読んでから行くか、行ってから読むか。#お伊勢さん詣 #神話の世界

令和3年1月20日快晴

禍福糾える縄の如し。

昨日から伊勢に来ています。毎年、新年の松の内が明ける頃に、松坂で建築・不動産事業を営まれている上月社長にアテンド頂いて信心深い同業の仲間と一緒にお参りさせて頂いている伊勢神宮に今年も無事にお詣りすることが出来ました。例年は地元伊勢のカリスマ現地ガイドさんの説明を受けながらの参拝なのですが、新型コロナの影響でボランティアガイドの活動も止められているらしく、今回は以前にガイドさんにお聞きした説明を皆で復習しながら外宮、正宮、別宮を回ることになりました。伊勢神宮の鳥居にはなぜ〆縄が無いのか?など、鳥居をくぐる前から足を止めて丁寧に説明してくださったガイドさんがいなかった分、今回は例年に比べて参拝が早く進み、今まで立ち寄れなかった別宮にもお詣りする事が出来たのは瓢簞から駒?災い転じて福と成す?的な感じでとても良かったです。

別宮コンプリート!

ちなみに、今回の参拝でお参りしたのは、内宮(皇大神官)の別宮では荒祭宮、月読荒御魂宮、月読宮、伊佐奈岐宮、伊佐奈弥宮・瀧原宮、瀧原並宮、倭姫宮、風日祈宮。外宮(豊受大新宮)の別宮では多賀宮、土宮、月夜見宮、風宮と格が高いとされる別宮をほぼコンプリート出来たのはとても嬉しい誤算でした。特に、正宮(内宮)から車で30分以上離れているにも関わらず毎年必ず立ち寄るゼロ磁場のパワースポットとして有名な瀧原宮の前に、この地に天照大御神が祀られるきっかけとなった倭姫のエピソードが絵で紹介されているのを見ていたその倭姫を祀られている別宮に足を運べたことで神話の世界がより身近に感じる事が出来たのは大きな収穫でした。

無宗教ですが。。

実は私、毎月御朔日に近所の氏神様にお参りに行ったり、神道において最高神と言われる天照大御神を祀っている伊勢神宮に毎年通ったり、初詣は日本最古の神社とも言われる大神神社に詣ったり、日本でもっとも高い霊場であり、神社がある富士山に10年間続けて登拝したりしておりますが、普段からがっつりと神道を宗教として認識し、信者として過ごしている訳ではありません。「あなたの帰依する宗教は?」と質問されたら「残念ながら無宗教なんです、」と答えています。ただ、日本人としてふつーの感覚で八百万の神の存在をさほど意識する訳でもなく、そもそも在るものとして当たり前に認識しているというのが正直なところです。神道系でも天理教や金光教など、熱心に活動されている方からすると信仰しているとは言えない頼りなさですが、世の中には自分自身の力ではなんとも出来ない事がたくさんある認識は持っていて、八百万の神に対して畏敬の念を持って向き合うようにしている次第です。

薄い様で深い日本人の宗教観。

ちなみに、宗教色の強い国と言えばやはりイスラム諸国だと思いますが、イスラム教徒がモスクに礼拝に行く数よりも日本人が神社に足を運ぶ数の方が何倍も多いと言われます。日本人ほど宗教に関心が薄い国民は世界に無いと言われることもありますが、実は古代から連綿と続いてきた日本人の宗教観は八百万の神と言われるほどの多神教であるが故、表面的な意識をしないまま、全国民と行っても過言でないくらいに広く、そして奥深くまで浸透しているのかも知れません。自然な感覚で日本中どこにでもある神社に立ち寄る度に、感謝を胸に、願望やそれについての決意を空で唱えるのは日本人なら誰しも違和感を感じないと思います。そんな神と自然と人間との緩やかで実は固く結ばれている関係が世界に誇れる日本人らしさを形成しているのではないかと思っています。

神の存在。

そんな、あまり熱心ではない私の信仰(というのもおこがましい?)ですが、年々歳を重ねる毎に興味が湧いてきて、少しずつではありますが信仰心が芽生えてきている様に思います。だからこそ、三輪山や富士山に登拝したり、伊勢神宮に通ったりするのですが、その様な経験を積み重ねる度に神の存在を感じる事が多くなりました。昨年から通い出した屋久島は半分は屋久島で作られる屋久島の杉で作ったフローリングなどの製品の販売・流通を通しての仕事で、地域活性化の為に山と街を繋げる取り組みの一環ですが、あと半分は九州の山岳信仰のメッカの屋久島にお詣りに行っているというのが正直なところです。屋久島の森に入って樹齢7千年と言われる縄文杉に代表される樹齢1000年を優に超える屋久杉や太鼓岩と言われる巨岩に向き合う事で間違いなく何か目に見えない力を与えられていると感じます。若干、スピ系のノリなのは否めませんが、目に見える事より目に見えない事の方が圧倒的に多いのも真理だと思っています。

アマテラスの暗号

そんなこんなですっかり他力本願な考えが染み込んでいる私ですが、この数年、大好きな歴史小説のジャンルも戦国時代一辺倒から神話系にまつわる本を読む事がとても多くなっています。衝撃的に面白く、のめり込んだのは高橋克彦さんの「竜の柩」で古代日本と世界最古の文明と言われるシュメールが繋がっていたと言うトンデモ系ではありますが、あながち単なるフィクションじゃないのでは?と思えて、その後、関係する九州の宇佐神社や国東半島の聖地巡礼まで行ってしまったくらいです。(笑)そして、今回のお伊勢さん参りに合わせて読んだのが「アマテラスの暗号」で、ダビンチコードを凌ぐ名作と書かれた帯に惹かれて手に取りましたが、非常に面白く、伊勢神宮参拝の楽しみが倍増しました。映画と原作の関係の様に、読んでから行くか、行ってから読むかの悩ましい問題は(繰り返しお参りに行くなら)関係なく、ずっと楽しめる視点を持つ様にできる良書です。お伊勢さん詣でに行かれる方は是非読んでみてください。強くお勧めします。(笑)
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