緊急事態宣言解除とローカリゼーションの勃興。

令和2年5月23日 快晴

マスク焼け。

今日の神戸の気温は28度、現場で昨日、ベースコンクリートの打設を終えたばかりのスラブの上で墨出しの作業に勤しんでいると、頭上から燦々と照りつける太陽と、コンクリートからの反射で体感温度は完全に真夏日のそれで、英語で”Farmer’s tan”と言われる日本で言うところの土方焼けに磨きがかかりました。顔と腕はもう真っ黒です。今日も新人のカズキを現場に帯同し、墨出しの相番をさせていました。昼食にラーメン屋に入ってふと見ると、くっきりとマスクの型が顔に焼き付いており、マスクを外してもまるでマスクをしているかの様でした。(笑)
緊急事態宣言の発出から、スタッフには自分がもしコロナに感染していたとしても、誰にもうつしていないと胸を張れるくらいに気をつける様に言っており、真面目な彼は四六時中、私の言いつけを守ってマスクを着用していた様で、昼からは緊急事態宣言も解除されたのでマスクを外して作業してもいいよ、と言ってあげました。

緊急事態宣言解除。

東京はもう少し先に延長された様ですが、関西では実質、今日から緊急事態宣言が解除されました。漸く普段通りの暮らしに戻れるかと思いきや、新型コロナウイルスへの感染リスクが無くなった訳でも、インバウンド景気が戻るわけでもなく、感染者が出れば事業所を2週間閉鎖しなければならない状況は依然としてあるままで、気を抜けないのが実際です。もう完全に元の世界には戻れない、感染症のリスクと共生する時代になったのだと感じています。当分の間は、不特定多数の人が多く集まるイベントや会合、繁華街の夜の飲みなどは大手を振っていけない状況が続くというか、なんとなくぼんやりした、自粛意識が薄い人は非国民的な風潮が世の中を支配するような気がしています。意識薄い系の私も、浮かれて、羽目を外すことのないように気をつけたいと思います。

起こるべくして起こったパンデミック。

ウィズコロナと言われるように、感染症と共に生きていかねばならないこれからの社会について、先日開催した月に1度の勉強会「第81回継塾」でも少し話題に取り上げました。そこで私が参加者の皆さんに伝えたかったのは、感染症との戦いは今に始まったことではなく、生物の歴史がスタートした時から続いており、人間は太古の昔から現代までウイルスと延々と戦い、打ち勝ち、そして共生してきていると言う事実です。そして、当たり前ですが、感染症は世界同時に発生するものではなく、広域の交流を通して拡散し、免疫力の低い国や地域に移動した時に爆発的な危機を発生させてきたのは誰もが理解しているところ。要するに、グローバリゼーションの隆盛によって世界が一体化した今こそ、人類史上で最も、パンデミックが起こりやすい状況になっていたから、起こるべくして起こったと言うことです。ちなみに、Wikipediaなどから紐解いて抜粋すると、その本質が少し見える様な気がしました。

感染症( infectious disease)

•感染症とは、寄生虫・細菌・真菌・ウイルス・異常プリオン等の病原体の感染により、「宿主」に生じる望まれざる反応(病気)の総称。
•感染症の歴史は生物の発生と共にあり、有史以前から近代までヒトの病気の大部分を占めてきた。医学の歴史は感染症の歴史に始まったと言っても過言ではない。
•2013年においても世界では感染症により920万人が死亡しており、全死亡の約17%を占める
•感染症は、民族や文化の接触と交流、ヨーロッパ世界の拡大、世界の一体化などによって規模が拡大していった。

黒死病(ペスト)

•中国の雲南省地方に侵攻したモンゴル軍がペスト菌を媒介するノミと感染したネズミを中世ヨーロッパにもたらしたことによって大流行したものである
•この病気が14世紀のヨーロッパ全体に拡大したのは、モンゴル帝国によってユーラシア大陸の東西を結ぶ交易が盛んになったことが背景になっている。
•ペスト流行による東地中海沿岸地域の人口の急減のために「東ローマ帝国による統一ローマの再建」というユスティニアヌスの理想は挫折を余儀なくされた。
•アルプス山脈以北の西ヨーロッパ世界はいまだ交通網が未発達で、自給自足経済の要素が強く、ペストの流行が相対的に軽くすんだために、それ以降の発展が可能になったともいわれている。

天然痘

•世界中で不治、悪魔の病気と恐れられてきた代表的な感染症である。
•165年のパルティア遠征中のローマ軍のなかで発生し、こののちローマ帝国内で流行したといわれる伝染病、これによりローマは深刻な兵力不足に陥って、国力衰亡の原因のひとつとなった。
•16世紀にスペインがアメリカ大陸を侵略した際、このウイルスを持ち込み、奴隷労働とあいまって先住民人口が激減する不幸な事態となった。
エルナン・コルテスが1521年に600人弱の部下で数百万の民を擁するアステカ王国を軍事的に征服したのみならず、文化的、精神的にも征服しえたのは、コルテス一行が持ち込んだ天然痘ウイルスによってアステカ王国の首都で天然痘が猛威をふるったことに起因するとされている
•1533年のフランシスコ・ピサロによるインカ帝国の征服も、それに先だって中央アフリカから帝国内にもたらされた天然痘による死者が膨大なものであり、人口の60パーセントから94パーセントを失ったことによるとされる。
•日本でも天平年間に遣唐使や遣新羅使を通じて侵入したと考えられる天然痘が西日本を中心に蔓延(天平の疫病大流行)し、737年平城京では政権を担当していた藤原四兄弟が相次いで死去した。聖武天皇が東大寺大仏を建立した背景にも飢饉や政治的混乱とならんで悪疫の流行があった。

予測可能な人類絶滅へのシナリオとその予防

パンデミックにより世界にもたらされる人類を絶滅に追い込む様な深刻な危機はこれまで幾度と無く、小説や映画の題材として取り上げられてきました。いわば予測可能なリスクです。しかし、地球の気候変動と同じ様に、人類はあまり本気になって予防、対策に取り組んで来なかったのが現実で、この度、世界中を席巻したコロナショックは、グローバル経済、国と地域の境をなくした社会はヤバイことを(以前から知ってはいたが、)改めて気づかされた訳で、いつ、新たな強力なウイルスが発生するか分からない以上、ヒトモノカネが制限なく、世界中を自由に移動する世界を見直さなければならない、これまで急速に進んできたグローバル化を今一度見直す時期がきたと認識すべきだと思います。

グローバルからローカルへ。

私は、自身が地域に根ざしたローカルビジネスの事業者であり、長年、地産地消、共生の精神に則った地域経済活性化主義者で、人が幸せに暮らせる社会とは自立循環型の経済圏が各地域に成り立つ状態をまず作り、その中で特色や特徴、価値あるものを他所に出し、足らないものを他所から譲り受けて全体最適化を図るべきだと思っています。過激な言い方をすれば鎖国論者となりますが、日本の江戸時代の鎖国も全く外国との交流や交易の全てを絶っていたわけではなく、取捨選択をしながら、諸外国と付き合っていたわけで、フルオープンにすることよりも、両者にとっての良し悪しをチューニングするべきだと思っています。なんだか面倒な言い回しですが、単純明快なグローバリゼーションを突き詰めると、弱肉強食の動物の世界への回帰だと思っていて、人の幸せとは自分だけが良ければいいのではないのであれば、強いものが支配する世界ではなく、助け合い、支え合うコミュニティーの複合体、集積した社会の方がいいと思うのです。コロナの教訓を生かしたアフターコロナの世界で、ローカリゼーションが勃興することを密かに期待しています。

 

事件は現場で起こっているんだ!と決別しよう。

令和2年5月22日 快晴

現場と研修と会合と面談。

神戸は5月らしい気持ちの良い天気が続きます。今日は、東京での職人起業塾の講座を(講師を小田全宏先生にお願いしており、出来るだけ参加したかった)オンライン開催をしており、副会長を務めている兵庫県木の匠の会の総会、その後は新規のお客さんとの面談もありと予定がてんこ盛りの忙しい1日でした。しかし、すっかり現場担当者になってしまっている、新築の基礎現場では50立米越えの土間コンクリート打設と壱発仕上げの土間押さえの工程となっており、現場からも目が離せない、しかし、以前からの約束もある、どうしたものかと悩みながら現場へと向かいました。

事件は現場で起こっている!

ひと昔前のテレビドラマで、(確か)織田裕二さんのセリフで「事件は現場で起こっているんだ!」と言うフレーズが流行しましたが、ものづくりの現場では毎日いろんなことが起こり、それらは大体緊急を要することばかりです。今日は事件が起こったとまでは言いませんが、構造と仕上げが一体になったコンクリートの金鏝押はワンチャンスで、失敗をすると取り返しがつかないことになるだけに細心の注意を払って、コンクリートの打設と仕上げを行わなければならず、現場から離れる事ができずに結局、1日中つきっきりになってしまいました。

現場はいつも緊急で重要なことの連続。

ただ、今日の場合は現場から離れられなくなるのも想定の範囲内、現場の差配をする代わりの者を段取りできない時点でこんなことになるだろうと思っておりました。参加すると連絡していた上に、閉会の挨拶の役割まで仰せつかっていた総会をドタキャンすることになったのは心苦しい限りで、申し訳ない事をしました。その他の予定は何とか現場の進捗を見ながらzoomを使ってオンラインで行うことができて、文明の利器のありがたさを身に染みて感じるコトになりました。それにしても、現場に出ていると緊急で重要なことばかりが次々に出てくるものだと、久しぶりに現場にズッポリはまって改めて感じているというか、思い出しました。

未来は第二領域にあり!

緊急性と重要性の二軸で時間の使い方を考えた時、第2領域と言われる緊急性の低い、重要な事柄に意識して時間を使う様にする事で、知識を身につけたり、技術の研鑽が行えたり、コミュニケーションが取れるなど、状態を整え、パフォーマンスを担うパフォーマンスキャパビリティーと言われる目標達成能力を向上させられる。というのが私が長年信じて、守ってきた信条で、この20年近く、常に意識してきました。近年になって、自分の時間の使い方を振り返ってみると、随分と第二領域に時間の配分をできる様になったと思っていたのですが、それは、現場をスタッフに任せて自分が現場から遠ざかっていただけだとこの度、痛烈に気づかされました。

職人は常に現場第一主義。

第2領域の時間を使う代表選手、最もわかりやすいのは研修等の学びの時間です。毎月、工務スタッフとの勉強会を行う様にしておりますが、全員がキッチリと時間通りに集まる事がなかなかないのが実際で、私はいつも、遅れて参加するスタッフにスケジュール管理が出来ていない、現場の段取りが下手くそだと、厳しく叱り飛ばしています。そんなスタッフ達が必ず口にするのは現場の都合で、お客様に喜んでもらう為に工事を進めようとすると、事前にmtgや勉強会があるのが分かっていても、その時間通りに現場を離れることが出来ないと言う事。「そんな事を言っていたら、一生何の勉強もできん様になるやないか!」というのが私の立場ですが、この度、すっかり現場担当者になって、現場で事件が起こっている的な考え方に戻っている自分に気がつきました。

状態管理は修身から。

ものづくり企業の私たちにとって、現場第一主義はもちろんです。しかし、だからと言って、毎日事件が起こり、事前に決めた予定をドタキャンすることを繰り返すと、人からの信頼を失いますし、自分の成長も望めなくなります。今日、総会をドタキャンをしてしまった私が口にするのは若干憚れますが、「現場は大変なんですよ」→「じゃあしょうがないなー」という短絡的な思考は非常に危険で、そのまま受け入れるのは人が持つ可能性や効果性を否定することになると思います。苦しみながらもどちらも切り捨てない選択、もっと入念に準備と予防をすることできっと両立ができると信じて、精進したいと思った次第です。事件は現場で起こるけど、それを未然に防ぐ力こそ第二領域にあると思うのです。状態管理は自身の身を修めるところから。大いに自戒を込めて。。


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伝えたい事を伝えるキッカケは朝の習慣から。#Start with why

令和2年5月21日晴れ

新入社員と初めての現場。

神戸はいい天気が続きます。基礎工事中の新築中学校の基礎工事の担当者にすっかりなってしまっている私は今日もやっぱり朝から現場にGo。昨日仕上げた土間コンクリートの養生や70本以上にもなるホールダウン金物の墨出しなど、現場監督といえども、自分でやらねばならない作業は数多くありまして、早朝の倉庫の片付けの際に目をつけて、珍しく若衆を連れて現場へと向かいました。実は、今年の4月から入社した新人のカズキと現場に行くのは今日が初めてで、どんな感じで現場で働いているのかを見れる良い機会でもありました。

新人の活躍。

ま、つい2月前まで高校生だった若者がそんなに急にバリバリと現場で活躍するわけもなく、大きな期待をしているわけではありませんし、指示されたことをきっちりと、根気よく続けることができる位で現時点では私にとっては十分満足できるレベルです。そういう意味では期待を大きく超える事も、がっかりすることもなく、まずまずやな。なんて感じでしたが、行き帰りの車の運転だけはせっかく免許を取ったのだからと運転を代わり、活躍してもらいました。帰りの高速道路の降り口を行き過ぎたのは、余分なおまけというかご愛嬌。(笑)

毎朝の(少しの)学びの習慣。

そんな新入社員のカズキとは毎朝、社内SNSのチャットで文通的なことをしておりまして、これがなかなか良いもので、気にいっているというか、すっかり毎朝の大事な習慣になっています。現在は新入社員の2名とだけで行ってますが、全社員に増やそうかしら、なんて考えています。その教材は倫理研究所が発行している「職場の教養」なる小冊子で、職場で働く人の事例から社会人として、職業人として大切にすべき事を学び、考えるように問いかけがあるスグレモノで、毎日書かれている「今日の心がけ」に準じたその小ネタを毎朝、仕事にかかる前に読んでその感想を言い合うと言うものです。

なんのために仕事をしているのか?

今日のテーマは「仕事の意義を明確に持って仕事に向き合おう」といった内容になっておりました。私が常日頃から社内外に対して言い続けている「目的が全て」という私の信条そのものであり、その目的を以って価値基準を定め、全ての判断をしてもらいたい。といの想いを代弁してくれている様なコラムを若衆と一緒に考え、意見を述べあえるなんて本当に素晴らしいことです。カズキからのメッセージには「なんのために仕事をしているのかや、気持ちで変わると思います。もっと成長するよう頑張ります。」と少しぼんやりしながらも、大事な事を理解してくれている様なコメントが書かれており、密かに喜びました。

 

Start with why

このブログでも以前から何度も紹介しているTEDトークで登場して一躍有名になったサイモン・シネックのStart with why(なんのためにから始めよう)は、実は昔から日本にずっと根付いていた概念で、一般化というか、広く知れ渡り過ぎて誰も気に留めなくなったのではないかと私は思っています。ちなみに、私自身も中学生の頃から「自分はなんのために生まれてきたのか?」という命題を持ち、少しクサイですが、自分探しの旅を始めたし、今も実はその旅の途中の様な気がしています。なので、経営者となって20年が経ちましたが、未だに繰り返し考え続けており、その挙句、昨年には事業所の経営理念の刷新までしてしまいました。その出発点は、自分だけが良けりゃ良いってもんじゃない。というシンプルな良心で、誰もが思っているであろう、事業を通してみんなに良くなってもらいたい。という至って簡単なものです。

伝えたい事を伝える機会。

昨年から今年にかけて、20年親しんだすみれ建築工房という社名を変えてまで行ったリブランディングで、住まい手の気づいていない良い体験を生み出す建築事業の「つむぎ建築舎」と、地域の人、モノ、サービスを繋いで地域の活性化を図る「つない堂」の2つの事業を運営する株式会社四方継の理念は「ひと、まち、暮らし、文化をつなぎ、四方良しを実現する」と定めました。スタッフの皆にこの理念を全ての目的に定め、それぞれの業務に向き合ってもらいたいと思っていますし、その部分を明確にするために社名まで変えたといっても過言ではありません。そんな私の気持ちを伝える機会が毎朝のちょっとした習慣に落とし込めるなんて、「職場の教養」ってなんてよくできた小冊子なんだと感心するとともに、これも良きご縁をいただいたこそ、心から感謝する事しきりです。ちなみに、毎月10冊程度余りますので、事務所にお越し頂いたら無料で配布しております。ご興味がある方はお気軽にどうぞ。(笑)


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リスクリバーサルの本質、結局やるかやらんか。#第81回継塾

令和2520日 晴れ

問題は常にコミニケーションにあり。

今日も好天に恵まれ、着工中の新築中学校の基礎現場では予定通りベースコンクリートの打設を行いました。天候に左右される基礎工事の工程もこれで一段落、工期短縮をミッションに課せられている現場代理人の代理人の私としては、ホッと胸を撫で下ろしました。しかし、計画段階から懸念していた土間一発仕上げの部分では、左官職人による刷毛引きに問題があるとアメリカ人のお施主様から指摘を受けたりして、対応に追われました。出来上がりのイメージの共有が建築では最も重要なのは十二分に承知しておりますが、言葉の壁は思いの外大きくて、自分の英語力の無さを今更ながら悔やみました。これからコミニケーションの改善方法を考えなければなりません。

ひっくり返った世界。

夕方、帰社してからは、月に一度開催している勉強会「継塾」の開催日でした。今回もコロナシフトでzoomを使ったオンライン併用開催だったのですが、20数名の参加者のうち、四方継の事務所に集まったのはほぼ身内の3名のみで、あとは全員がインターネット越しでの参加となりました。こうなるとリアル参加の方が圧倒的に少数派で、オンラインmtgの一般化というか、スタンダード、2ヶ月前では考えられなかった状況で、まさに常識がひっくり返ったのを強く実感した次第です。そんなコロナで世の中が逆転の価値観で回り始めているのを汲んで、今日の勉強会のテーマはそんな時代のリスクを洗い出し、大きな変化に取り残されないように備えようと、リスクリバーサルをテーマに掲げておりました。

ピンチをチャンスに変えるリスクリバーサル。

リスクリバーサルとは文字通り、危険をひっくり返す概念ですが、よくマーケティングを学んだ人が返金保証などを付けて顧客の不安を取り除いて購買を促させる方法論を指すのだと言われるのと、私が定義しているのとは少し違います。私が今回、提唱したのは、自分自身が不安に思っていること(=リスク)を全て吐き出して、顕在化しているリスクだけでなく、潜在的な未来に対する不安要素も認識して、それに対する対応を考えてみる。と言うもので、自分自身の弱みを認識し、それを意識的に補強することでリスクをリバース、ピンチをチャンスに変換しようと言うものです。

結局、やるかやらんか。

あらゆる価値観が逆転した今の時代に浮き彫りになったリスクをひっくり返すと言う事は、逆転の逆転思考であり、陰極まって陽となる。の言葉のように、360度回って元に戻ってくると言う考え方も当てはまると思います。要するに、混迷を極めるこんな時こそ、原理原則に立ち返るべきであり、環境を変えたければまず自分自身に向き合って変化させるしかないのではないか、なんて思っています。結局、リスクの波に飲まれないように状態管理をいかに行うか、自分の身をストイックに修め、人としての効果性を高めることに注力するしかないのではないかと思っています。今日の勉強会でも、この不安定、不透明、複雑、曖昧なわかりにくい世界に対峙するには、自分がやったほうがいいとわかっていて、でも、できていない事とのギャップを埋めるモチベーションを高めるしかない、要するにやるかやらんかそれだけだと(自戒を込めて)熱く語っておきました。(笑)第81回継塾にご参加いただきました皆様、リスクを強みに、ピンチをチャンスにひっくり返せるように頑張ってまいりましょう。(^ ^)


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気になるコトに向き合う習慣。

令和2年5月19日 雨のち晴れ

給付金の喜びの声。

何気なく見ていた今朝のTVで、新型コロナ禍による政府からの給付金が早速振り込まれた人のインタビューが流れていました。東京に住まれている方で、給付金の使途を聞かれると、若い方はインターネットの環境を良くする為にルーターを新調したいと言われており、お年寄りは孫と遊びに行きたいとの事。まあ、そんな感じなんだろうと思いながら聴いていましたが、世代間の意識差というか、価値観の違いというか、今の世界に対するパラダイムが全く違うのだと感じました。

マイナンバーの優位性と危うさ。

ちなみに、早々に給付金が手元に来た人達はマイナンバーカードの番号ででWebから申し込んだとの事でした。政府による個人情報の管理体制がどうも気持ち悪く感じて、あまり積極的ではなく、マイナンバーカード自体持っていない私とは全く違う世界の話に聞こえましたが、今回の給付金のバラマキで一気に中途半端なままだったマイナンバー制度が普及するかも知れないと感じると共に、10万円と引き換えに全世帯のマイナンバーが整備されたら、政府としては大いにメリットがあったのではないかなんて思ってしまいました。本当の目的はそっちなんじゃないか?と全世帯に10万円の給付金の話題出た当初から感じていた事です。

一気に広がる情報格差

それにしても、若い人の話はさておき、おじいさんがwebサイトから給付金の申し込みをされたと言うのはなかなか大したものだと感心しました。スマフォの普及と共に高齢者でのLINEの利用率が70%を超えたとのニュースを随分前に耳にしましたが、インターネットリテラシーに長けた御老人も今どきは少なくないのかも知れません。とは言え、大多数の御老人はそんなwebを駆使して自治体に給付金を申請する様なスキルも知識も持っていないのは想像に難くなく、コロナの影響で一気に世の中はオンラインに偏りつつある中、情報格差はどんどんと広がっていくのだろうと思いました。産業革命を超える大きな変革と言われる情報革命が起こった世界では、情報格差はそのまま、所得格差になると言われおり、お年寄りはさておき、若者の中でも職種によっては(特に建設業界)大きな違いがあるだけに、危うさを感じずにはいられません。

知っていると出来ているのギャップ

ピンチはチャンス!とよく言われますが、その根拠を考えて見ると、ピンチを迎えたら、それまで考えなかったことを色々考える機会をもらえるからだと思います。先行きにリスクを感じて、予測を立て、危険を回避する方法論を一生懸命に考えれば、何も考えずにのほほんと生きている時よりも、成長のきっかけは間違いなくあるし、その中で自分自身を振り返り、内省し、改める行動に取り組めば、やった分だけきっと成果が現れるでしょう。そして、誰もが良く理解していることですが、「知っていること」と「出来ていること」には大きな乖離があるもので、情報化社会の今、溢れる情報の中で自分がこれはやるべきだと思うことを選択し、継続して行えば、大概のことはできる様になります。努力した時間と成果は必ずしも一致しないと言われますが、知識や技術の習得、人間関係の改善、影響力の拡大等々、一致することの方が多いと私は思っています。

気になるコトに向き合う習慣。

知らない→知っている→やってみる→できる→出来ている。と知るところからできるまでの数多くの壁を乗り越えなければ、出来ている状態を保つことはないのですが、ここには継続した行動=習慣の力が必要です。やれば良いと思うことを知っているのに出来ない、やってみてもなかなか続かない、中途半端きやめてしまった。という経験は誰にでもあると思いますが、この山を乗り越えて成長する機会がピンチが訪れた際のリスクを予測し、考え、回避するためにあれこれと方策を立てる時にやってくると思うのです。ちなみに、私の場合は17年間、ビジネスコーチとのセッションを受けて毎月「気になっているコト」を質問され続けて来て、足元から数年先までのリスクを考え続けてきました。そのおかげで結果的に事業を20年間続けて来れたと思っています。気になるコトに向き合う習慣の大切さを実感しています。明日の継塾ではそんなコトをテーマに参加者の皆様とディスカッションをしたいと思います。


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逆転の時代に考えるリスクリバーサル。

令和2年5月19日晴れのち雨

神通力発動。

天気予報では今日の昼から明日にかけてずっと雨が降り続くことになっており、着工現場のコンクリート打設の準備を間に合わせねばと、今日も朝から張り切って現場に向かいました。すっかり現場監督モードに入って、トランシットを据えて型枠と基準墨との誤差の確認をしたり、アンカーセットの墨出しのついでに、アンカーボルトの据え付けまで行ったりと、今日も現場を満喫してしまいました。天気予報通りに、夕方、雨が売り始めるのと同時に作業終了、気持ちよく現場を後にして帰路につくことが出来ました。まるで天気を思い通りに操れたような気になってテンションをあげました。(笑)

非常事態宣言解除前夜。

事務所に戻ってからは、明後日開催する元祖職人起業塾改め継塾の勉強会で使う資料のまとめ。今回のテーマは、このたびのコロナウィルスによる劇的な世界の変化への向き合い方を考えるべく、「逆転の時代におけるリスクリバーサル」としています。ここ最近の1週間位、東京や大阪でも新規感染者の数は随分と落ち着いてきて、私の住む兵庫県を含む特定感染警戒地域でも緊急事態宣言の解除がそろそろ視野に入っていましたが、緊急事態宣言が解除されたからといって、すっかり元の暮らしに戻るかというと、残念ながら決してそんな事はないと思います。感染症の第二波、第三波のリスクに怯えながら、常に感染拡大防止の観点を持ちながら、過ごしていかなければならないとのだと思っています。

逆転のパラダイム。

それは、私たちが、これまでの価値観が全く逆転した世界に足を踏み入れてしまったことを意味します。対面コミニケーションは避けるべきもの、団体行動は意識の低い人がすること、公共交通機関は使わない方が正しくて、海外旅行、もしくは海外への事業展開は大きな危険が伴い、事業所にはできるだけ出社しないほうがよくて、夜の接待、飲みニケーションは悪いこと。お店を出店するのは繁華街よりもローカルの方が安心で繁盛するし、東京一極集中は地方への分散が進み、成長拡大を目指してきた企業は外部環境の変化に強いスモールビジネス、選択と集中よりも事業の柱をたくさん持った分散型にシフトした方がリスクヘッジになる。そして、世界のグローバル化にも疑問が持たれ始めました。

予想不可能な世界。

このブログでも令和はVUCA化(不安定、不透明、曖昧、複雑)な時代に入ったと繰り返し書いていますが、今まで気付いていなかったリスクがここにきて一気に噴出してきた感があります。今まで存在に気づかなかった落とし穴がこれから行く末にたくさん仕掛けられていることに気づいたかのように、先行きの見通しが立たず、不安を抱えている人も少なく無いと思っています。そんな今、どうすればいいかと考えると、リスクを回避する方法論を見出すべきとなりますが、それが簡単に出来ないのがVUCA化した社会であり、誰もが予想だにしない出来事が突然起こるのが今の時代です。考えても無駄、となってしまいそうですが、それではあまりに愚かで、人間の持つ可能性を否定することになってしまいます。

本質的リスクリバーサル。

マーケティングの世界にはリスクリバーサルという概念があります。一般的には顧客が買わない理由を打ち消して信頼して勝てもらえるように顧客心理をリバースする手法として用いられますが、私は小手先の方法論ではなく、本質的なリスクリバーサルを考えるべきだと思っていて、それは自分、自社の持つ弱みを全て洗うだし、正面から認識した上で、そのリスクをカヴァーする具体的な方法論を考え、対策を講じることだと思っています。それを行うことによって、目先ではなく、根本的な信頼性を高めることになり、多くのリスクを認識した分、弱みを叩き潰し、強みに転化できると思っていますし、これまでの20年間近く、その部分にずっと取り組み続けてきた、と言っても過言ではありません。

あらゆるリスクを知る機会。

その本質的なリスクリバーサルの入り口は、コーチングの際にコーチから聞かれる「最近気になっていることは何かありますか?」という質問にありました。20年近く、毎月この質問に向き合い、気になること=リスクに真摯に対峙して少しずつ、改善と改革を繰り返してきました。何度ももうダメか?と思えるような大きな外部環境の変化に晒されててもなんとか持ちこたえ、今年は20周年を迎え、事業継承を考えるステージに今あるのは、そのリスクをリバースし続けてきたからではないかと思っています。明後日開催する継塾では、参観者の皆さんに、これから考えうるリスクとその根本的な回避について質問し、その声を集約した集合知から、コロナとの共生するこれからの時代を生き抜く光を見出したいと思っています。もちろん無料、オンラインで全国どこからでも参加できるので、ご興味がある方はこちらからお申込みください。→第81回【元祖】職人起業塾改め「継塾」#無料オンライン開放 5月21日 19時〜です。

 


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職人の力。@日本一のサッシ職人のレクチャー。

令和2年5月15日 晴れのち曇り

天気を意のままに変える神通力。

この週末は天気が崩れるそうで、特に明日の土曜日はけっこうな量の雨が降るとの天気予報でした。現場代理人の代理人を務めている木造中学校の基礎工事現場では、配筋工事が明日までの予定となっておりましたが、何とか職人さん達が頑張ってくれて、本日配筋検査を受けて完了することができました。暑い中、一生懸命に働いてくれた鉄筋職人さんたちに感謝感謝です。来週もあまり天気は良くないようですが、雨の合間に作業を進め、なんとか予定通りに基礎コンクリートを打てるようにしたいと思います。私がまだ若かりし頃、バリバリと現場で職人をしていた頃は、天気さえも思い通りになると思っていましたが、いまだにまだその神通力は残っているのかもしれません。(笑)

社内での技術研修会。

気持ちよく現場作業を終えて、事務所に帰った後は社員大工たちとのミーティングと勉強会を行いました。今日の勉強会の講師は窓のリモデルで日本一の実績を誇る、松岡商会の松岡社長で、職人上がりのバリバリの技術系経営者でした。松岡社長は窓リフォーム日本ナンバーワンの実績を引っ提げ、現場叩き上げの知見と技術でYKK AP社と一緒に窓のカバー工法の商品開発に携わっておられます。今日はつむぎ建築舎単独の勉強会にもかかわらず、東京からYKK AP社の方々も(オンラインですが)多く研修会に参加してくれるほどの熱の入りようでした。大まかには知っている、でも詳細まで把握していないカバー工法の最新の情報を大工、そして設計部のメンバーも非常に興味深く聞かせてもらい、大いに勉強になりました。私の認識よりもサッシのカバー工法の世界はずいぶんと進化しておりました。

凄いね、YKKap

今日の研修会で私がすごい!と感じたことが2つありました。1つはYKK AP社がサッシ業界で面倒な割には売り上げの嵩が上がらないと忌み嫌われてきたカバー工法の製品についての商品開発をこんなに熱心に行っておられる事です。メーカーさんがそもそもカバー工法に熱心に取り組めなかったのは、完全に現場対応の施行になるからで、画一的な商品開発を行うと緑が収まりにならないし、かといって細部にこだわると案件ごとに仕様を変えねばならず、コストが上がりすぎることも含めて、ビジネスとして成り立たないからでした。それを、松岡さんのような現場叩き上げの職人の声を汲み取って商品開発に活かしてきた事は非常に素晴らしい、画期的な取り組みだと感じました。

職人の力。

もう一つは、松岡社長を見て感じた職人の底力の強さと、そこから生み出される大きな価値です。職人だからこそ持っている知見を遺憾なく発揮して、自社の強みに転嫁して大いに成果をあげられているばかりでなく、メーカーと協力して、自分が培ってきた技術を世に広く知らしめ、業界全体の向上に尽力されている姿はすごくかっこいいを通り越して感動的でもありました。職人はかくあるべし。と松岡社長の語りを聞きながら感じましたし、そんな方と一緒に仕事ができることを本当に嬉しく感じた次第です。スタッフの職人たちには松岡さんに触発されてもっと高みを目指すモチベーションを持ってもらえたら、単なる窓リフォームの研修にとどまらない大きな効果を与えられると思いますした。松岡社長、本日は本当にありがとうございました。そして、研修を企画してくれた佐藤君にも感謝します。ありがとう。


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職人は作業員から脱出せよ。#第16期職人起業塾

令和2年5月14日晴れ

どこでもドア。

今日は東京と福岡で第15期、第16期と職人起業塾の研修の同時開催日でした。もちろん、緊急事態発令中と言うことで、ズームを使ったオンライン講座となり、私は神戸の事務所から九州の講座を担当し、小田全宏先生が行ってくださっている東京講座も休憩時間のタイミングなどでちょろちょろとのぞかせてて貰いました。しかも、講座が始まる前の時間は進行中の新築現場に足を運んだりと、まるでどこでもドアを手に入れたかのような、神戸にいながら一瞬で関東や九州の塾生達と対面コミニケーションができるのは、少し不思議な感覚もありますが、とにかく便利な世の中になったものだと改めて感心してしまいました。

何のために?

今日の博多の職人起業塾では、マーケティング基礎講座の最後のカリキュラムで、「何のために?を考える」と題して、インサイドアウトの考え方をもとに、自分自身のあり方を見つめ直し、正すところから信頼をベースに置いた未来の売り上げ、利益を作る方法論をレクチャーし、塾生それぞれの立場や役割に置き換えて考えてもらう時間を持ちました。職人を始めとする現場実務者が、何のために働くのか、何のために現場に行くのか?と言う意図を明確にすることによって、現場で起こるあらゆる問題の根本的解決にアプローチすることができると言うのが私の持論で、マーケティング理論を学ぶ上で最も重要な部分だと考えています。

3人めの煉瓦職人の集団になれ。

わかりやすい例えでは、3人の煉瓦職人の有名な話があります。それは、3人の煉瓦職人が同じようにレンガを積んでいる所に通り掛かった旅人が「何をしてるんですか?」とそれぞれに質問したところ、ひとりめの職人は「見たらわかるだろ、レンガを積んでるんだ」と答え、2人の職人は「大きな壁を作ってるんだよ」と答え、3人めの煉瓦職人は「私はこの街の人たちが祈りを捧げ、幸せになる大聖堂を作っているんだよ」と答えたと言う話です。この3人のうち、どの職人と一緒に仕事がしたいか?と塾生たちに問うと、全員が3人めの煉瓦職人が良いといいます。では、君たちの周りの職人は全員が3人目の煉瓦職人と同じような思考をしているのか?と質すと、全員が言葉を濁してしまいます。

職人と作業員の違い。

「何のために?」を自分自身に問うてあぶり出されるのは目的です。目的と手段は明確に違うはずなのに、うっかりしていると、もしくは目的意識を持っていないと、全く違うはずのそれらをつい混同してしまいがちです。そして、目的意識を持っていない職人はただ言われた作業を黙々とこなすだけのただの作業員になり下がり、そんな人と一緒に仕事をしたいと思ってくれる人は世の中に皆無なのは誰もが認めるところではないでしょうか。マーケティング理論を理解して、稼げる職人になってもらうには自分たちが何のために働いているのか、3人めの煉瓦職人のように志を持って仕事に向き合ってもらうことが非常に重要です。

志を以って万事の源となす。

志の重要性を理解してもらうために、この講座ではいつも福沢諭吉先生の「学問のススメ」をひもといて、説明しています。そこに書かれてあるのは、額に汗して働いて自分の食い扶持を稼ぎ、家族を養い安楽に暮らす位の事は、鳥や獣、虫けらや魚でも行っていることであり、万物の霊長である人間なら、そんなことだけに満足せず、もっと大きな目的を持つべきだ、先祖から引き継いだこの世の中をもっと良いものにして次の世代に渡せるように意気込みと志を持てと我々を叱咤激励してくれています。私としては、世の職人全員に明確な目的意識を持ち、会社の理念とそれを照らし合わせて世のため人のためになるような働き方をしてもらいたいと思っていて、それこそがお客様との信頼関係を構築し未来の利益を作り上げる最も基本だと思うのです。塾生の皆さんには、高い志を掲げ、是非とも作業員から脱出して、大きな価値を創出する職人になってもらいたいと思います。


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リモートワークを始めて圧倒的に時間がなくなった件。

令和2年5月13日快晴

朝過密スケジュール。

水曜日は朝活の日。そして今日は朝から晩まで予定がぎっしり詰まった超忙しい1日でした。朝活はリモート開催になって、どこからでも参加できる利点を生かし、今朝は工事現場の現場事務所から参加しました。ミーティング終了後に鉄筋職人と打ち合わせをしてから少人数での開催となった自社主催のゴルフコンペのゴルフ場に移動、コロナ対策でスルーのラウンドを早々に終えた後は再び現場に帰り施工管理の業務に戻り、夕方、帰社した後は若衆とともに書道のお稽古に臨むと言う、なんとも過密なスケジュールをこなしました。

どこでもドアを手に入れた。

明日は、東京と福岡で職人起業塾の講座を同時に開催しますが、それももちろんオンラインです。私は神戸の事務所から両方の会場にリモート参加、そのスタート前に現場に足を運んで職人に指示を出したり、事務所でスタッフと打ち合わせをしたり、1日の時間でこれまでとは全く違う量のコミニケーションを取る予定になっています。毎日のようにzoomを使って人と対面をするようになり、時間と場所とコミニケーション言う仕事をする上で非常に重要な3つの概念が自分の中で随分と変わってきたことを感じています。明日にでも1部の地域を除いて緊急事態宣言が緩和されるとの報道がありましたが、全国の緊急事態宣言全てが解かれた後も、もう元の世界には戻れないかもしれません。

リモートワークで時間がなくなった。

時間と場所を選ばずにコミニケーションが取れる今の状態を冷静に振り返れば、圧倒的に効率が高まったと言えます。しかし、どこでもドアを手に入れたかのような、オンラインコミニケーションのおかげで時間に余裕ができたかというと、全くその逆で、1日の限られた時間の中でいくつもの役割をこなせる能力を身に付けたお陰で、一見無駄なようで、読書や執筆に集中できた移動時間が一切なくなり、余計に忙しくなったと感じています。コロナの影響で遠方へ出張にいけなくなった分、リモートワークに切り替えて時間ができるので、スタッフに任せきりになっていた社内の実務を引き受けると気軽に言って見たものの、実際やってみるとすきま時間を埋め尽くし、全く余白のない煩雑な毎日になってしまっています。

効率は人を幸せにしない。

20年ほど昔、スティーブンコヴィー博士の7つの習慣に「効率性ではなく効果性を重視すべし」と書いてあるのを読んでから、私は効率ではなく効果を上げる方法論についてずっと心に留め続けてきました。電動ノコギリを使うようになった大工がどんどん日当が下がっていったように、結束機を使うようになった鉄筋工の所得が増えなかったように、手紙からEメールに伝達方法が変わってコミニケーションが向上したわけでは無いように、アウトソーシング流行りで人材派遣会社がもてはやされて、ワーキングビープアと呼ばれる貧困層の人が増えたように、食器洗い洗浄機を導入しても飲食業界の利益率が高くならなかったように、インターネット予約システムが普及してホテルの利益率が下がったように、効率化は決して人を幸せにすることはありません。今回のリモートワークを毎日のように使うようになってそのことを自分自身の身をもって改めて感じた次第です。

元の世界には戻れない。

たぶん明日で特定地域以外の都道府県では緊急事態宣言は解除されるでしょうし、東京や大阪の新規感染者数の数を見ていると、日本全国全体で緊急事態宣言を収束させるのはそんなに遠くないだろうと思われます。しかし、緊急事態宣言が解除されたかといって新型コロナへの感染リスクはなくなったわけではなく、引き続き細心の注意を払い、今までと違う生活様式を取り入れつつ、経済活動を回復させていく流れになるのは当然です。もし、新型コロナに効果のある薬の認定が進み、ワクチンの開発がされたとしても、数年後にまた違う新型ウィルスが流行する可能性は依然としてあるわけで、世界中の人々に非対面、非接触が良しとされる価値観が根強く定着する中、全く今まで通りの生活様式に戻る事はできないのだと思います。

効率ではなく効果性。

私自身にしても、連日ズームを使い倒して、日本全国どこの人でもオンラインを通した対面コミニケーションを気軽にとれるようになり、全国各地に散らばった卒塾生たちのフォローアップを今まで以上にきめ細やかなネットワークを構築し、定期的なグループコーチングをスタートさせる準備を現在行っています。それを行うことで私が豊かになる事はありませんが、今まで場所と時間の制限で、したくてもできなかったフォローをできるようになるのは非常に嬉しいことです。留意すべきは、効率を高めることで効果性を置き去りにすること。それだけは無い様に、丁寧かつきめ細やかな運営体制を整えることで、それがクリアできればひょっとしたら非常に大きな成果を卒塾生のみなさんに提供できるようになるかもしれません。良きも悪しきも含め、アフターコロナの世界が少しずつ見えてきたような気がします。効率を上げて効果性を高める取り組み、チャレンジしたいと思います。


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やり方ではなくあり方を問いなおす、俺たちの経営革新会議。

令和2年5月12日晴れ一時曇り

基礎が大事。

今日も引き続き木造中学校の新築工事の基礎工事の現場に出勤、完全に現場代理人の代理人として建築実務にどっぷりとはまり込んでいます。木造の建築物とは言え、ある一定の規模になるとしっかりと地中にもコンクリートの梁が設置されるようになり、細い鉄筋ばかりで組み立てる割にはかえって複雑な構造となります。今日も鉄筋の重なり具合が、コンクリートの巻き付く妨げにならないように現場であれこれ調整を繰り返しました。建築に限らず全ての物事には基礎が大事。と言われるように、建物の強度を担う重要な役割の工程だけに、職人さんと一緒に念入りに検討を繰り返しました。地味な行程ではありますが、とにかく、ものづくりは楽しいものです。(笑)

毎日オンラインmtg

1日中現場事務所に詰めて、そろそろ日も傾いて現場を後にしようかと思った頃、TOTOリモデル推進課の山ちゃんから電話がかかってきて、zoom会議にさっさとログインしてくださいと催促されました。私は10年以上前からTOTOリモデルクラブなる地域の同業者さんとの集まりに参加しており、商圏が被るライバル会社が集まっているにもかかわらず、何でも話し合える心やすい仲間と共に合同イベントを開催する等の活動を続けています。毎月行われる行われる定例会も、新型コロナウィルスの影響で先月から中止になっており、今回はオンラインでの開催となりました。その時間が変更になってたのをすっかり失念しておりました。

惰性と陳腐化からの脱出。

その毎月の定例会議では、同じ地域でビジネスをしている仲間だけに、地域に特化した情報交換や合同で開催するイベントについての話し合いを10年以上も続けてきましたが、それも長年続けるとマンネリ化と陳腐化が進んできて、惰性に流される形だけの集まりには意味がないとの声が上がり始めて、会の存在意義自体を見直そうという動きが高まってきました。この会の創設時の初代会長でもあり、メンバーをずっと牽引してきた中尾会長が、もっと意義のある経営者の集いとして介護を刷新したいと提案され、今回から経営革新会議と銘打って、やり方ではなくあり方を問い直し、考える機会を持つディスカッションの場に生まれかわりました。

俺たちの経営革新会議。

経営革新会議と新たに命名された今日の会議では、20名ほどの経営者が、それぞれ自分が考える経営者像について考えを述べ合い、意見を交わしたり、実際の取り組みを披露してくれました。参加してみた感想は非常に学ぶことも多く、有意義な時間だと感じました。忙しい毎日を過ごす中、なかなか腰を落ち着けて自分自身の在り方について考える時間を持てない中、このような場を作ってくれた中尾会長はじめメンバー皆さんには心から感謝したいと思い、ありがたいご縁を頂いていると思いました。私は起業してからかれこれ20年以上、経営者を務めてきましたが、それだけの時間を費やしていても、いまだに自分自身に課せられた役割を全うし、経営者としての仕事を行えているか、あるべき姿を体現しているのか?と問われたら、残念ながら胸を張ってすべて大丈夫です。とは言えません。情けないですが、今日も随分と身につまされました。

理念、ビジネスモデル構築、人材育成。

とはいえ、私が考える「経営者がやるべき事は」そんなに複雑なことではなく、いたってシンプルです。人事には止めると、未来へのビジョンと具体的な方法を示し実行すること。まず、自分たちは何のために事業を行っているかと言う目的を明確にし、スタッフとそれを共有する。次に、事業が持続できるように売り上げ利益が上がり続ける仕組み、とそれを担う組織=ビジネスモデルを構築する。3つ目は次世代の事業を担ってくれる人材を育成する。私はこの20年間目指してきたのはたったこの3つだけでいいので、しっかりと形にして次の世代に引き継いでもらえるように整えることです。しかし、どれも胸を張って出来上がったと言えるレベルにはないのが現状で、まだまだ道半ばで悩みあえぎながら走り続けているのが実際です。

経営者の資質。

今日の経営革新会議では、私以外でも経営者としてのあるべき姿と現実とのギャップに悩み、苦しんでいる姿が浮き彫りとなりました。そもそも、ほとんどのメンバーはもともと職人からスタートしている人がほとんどで、経営学をしっかり学んで経営者になった人は皆無です。計画の策定も、マーケティングも、人を教育することも誰に教えられたわけでもなく、職人から家内工業、そして企業へとステージが変わるたびに必要に駆られて我流で学び、対応してきたことを積み重ねて来ただけで、建築のプロであったとしても、経営のプロになるには資質が低すぎる事は否めません。そんな素人経営者の下で働く社員さんは不憫だとなってしまいますが、それが現実です。

経営者としての在り方を見直すリマインド。

職員から起業して、勢いのまま会社を設立し、経営者となった私は、その自分に経営者の資質がないと言う厳しい事実に20年前に気がついて、1つずつ順番に片付けようと、人との関係性の原則から学び始め、マーケティング、人材育成とこれまで建築実務の傍ら経営者として必要なタスクを学びを続け、そして学んだことを実践し続けてきましたが、自分が理想とする組織作り、ビジネスモデル構築の完成にはまだ時間がかかりそうです。何とか60歳までには形にしたいと期限を決めて今も奮闘を続けておりますが、その方向性や方法論を定期的に振り返り、立ち止まって考える機会を持てる事は非常に意義が深いと思っていて、今回新しく創設されたTOTOリモデルクラブの経営革新会議に大きく期待を寄せています。共に学び共に成長できる仲間がいることに心から感謝したいと思います。中尾会長を始めとしたTOTOリモデルクラブ西神店会の皆様、良い続きよろしくお願いいたします。


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