職人進化論。 – ページ 31 – 神戸と台湾で建築会社を営みながら、私塾「職人起業塾」の活動を通してモノづくりの担い手を子供の憧れの職業にすることを目指す高橋剛志の挑戦。

暴言市長の熱すぎる講話。＃100人モーニングセミナー＠神戸市倫理法人会

令和2年2月25日曇り

100人モーニングセミナー

火曜日は朝活、早朝から倫理法人会で学びの時間を持つ日。今朝は以前からずっと楽しみにしていた明石市の泉市長の100人モーニングセミナーでした。このところ新型コロナウィルスの影響で次々にイベントや集会が中止される中、また、年明け早々「そんなんやったら議員やめてまえ！」との発言で泉市長の荒っぽい言動が（またもや）物議をかもしたりと、開催できるのか危惧しておりましたが、そんな私の心配をよそに早朝から100名を超える大勢の方がお集まりになり、盛大にモーニングセミナーの開催をすることができました。冷静な判断ができる方々による運営で本当によかったです。（笑）

熱すぎる講話

泉市長が全国的に有名になったのは暴言だけではなく、市政で卓越した成果をたたき出しておられるからで、特に子供に対して手厚く予算をとって住みやすい、子供を育てやすい街づくりが高く評価されているからに他なりません。子供への予算付は未来への投資であると言う泉市長の信念、哲学に基づいた自治体経営の話は非常に熱く、ときには物言いが荒っぽいと自虐ネタも織り交ぜて笑を誘いながら、素晴らしい講話を聞かせてもらえました。ご参加いただいた皆さんも、一様に素晴らしい話だった、早起きして良かったと満足げな顔をしていただいており、お誘いした私としても非常にうれしかったです。

率先垂範しかない。

私自身は神戸市民ですが、西区と言う神戸の西の果てで、最寄り駅はJR明石駅と言うほぼ明石の住人なので、泉市長の市政の運営には以前から大いに興味を持っており、選挙権はありませんが陰ながら応援をしておりました。今日のお話を聞いて、その確固たる哲学と、リーダーが率先して重要な仕事を責任を持って行う姿勢に深く共感するとともに、自らの至らなさを痛感させられることになりました。特に今日は経営者が多く集まる会だと言うことで、経営者視点でのお話をしていただけたこともあり、学ぶところが非常に多くありました。結局、組織を目標達成に導くにはリーダーの率先垂範が不可欠だということを改めて感じさせられました。泉市長には心から感謝したいと思います。

4つの仕事。

泉市長が語られた市長の仕事とは、政策、予算、人事、広報の4つで、そのすべてを市長自らが先頭に立って旗を振っているとのことでした。未来のビジョンを示し、ビジョンを達成するのに必要な予算をつけて、政策を実践する人材の登用、配置を行い、それを広く市民に知らしめるところまで全てご自分でなさっているとの事、泉市長の同級生で、後援会の会長をされている日置社長が「とにかくよく仕事をする男だ」と評されておられましたが、こんなに働く自治体の首長がおられる事に驚くとともに、自分ももっと仕事をしなければと反省させられることしきりでした。

戦略通りの結果。

明石市は全国的にも稀に見る人口増加を続けておりまして、移住者が多く、出生率が高く、日本が抱える最大の課題である少子高齢化を感じさせない勢いのある街になっています。その影響で土地の値段が上がり、住宅産業の景気が良くなり、街の商店街も潤って新規出店のお店も近年うなぎ登りに増えているとのことです。その全ては子供、子育て政策に対して他の自治体に比して2倍の予算をつけて子供を生みやすく、育てやすい街づくりに焦点を当てたところから派生しており、それらは全て泉市長の思惑通りとのことでした。そして、その予算配分は先進諸国のグローバルスタンダードと同程度であり、決して奇を衒ったチャレンジではなく、当然の結果だと、ご自身が考えられた政策ではなく、当然のことをしたまでと口にされておられたのがとても印象的でした。

無い物ねだりを諦めて、強みを生かす経営。

泉市長の政策は「暮らし、育てる」をスローガンに子育て世代の住みやすい街づくりに特化して、その他の「学び、働く、遊ぶ」といった学校や企業の誘致や観光事業の開発等を捨て去っておられるとのことで、母子手帳交付に100%面談をするとか、全国的に新設されなくなった児童相談所を駅前の一等地に新設するとか、その施設の人員を通常の倍の配置にするとか、徹底した施策を実行されておられるそうで、それが奏功して人口が増え、経済が活性化していると胸を張られました。マーケティングの世界ではすっかり当たり前の、自らが持つリソースを最大限活用し、勝てる土俵で戦うと言う考え方ですが、圧倒的な成果を出された今その話を聞くと当たり前のように感じますが、その当たり前のことが他の自治体ではできていないことを考えると泉市長がいかにリーダーシップを発揮して困難を乗り越えて信念を貫いてきたのかが伺い知れます。

不可能を可能にする哲学と信念。

モーニングセミナー終了後の朝食会の最後の締めくくりに、参加者から「順風満帆に聞こえる現在の明石市政ですが、いくつもの壁を乗り越えてこられたと思います、その辺も聞かせてもらえませんか?」との質問に答えて、「市長選の初当選から現在まで1度もどの政党にも地域の商工会議所等の主たる団体にも応援されたことがなく、常に丸裸のまま戦って、ただ市民からの支持だけで当選を重ねさせてもらっている。」と答えられておられました。周りが敵だらけの議会で政策を押し通すのは困難を通り越して不可能に近いように思われましたが、やっぱり一期目は議会の反対に合い、思うような予算を通せなかったとの事でした。それでも信念を通し、哲学に則った経営で成果をあげられておられることに驚くとともに、心から応援したいと思った次第。生まれながらの神戸っ子の私も明石に住んでみたいなーと思わされましたし、明石市はこれからもっと良くなっていくと感じました。泉市長、ますますエネルギッシュな仕事ぶりで、周りの自治体までも変えるくらいの影響力を発揮されることを心から祈念しています。本日は本当にすばらしいお話をありがとうございました。

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次世代を担う若き棟梁の祝言に祈る。

令和2年2月22日　曇りのち快晴

天も祝福

引き続き博多にて。今日は第13期職人起業塾の卒塾生で、北九州市で木の温かみとその良さを伝える大工工務店、グリーンウッド社の若きエース大工、梅ちゃんが祝言をあげるめでたい日。今回の九州出張のメインイベントでした。前日までの天気予報では1日中雨の予報になっておりましたが、香椎宮での神前式にタイミングを合わすように空模様ははどんどん回復し、結婚の儀が行われた昼過ぎには真っ青な青空に気持ちの良い早春の風が吹き渡る絶好の日和となりました。まるで大神や、やよろずの神も2人の門出を祝福しているようなその雰囲気に、見学に伺った私まで爽やかな希望に満ち溢れた幸せな気持ちにさせてもらいました。めでたい席に立ち会うのは幸せのお裾分けをもらえますね。

朴訥な大工社長の名スピーチ。

場所を移して夕方からは天神にある西鉄グランドホテルの最上階のレセプションルームで結婚披露宴が執り行われ、私が日本中の工務店経営者の中で最も良い人だと大いに尊敬している鶴田社長率いるチームグリーンウッドの方々と共に出席させて貰いました。オープニングは新郎新婦の手作りのムービーから始まり、晴れやかな雰囲気たっぷりの新郎新婦の入場、そして新郎の挨拶。やたら緊張していつになく言葉に詰まったりもしておりましたが、主賓の祝辞を実直そのものの鶴田社長がそのお人柄通りの新郎に「ありがとう」と感謝を伝えるハートフルなスピーチをされて、一気に和やかムードとなりました。鶴田社長、グッジョブ！でした。（笑）

幸せのおすそ分け。

そろそろ50代半ばが近づいてきて、年齢のせいもあるのでしょうが、最近、冠婚葬祭といえばめっきりお見送りすることが増えました。私が結婚式に出席するのは一昨年、鹿児島の島津家ゆかりの式場で執り行われた第4期卒塾生の小島くん以来で、少し久しぶりの祝いの席でしたが、やっぱり人生の中でも最高におめでたい、幸せな場に立ち会わせて頂くのは本当に良いものです。九州まで行った甲斐があったどころか、大いに幸せな気分を味わさせてもらえる良い時間を過ごさせてもらいました。「遠方から来て貰いありがとうございます。」と随分と労って貰いましたが、逆にご招待頂けた事に感謝しなければと思った次第です。また、新郎のヒロシから披露宴で一言喋るように言われた事もあり、彼に対する私の想いを新婦をはじめ多くの人の前で話せた事はとても良かったです。

次世代大工の筆頭格

実は私、新郎のヒロシが転職して大工になる、グリーンウッド社に入社するタイミングから関わらせてもらっています。親父さんが大工で、学生の頃からよく現場に手伝いに行っていたこともあり、大工と言う職業の楽しさ、素晴らしさを肌身に感じ、大手企業の職場を退職して親父さんも長年付き合いのあるグリーンウッド社に転職してこられました。それから2年余で、技術的な課題を克服するとともに、私の主催する塾に通い「お客様のかゆいところに手が届く大工になりたい」と現場でのコミニケーションを図り、ブログを書くなどの情報発信に努め、営業的な側面でも会社に大きく貢献してあっという間に棟梁を任されるようになりました。同時にサーフィンや登山、ウクレレなどプライベートもアクティブに充実しておられ、まさに私が目指している時代を担う大工のあるべき姿を体現してくれています。

憧憬される大工の存在。

その圧倒的な成長のスピード、高い意識、そして大きな志は驚くばかりで、200名近くになろうかと言う職人起業塾の卒塾生の中でも筆頭格の目覚ましい活躍をされておられます。まさに次世代を担う新しいタイプの大工であり、こんな優秀な若者が増えれば建築業界は大きく変わると思います。職人の教育事業を手がけている私としては、なんとしてもヒロシの成長を再現性のあるスキームにしたいと願ってやみません。そして、その要因を分析すると、やはり大工になりたいと思わせてくれた親父さんの存在は欠かすことができないとの考えに至ります。お父さんには今日初めてお会いしましたが、私よりも1世代上の大工さんが持つ独特のカリスマ性と圧倒的な技術力がその根底にあったのではないかと感じました。

人が育つのは環境。

もう一つ、絶対に忘れてはならないと思うのは、次世代を担う大工を育てたいと、出入りされている大工さんの息子であるヒロシを正規雇用の社員大工として受け入れた鶴田社長の懐の深さと深い愛情です。そして、技術だけではなく、経営者感覚を養い、人間力を鍛えるべく、入社したての彼を私の元に預けて教育させた先見性を持っておられたのも特筆すべきで、いくら若者が大工の仕事はやりがいがあり、楽しく、そしてかっこいいと憧れたとしても育成する環境が整っていない、未来への希望が見えなければ途中で腰が折れてしまいます。ヒロシが大工という職業、工務店が無限の可能性を持っていると未来を標榜できているのは、私が日本で一番良い人の工務店経営者だと確信している鶴田社長が居てくれたからこそ、彼の大きな成長があったのだと思います。

お祝いとお願い。

披露宴の席で、スピーチをさせて頂いた際に私が伝えたかったのは、そんなヒロシに、建築業界、特に職人は若者から不人気職業となって久しく、次世代を担う人材が全く育っていない現状を彼に変えて貰いたいという事で、このままだと10年後は大工は絶滅すると言われている中、若者に憧れられる、建築業界を救う1番星になって欲しいと伝えました。そして、今の自分があるのは憧れる大工だったカッコイイお父さん、そしてグリーンウッドの鶴田社長の深い愛情と大きな懐があったからだと、二人に対する深い感謝とリスペクトを決して忘れることなく、2人を足してさらに倍の影響力を持つような人物になって貰いたいと心から願っています。そして、それを支える内助の功があってこそ彼の活躍があるわけで、お二人で研修業界の未来を明るいものにしてもらいたいと願ってやみません。人生の新しいステージに立った二人の幸せを心から祈念すると共に、自分達だけじゃなく、多くの人を幸せにする、そんな家庭を梅谷夫妻には築いて貰いたいと思いますし、きっと私の期待に応えてくれると思います。ヒロシ、アキコさんよろしくお願い致します。本日は誠におめでとうございました。（笑）