建築職人が激減したのは誰の責任か?

平成32年2月18日晴れ

マラソンシーズン。

昨日の日曜日は熊本で熊本城マラソン、京都でも京都市マラソンが開催されており、知り合いの経営者さんが多く出場されておられました。出走前にSNSにアップされている楽しそうな写真を見ながら、今年はエントリーしたレースに全て落選し、目標を失ったまま、あまりテンションを上げることなく毎週ランニングを続けている自分が何だか不憫に思われ、何でもいいからとにかく目標になるレースに、今更ながらエントリしようと思いつつ、いつでもフルマラソンぐらいは完走できるだけの体力を維持できるよう、状態管理に努めなければと思った次第です。

タンニングの絶大な効果

健康と体力と体型を維持するために毎週続けているランニングですが、私的には、もう一つ大きな効果があるのは走りながらの思考の整理です。ランニング中に音楽や音源を聴きながら走られる方が多いですが、私の場合は一切の情報を遮断して走ることのみに集中することによって、自然と脳の中でこの1週間に気づいたこと、気がかりなこと、学んだこと等を反芻して思い返したり、深堀したり展開したりする貴重な時間になっています。この効果は絶大でこの数年、私が実践し、成果を上げた新しいアイディアはほとんどがランニングの時間に思いついたことばかりと言っても過言ではありません。

走りながら考える。

昨日のランニング中にも次々と「これって実行に移したらいいんじゃね?」と、思えるコンセプトやアイディアが次々と浮かんで、その都度iPhoneにメモを繰り返しました。そんな中、まとめ切れないまま放置していた、来週に東京でのコニージャパン社の協力業者会で1時間の講演をさせてもらう内容について、「是非ともこれを伝えよう!」と思えるテーマというかコンセプトが思い浮かびました。机に座ってパソコンの前で、いくら頭をひねっていてもなかなか思い付かないアイデアやインサイトが、走っているときは次々に発想できるのは本当に不思議です。

伝えたいことがありすぎる。

私は職人上がりの工務店経営者で、会社のミッションに「職人の社会的地位の向上を図る」と掲げ、職人を内製化した工務店経営者のほかに、全国各地で職人の意識改革と現場マネジメント改革の研修を行う研修会社の運営もしています。そんな両方の立場から、協力業者会に集まられる業者の方には伝えたいことが山ほどあります。いつも協力業者会の講演の依頼をいただいた時は、短くて1時間半、長ければ3時間もの長時間にわたり熱く語らせていただいておりまして、今回、1時間の尺と言うことで何か一点に集中して伝えなければと思い、伝えたいことが多いだけに考えをまとめきれずにおりました。

 私の責任です。

走りながら、パン!と閃いて決めた、来週登壇する1時間講演のテーマはズバリ、「職人不足は誰の責任や?」です。(笑)
そしてその問いに対する答えは、責任を負うべきは、元請け工務店でもなく、国土交通省でもなく、エンドユーザーでもなく、職人を雇用する施工会社の社長でもなく、親方を張っている職人でもなく、私の責任です。私が職人の1人として若者が魅力を感じて「是非とも大工になりたい」と言い出す様な働き方をしてこなかったからです。と謝るところからスタートすることに決めました。そして、私と同じように責任を感じてもらえる方々に、若者に不人気になった建築業界の根本的問題の解決策を共に考えてもらいたいと思います。

若者が集まる職業の条件はシンプル。

若者がこぞって職人になりたい!と思ってもらえるようにするには、職人と言う職業が魅力あるものにならなければなりません。まずは他業種以上に稼げること。病気や怪我、年老いて体力落ちてからも生活が守られること。休日や有給休暇がちゃんと取れて自分の時間が持てること。やりがいが持てて、未来が明るいこと。そのすべてが叶えば若手の職人不足は解消される可能性は非常に大きいです。しかし、現在の建築業界はほとんどがこの真逆の状態であり、今の建築現場で働いている人たちの働き方を変えなければ若者は寄り付きもしないのは火を見るより明らかです。しかし、残念ながら、改善すべき点と現状の把握ができれば後は改革を行うだけ。と簡単にはいかないのが現実です。

職人の労働環境が改善されない理由。

職人が働く日当は大体、全国共通で決まっており、それを基準として建築工事請負の金額にも「相場」と言うものが出来上がっています。それらを無視して、自分の会社の職人だけ待遇を改善すると大きなコストが見積もり金額に反映され、一瞬にして競争力がなくなって受注が取れなくなってしまいます。結局、仕事が回らなくなり会社が破綻してしまうと言うのがオチで、元請け会社が破綻すると職人の雇用も失われ、結局、本末転倒になるので旧態依然のまま職人の雇用環境が改善されなかった(=若者が建築業界から離れていった)のが現実なのです。

突破口は現場!

この度、私が職人さんや施工会社の経営者さんに一緒に考えてもらいたいのは、上述の「卵が先か鶏が先か」といった出口の見えない議論に終止符を打つ、突破口を作る具体的な行動です。要するに現場で働く職人さん達の待遇が圧倒的に良くなればいいわけで、そのためには職人自身が現場で圧倒的に大きな価値を生み出すようにしなければなりません。その価値とは、現場での顧客満足であり、口コミでの評判であり、現場から広がる紹介であり、「少々高くても、少々施工の時期を待ってでもいいからあの職人さんにお願いしたい」と顧客に言ってもらえる位の高い評価に基づく圧倒的な信頼です。

建築業界の未来は俺たちの手の内に有る!

顧客に喜んでもらい、大きな評価を得て、次の仕事が回ってきて、今よりももっと利益を上げれるようになり、職人の所得にそれが反映され、待遇改善が進み、職人が今よりももっと生き生きともっと楽しそうに働き暮らせる建築業界になれば、おのずと若者は職人になりたいと集まってくると思うのです。少々時間がかかりますが、現在の出口の見えないパラドックスから簡単に効率よく抜け出す方法はなくて、とことん地道に目の前の現場の品質やコミニケーションに、現場に携わる全員、一人ひとりが責任を持って注力するしかないと思うのです。職人の一人ひとりの意識の転換が建築業界の未来を明るいものに変える、そんな取り組みを共にやりませんかと熱く語りかけていきたいと思います。(^ ^)

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追加開催決定!
職人起業塾2019東京オープンセミナー【建築業における真実の瞬間】

2019年3月15日金曜日 14:00〜17:00

株式会社シップ〒112-0004 東京都 文京区後楽1-4-14 後楽森ビル3階

www.shipinc.co.jp

お申し込みはこちら→https://www.facebook.com/events/2270201753253417/

◆長崎 職人起業塾公開講座 第13期@長崎開催  オブザーバー参加募集

https://www.facebook.com/events/1537966419636499/ 経営者、経営幹部の方に限り無料でご招待いたします。

■11010:0018:00 業務改革基礎研修2 スモールビジネスの鉄則 3.2領域に取り組む 4.自分の強みを明らかにする 業務改革基礎研修3 信用と信頼で将来をつくる 5.ご縁を紡ぐ 6.大福帳こそ未来の鍵

■2710:0018:00 業務改革基礎研修4 リスクマネジメントと日本式マーケティング理論 7.弱みこそ胸を張って伝える 8.三方よしとWIN-WIN アクションプラン策定研修

■2月28日 10:00~18:00 業務改革基礎研修5 目的と手段の明確化 9.なんのためにを考える 業務改革実務研修1

■3月14日 10:00~18:00 業務改革検証研修1

■4月25日10:00~18:00 業務改革検証研修2

■5月23日10:00~18:00 業務改革検証研修3(卒業検定) 場所:長崎住宅センター株式会社〒854-0081 長崎県 諫早市栄田町20番31号

13期オブザーバー参加申込書チラシ

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◆大阪 職人起業塾公開講座 第12期 神戸・大阪開催 オブザーバー参加募集

https://www.facebook.com/events/282975708886246/

■2019219:3018:00 NLCセントラルビル 3階大会議室 業務改革基礎研修4 – リスクマネジメントと日本式マーケティング理論 – 7.弱みこそ胸を張って伝える 8.三方よしとWIN-WIN アクションプラン策定研修

■2019年2月22日 9:30~18:00 NLCセントラルビル 3階大会議室 建設現場における生涯顧客獲得、クレーム撲滅スキルa建設現場における生涯顧客獲得、クレーム撲滅スキルアップ研修5 – 目的と手段の明確化 9.なんのためにを考える

■2019年4月19日 9:30~18:00 建設現場における生涯顧客獲得、クレーム撲滅スキルアップ 検証研修2

■2019年5月10日 9:30~18:00 建設現場における生涯顧客獲得、クレーム撲滅スキルアップ研修 検証研修3

お申し込み、お問い合わせはこちら https://www.shokunin-kigyoujyuku.com/application/
オフィシャルページイベントまとめ=https://www.shokunin-kigyoujyuku.com/news/
____________________________________________ ◆職人的マーケティングへの入り口:一般社団法人職人起業塾オフィシャルサイト 建築現場におけるマーケティングに取り組んで見たいとお考えの方は一度のぞいて見てください。 実践型現場マネジメント理論、公開しています。無料公開のサンプルPDFはこちら 建築業界を現場の改革から変える志のある方、私達と共に未来の作り方を学びませんか!
こちらから→https://www.shokunin-kigyoujyuku.com
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