資金、地域、建築の三位一体論。〜篠山古民家再生ベンチマーク〜

令和元年11月19日晴れ

素直が1番。

火曜日は朝活の日。今朝も夜明け前から起き出して神戸市倫理法人会のモーニングセミナー会場のポートピアホテルへと向かいました。昨夜の営業塾の懇親会でたまたま向かいに座った弁護士の先生と、数日前に1to1ミーティングを行った独立起業間近の若き飲食店店長の2人がゲストとして参加してくれ、早朝から学びの時間を共にしました。どのような印象を持たれたかは聞けませんでしたが、私の急な誘いに応じて朝起きしてこられた素直で積極的な姿勢には敬意を表したいと思います。

 

丹波篠山ベンチマークツアー

モーニングセミナーの後は今年最後の京阪神木造住宅協議会の研修会で、丹波篠山市中心に古民家再生事業を精力的に行われているノオトさんと設計を受け持たれている才本先生にアテンドをいただいて、大人気だと言う有名なニッポニアの宿やレストラン、地ビール醸造所、そして絶賛進行中の古民家再生の工事現場を視察させていただき、セミナー会場ではノオト社の事業スキームの説明や、才本先生による古民家再生に特化した設計施工のノウハウを公開していただきました。

局所暖房は日本の文化。

昨年に引き続き、現在も丹波での古民家再生プロジェクトを手がけている私としては、興味津々どころか、リアルに悩んでいる部分を一つ一つ解きほぐしていただいたようなドンピシャの研修内容に、非常に参考になったと大いに喜びました。特に冬の寒さがこたえる木製建具の隙間風問題に対して、古民家ならではの意匠や雰囲気を大切に守るならばそれは致し方ないと受け入れるべきだ。と言う才本先生の潔い結論に大いに勇気づけられた次第です。比較的断熱施工のしやすい床の断熱工事は必須としても、局所暖房が日本家屋の文化だと割り切って、あまり寒さに対して目くじら立てない計画をしようと思います。

資金、地域、建築の三味一体論

Nipponia のブランドでノオト社がプロデュースした古民家を生かした地域再生プロジェクトは日本全国で現在80カ所以上にも上り、未だ財務的に破綻に追い込まれた例がないと言われるほど順調に業務を拡大してこられています。今回のベンチマークツアーで感じたのは、最も重要なファイナンシャルの部分の強みが非常に明確であるとともに、個別の物件ことで見るのではなく、街全体、地域全体での観点と、事業計画の立案、そしてそれを実行に移す現実的なスキルの何一つが欠けても成り立たないと言うことです。自分自身が古民家再生に携わっているだけに、この三位一体のスキームを作り上げることの難しさは骨身に染みており、うすうす気がついていた自分たちの事業の問題点を喉元に突きつけられたような気がしました。

誰かの犠牲の上に成り立つモデルはダメ

特に、自分自身が建築会社を営んでいるだけに気になって訊きまくっていた古民家再生の建築費用については、工事内容に対して予算がずいぶんと厳しいように感じました。私の感覚ではほぼ職人の手間と材料ににかかる実費では無いのか?と思うくらい。しかし、工事ありきではなく、地域の活性化、歴史的伝統建築物の保存の観点から重要な事業だと考えれば、工事が終わって運用が始まった後、収益が上がり、持続可能なビジネスモデルになることが大前提であり、篠山の成功事例はその微妙なバランスを保っているのだと感じた次第です。ただ、現場で汗を流す職人が犠牲になったりしないことだけは切に願います。

テーマは文化。

そんなこんなで、一般社団法人JPNの地域団体である京阪神木造住宅協議会の今年度の研修事業のプログラムは本日で全て終了。来週には九州、熊本で全国大会が開催され、私も参加することになっておりますが、 今日は1年の締めくくりにふさわしい素晴らしい研修会だったと思います。(多分発案者は私、笑) 時代は令和にかわり、消費税が増税され、人口減少が本格化する来年以降、地域工務店もブランド力を身に付けなければ生き残ってはいけないと言われています。テクノロジーの進化が進み便利すぎる今の時代、我々のような中小零細企業がブランドを見につけるには、スピードや簡便さを追求するのではなく、大手にはない伝統技術を継承するといった文化的側面が必要ではないかと思っています。主催者側の一員として、来年も引き続き文化をテーマに価値ある研修会を企画したいと思っています。メンバー以外の方をぜひお気軽にご参加ください。

 


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リフォーム産業フェア2019

令和元年730晴れ

リフォーム産業フェア2019

先週は東京、丹波と出張が続いておりましたが、今日も始発の電車に飛び乗って再び東京へ。日本最大のリフォーム事業者向けの祭典「リフォーム産業フェア2019」に一般社団法人職人としてブース出展とセミナー登壇のために向かいました。東京での10時スタートのイベントには始発の新幹線に乗り込めば当日入りでも十分間に合うことにすっかり味をしめ、昨日も遅くまでNPO法人ひょうご安心リフォーム推進委員会の理事連中と熱い話と冷たいビールを堪能してしまい、今朝はいささか瞼の重さを感じながらの出発でしたが、なんとか無事にブースを開けることが出来ました。
夜討ち朝駆けがすっかり生活のリズムになってますが、いつまでこの生活が続けられるのかと少し心配もしています。(笑)

職人関連増殖中。

今年のリフォーム産業フェアは例年に比べて少し活況を呈しているように感じました。私の立場で特筆すべきは、職人関係というか、職人不足の解消、職人のコミュニティー、職人内製化等の現場系とも言えるブースが増えていることで、私のセミナーの中で聴講者の皆様に聴いても職人不足の深刻化、顕在化が今まで以上に加速しているようで、その流れが出展ブースの傾向に現れているのかと感じた次第です。自ずと、日本の建築業の職人不足の根治的アプローチを提言する私のセミナーも満員御礼、ブースにも引っ切り無しに来場者が人だかりになった、とまでは言いませんが、それでも興味を持って立ち寄ってくれた方は多かった様に感じました。

徐々に広がる職人の意識改革の輪

今日のイベントで嬉しかったのは、昨年のこのイベントで出会い、話し込んだ若い工務店経営者が今年は社員さんと共に来場され、「是非とも直近のセミナーに皆で参加してみたい!」と言ってくださったこと。しかも遠く沖縄からですから、嬉しさもひとしおです。職人をはじめとする現場実務者が少し意識を変えて、今まで踏み出せなかった一歩を踏み出す事で現場が変わり、事業所が変わり、業界全体の仕組みが根本から変わるという私の理論が、本当に少しずつ、まだまだベイビーステップの域を出ませんが、少しずつ理解者を増やし、浸透していっているのを感じる事が出来ました。この度ご縁をいただいた皆様、今週の博多、来週の東京でのセミナーでお待ちしています!

全国10,000人の職人ネットワーク。

私も現役工務店経営者ですから、出展者としてセミナーに登壇したり、ブースで来場者の質問に答えたり、私たちが行っている研修事業の説明する時間の合間を縫って会場内をウロウロと歩き回り、新しい商材やサービスの情報入手をしたりもします。今年のリフォーム産業フェアでは職人不足への対応、ソリューションを提供されている会社が増えたと上述しましたが、驚いた事にその中に全国に1万人の厳選された職人のネットワークを持っていて、全国どこでもすぐに工事が出来るというサービスの会社が出展されておりました。そのサービスが本物なら目先の職人不足問題は一気に解消されます。画期的な取り組みだと思い詳しい内容を聞きに立ち寄りました。

職員不足を即解決。

詳しく聞いてみると、その会社はあくまで職人を派遣するのではなく、とにかく、トイレ交換程度の2.5万円位の工事から全て請負契約を交わして東京から遠隔操作で施工管理を行い、各地の職人の手配をするとの事で、全国のあらゆる業種の職人に会いに行き施工品質、マナー、身なりなどの厳しい基準をチェックして2%という厳しい採用率を越えた職人のみで工事を行なっているとの事。言葉で書くのは簡単ですが、これを本当にシステムにするのは非常に難しく、凄い会社が現れたものだ!と大いに驚きました。

 

かき集めた職人で顧客満足なし。

職人不足を一発解消!と大きくディスプレイされたそのブースの衝撃的なサービスの実際のところが気になって、利用した会社が無いか周りの人に聞いてみたところ、職人起業塾に参画いただいている関東のリフォーム会社さんの中に既に以前から利用されている方がおられました。その方曰く「画期的なサービスだと思い、何度か工事の依頼をしてみたところ、説明を聞いていたのとは全く違う、品質もマナーも悪い上に工程も守られずクレームになった。」との事でした。私がセミナーでいつも語っている、「かき集めた職人で顧客満足なし」の理屈そのままの結果だったようです。

表面的な解決はリスクを内包する。

もちろん、1人だけの評判、意見を聞いてそのサービスが使えないと判断するのは間違えですし、今後少しずつ問題点が解消されることも考えられます。ただ、建築の仕事はお客様の大切な財産を預かる非常に責任の重い仕事で、失敗は絶対に許されません。新しい便利なサービスを鵜呑みにしてそのまま現場を丸投げするような事をすると結局、建築業界の信頼を失墜させ、結果的に職人の社会的地位を貶めることにつながるような気がしてなりません。根が深く難しい問題ほど、時間をかけて根本的な解決への取り組みを続けなければならないと感じた次第です。そんな簡単には行きませんねー。

二日目に続く。。


ご好評につきオープンセミナー追加しました!

般社団法人職人起業塾からのお知らせ 全国一斉、現場ブランディングと現場実務者育成に必要な6つのコンテンツ。 @職人起業塾オープンセミナー&フォローアップ研修開催します。

【東京開催】 □日程:8月8日(木)14時~18時30分 □場所:株式会社 Ship セミナールーム https://www.facebook.com/events/419618805307424/ 【福岡開催】 □日程:8月2日(金)14時~18時30分(予定) □場所:パナソニック リビング ショールーム 福岡 2階会議室 福岡市中央区薬院3-1-24 https://www.facebook.com/events/2593085887584943/


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インスペクションの光と闇

令和元年6月25日 快晴

三びきの子豚。

火曜日は朝活の日。梅雨目前の快晴の下、今朝も神戸市倫理法人会のモーニングセミナーに朝サウナに入ってから爽やかに向かいました。今日の講話は神戸市倫理法人会の不動の専任幹事 竹達直明氏で、同じ建設業という事もあり非常に楽しみにしておりました。

講話の題目は「三びきの子豚」ご自身と年の離れた二人のお兄様との赤裸々なお話を通して、人生は人に支えられてある、そして人生の扉は自分自身で開けて歩みを進めるものだと、ご自身のリアルな経験から紡ぎ出した人生訓をご披露されました。初めて参加された若い人達の心に響いたのではないでしょうか。もちろん、私も大いに刺激を頂きました。竹達専任幹事、素晴らしいお話をありがとうございました。

NPO法人ひょうご安心リフォーム推進委員会

話は変わって、昨日の夕方からは月に一度のNPOひょうご安心リフォーム推進委員会の定例会&研修会でした。地域の生活者が安心してリフォームを行い、住環境を安心、安全で快適なものに出来るような環境を整えようとの高い志を持ったこの会では毎月、住環境や不動産流通に関して幅広く、そして多岐にわたる本質的な議論が繰り広げられ、課題を抽出し、解決するための具体的な計画を考案しています。今回も熱い議論&マニアックかつ、興味深い勉強会で非常に勉強になりました。

リフォームの2つのパターン

リフォームのニーズは、大きく分類すると2つに分かれます。1つは所有する物件をリニューアルする、もう一つは中古物件を購入して住み替え、もしくは転売を目的に改装する場合で、現在、国交相が熱心に推し進めようとしているのは欧米に比べて圧倒的に少ない中古物件の流通であり、それに伴うリフォーム市場を拡大するのが国策となっています。

インスペクションの説明義務化

その流れの中で重要視されているのは、質の高い中古物件の流通、既存住宅の瑕疵担保で、安心して購入できる仕組みとして売買時にインスペクション(建物検査)を行う事を推奨されています。もともとは義務化となりかけていましたが、現状の取引状況を鑑みてか、業界団体からの要請かは明らかではありませんが、現行の宅建法ではインスペクションをするかしないかの案内を買い主に確認するのが義務となっております。

既存住宅流通活性部会

当NPO法人でも、既存住宅流通活性部会なるものがあり、中古物件を安心してリフォームして住むには、きめ細やかでしっかりとしたインスペクションを行うことが非常に重要だと考えて、会員のメンバー内でインスペクションをする資格を持つインスペクターを育て、団体としてインスペクションの依頼を広く受け付けるようにしています。

ハイスメーカー系中古住宅売買時のインスペクションの普及

今日の定例会でも、そのインスペクションが話題に上り、地域の生活者の方に中古物件に移り住む場合の住みだしてからの安心安全を手に入れるためのインスペクションの重要性と必要性を理解してもらえるような啓蒙活動を行おう。と話し合う中で、話題に上ったのは最近の大手ハウスメーカーの中古物件の売買ではインスペクションが標準的に行われていると言うことでした。

インスペクションの精度の問題

数名の理事から声が上がったのは、その精度に問題がある。という話でした。そもそも、インスペクションとは建物の老朽化や不具合を確認する作業ではありますが、目視による確認が標準とされており、実施する人の知識や経験からなる力量や意識によってその診断結果は意外に大きく違ったりします。先日もインスペクション済みの物件で屋根に上ると広告書には問題無しと書かれて有馬したが、表面が劣化して粉をふいており、数年内に塗り替えか吹き替えが必要な事例がありました。

意外とヤバイ、ライフプランナーによる資金計画

私達も推奨しておりますが、新築の計画時に資金計画を立てるのにライフプランナーに相談してサポートしてもらうのが近年では随分と一般的になりました。すみれでは土地、建物の物件見積もりをする前の段階でゼロベースで安全側に立った資金計画をするようにお手伝いしておりますが、世の中には購入費用ありきでライフプランを立てるいわゆる「紐付き」のライフプランナーもいるようで、決して鵜呑みにしてはいけないと言われるようになりました。

性悪説ではなく立場の違い

安心を届けるはずのライフプランナーがハウスメーカー側の意向に添った結果を出すなんて、ひどい話ですが、最近はインスペクションも同じようなことが起こり始めており、買い手側の安心・安全の為に行うはずのインスペクションが売り手側が販売しやすくなるように事前に行なう場合、どうしても甘めの診断になりがちだと思うのです。これは良い、悪いではなく構造的な問題で、診断というからにはバイアスがかからない立場の第三者が行うべきで、売主側の仲介を行う不動産会社が手配する建物の診断書を鵜呑みにするべきではありません。

売り主側によるインスペクションの弊害

不動産流通の世界では、はっきり言って売ってしまえばそれで終わり、その後がどうなろうと仲介に携わった不動産業者に関係はありません。彼らは、出来るだけスピーディーに売買契約が成立することが目標になります。中古物件が少なからず手直しやメンテナンスが必要ですが、その規模が大きくなる程、土地建物+リフォーム費用が膨らみ、築浅の高額物件程売れにくくなります。買い手側からすればリフォーム費用と一緒に住宅ローンで融資を受ければ大きなメリットがありますが、売主側としては出来るだけリフォーム工事は先送りにしたいというのが本音です。ここに大きな利益の相反が生まれます。

安心できるインスペクション先の選び方

中古物件を購入する場合、出来ることなら10年間くらいは先を見越して、必要なリフォームやメンテナンスは購入時に行っておくべきで、他に比べて圧倒的に金利が低い住宅ローンでその費用も賄っておくのが理想です。その為には、購入を決める前に、売り手側が手配するインスペクターではなく、第三者の立場での診断と適切なアドバイスをしてくれる機関にインスペクションを依頼するべきです。そんな、安心・安全な依頼先として機能出来るように、同 NPO法人ではリフォーム工事を請け負わないのを前提にインスペクターを紹介する制度があります。中古物件の購入をお考えの方は一度と言わせをして見られることを強くお勧めします。こちら→https://anshin-reform.org

https://anshin-reform.org https://anshin-reform.org

「工務店経営カンファレンス2019」に登壇します!

ニッポンの家づくりでトップランナーである11の工務店が、7月24~25日の2日間にわたって、新建ハウジングが主催する「工務店経営カンファレンス2019」(会場:東京都、ベルサール半蔵門)に登壇します!ちなみに私はday2です。

【緊急提言!職人不足根治に今すぐ取り組むべきこと。】

全国一斉、建築現場改革・ブランディングセミナー & 実践フォローアップ研修を6月末〜7月に開催します。

〜工務店が抱えるあらゆる問題を解決するブランド構築の糸口は現場にあり〜

売り上げの低下、職人不足、広告反響、集客の低迷、競争の激化、事業継承、採用難等々、工務店を取り巻く環境は厳しさを増すばかりです。全ての問題の解決の鍵は「ブランディング」にあり、今回のセミナーは華やかなプロモーションではなく、ブランド構築の基礎の部分を担う建築現場でのインナーブランディングに焦点を絞って、激動の令和の時代を地域工務店が勝ち残る方法論と職人不足問題の根治的アプローチの具体的な取り組み事例を公開します。また、オープンセミナー終了後、現場マネジメント改革に取り組む職人起業塾卒塾生向けの更なるブラッシュアップを目的としたフォローアップ研修を同時開催。現場実務者による現場改革の実践の輪が全国に広がっているのを体感頂けます。公式HPはこちら→https://www.shokunin-kigyoujyuku.com

全国一斉、建築現場改革・ブランディングセミナー & 実践フォローアップ研修へのお申し込みはそれぞれの地域のイベントページからどうぞ。割引特典については個別にお問い合わせください。

【東京開催】

□日程:7月5日(水)14時~18時30分

□場所:株式会社 Ship セミナールーム

https://www.facebook.com/events/375661006401900/

【福岡開催】

□日程:7月10日(水)14時~18時30分

□場所:パナソニック リビング ショールーム 福岡 2階会議室 福岡市中央区薬院3-1-24

https://www.facebook.com/events/2549830991717642/

【鹿児島開催】

□日時:7月11日(木)14時~18時30分

場所: NCサンプラザ天文館 鹿児島市東千石町2-30 2階E-3会議室

https://www.facebook.com/events/3276643095694608/

【滋賀開催】

□6月28日(金)13時〜16時

場所:栗東市ウイングプラザ4F研修室D

https://www.facebook.com/events/2063920807246663/

※第5回 四方よしの家作りセミナー 職人起業塾特別編 残席若干数ですお急ぎください。

 

住宅取得で後悔しない為にまず何をするべきですか?にお答えします。@住宅はランニングコスト

平成31年3月27日快晴

春の憂鬱。

春らしい暖かな天気が続きます。待ちに待った本格的な春の到来に気持ちもウキウキのはずですが、今日は1日中なんだか少し黄色いモヤがかかっているように思う位、花粉の飛散がひどかったようで、私の場合鼻がムズムズする事はあまりないのですが、皮膚の炎症があちこちに発症して痒くて仕方がありません。たかが花粉症と侮るなかれ、アレルギー反応とは恐ろしいものだと改めて思い知らされています。

薬依存への躊躇。

そもそも私は、小学生の低学年まで小児喘息とアトピーを患っており、体質改善の治療を受けるために週に何度も病院通いをするひ弱な子供でした。40年以上昔のことで、もうあまり詳しくは覚えておりませんが、毎週1人で病院に行って注射を打ってもらっていた記憶があり、この調子で花粉症がひどくなったらまた体質改善の治療を受けなければならないのか、なんて思ってしまいます。皮膚炎はステロイドを塗ると効果的面に状態が良くなるのですが、繰り返し塗り続けなければならないのは少し怖いような気がして結局病院にも行けてません。代替治療の良いアドバイスがある方はぜひお願いします。(笑)


住宅取得の4パターン。

さて、昨日のブログでは(珍しく)建築屋らしい雰囲気で「新築と中古を買ってリノベーションするのとどちらがお得ですか?」とよく聞かれる質問について書いてみました。複数の方からとても分かりやすいとコメントをいただいたりと思いのほか反響があったので、引き続き今日も建築屋風コンテンツを重ねてみたいと思います。(^ ^)
住宅を取得するパターンは、大きく4つに分かれます。1.注文建築で新築、2.分譲と言われる建て売り住宅の購入、3.中古物件を買ってリノベーション、4.リフォーム済み中古物件の購入。のいずれかに大まか当てはまります。初期費用の高額な順番に並べてみましたが、昨日のブログにも書いた通り、住宅は長年の生活を送るための基盤なので、ランニングコストで考えることが重要であり、初期投資が安いからといって決してお得とは限りません。表面的な金額だけではなく様々な面から検討することが必要です。

住宅ローンの仕組み、知ってます?

私は、住宅購入の相談をいただくと、まずは住宅ローンの仕組みからご説明するようにしています。金利が数%変わるだけで支払い総額が1.5倍や2倍にもなることもざらにあるのを知らずに銀行に勧められるがまま、なんの疑いもなく変動金利や期間固定金利で何千万円もの借り入れをする人が多すぎるのを大いに危惧しているからで、超低金利の今の時代だからこそ、もし金利が2%程度上がると、返済が終わった瞬間に多額の未返済金の請求が銀行から送りつけられて不幸のどん底に落ちる人が物凄い数になると思っているからです。

ヤバいリスク。

少しマニアックですが、昨日に引き続き今日も具体的、かつ簡単な計算でそのヤバイリスクを説明してみたいと思います。銀行のHPを覗いてみると住宅ローンについての細かな約款が分かりにくい文章で書かれています。某地方銀行を例に変動金利に関する説明文を以下に抜粋します。

  • 年2回、毎年4月1日及び10月1日に当行変動金利型住宅ローン基準金利を基準として利率の見直しを行います。4月1日の新利率は7月のご返済分から、10月1日の新利率は翌年1月のご返済分から適用します。
  • 元利均等返済の場合、返済額は10月1日の利率見直しを5回経過するまで一定とし、5回目毎に新返済額を定めます。ただし、返済額が増加する場合は前回返済額の1.25倍を上限とします。
  • 当初の借入期間が満了しても未返済額残高がある場合は、原則として期日に一括してご返済いただきます。
  • 固定金利選択型への切り替えは可能(手数料が必要)ですが、固定金利型への切り替えはできません。

通訳すると、、

この内容をもう少し丁寧に分かりやすく説明すると、「(金利が上昇し始めたら)半年毎に金利は見直すので、金利が上がった分、支払いは増えますが、2年半は今のままの金額を支払ってもらいます。2年半後に支払いが増える際も1.25倍までしか返済金額の増額はしませんが、金利上昇分は元金返済を圧縮してもらいます。元金の返済が少なくなった分、利息は雪だるま式に増えるので返済期日の最終に残高を一括返済していただきます。できない場合は抵当権を行使して住宅を売却します」。となります。

お金に置き換えてみると、

言葉で見るとあまりリアリティーがないのでわかり易い数字に置き換えてみます。
【土地建物4千万円 変動金利当初1% 返済期間30年】
で住宅ローンを組んだ場合、月々の返済額は128,655円となります。1年後、(実際にはあまり考えにくいですが、)2%の金利上昇があったとします。月々の支払い額は168,641となりますが、それが適用されるのはその2年半後です。そして、改訂された支払い額は125%ルールに従って160818円となります。問題なのは、金利変動によって1年半前から168,641円を支払うべきを128,655しか支払っておらず、その差額は元金の支払いから差し引かれていることです。

知らないうちに借金が膨らむ。

ちなみに、一般的には、仕組みを把握されている方は少ないですが、住宅ローンはほとんどすべての人が(半ば自動的に)元利均等払いを選択されています。要はローンのスタートから最後まで支払う金額は一定で、はじめのうちは元金よりも金利が多く、返済が進むにつれてその比率が変わっていくと言うシステムです。上述の金利上昇局面で支払い金額が変更されるまでの2年半の支払いを見てみると、月々の返済は128,655円でその内訳は元本返済95,322  利子33,333円 となっています。しかし、金利上昇分の支払い増となった168,641円との差額39,986円をこの金額で吸収するので、返済は計画通り進みません。実質、金利は常に残債に対してかかりますので、この差額が雪だるま式に増える事になります。複利は複雑な計算で分かりにくいのでここでは割愛してシンプルに考えると、39,986円の差額が2年半(30ヶ月)溜まると1,199,580円となります。住宅を購入して3年半後に知らないうちにこの負債を抱えている事になるのです。

 

複利計算とは雪だるま式のこと。

もう少し詳しく見てみると、1%から3%に金利が上がると、総支払額は46,315,920円から60,710,833円に膨らみ、その差額は1400万円以上増える事になります。返済の元金と利息の内訳は3%の場合、元金68,641  利息100,000と支払い額が増えるにもかかわらず、元金の返済は少なくなり、残債が多くなる分、金利が更にかかる雪だるま式の計算になるのです。上述の金利上昇場面のシュミレーションに当てはめると、返済スタートから3年半経った金利の見直しがされる時点での返済は、金利上昇した未返済分の1,199,580円+金利+残債となり、3800万円以上になります。このあまり返済が進んでいない状態で金利計算をやり直すと、毎月の返済額は173,366円となり、125%ルールでの月々の支払い額は168,641円ですからここでも4,725円未返済が発生します。これを残期間分掛け合わせて単純に計算しても150万円+金利となり、最終的にローン完済時に300万円前後の未返済分の請求が銀行から送られてくるという事になるのです。

住宅取得で後悔しない一丁目一番地。

以上、あまり細かな計算をしても複雑になるので、ざっくりした計算で考え方を説明したのですが、これでもかなりマニアックだと感じて分かりにくかった方もおられると思います。しかし、多額の借り入れをする本人が面倒くさがって金利についての理解を諦めると、とんでもない事になり、幸せに暮らすために手に入れる住宅が不幸の種になってしまう事になりかねません。とにかく、新築、中古住宅にかかわらず、まずはランニングコストで考えられるように住宅ローンの仕組み、金利の恐ろしさは理解しておく必要があります。住宅取得を考えられたら、まず初めに押さえておくべき点だと思っています。ちなみに、125%ルールの適応が無い銀行や、変動金利と変わらない金利の全期間固定のローン商品を扱う銀行もありますなので、根気よく調べられることを強くお勧めします。こんなブログではイマイチよく分からないと言われる方はお気軽に私(高橋)までご連絡頂ければもう少し分かりやすく丁寧に解説させて頂きますよ。(笑)


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◆~古民家から再生プロジェクト~ 祝!第一期改装工事終了お披露目パーティー開催します!

本格的なリノベーションを前にとりあえず泊まれる様に水回りと二部屋の改修を行いました、世界に一つの研ぎ出し風呂や、断熱塗料ガイナの実証実験室など結構見所もあります!
日時:2019年3月30日土曜日 10:30〜17:00
場所:兵庫県丹波市春日町下三井474
詳細:https://www.facebook.com/events/296991217900771/

◆一般社団法人職人起業塾オフィシャルサイトリニューアルしました。

原理原則系マーケティングに取り組んで見たいとお考えの方は一度のぞいて見てください。 実践型現場マネジメント理論、動画なども公開しています。 その他、研修のお申し込み、問い合わせ、補助金の活用などの情報も集約しています。 https://www.shokunin-kigyoujyuku.com

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新築と中古×リノベどっちがお得ですか?にお答えします。@住宅はランニングコスト

平成31年3月26日快晴

春の丹波。

今日は朝から春らしい日差しが戻ってきました。日中も「これぞ春!」といった風情の暖かさで、丹波での古民家再生工事の仕上げ工事に職人として向かう道すがらも、ポカポカ陽気の下、ドライブを楽しむ勢いで気分を上げて車を走らせました。寒いのが苦手な私とすると春の訪れは心待ちにしていた嬉しいことではありますが、気になるのは花粉によるアレルギーのさらなる発症で、黄色くかすんだ遥か彼方の空を見ながら、これ以上症状がひどくならないこと祈りつつ、せっかくの気持ちの良い天気にもかかわらず窓を閉め切って車を走らせました。

真面目すぎるNPO活動。

話は変わって、昨日はNPO法人ひょうご安心リフォーム推進委員会の定例会と研修会があり、ここでも理事の末席に名を連ねさせてもらっている私も参加させて頂ました。このNPO法人の活動は、兵庫県に住まう人が安心してリフォームできる環境を整えることを目的としており、意識の高い真面目な事業者が集まって活発な活動を行っています。その内容は、未だに暗躍する悪徳リフォーム会社に対する注意喚起のセミナーの開催や、自治体とタイアップして、地域の方がリフォームを行うにあたって古くなった建物をただ単にきれいにするだけでなく、性能改善提案の啓蒙活動を通して建物の人が暮らす上で非常に大事な住環境を整え、地域の方の健康に寄与する本質的なリフォームの普及に取り組んでいます。

既存住宅流通部会。

昨日の研修会では、国の方針でもある中古住宅の流通活性化の流れもあり、最近特に増えてきている中古住宅をリノベーションして新築に比べて費用を抑えながら思い通りの住まいを手に入れたいと言うユーザーが、安心して物件を取得できるようにと広まっているインスペクション(住宅診断)について、中古住宅の買取再販で実績を上げておられる不動産寄りの工務店経営者、Hさんを講師としてお招きし、不動産業界の立場からの意見を聞かせてもらいながらメンバー全員を交えての活発かつ本音トークが飛び交うディスカッションを行いました。

インスペクションの現実。

講師役のH社長のお話を要約すると、昨年の不動産業法改正で中古物件の購入者にインスペクションを行うか行わないかを確認することが義務化されたのを受けて、実際の取引現場ではどのようになっているかと言うと、重要事項説明書にチェックボックスが並んでいるだけで、詳しく説明されていないのが現状で、積極的にインスペクションを進める不動産会社はほとんどいない。売主にインスペクションをすることによるメリットを感じてもらえない以上、普及することはないのでは、と言う厳しい見解でした。非常に残念ですが、木造一戸建てのまだギリギリ資産価値が認められる築20年前後の建物でインスペクションを行なって資産価値以上のいい結果が認められる建物は殆どなく、建物の価値を明らかにする為ではなく、買い手側の不安要素の確認の為に行うのみになっているのが現状のようです。

建物診断の本質は劣化予防。

ちなみに、すみれでは中古住宅の売買のシーンだけではなく、お客様の持ち家の定期健康診断的な位置付けでのインスペクションを積極的に行っています。それは将来的にメンテナンスにかかる費用と時期を明らかにすることによって建物の劣化を予防する意識を持ってもらうための取り組みで、OB顧客には「おかげで安心して住める。」とご好評を頂いています。また、最近特に増えている中古住宅の購入を検討されている方からのインスペクションの依頼は、「新築住宅を取得するか、中古住宅を購入してリノベーションで費用を抑えて快適な住宅を取得出来るか迷っている」と言われる方がとても多くなっています。

新築住宅or中古×リノベ

「新築とリノベ、どちらがおトク?」の判断は物件次第で大きく変わるので一概にどちらがいいとは言えませんし、新築よりも難しいリノベーション費用の算出や、様々な住宅税制の優遇措置等もあり、その選択は簡単ではありません。その比較検討の難しさからか、綿密に条件を調べて検討することなく、場所や外観を見て直感的に判断されて中古住宅を購入される方も多くおられる様で、私にすれば「そんなに簡単に決めて大丈夫かしら、」と心配してしまうことも少なからずあります。この辺りが住宅取得者の7割が購入後に後悔をされると言われる原因だと思いますが、これから住宅購入を検討されている方のために、いつも私が相談を受けた際にアドバイスしている点を以下に記しておきたいと思います。

中古住宅の選び方の基本。

まず、中古住宅の選定ですが、基本的には昭和56年以降に新耐震基準で建てられて、かつ、新築当時の図面と建築確認完了済証が残っているものをお勧めしています。この条件を満たさない物件は、インスペクションを施しても見れない部分に不安要素が多く、購入後内装をばらしてみるとびっくり仰天と言うことが少なからずあります。また、銀行融資を受ける際の担保価値の基準に耐震等級1をクリアしているか、の項目があり、(住宅ローンを利用されなくても耐震性のは重要ですが、)金利の優遇も変わったりしますので住宅ローンを利用する場合は耐震補強をしなくてもその基準を満たしているものを選ぶべきです。

住宅はランニングコストで考える。

最低限の基本性能である耐震がクリアされていれば、物件の良し悪しは立地やデザイン、老朽間の程度等物件によって様々ですが、共通して言えることは断熱性能、省エネ性能が高いものは殆どないということです。これは現在の新築では主流になった高断熱、高気密住宅に比べて冷暖房の光熱費が嵩む事になるので、それも含めて費用の部分だけはしっかりと確認されることを強くお勧めしています。現在、住宅の取得は住宅ローンを利用することがほとんどになっています。中古住宅の購入でも住宅ローンの利用もできますし、リノベーション費用も一緒に融資を受けて住宅ローンに組み込むことも最近は多くなりました。ここで特に留意していただきたいのは、住宅はイニシャルコストで考えるべきではなく、毎月の支払いを積み重ねるランニングコストで考えるべきだと言うことです。

住宅費用の総額を試算する

わかりやすくシュミレーションを行って比較してみます。
例えば、築20年の一戸建て住宅が2千万円で販売されていたとします。土地が40坪で坪単価が40万円、土地価格が1600万円、建物評価は400万円と設定します。その中古物件を内外装や水回りを全て改装するリノベーション費用と合わせると3000万円程度になります。
同じ地域で新築を建てる、もしくはその物件を解体して建て替える場合、30坪の建物をZEH仕様(一次エネルギー換算でゼロになる)で2400万円(坪80万円)で建てた場合、土地と建物総額は4000万円(解体して建て替えたら4200万円程度)となります。
この場合、住宅取得にかかる初期費用としては中古×リノベの方が1000万円ほど抑えられるように思いますが、月々の支払いで考えると、ZEH使用の住宅との光熱費は月平均2万円の差額があると考えれば、30年の期間で見ると、その差額は720万円となり支払う総額は大して変わらなくなる可能性があります。

新築の方が安いんかい!

更に、住宅を取得される方が意外と気にされないのが住宅ローンの金利です。史上最低の金利となっている今は、絶対に固定金利を選択すべきタイミングとなっておりますが、新築の方が金利優遇が大きく、中古×リノベーションの場合は金利が高く設定されることが少なくありません。ちなみに、私たちが新築でオススメする兵庫県産木材特別ローンは0.8%の固定金利です。リノベーション 物件で金利優遇が適用されない場合、固定金利にすると2%を超える可能性もあり、この金利差を上述の案件の支払い総額で計算してみると、、

・中古×リノベ  購入費3000万円 光熱費720万円 金利(2%)1173万円 支払い総額4893万円
・ZEH仕様新築 購入費4000万円  光熱費0円    金利(0.8%)587万円 支払い総額4587万円

なんと、新築の方がトータルコストでは安くなります。更に、住宅ローン減税の拡充やエコポイント、地域型グリーン化事業の補助金の活用等々、新築にはまだおまけが沢山ついてきて、実際はもっと支払い総額が減る事になります。以上で住宅はランニングコストで考えるべき、という私の持論をご理解頂けたと思います。新築か、中古×リノベにすべきか、と迷われている方、いつでも個別のご相談を承りますので、お気軽に私(高橋)までお声がけください!(笑)

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◆~古民家から再生プロジェクト~ 祝!第一期改装工事終了お披露目パーティー開催します!

本格的なリノベーションを前にとりあえず泊まれる様に水回りと二部屋の改修を行いました、世界に一つの研ぎ出し風呂や、断熱塗料ガイナの実証実験室など結構見所もあります!
日時:2019年3月30日土曜日 10:30〜17:00
場所:兵庫県丹波市春日町下三井474
詳細:https://www.facebook.com/events/296991217900771/

◆一般社団法人職人起業塾オフィシャルサイトリニューアルしました。

原理原則系マーケティングに取り組んで見たいとお考えの方は一度のぞいて見てください。 実践型現場マネジメント理論、動画なども公開しています。 その他、研修のお申し込み、問い合わせ、補助金の活用などの情報も集約しています。 https://www.shokunin-kigyoujyuku.com

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リノベーションは工務店のゲームチャンジの糸口になるか?

平成30年9月6日曇り

次は北海道か!

朝、目を覚ますと台風ではなく今度は北海道で起こった地震のニュースでテレビの情報番組は持ちきり。なんと最大震度7を記録し、北海道全土で停電していると言う衝撃のニュースに朝から慄き、またもや無力感に苛まされる1日となりました。昨日に引き続きになりますが、震災で尊い命を失われた方へご冥福をお祈りすると共に、被害に遭われた方へ心からお見舞いを申し上げます。それにしても日本列島一体どうなっていくのでしょうか。

現場実務の一日。

そんなニュースに釘付けになりながらも、今日は朝から現場へ。10数年前に3階建ての鉄筋コンクリートの建物をフルリノベーションして音楽ホールと太鼓道場を作らせてもらった神戸輪太鼓センターの改修工事の現場監督として1日現場管理に詰めました。建築実務からすっかり離れていることもあり、段取りが悪く業者の方にご迷惑をかけてしまうこともありましたが、何とかつつがなく工場を終えて、一応、役目は全う。10年来のお付き合いをいただいているお客様ともコミニケーションが取れて仕事をした気分になる1日になりました。

ラッキーなおひとりさまセミナー。

そんな現場監督としての管理業務を1日やりながらも、大工、職人として工事の実務があるわけではなかったので、昼間の何もやることがない空いた時間を有効活用するのがすみれ流と言うことで、以前から興味があった「イノベーション×不動産」のビジネスモデルを全国でボランタリーチェーンとして展開されているリノベ不動産のセミナーに参加しようと申し込みをしていたところ、台風21号の影響でセミナーは中止となり、そのかわりにとわざわざお電話いただいて神戸で私一人だけの為に単独の事業説明をしてもらえる運びとなり、現場を抜け出して新神戸のホテルのロビーへと話を聴きに行ってきました。

新築住宅=ナンセンスな時代。

リノベーションとはリフォームの規模が大きくなり、いわゆる全面改修と言う意味でこれまで捉えられておりましたが、もう少し補足をすると古くなったものを新しくするリフォームに比べてリノベーションは性能やデザインなどの付加価値をプラスする、建物の躯体は生かして内装、設備を大規模に改修するというのが最近の一般的な認識です。昨年大きな話題となった「未来の年表〜人口減少社会の日本でこれから起こること〜」という書籍には2033年には日本の住宅の3戸に1戸は空き家になると書かれており、新築を建てる意味が無くなるとまでは言いませんが、そこら中に人が住まない空き家だらけになっているのに敢えて新築で家を建てるのはナンセンスに思う人が多くなるのは想像に難くありません。

リフォーム≠リノベーション

全国に200店舗以上のネットワークに急成長したリノベ不動産さんの昨今の大躍進は、不動産会社が単なる規模が大きいリフォームを行うと言うだけではなく、余裕のある資金計画の中で購入できる古い建物を自分好みの素敵な空間に生まれ変わらせて快適に暮らせる手法として、不動産事業と建築事業を掛け合わせることでリフォームの延長線ではなく全く新しいジャンルといっても過言ではない新たなカテゴリーを作られていると思っていて、今日はその核心の部分についてじっくりとお話を伺うことができました。人気の秘密に非常に納得できましたし、勉強になりました。佐藤さん、丁寧なご説明をいただきありがとうございました。以上に勉強になりました。

これからはこれまでの延長線上にない。

すみれでは創業当初から店舗の改装工事(店舗リノベーション)も数多く手がけており、現在も企業型保育園のリノベーションを絶賛施工中です。また以前から店舗だけではなくマンションや1戸建て、古民家再生等、住宅のリノベーション事業を行っていてはおりますが、近年人気を博しているいわゆるイノベーションとは少し趣が違っており、リフォームの延長線上での大規模改修という位置付けの方が近かったように思います。今日のリノベ不動産のビジネスモデルを聴かせてもらって、元々の集客の対象、チャンネルの違いで顧客の属性からデザインや設計提案、資金計画まで全くリフォームとは別の事業だと改めて認識し直した次第です。「これからはこれまでの延長線上にない。」時代の急激な変化を捉え直し、今更ではありますが、再度仕切り直してリノベーション事業というジャンルに取り組む必要性を強く感じることとなりました。

既に始まっているすみれのリノベーション事業への取り組み

リノベーション事業に改めて取り組み直そうと考えた理由はいくつかありまして、実は既にすみれリノベーション・プロジェクトのスタートとして進めている丹波での「古民家から再生プロジェクト」の構想段階からこれまでの建築請負業の工務店から業態を大きく変える必要性を感じておりまして、それは昨年しまなみ海道の大三島、オオミシマスペースでのDIYでの古民家再生のお手伝いをした時からずっと頭の片隅にこびり付いておりました。ちなみに、その時の様子を描いてくださったオオミシマスペースのオーナーさんのブログはこちら→共創するDIYワークショップ
丹波でのプロジェクトはまだキックオフを行ったばかりでこの週末に2回目のMTG&BBQを行うことになっており、もちろんまだ何の検証も出来ておりませんが、工務店の在り方を変える糸口を見つけられそうな確かな手応えを感じています。イベントの詳細はこちらです→https://www.facebook.com/groups/1805927892860864/


※オオミシマスペースさんのブログより無断拝借、すみません、、

これまでと全く違う価値観の住宅とは?

今回、積極的にリノベ不動産さんにお願いしてレクチャーしてもらったのは上記の現在進み始めたすみれのリノベーション事業の仕切り直しとは別に、UXデザインを学びに通っているXデザイン学校での研究の中で、これから建築マーケットの主役になるべき若者にインタビューをしたら、「一戸建てだろうがマンションだろうが「家」を持ちたいという願望なんか微塵もない。」という衝撃の意見を複数の人から聞いたからで、本気でこれからはこれまでの延長戦上になく、私たちと全く価値観が違う人たちを対象にビジネスを組み立てていかねばならないと実感したからです。Xデザイン学校で研究生として学んでいる中で、これまでと違う価値観を住宅にも反映させなければならないと考えた時、リノベーションが最も親和性が高いと感じますし今後その若者向けのサービス・デザインを考案して行く中で、全国で人気を博しているリノベーション専門の事業者さんにご意見を頂きたいと思い、本日厚かましくもお話を聴かせて頂いた次第です。ここを起点にすみれ建築工房のゲームチェンジの足がかりにしようと思います!そんなこんなで、鎌田社長、佐藤さん、引き続き、何かとお世話になるつもりですので、宜しくお願いします!(笑)

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