分補給をしてもらうように伝えました。ここ近年、建設現場では毎年職人が重度の熱中症になり死亡する事故が起こっており、炎天下の下で作業し続ける業種の職人たちには、また5月だからと言ってなめてるわけにはいきません。私が若かりし頃の現場では考えられない丁寧さですが、これからとこれからは全く違うと時代の流れを汲み取って我々は変わり続けなければならないと思っています。

山積する問題たち。

このところ新型コロナウィルス蔓延の計り知れない影響に振り回されて、そこにばかり意識が集中してしまいがちですが、実際は感染症の蔓延以外にも私たちが留意すべき問題は山積みされており、新型コロナばかりに振り回されるのではなく、全体像を俯瞰しながら未来に繋げる行動をとらなければならないと思っています。昨年のオーストラリアでの山火事や、南極大陸の気温上昇に代表される気候変動、人類で初めて体験すると言われている日本の人口減少問題、それに伴うマーケットの縮小、日本の土地神話の崩壊などなど、回避できない深刻な問題が私たちを待ち受けています。足元のことにばかり気をとられて、全体を見失えば、コロナ禍に生き残ったとしても先行きが怪しいものになってしまいます。

予測不可能な世界に備える。

このブログでも繰り返し書いていますが、はVUCA化(不透明、不安定、複雑、曖昧)と言う、予測不可能でややこしい時代に突入しており、今回のコロナ騒動のように夢にも思わないようなことが起こったりします。一見、未来の計画を立てるのがバカバカしいと思ってしまいそうになりますが、近視眼的な考え方に陥るのは非常に危険です。未来に希望を失うと、人は刹那主義的な生き方に偏ってしまいます。今だけ、金だけ、自分だけ思考は周りの人を不幸にするだけではなくそれが回り回って自分へのブーメランとして返ってくるものです。

未来を見るのをやめた経営者。

20数年前、私がまだまだ起業して間もない頃、知り合いの紹介で同世代の設備業者の社長を紹介されました。その人は、非常にやる気のある若い経営者で、熱心に職人の育成に取り組んでおられました。同じ時期に会社を起こしたこともあり、私はすっかり意気投合してよく設備工事の依頼をしていました。小さな会社を興すと、まず経営者の仕事は売り上げ、仕事量の確保になり、その社長は熱心に営業活動に廻られておりました。しかし、その分現場への目が届かなくなり、職人たちがクレームを連発するようになってしまいました。社長が現場に行きすぎると次の仕事が取れなくなり、現場を社員に任せると元請けの会社に叱られる。悩みながらも両方ともがんばります。と言っておられましたが、ある日、飲みの席でその社長は、「もう金だけ儲かったらそれでいいかなと思いまして。」とサバサバとした雰囲気で私に心情を吐露されました。

イマカネジブンの行く末。

結局その社長が選んだのは、自分の持ち前である人当たりの良さを最大限に生かして、仕事を取る営業活動だけに専念して、職人の教育は諦めてブローカーのように外注の職人に工事は任せると言う選択でした。私はその割り切りは、イマカネジブンへのシフトだと感じ、それ以後徐々にその会社との関係は疎遠になってしまいました。数年後、その会社は案の定破綻してしまいましたが、決してその社長の性根が悪かった訳では無く、厳しい環境に立ち向かう気力を失って、未来を見れなくなっただけだと思っています。そして、誰しもが同じ罠に陥る可能性があると思うのです。先行きが全く見通せない今の時代こそ、未来を標榜する姿勢だけは絶対に崩さないように気を引き締めたいと思います。


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今こそ考えたい、喜怒哀樂を発せない意味。

令和2年5月9日 曇り

中止、中止、自粛。

自粛ムードで全くゴールデンでも無かったGWを終えて、またすぐやってきた週末。本来なら今日はTEDxKyotoのイベントに参加する予定でしたが、クルーズ船でコロナ感染が広がり始めたとの報道があってすぐくらい、早々に中止が決定され、その後、大峰山への修行に誘われてちょうど良かった!と喜んでいたのにやっぱりそれも中止、個人的に大峰山は大神さん、もしくは高野山の霊場にお参りに行こうかと思いましたが、そこはやっぱり緊急事態宣言が延長されているのを鑑みて自粛しました。おかげで今日も建築実務にズッポリハマり、基礎工事中の新築中学校の構造用の製作金物の図面を書き上げました。発注期限も迫っていたし、結果的にはイベント中止連発も良かったと思います。

円谷幸吉も萎える?

連日のコロナ報道を見ていると、東京都も新規感染者は50人以下になり、ピークの1/3程度と随分と落ち着いてきている様です。とは言え、専門家の皆さんに意見を聞くとまだまだ予断は許さない状況に変わりはない様で、神戸でももう暫く自粛ムードが続きそうです。昭和初期のマラソンランナー、円谷幸吉さんが走っている際、苦しさに耐えかねて足を止めようかと思った時に、次の電柱まで、次の角まで走ろうと小さな目標に集中して走っていたと言う話は有名ですが、そうやって苦しいレースを戦い抜いてやっとゴールにたどり着いたと思ったらそのゴールがさらに先に延びていたとしたら、さすがの円谷さんも走る気力は消え失せると思います。緊急事態宣言発出当初、ゴールデンウィーク明けまでだと我慢を続けていた飲食業界や、フィットネス業界の方々には今回の緊急事態宣言の延長は随分と辛かったかと思います。

非難に対する違和感。

先行きが見えない不安の中、人との接触を制限されてじっと家にこもっていると、どうしても不安が不安を呼びネガティブな感情が増幅されやすくなると思います。そして、テレビをつけるとこれでもかと、危機感を煽るような報道ばかりが垂れ流されており、精神的にどんどん鬱屈してしまう状況へと追いやられてしまうように思います。私がこのところ気になっているのは、社会全体がそのようなネガティブな感情に寄っていき、他人を攻撃しやすい風潮に流されているのではないかと言うことです。営業している飲食店やパチンコ店を非難する声も激しくなっており、自粛警察と言われる、自粛してない人を民間人が勝手に取り締まるような行為が増えてきているといいます。日本の感染症の特措法はあくまで強制ではなく要請なので、自粛していないからといってあからさまな攻撃をするのは私は少し違うと思っており、ネットやメディアに溢れる非難の声に少し違和感を感じてしまいます。

凝り固まった正義感が最も危険。

戦争は常に正義と悪とが戦っているのではなく、お互いに正義を振りかざして殺戮を繰り返すように、人の争い事は自分の考えが正しい、正義は我にありと思えば思うほどひどく厳しい厳しいものになっていきます。今の世の中の風潮はあまりよろしくない、人を攻撃するのではなく、もっと鷹揚に諭すようなスタンスで、自分の思う正義を伝えるようになればいいななんて思います。ふと思い出したのは最近の古典の学びの中でも、神の道と言われる中庸の第1章にあった結の言葉です。中庸と言う言葉をどっちつかずの曖昧な概念だと思われる方が少なからずおられるようですが、孔子の孫が著したとされる中庸には、右にも左にも偏らず、両方の正義を中和させる、第3の道とも言われる、真ん中の選択こそが世の中を平和に導くと説かれていました。その第一章をいかに転載します。

天命之謂性。率性之謂道。脩道之謂敎。
道也者不可須臾離也。可離非道也。
是故君子戒愼乎其所不睹。恐懼乎其所不聞。
莫見乎隱。莫顯乎微。
故君子愼其獨也。
喜怒哀樂之未發謂之中。發而皆中節謂之和。
中也者天下之大本也。和也者天下之達道也。
致中和天地位焉萬物育焉。

今こそ古典に学ぶべし。

ここに書かれてあるように、全ての人が喜怒哀楽をあからさまにせずに、あくまでも穏やかにあらゆる事象に向き合うようになれば確かに争い事はなくなるでしょうし、喜びも悲しみも胸の中で留めておきながら、最善の道を探していく姿勢こそ今の新型コロナウィルスに掻き乱されている世の中にこそ必要なのではないでしょうか。ちなみに、どのようなことが起きても蝋人形のように無表情のまま、事象に対せよと書いているのではなく、愛を持って全ての人やモノ、コトに当たる大前提を元に論語には書かれていますので誤解なきよう。ステイホームで家にいる時間が今までにない位取れている方は、ぜひともこの機会に東洋哲学の古典を学ばれることを強くお勧めします。


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自粛延長、さあどうする?

令和2年5月8日快晴

現場監督の1日。

今日も朝から基礎工事中の現場に。学校建築と言うことで、1階部分に床がなく、土間一発仕上げなので給排水の配管仕込みが非常にシビアな寸法に合わせなくてはならない、後からの修正が効かない難易度の高い施工になっており、墨出しから配管仕込みまでの注意が必要な一連の作業に、立ち会ってほしいと担当の大工の大ちゃんに頼み込まれて、渋々終日現場に。とはいえ、作業をするわけでもなく、現場の状況に合わせての配管経路の変更指示をしたり、事務所に詰めて現場で変更した配管経路の図面を作成するなど、完全に現場監督の1日になりました。こんなことが出来るのも、新型コロナによる緊急事態宣言の発出で、出張や会合がすべてキャンセルなったおかげです。

事象は捉え方次第。

未曾有の経済危機をもたらすと言われる新型コロナ禍も、悪いことばかりではなく、捉え方によっては良い面の影響もなくはないし、事実は1つ、解釈は無限にあると言われるように、物事はすべて捉え方、見る人のパラダイムに拠っているとはよく言われますが、今回ほどそれが顕著に表れた例は無いのではと思っています。確かに、飲食店などは緊急事態宣言が解消されない限り、客足、売り上げが戻る事は無いでしょうし、緊急事態宣言が解除された後も、元通りの売り上げが戻るとは限りません。全く先行きが見えない状態で、大変な思いをされているのも十分知っていますし、マーケットの消費マインドの低下は飲食業階よりも私たち建築業界の方が、夏以降、もっとひどいことになる可能性も多分にあります。

リスクをチャンスに転換する人達。

環境が激しく変わっていくのをただ指をくわえて見るだけで、何のアクションも起こそうとしなければ確かに未来は暗澹たるものになると思いますが、環境に適応するべく、能動的に考えてアイディアを絞り出し、アクションを起こせば今までの規定路線にはなかった違うチャンスも必ずあると思います。実際、非常事態宣言の発出を受けて、オンラインを使っての接客や、SNSで新しい情報発信を試みたり、YouTubeチャンネルを開設したりして新たな価値提供にチャレンジされている方も数多くおられますし、早速驚く様な成果を叩き出されて、ビジネスチャンスを見いだされている方も私の周りには少なくありません。

不安よりもワクワク。

そんな人たちと交流していると、対外的な活動が制限されている今は、逆にチャンスでしかない。と言う位の勢いで意気揚々とされておられるのが普通に感じられる様になります。私も実際、トライ&エラーを繰り返しながらオンラインでの新たなビジネスモデル構築のプランを模索しているところで、あれこれ考えていると先行きの不安を忘れてしまう、とまでは言いませんが、それでも先行きに対する不安よりもワクワク感の方が勝っているというのが現状です。昔から、病は気からと言いますし、気持ちの持ち様、視点の置き所で混迷の時代も冒険の時代に転換できるのではないかなんて思っています。

学習と情報収集。

とは言え、皆が皆、希望lに満ち溢れて対外的な活動を制約されている緊急事態宣言を満喫している訳は無く、TVの情報番組では悲惨な現状を訴える声が繰り返し報道されています。この大きな隔たりの根源は一体どこにあるのか?と考えた時、思い当たるのは情報の質と量で、どの様な情報を得るのか?と同時に、どの様な人と交わり、どんなコミュニティーに属しているかによって大きな格差が生じているのではないか、と思い当たりました。幸いにして、私の周りの人達は前向きに事象を捉える人が多く、その人達の共通点は平素から学習意欲が高く、最先端の情報収集に時間を割いている事が挙げられます。結局、危機に直面した時に負けじとリスクを跳ね返せるのは、普段の時間の使い方に由来するのではないかと思うのです。

やる!という選択。

緊急事態宣言が延期されたいま、自分だけは関係ないと、平時と同じ様に出歩き、人と出会い、活発な活動をする事を推奨するつもりはサラサラありませんが、感染症は所詮風邪と同じ、十分に予防すれば、人から感染される事も、人にうつす事も塞げます。国民全体に自粛要請が出されて、計画していた行動を取りやめる理由に事欠かない今、安易に全てを止めてしまう選択は非常に危険で、ガイドラインを作ったり、条件を明らかにして、状態を整えた上でのアクションに踏み切る勇気も大事な事だと思います。自分の人生の責任は結局自分で負うしかありません。そして人生は選択によって作られる事を思えば、時間の使い方にもっと粘り強く考えを巡らせて時間を過ごすべきだと思います。そんなこんなで、私が主宰している定期的な催しは(大々的な告知は控えていますが、)運営方法に工夫を凝らしながら全て中止にせずに行って参りますので、あれはどうなったのかな?と思われたら気軽にお声がげください。大体、やってます。(笑)


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至誠にストイックに向き合う時。#東播磨倫理法人会

令和2年5月7日快晴

五月晴れ?!

今朝もアイドル犬チャックとの散歩の最中、雲1つない爽やかすぎる青空を見て、「五月晴れやなぁ」とつぶやいてしまいましたが、もともと五月晴れと言うのは旧暦の5月で、梅雨の合間の青空のことを指していた様です。4月からの新入社員と交換日記的に毎朝意見を述べ合うのに使っている「職場の教養」の今日の欄に書いてありました。毎日コツコツと積み重ねる習慣を持てば、それまで気づかなかったことに気づき、知らなかった事を知る機会になり、良いことが色々とあるものです。

東播磨倫理法人会のモーニングセミナー

連休明けの今朝は、東播磨倫理法人会のモーニングセミナーに講話者として招かれており、朝早くから起き出して久しぶりにシャツにネクタイを締めてみたりなんかして張り切りました。本来は、今日から緊急事態宣言が解除され、普段の生活に戻る予定で、その記念すべき1日目に登壇させていただく予定だったのですが、連休中の緊急事態宣言の延長発表を受けて、今朝のモーニングセミナーはズームを使ったオンラインセミナーとなりました。いつもとは少し勝手が違いましたが、このところzoomを使い倒しているおかげでそれなりに馴染めたのではないかと思います。

至誠。

連休明け初日、朝の6時からオンラインでスタートしたモーニングセミナーは38名もの人がご参加されておられました。(いつものことですが)私などでは足元にも及ばない立派な経営者の大先輩もおられ、恐縮しながらではありましたが、50歳もとうに過ぎて、いつまでも若者ぶっていてもしょうがないし、私が経験した事で少しでも参加者の皆さんのヒントになればと思い熱く語らせていただきました。私が今日のテーマに選んだのは、倫理法人会のバイブルである万人幸福のしおりの第9条、破約失福をテーマに、約束を守る誠実さ、至誠に向き合う重要さについて話させてもらいました。

誰でも知っているが、誰にでも出来ない原則。

ビジネスにおいて、人からの信頼を得る事の重要さは今更私が口にするまでもありませんし、誰もが約束を破る事は言語道断だと言われます。誠実さ、真摯さが経営者にとって最も重要な資質だとあのドラッカー博士もその著書で声を大きくして言われています。確かにその通りではありますが、誠実さの根本は自分自身との約束を守り通す事だと古典を紐解けば繰り返し書かれているにもかかわらず、他人との約束は守っても、自分との約束を破ってしまうことが誰しも往々にしてあるのではないでしょうか?私は、倫理法人会も含めて、学びの場で教えられた事を実践出来なければ学びに費やした時間は一切の価値が失われると思っていて、とにかく、毎日コツコツと続ける習慣を途切れさせないことに執着し続けてきました。

習慣の力。

私が取り組んでいる習慣を列挙すると、このブログは11年毎日更新、週に一度のランニングは9年、毎朝の5分間(今は8分間になりましたが、)も9年間、茶の湯と書道のお稽古も9年間、年間180杯を食するラーメン紀行も10年間、昨年まで日本一のパワースポット富士登拝を10年連続、最近では論語などの古典を毎日素読、4月からは職場の教養という小冊子を読んでスタッフと毎日意見交換、毎月の御朔日参り、そして、読書はかれこれ20年は毎日続けていると思います。どれもこれも、一日休んだからといって何も変わらない緊急性の低い事柄ばかりですが、長年続けることで圧倒的な効果が表れるようになりました。私が今持っている影響力も健康も知識も資格も全て習慣に執着し続けた賜物です。

体験したことがない激動の時代。

今日のモーニングセミナーの冒頭では、この度のコロナウイルスの世界的な蔓延を含めて、大きな時代の変化、うねりの真っ只中にある現状を再確認しました。気候変動、グローバリズムの加速、日本が抱える人口減少とそれに伴う需要の激減、社会保障制度の限界、土地神話の崩壊、そしてAI依存の社会の脆弱性など、つい数年前まで誰もリスクと考えていなかった危機がここにきて一気に押し寄せてきており、そんな激動の時代にどのように向き合うべきかを真剣に考えねばならなくなった認識を共有しました。まさにこれからはこれまでの延長線上に無い、VUCA化(不透明、不安定、複雑、曖昧)の時代の幕開けに私たちは立っています。

混迷の時代こそ原理原則。

そんな荒くれる時代の波を乗り越える指針を考えた時、やはり頼りになるのは古代から2000年の時を超えて現代まで受け継がれている古典、原理原則にその答え、もしくはヒントがあるのでは無いかと思っています。そして古代ギリシャの時代からピンチはチャンスを呼び込むきっかけであり、成長の機会であると言われ続けてきました。

”障壁は動きを加速させる。道に立ちふさがるものこそが、新たな道となる”
マルクス・アウレリウス

ストイックに生きる。

しかし、ピンチに対してただ受け入れるだけではチャンスになるわけがありません。哲学は人間が自分の外部にある全てのものを手に入れることを保証しないが、代わりにその適切な主題の中に眠っているものを手に入れるであろう。大工の使う素材は木材や彫刻用青銅であるから、生き方の素材は各人の生である。」とストア派の哲人エピクテトスが言われたように、能動的に人生に向き合いロゴス(普遍的な理性、倫理、道徳)を学び、エーテル(志)を燃やして使命を見出して環境に対してアプローチしてこそ、ピンチはチャンスに転換できるはずで、このストア主義的方法論に内向きの状態管理に身を律して取り組む姿をストイックと言われています。自分との約束を守り続けると、ストイックですね。と言われるようになりますが、孔子から流れ出た至誠との概念は古代の西洋ではストイックな在り方を指していたことになります。混迷を深める今の時代、ストイックに内面の地力をつけることは一つの指針になると思うのです。決して無駄な努力などなく、努力が全て報われるわけは無いが、努力無くして絶対に叶わないのもまた事実。ストイックにいきましょう!


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山田方谷 〜河井継之助が学んだ藩政改革の師〜

05 2年5月6日快晴

ゴールデンウィークの最終日。

5月らしい最高に気持ちの良い天気が続きます。新型コロナの影響による世間様の自粛ムードとは関係なく、私といえば相も変わらず今日も平常営業で、1日事務所でデスクワークやスタッフとのミーティングなどの内向きの仕事に勤しみました。このブログは、昨年から日曜祭日はお休みするようにしているのですが、習慣とは恐ろしいもので、10年以上も毎日続けていると、2日も休むと何となく気持ちが落ち着かなくなるもので、今日はゴールデンウィークの最終日と言うことで、連休中に読んだ書籍のご紹介をしておきたいと思います。

https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000030977954&Action_id=121&Sza_id=C0
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000030977954&Action_id=121&Sza_id=C0

実践者の人生に学ぶ。

昨年から熱心に東洋哲学の古典の学びを続けており、改めて論語、大学、中庸、そしてお客様からの勧めで菜根譚等を熱心に読み続けています。特に論語は毎日少しずつ素読をすることで、表面的な言葉の奥にある真意を徐々に理解できるようになっている様な気がしております。そんな中、建築と言う実業を行い、今も実務者として第一線にいる私としてはやっぱり古典の学びをどのように実務に生かすのかが気になるところで、また、マーケッターとしてその経済効果の実効性を確かめたいと経営に携わった儒学者の人物伝を定期的に読む様にしています。孔子の教えを経営に生かした実践者としてつとに有名なのは上杉鷹山公ですが、この連休中は、その鷹山公の流れを組み、江戸時代の末期に王道を実践することで財政難に仰ぐ松山藩を豊かな国に再建した山田報告の人物伝を改めて読み返してみました。山田方谷が藩政改革の根拠とした「理財論」と「擬対策」は上杉鷹山公の時代よりもさらにロジカルに、経営の本質を深く理解していたが故に圧倒的なスピード感で改革を進めており、混迷を深める現代にも色あせる事ない輝きを放っており、非常に勉強になりました。以下に本の紹介文を転載します。

商品内容

要旨 農民出身ながら、怒濤の時代に、幕政を担う老中の代行役として、備中松山藩(岡山県高梁市)を赤字から黒字経営に転換させ、藩政改革を見事に果たした山田方谷。改革成功の秘訣は何か?民の幸福を願い「人としての誠を貫く」生き方の中に見えてくるものは…。行財政改革に混迷する今の世におくる啓発の一書。
目次 第1部 備中が生んだ希代の神童(藩主の留守を守り抜く
幕府の運営は庄屋仕立て
家臣としての分限を心得る ほか)
第2部 「誠」を貫く改革の炎(治国の大方針確立が先決
鷹山の大義を称える
山だし家老に藩の全権を委任 ほか)
第3部 分限を生き抜いた孤高の名臣(徳川政権は汚れ傷んだ古着
安政の大獄案に具申
時流に逆らっても仕方ない ほか)

e-honより拝借。

概念は実践で裏打ちするもの。

今年に入って論語の素読を行うようになったきっかけは、年明け早々、岡山の閑谷学校で毎年開催されている論語の初読み会に参加したのがきっかけです。奇しくもこの閑谷学校の再建を果たしたのは隣の藩の家老だった山田方谷との事でした。以前から上杉鷹山公に続く儒教の教えで大きな功績を挙げたと大まかには知っておりましたが、実際に閑谷学校に足を運んだのをきっかけに、山田方谷の人生に触れてみたいと思い、人物伝の小説を購入しており、連休中の学びの題材として手にとってみました。吉田松陰がよく引いた言葉として有名な「至誠」を以って率先垂範して改革に取り組んだ様は、人の道と言われる誰もが知っている事を、誠実に尽くせば自ずと結果に結びつくのだと、改めて勇気をもらえたと共に、学びは幾千月も繰り返し続け、血肉と化して、全ての思考の根本になるくらいのレベルまで深める必要があるのだと感じました。私が行なっているちょこちょことした素読程度ではそんな深みに近づける訳はありませんが、続ける事で少しでも上杉鷹山公や山田方谷が行なった王道の経営を理解できる様になりたいと思った次第です。概念、思想そのものの学びはもちろん重要ですが、本当に大事なのはその実践。実践者の人生に触れる事で学びへの理解も深まりますし、学ぶ事自体へのモチベーションも上がります。童門冬二さんの人物、生き方に焦点を当てた歴史小説、強くオススメします!

 


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志の高い経営者の提言。#緊急事態宣言延長

令和2年5月4日快晴

日本人の意識高い国民性。

ゴールデンウィーク真っ只中。とは言う物の、例年とはずいぶん様相が異なるようで、SNSでつながっている人の投稿を見てみても、海や山やバーベキューとアウトドアーに遊びに出て楽しんでいる姿は全くの皆無。例年と随分と様子が違います。とはいえ、私は相変わらずの平常営業で、例年通り。今日は昼から新規のリノベーションのご相談をいただき、担当する予定のスタッフが休みだった為、打ち合わせに行ってきました。その帰りにホームセンターに買い物によると、駐車場が満車になる位の盛況ぶりで、来店者の99%がマスクをしている徹底ぶりでした。日本人は生真面目な性格なんだと改めて感じましたし、これなら緊急事態宣言もそろそろ解除しても良いのではないかなんて感じました。

コロナと共生の時代。

当初、ゴールデンウィーク明けに解除される予定だった緊急事態宣言は、結局5月いっぱいまで延長されるのが正式に決まったようです。風邪もインフルエンザも毎年流行するように、当然ではありますが、新型ウィルスによる感染症は短期間でメドがつかないのがはっきりとしました。中国では厳戒体制から4ヶ月目になり、段階的な解除と言いながらも、実質は外出制限や人混みの回避の意識は消え去ったようで、リベンジ消費と言われる位、消費活動が活発化しているとの報道がありました。日本も安心に暮らせるようになるには4ヶ月程度の期間が必要になるのかもしれませんが、それまで今の状態をダラダラと引きずれば経済はとんでもないことになるのも明白で、コロナの感染防止には留意しながらも、経済活動、消費活動との両立を考える時期に来ているのだと思います。

オンライン飲み会

さて、今日も夜はリフォーム業界の経営者さん達と情報交換を兼ねてのオンライン飲み会でした。近畿圏の名だたる企業のトップリーダー達と足元の情勢と今後の見通しを話し合うのはなかなか有意義な時間で、自社だけのデーターとは違い業界全体の流れを俯瞰する視点を持てた様に思います。弊社四方継はこれまでの悪徳リフォーム問題、耐震偽装事件、リーマンショック、消費増税の冷え込み等々、度重なる外部環境の変化に何度も大変な思いをしてきたことを教訓に、環境の変化に適応しやすい事業スタイルを作り上げる事に留意して、新築、リフォーム、店舗などの商業建築のどれもを手掛けながら、どれにも特化しない、所謂「パルテノン戦略」を実行してきました。また、販促をかけての反響で新規顧客を呼び込むのは消費マインドが冷えた時にどうしようもなくなるのを経験しており、一切の宣伝広告をせずに潜在的、顕在的な需要を取り込む戦略を実践してきました。おかげさまで今回のコロナ騒動でも今のところ大きな影響は出ていません。

未来を標榜する経営者を支援します。

とはいえ、VUCA化と言われる先行き不透明な今の時代、何が起こるかは予測不可能です。リスクに備えるのさえ難しいと言われますが、それでも思考停止に陥る訳にも行きませんし、悲観的に考えてアグレッシブに行動に移すべきだと思っています。今日のオンライン飲み会で、関西リフォーム業界の雄、コニーさんが「足元のリスク回避はせなあかんけど、こんな時やからこそ人材育成、教育に金と時間をかけるべきや」と言っておられたのには非常に感銘を受けましたし、経営者たるべき者、大局を見据えてそれくらいの判断をするべきだと感じました。建築実務者向けの研修事業を行なっている私としてはそんな志の高い経営者さんの想いを汲み取って、こんな時だからこそ受講できる、もしくは受講すべきコンテンツとカリキュラムを早々に整えなければならないと思いました。緊急事態宣言の延長を受けて、zoomsにも随分と慣れてきましたし、オンライン講座の募集をGW明けから本格的にスタートしたいと思います。一般社団法人職人起業塾のオフィシャルページにて近々リリースしますのでチェック頂ければ幸いです。

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マスクの下のアルカイックスマイル。

明和2年5月2日快晴

GW突入。

昨日に引き続き今日の神戸も気温が25度に達し夏日となりました。基礎工事の現場に出ると上着を脱ぎ捨てて半袖Tシャツ一枚、すっかり気分は夏でした。本来なら今日からゴールデンウィークも本格的にスタートですが、世の中は自粛ムード一色で今年のゴールデンウィークは我慢ウィークだと言われているように、海だ!山だ!自転車だ!と浮かれるわけにはいかないようです。私も連休中の間は図面を書いたり、オンライン講座のコンテンツをまとめたり、給付金の申請をしたりと以外に忙しく自宅を中心に粛々と仕事に勤しみたいと思います。

4年前の今日。

今朝、Facebookを開けてみたら過去の今日に投稿された写真が画面に出てきました。ちょうど4年前の今日、熊本地震の復興ボランティアに行き、屋根下地の修繕と屋根瓦の復旧に汗を流していたようで、当時、まだ余震が収まっておらず、命がけと言うのは大げさですが、それでも休憩中に瓦が落ちてきたりして、危ない作業にヒヤヒヤしていたのを思い出します。考えてもみれば、熊本地震だけではなく、東日本大震災の後は福島原発がメルトダウンして、放射能汚染が危ぶまれる中、関東の工事途中の現場に一人戻って作業しましたし、阪神淡路大震災の時はまるで空襲の後のような焼け野原で呆然とした事もありました。そう考えればありえない!ような非日常の体験を結構積み重ねてきています。

タイムラインの意外な効果。

現在、世界を飲み込んだ新型感染症によるパンデミックによって私たちは今まで経験したことのない未曾有の危機に直面しています。しかし、考えてみればある日突然日常が崩れさる経験はこれまでも何回も経験してきたわけで、当時は全く先の見通しが立たない状態に陥りましたが、それらをいつも何とか乗り越えてきました。自分のタイムラインの過去の画像と共にそんな記憶が蘇ってきて、今回の新型コロナ禍にしても希望を失わず未来を見据えて前向きに取り組もうと言う気分になったと考えれば、SNSに残された記憶も悪くないものです。この経験則をよく見直してみる事で、これからの世界に対する向き合い方が見えてくるかも知れませんし、何か根拠のない自信というか勇気をもらえました。

セルフイメージのギャップの件、

話は変わって、少し前にこのブログでオンラインでのミーティングが急に増えて、今まで見ることがなかった自分の顔をまじまじと見る機会が増え、自分の持っていた自分のイメージと実物のビジュアルがずいぶんと違うことに気がつき、愕然としたと書きました。それから日が経ちましたが、そのショックは全く薄れることなく、ずっと自分の顔のビジュアルに違和感を感じたままになっています。自分で言うのもなんですが、胡散臭い顔というか、不機嫌そうというか、取っつきにくいというか、とにかくコミニケーションの観点で考えると私の顔というか表情は、よろしくないのは間違いないのです。

アルカイックスマイル!

何とかならんもんか、と密かに悩んでいたところ、光明を見出す非常に興味深い記事を見つけました。それは4月1日から取り組んでいる新習慣で、毎日1ページずつ読んでスタッフと感想の述べ合いをしている冊子「職場の教養」の4月号の最後のページに書かれてあった記事です。そこには、口角を上げて無理に笑顔を繕うのは顔の筋肉が疲れるので長持ちしないが、アルカイックスマイルと呼ばれる、ほんの少しだけ口元を上げる微笑なら練習で無理せず持続できるようになると言うものです。なんでも、これが出来るようになれば観音像やモナリザ像のようにそこはかとない微笑をたたえる、なんともいえず柔和で好感が持てる顔に変われると言うのです。

密かに練習中。

その記事を読んで、まじか、これなら俺にも出来るかも!と、すっかりその気になった私はこのところZoomを使ったオンラインミーティングを行っている時は常にアルカイックスマイルを意識するようにしています。そんな地道な努力を続けているうちに、自分でも少しは厳めしい顔がマシになったような気がしてきており、オンラインミーティングの画面に自分が映り込む際に感じるストレスが少し軽減してきた気もします。これを普段の生活にも生かすことができれば、全く知らない初対面の人にすぐに「建築関係の方ですか?」と言い当てられるのもなくなるのではないかなんて喜んでいます。(笑)

 

マスクの下の微笑。

ただ、残念なのは現在、コロナウイルス蔓延防止の関係で、人と対面するときは常にマスクを着用するようになっており、アルカイックスマイルは口元だけなので、いくらそこに意識をしていても、全く表面に現れないというか、目つきは今までと何ら変わっていないので、目に見える効果がゼロだということです。ただ、今のうちに地道な努力を続けていれば、コロナが収束に向かい、マスク着用が必要なくなったときには少し柔らかい雰囲気の私に変わっていると思いますし、今は効果が見えなくても腐らず頑張ろうと思います。成果が現れ始めたその時はフィードバックをもらえれば嬉しいです。(笑)

 


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着工と同時に大クレーム発生。#破約失福

令和2年5月1日五月晴れ

感謝と決意と祈り。

今朝の神戸は皐月の御朔日にふさわしい最高に爽やかな良い朝になりました。1年中で1番気持ちの良い季節の到来に気持ちをアゲながらいつもの近所の氏神さん、伊川谷総社にお参りに行き、また1月、何とか無事に過ごせたことへの感謝と、今までかつてない難局を迎えていると言っても過言でない経営環境に対する決意、そして平和な日常の社会に再び戻れるように祈りを捧げておきました。緊急事態宣言の延長が確実視される中、今日からこれも前代未聞の政府による給付金の申請が開始される様です。落胆して諦めてしまう人が1人でも少なくなるように、政府による救済措置が1日でも早く実行されるように願います。

度重なるクレーム。

御朔日参りの後はそのまま車を飛ばし、着工したての基礎工事の現場へと向かいました。実は昨日、掘削工事に行く予定にしていたのを職人の都合で何の連絡もしないまま勝手に見合わせてお施主様の怒りをかう大きなクレームを出してしまいました。電話口だけでは済まないと、その謝罪と今後の明確なスケジュールを提示するために行ったのですが、昨日の今日にもかかわらず、なんと今日も約束の時間から10分ほど遅れて基礎工事の職人たちが到着し、再びと言うか、更にお客様からの信頼を大きく損なうことになってしまいました。まさかの展開に呆然となりながらも、自分の詰めの甘さを大きく公開した次第です。。

伝わっていない。伝えられていない。

現在木造中学校の校舎の工事をご依頼いただいている先は外資系の学校法人であり、校長先生はアメリカ人です。その校長先生から「時間を守らないのは日本人にあるまじき行為だ、」と厳しく詰められ、私には平身低頭謝罪するしかできませんでした。申し訳ないやら悲しいやら情けないやら、なんともやるせない気分になりましたが、上の者から指示をされて現場に来ている職人たちは全く悪びれた調子もないというか、罪の意識さえも感じていないようで、自分が携わる現場でこんなにも当たり前のことが当たり前にできていない現実を目の当たりにして、私の指導の至らなさというか、影響力の弱さというか、思いを伝える力があまりにも低いことに愕然としてしまいました。

ひょっとしたら職人に復帰か?!

今回の度重なる不手際で私たちへの信頼はすっかり崩れ去っており、今後の行動で信頼を回復し、私たちを認めてもらえるようにスムーズに質の高い工事を進めていくしかないと思います。明日、同じ様なことになれば、ひょっとしたら私自身が職人として土方に戻るかもしれません。とにかく、誠意を持って現場に向き合う姿勢を社員だけではなく工事に携わる全業種の職人と共有するしかないと思います。早速、現場管理のクラウドの掲示板に注意喚起の文章をあげて、今後、一切同じ様なトラブルやクレームを引き起こすことがない様にと強い口調で呼びかけておきました。今後、現場に入るメンバーは協力業者会に参加してもらっているメンバーが主体なので、大丈夫だとは思いますが、時間を守る、工期を守ると言うのはこの現場に限ったことではなく、あらゆる業務で細心の注意を払ってもらいたいと思います。そんな基本に改めて気づかせてくれた施主に感謝しなくてはなりません。

単純労働者的扱い。

そんなこんなで、あまりいい一日ではない5月のスタートになってしまいました。クレームへの対応は基本的に私の仕事ですし、責任は全て私にあるのでそれも致し方ないし、平身低頭に謝るしかないし、善後策に対して誠実に対応するだけなのですが、一つだけ、NOとキッパリお断りしたことがあります。それは、遅れてきた職人に対してペナルティーの罰金を科すから支払えと言われたことに対してで、私たちは職人の時間に対して費用を払っているのではなく、成果に対して支払っているので、(人としてどうかと言うのとは別に、)10分遅れた分、支払う額を減らすなんて事はあり得ないからです。お施主様も本気で言われたのかどうかもわかりませんし、昨日の今日の事もあり、必要以上に厳しいことを言われたのかも知れませんが、単純作業を行う労働者と同じ様な扱いにとても悲しい気持ちになりました。

破約失福。

上述の職人が時間で拘束されている人夫的な扱いは、彼らの仕事ぶりを見たわけでも、その成果で判断された訳でもありません。ただ単に、約束した時間を守らなかった、遅れる旨の連絡を怠ったルーズさだけで、大した価値を生み出さない人間だと判断されてしまった様に思います。社会の中で人が誇りを持って生きられるかは、周りからの評価と深い関係があり、周りから尊敬を集める人が自分に誇りを持てるし、周囲の人間から卑下され続けると徐々に人としての尊厳も誇りも失ってしまいます。本当に残念なのは、時間を守らない、予定を変えた連絡を怠る程度のほんの些細な気の緩みや、意識の低さで、職業人としての実力、経験やスキルなどと全く関係なく、人足、人夫といった時間で拘束される単純労働者の様な扱いを受ける様になってしまう事です。(職種によって違いますが、)相対的に建設職人の世界は時間に緩い人が多いと言われますが、それは職人自らが自分たちの誇りを失う行為だと気づくべき、いや、私たちが気付かさせるべきだと改めて深く反省した次第です。破約失福、約束を違えれば自分の幸を失い、人の福を奪う。ですね。私たちが目指す職人の社会的地位の向上は、実はそんな人としてのあり方を示すことからなのかもしれません。


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無料オンライン グループコーチング勉強会をやってみて。#第80回継塾

令和元年4月30日快晴

卯月の終い。

明日から5月。今年も今日で3分の1が終わり、明日から中盤戦に入ります。世界中に文字通りパニックを引き起こすパンデミックの拡散で、私たちは新しい時代の幕開けを慶んだ平成から令和に改元されて初めての信念を迎えた今年の年頭には想像にもしていなかったとんでもない激動の時代に突如として突入させられてしまいましたが、新型ウィルス感染症による世の中の大きな変化はこれからが本番だと感じています。ゴールデンウィーク明けまでの我慢だと言われていた緊急事態宣言もどうやら5月末まで延長されるようですし、次の4ヶ月はもっと大きな変化が待ち受けているかもしれないと大きな不安を感じるとともに、嵐の前ブレを感じた時のようなドキドキ感が止まりません。

オンライングループコーチングやってみた。

そんな、誰しもが先行きの予測を立てられないVUCA化(不安定、不透明、曖昧、複雑)時代を象徴するような新型コロナによる緊急事態宣言真っ只中、ゴールデンウィーク突入前の一昨日は毎月開催している古典的マーケティング論のグループコーチングの勉強会「継塾」を開催しました。時節柄、もちろんオンラインによる遠隔参加を可能にして、SNSで参加者を募ったところ、九州や奈良、京都、大阪など広域から申込者が多くあり、かえっていつもより参加人数が多い賑やかな開催となりました。不慣れなせいでちょっとした放送事故もありましたが、それもご愛嬌、今後の課題を残しつつも、ブレイクアウトルームなるランダムなグループに別れてのセッションも盛り上がりましたし、想像以上にいい開催になったのではないかと思います。

第80回継塾

今回で第80回のメモリアル開催を迎えたこの勉強会では、2000年の時を超え現代に受け継いでこられた原理原則論を基軸にして、厳しい競争社会である資本主義経済の中でいかに幸せな暮らしを実現するかに焦点を合わせて、マーケティングと言われる自社独自の市場を作り上げる基礎となる勉強を繰り返しています。長年私が学び続けている古典的マーケティング論とは信頼をベースにして、人と人とのご縁を紡ぎ、影響力の範囲を広げることで安定的な売り上げ利益を上げられる状態を整える方法論であり、その根幹は自分自身のあり方を直、律するところにあります。塾生の皆さんには、1月に一回、しばし足を止めて自分の生き方や人生、その目的を考える時間を持つことで、自分自身の信頼性を高めるリマインド効果をを生み出す時間としてもらっています。

今、この瞬間こそが人生。

今月のテーマはタイムマネジメントでした。人生とは生まれてからあの世に逝くまでの時間の総和であり、一瞬の時間の積み重ねに他なりません。毎日の時間をどのように使うかの選択の積み重ねが人生を形作るのは誰もが理解するところではありますが、今この一瞬の選択が長い人生に大きな影響を及ぼすと理解して、慎重に考え、賢明な選択を積み重ねる毎日を丁寧に生きているか?と問われて、完璧です!と胸を張って答えられる人がどれくらいいるかかは分かりませんが、私を含め、殆どの人はそこまで深く意識をしないまま、忙しい毎日を過ごしてしまっているのではないかと思います。

ボーーっとしてんじゃねーよ!

昨今の外出自粛、リモートワーク、オンラインによる会議やmtg、StayHomeが推奨されるようになり、今までよりも時間が取れるようになった人は多いと思います。移動が少なくなり、会合などの外出がなくなり、事業も縮小、停滞する中、この機会に時間の使い方を考え直してみるのはとても大事なことだと思いますし、せっかく出来た時間をゲームやTVをボーーっとみる時間に費やしてしまうのは勿体なさすぎます。その選択が人生を作るわけですから、うっかりして無駄な時間を過ごしてしまうと、何の価値も生まない、その場が楽しいだけ、ボーーっとした人生を形作ってしまいかねません。一度きりの人生、有意義で価値の高い、充実したものにしたいものです。

やりたい事(to be)やらねばならない事(mission)やらざるを得ないこと(must)

毎日の一瞬の選択の積み重ねが人生そのもの、その選択を正しい方向に導くために必要なことは自分の人生自体を俯瞰して、その目的を明確にするところからだと思います。何のためにこの世に生まれ、生きているのか?という人生の大命題に向き合う事なく、日々の選択に注意を払う事は難しいというか、目的意識無くして選択も行動もありません。今回の勉強会では、人生においてやりたい事(to be)やらねばならない事(mission)やらざるを得ないこと(must)の3つの行動について考えてもらい、それぞれに対する時間の配分を整理してもらいました。これは願望と使命と責任のバランスを時間軸を元に考えてもらうワークでコーチングの世界では現在の自分の棚卸しといわれるものです。もちろん、人はこの3つ以外の価値観に基づく行動も取っていますが、まずは自分が使っている時間(人生)の意味や価値に目を向ける必要があります。

グッドタイミング!

今回の勉強会に初めて参加されたIさんは、ちょうどタイムマネジメントがうまくいかず悩んでいたところで、タイムリーにfbで無料オンライン勉強会の案内を見て問い合わせを下さいました。世の中の価値観が大きく転換し、今までと逆の考え方を求められる様になった今、人生の限られた時間をどの様に使うかを考え直そうと思われる方も少なくないと思います。私が勉強会の最後にお伝えしたのは、タイムマネジメントの本質は人生(時間の総和)の経営である以上、そんなに簡単に上手くいくわけが無く、思い通りにならないと悩んでちょうどいいくらいではないでしょうか?

悩む必要はない、もしくは悩むべし。(笑)

逆説的に言うと、タイムマネジメントなんて上手くいかないのが当然で、経営という意味で考えれば事業や商売と同じ様に一時的に良くなる事を考えるのでは無く、中長期的視野を持ってじっくりと取り組むべき対象だということもできます。人生は修行の場と言われますが、未来を標榜した人こそが厳しい道を選択する様に、今、上手くいかない、大変なのは未来への種植えだと前向きに捉えて、厳しい道を選択すればするほど、最終的に達成感のあるいい人生をマネジメントすることができるかも知れません。Iさん、ポジティブに、ストイックに時間の使い方に向き合ってみてくださいね、誠実に向き合えばきっといい結果を手にされると思います。

障壁カモーン!

開塾から足掛け7年、コロナ禍の影響でやむなくですが、80回目にして初めての挑戦となったオンライン勉強会を行ってみての感想は、デメリットよりもメリットの方が大きいのではないか?と言うことです。実は私、非常にしつこい、何事にも心を残すタイプで、建築事業でご縁があったお客さんがその後、幸せに暮らされているのかが気になると同じ様に、研修事業で知り合った全国の塾生たちのその後が気になってしょうがありません。今回のオンライン勉強会はPCの向こうに20名弱、会場でのリアルな参加者が10名強と人数が多かったのでグループコーチングとは名ばかりの参加者同士がディスカッションをするワークショップ的な雰囲気になりましたが、小グループでの定期的なグループコーチングやフォローアップ研修を気軽に開催できる目処がつきました。コロナのおかげで今まで長年、そこはかと感じていた問題をスッキリ解決させる道が開けた様に思います。ピンチをチャンスに変えるストア主義的思考で一般社団法人職人起業塾の研修事業刷新の足がかりにしたいと思います。

”障壁は動きを加速させる。道に立ちふさがるものこそが、新たな道となる”
byマルクス・アウレリウス


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Stay homeでキングダムをコンプリートしてみた。

令和2年4月28日快晴

建築実務の日。

ほぼ五月晴れといってもいいような気持ちの良い晴天の下、今日は朝から、もうすぐ始まる木造中学校の新築の着工現場にGL設定や基礎の施工図のの説明に行きました。出張や会合がすべてキャンセルになった関係で、思いのほか時間が取れるようになり、昨夜も久しぶりに基礎の施工図を作図してみるなど、このところ建築実務にガッツリと向き合っています。最近は滅多に自分で現場で体を動かすわけではありませんが、それでもものづくりは楽しいと改めて実感しています。

52歳の大工志望。

考えてもみれば、25歳と遅がけから全く未経験で建築業界に飛び込んで、大工見習いになったときは、もちろん将来は独立して親方になるのを目標にしておりましたが、現場を離れて経営者になりたいと思っていたわけではなく、一生大工と言う生き方を標榜していたのでした。期せずして、というかひょんなご縁が重なりあって、今では設計も施工もすっかりスタッフに任せきりになってしまって経営者面しておりますが、余計なことを何も考えずに安心して現場で職人として働けるならそれに越した事は無いような気がします。スタッフがうらやましいというか、早く家督を譲って一大工に戻ってしまいたいものです。

キングダムseason2コンプリート。

話は変わって、昨夜やっとこさキングダムのアニメ動画のseason2までのエピソードを全て視聴を終えて現在放映中のseason3に追いつくことができました。コロナ自粛の影響もあり、この1週間、ほとんどおとなしくステイホームで、夜ごと深夜遅くまで動画を見続けてました。私にとっての必須条件である4時間睡眠を守れずにひどい寝不足に陥ったりもしましたが、とても良い復習になりました。このたび、アニメ動画を見て改めて感じたのはキングダムのエピソードの中に古代中国の教えや概念が非常に多く埋め込まれていることで、意外と深い読み物やないかと、独り言をつぶやいてしまう位、単行本の漫画を読んでいるときは気づかなかった学びがあったように感じました。

厳しい時代を乗り越える目的意識。

古代中国で春秋戦国時代と呼ばれた500年も続いた戦乱の世を終わらせて中華統一と言うそれまでかつて誰もが成し得なかった偉業?を成し遂げた皇帝である秦の始皇帝こと政、主人公である信、そして数々の伝説に残る大将軍たちの厳しく、凄惨を極める戦を繰り返しながらも強烈な目的意識を持って戦い続ける生き様は価値観が逆転してしまう程の劇的な変化を迎えている今の時代を生きる私たちにとっても大きな示唆を与えてくれます。

天の意思。

戦争、侵略、征服と血なまぐさい戦争に明け暮れるストーリーは一見、暴力礼讃にも取られかねない、この少年受けする様な物語の根底に流れるのは、意外にも「天」の意思であり、神とか、大自然の力とか言われる、古くから洋の東西問わず世界中でサムシンググレートと言われてきた大きな意志の存在です。「50にして天命を知る」との孔子の言葉はあまりにも有名ですが、この概念は中国古代から脈々と引き継がれ、仏教や神道とも融合しながら現代の日本に住まう我々にも大きな影響を与え続けています。そんな価値観が幼稚そうに見えるこの物語の根底に埋められています。

リーダーシップの書。

その他にも中庸の中にもう登場してくる「兆し」を感じて戦を行う将軍がいたり、過ぎたるは及ばざるがごとしと、戦に勝った後の敵地に情けをかけるシーンがあったりと、論語から連なる原理原則の教えの数々がエピソードの中にちりばめてられています。その他にも、主人公信が成長とともに役割が変わり、責任が変わるのに合わせて思考を変え、戦術を変え、戦略を用いるようになる様子は、経営者やビジネスマンが学ぶべきリーダーシップの要諦を指し示してくれているようにも見受けられます。

知らざるを知らずとせよ是知れるなり

このたび、娘からのオススメで漫画キングダムのアニメを延々と見続けて感じたのは、単行本の漫画を大人買いして一気に読んでいた時に比べて、学びや示唆を感じることがとても多くあったと言うことです。それはアニメ化される際に原作にないエピソードを追加している事もあるでしょうが、私が昨年から同じ古代中国を舞台にしている古典の教科書を学んできている事と深い関係があると思います。「知らざるを知らずとせよ是知れるなり」と論語にありますが、幅広く学ぶことに時間を割くと言うのは、知らないことを知るきっかけを得て、知るべきを知ることなのかもしれません。漫画とアニメのキングダムの両方を論語、中庸と合わせてコンプリートされることを強くお勧めします。(^ ^)


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