(俺の)破天荒フェニックス

平成30年11月8日晴れのち曇り

結果、alright!

昨日に行き続き今日も神戸は快晴。秋らしい気持ちの良い天気となりました。今日の午前中はこのところすっかりサボっていた農業研修で畑にスタッフと一緒に行こうと思っておりましたが、アイドル犬チャックのお散歩してる間にまさかの置いてけぼりをくらい、しょうがなしに諦めてデスクワークに励みました。昼からは来客や打ち合わせの予定がびっしりと詰まっていたので、少しでも溜まっている仕事を片付けれたのは結果的には良い選択だったように思います。ただ、農業研修の指導を行ってもらっているギャルファームさんにはトライアルウィークで中学生が働きに来ていたとのことで、残念ながら地域の未来を担っていく少年たちとの交流はできませんでしたが、夜勤明けにもかかわらず畑に行ったたくみがコミニュケーションをとっていたようですし、おっさんが行くよりかえってよかったかもしれません。人生、結果オーライやん。(笑)

破天荒フェニックス

さて、お題目は最近熱心に読んでいた書籍のご紹介。誰に勧められたのかがはっきりとしませんが、とにかく読むべきだよと、どなたかにお勧めされて素直に手に取った一冊です。あらすじは20代の若き起業家がつぶれかけの眼鏡チェーン店を買い取り、幾多の苦難を乗り越えて年間売り上げ100億円を超す日本を代表するグローバルなアイウエアチェーン店として再生を果たした物語で、血沸き肉踊る系の物語ではありませんが、我々起業した者にとっては自分自身の厳しくきつかった記憶が重なり、のめり込むようにストーリーに引き込まれてしまいました。経営者にはぜひ、また、起業を目指す人も目指さない人も、中小企業に勤められてる方はぜひとも読んでいただきたいと思える本でした。

沈没しかけの船に乗り込んだ話

若干のネタバレになりますが、もう少しあらすじをご紹介しておくと、著者であり主人公のオンデーズ代表取締役社長田中修治さんが、売り上げ20億円、負債14億円と債務超過に陥り絶対に倒産すると言われたオンデーズを買い取って全国の販売店の現場の意識改革からスタートし、ギリギリの収益での価格破壊のオープンセールに活路を見出し、その後安売り店からの脱出を目指して商品開発に取り組み、さらに眼鏡業界の暗部といっても過言でなかったレンズのアップセルによる収益構造を見直して、ワンプライスと言うユーザー目線に立ったわかりやすい、シンプルで公正明大な価格設定への切り替え、そしてシンガポール、台湾の海外進出を成功させて営業利益の黒字化に成功、銀行との取引正常化を果たして見事つぶれかけのオンデーズを再生させた。という小説仕立ての実際の企業再生物語です。

脂汗が出るあの感覚。

このドキュメンタリー?小説を読んで、私は何度もジリジリと胸の奥の方が焦げる様な、もう15年以上前の昔に感じていた、視界が狭くなり目の前が真っ暗になり、呼吸が浅くなる切羽詰まった感覚を何度も繰り返し思い出しました。それは、自分自身も一時、勢いだけで事業を拡大し、いくらでも貸しますよ、と調子よく銀行の担当者に言われてその気になり、自社ビル建設に売り上げ規模に分不相応な多額の設備投資を行った時の事です。自社が建築会社だけに本社社屋も当然の如く自分達の手で作った訳ですが、大体、建築屋と言うのは、お客様の工事を優先して自社物件は後回しにしてしまいがちです。私たちもその例に漏れず、挙句、最後は突貫工事になり自社ビルの工事が佳境に入った数ヶ月間の売り上げが落ち込んで本社竣工の数ヶ月後にキャッシュフローがショートしそうになってしまいそうになったのです。

無知は罪。

その当時、経営者と言うよりはまだ職人の延長線上で親方然としていた私は、全く財務に関する知識を持っておらず、決算書の読み込みや経営計画の策定、資金繰り表の更新さえも全く行っていませんでしたし、やり方もその必要性さえも理解できていませんでした。。今振り返ると恥ずかしくて冷や汗が出てきますが、本当に行き当たりバッタリの経営を行なっており、売り上げをどのように作り続けるのかさえ、明確な指針も持っていませんでした。経営者として完全に失格です。それでも、下請け主体の業態を何とかして元請け化へと転換を果たし、大手にぶら下がる不安定極まりない状態から抜け出すには、創業時に立ち上げた倉庫兼事務所の小さな場所ではお客様に来てもらうことも出来ないし、大手リフォーム会社や同業者と比べられた時マトモに戦えない、来店型の店舗式の事務所を出さなければ、先はジリ貧でやがて行き詰まること程度は分かっており、後先考えずに勢いだけで本社社屋の建設、移転を目指したのでした。今考えるとほんとにバカでした。

かくなる上は死んで詫びるしかない。

一応、事業計画を立ててはおりましたが、それは銀行融資の必要書類のひとつくらいの軽い感じで作ったモノで、リアリティーは0。まず始めに綻びが出たのは自社社屋建設の工事期間中の売り上げの低下でした。予定していた竣工日が近づいて、事務所移転に間に合わない!となり、他の現場の予定を入れないようにしてすみれの工務メンバー総出で工事を進めた結果、事務所移転にには間に合いましたが、2か月くらいの売り上げが無くなってしまってました。私は慌てて銀行に運転資金の借り入れを申し込みましたが、社屋取得による借入金の増加により、それまで無借金経営だった決算書が一気に評点が下がり、どこに頼んでも融資を断られたのでした。しかも、借入金の返済は始まり、予定していたテナントは入らないと、想定していなかった三重苦の厳しい現実に向かい合う事になりました。「破天荒フェニックス」の中で田中社長が資金ショートで破綻して社員や取引先に迷惑をかけられないので、ビルから飛び降りて生命保険の保険金で何とかしようと考えるシーンがありましたが、正直に言うと、恥ずかしながら私も全く同じ様に考えたことがあります。

結局、感謝しかない。

この本には、オンデーズが一か八かをかけたナイフの刃先を歩く様なギリギリの選択で幾度も迫るピンチを乗り越える、すると、また次の大きな問題が発生してどん底にたたき落とされそうになるも地獄の釜の淵に手が掛かって生き残るというエピソードが繰り返され、構造改革、事業拡大、設備投資、資金ショート、資金調達で何とか乗り切る。それを繰り返して最後は創業者が残していった債務超過を解消するまでの赤裸々な経営者の苦悩が描かれておりました。私も銀行からそっぽを向かれて破綻する、と覚悟を決めた時に新社屋のオープニングセールで多くの人が集まってくれ、今まで見たこともないような売り上げをその月にあげることができたおかげで首の皮1枚で生き残り、その後も悪徳リフォーム事件や耐震偽装事件、リーマンショックなど様々な外部環境に振り回されながらもPDCAと言うにはあまりにも厳しいサイクルを回してなんとか現在があります。そして、起業して20年近く事業を継続できているのは、この本の最後にもありましたが、たくさんの人に支えられ何とかやって来れたというしかありません。ご縁に心から感謝するばかりです。私の場合はそんな自分自身の体験を重ねて読んだ事もありますが、とにかく一読をするに値する素晴らしく面白い本です。超絶ご一読を お勧めします。(^ ^)

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