(家づくり)しくじり先生の失敗談。

平成31年3月30日曇りのち雨

人生解釈次第。

今日は朝から空気がしっとりと湿っていて、花粉の飛散が少なく感じて、いい感じやなぁと思っていたら、昼からは本格的な雨となり、予定していた丹波で行ってきた古民家再生の第一期工事の完了を祝っての打ち上げBBQパーティーに文字通り水を差すこととなりました。朝の間に先日インスペクションを行ったリノベーションを計画中の客様へのプレゼンに立ち会った後、急いで丹波の現場に行ってみると、玄関先の軒下にバーベキューの焼き台を据えてBBQは始まっており、狭いスペースに子供たちが群がってとうもろこしやサツマイモを並んでほおばる姿はほほえましく、これはこれで悪くないと思ったり。世の中はすべからず表裏一体、良きも悪しきもも解釈次第ってことですね。(^ ^)

家づくりの迷宮。

子供たちに混じって私もバーベキュー台を囲んで猪肉や鹿肉をほおばりながらあれこれと世間話に花を咲かせていると、現在、注文建築で自宅を取得しようとしているメンバーのFさんが、「いろいろな建築会社に行ってて、いろいろ話を聞いてみるとどこも言うことがバラバラで何が正解かよくわからなくなってきた。」と相談とも独り言とも区別がつかないようなテンションで話されておられました。老婆心を出した私は、「どこの会社も自社の強みは一生懸命語るけど、弱みを語ることがなくて、声を大にして言わない所に注目したほうがいいよ」と軽めのアドバイスをして見たところ、住宅の取得に興味を持っている周りの方々と思いの外、話が盛り上がりました。

ラインニングコストの試算はFP任せじゃだめ。

Fさんの家づくりに興味を持った私は「そもそも住宅の取得って1番優先順位が高い、最初にやるべきことって何ですか?」と聞いてみました。「やっぱりお金の事ですよね、ファイナンシャルプランナーにライフプランを作ってもらって、建築費用の上限を決めました。」と、Fさん。最近の若者は情報取集能力が高く、本質的な部分を理解しておられるのやと感心しつつも、「FPさんはお金のことが専門で、建築のことは素人なので、住宅のランニングコスト(光熱費)とイニシャルコスト(省エネ性能や太陽光発電にかける初期費用)の試算も月々の支払いとして建築費用の総額に含んだほうが良いよ、寒くて暑い家を建てて、冷暖房費にどっさりと電力会社に支払うのは馬鹿馬鹿しい、とにかく、新居に暮らし始めてからの生活に焦点を合わせて考えないとね」と付け足しのアドバイスもしておきました。

3年前に出会いたかった。。

そんな話をしていたら、隣で聞いていた若いママさんが、「私、家づくりに失敗したんです、3年前に出会ってそんな話をしてもらいたかったです。。」と苦笑いしながら話しかけられてこられました。よくよく聞いてみると、3年前、木の家にこだわって家づくりをしたところ、当初の予定よりも随分と建築費用が高くなってしまい、費用を抑えるために、元々計画していた街中から外れた郊外の土地に家を建てた上に、銀行からもっと融資額を増やせると申し出があり、借り入れを上積みして無理して新居を手に入れたらしく、「住み始めたら通勤にすごく時間がかかり、子供と一緒に居られる時間が激減して、こんな暮らしは嫌だと結局、街中のマンションに移り住んだんです。」と悔しそうに話されました。

家づくりのしくじり先生。

そのママさんは幸せに暮らせる木のお家をこだわって建てたが、新居に住みだしてからの「暮らしのイメージ」が明確に出来ていなかった為、結局、子供との時間を優先する決断をされました。その結果は、マンションの家賃と住宅ローンの二重払いで家計は圧迫されるし、家を売りに出してもなかなか売れないし、売れたと思ったら残債よりも低い価格で借金だけが後に残った。と、涙なしでは聞けない残念な家づくりを体験されたとのこと。ただ、最後は「今はなんとか借金も返せたし、もう良いんですけどね。」とサバサバした感じで笑っておられたので救われましたが、幸せになるための家づくりが苦労の始まりになるなんて、絶対にあってはならない事です。すみれの事業のコンセプトを「家は建ててからがスタート」と掲げて、資金計画やヒヤリング、プランニングに時間をかけて、メンテナンスまでトータルで提案しているのは絶対にこの様な失敗をしてもらいたくないからです。

100人に一人が住宅購入で不幸のドン底に落ちる。

金融中央広報委員会の調べによると、多重債務に陥った理由の3番目に多いのが住宅ローンの返済に困ったから、となっており、自己破産した人へのアンケートで住宅購入が原因だと答えた割合が16%との統計データーもあります。また、住宅ローン破産の数は年間1万人と言われており、住宅ローン利用者が年間100万人と考えれば、百人に一人が、幸せになろうと夢を叶えてマイホームを購入したが為、自己破産という全てを失う不幸のドン底に陥ってしまっている悲しすぎる現実があります。

(売る事に)熱心な担当者に人生を任せる。

現代は自己責任の時代と言われますし、返済能力を超えた借金をして首が回らなくなるなんて本人の責任だ。と言ってしまえばそれまでですが、その論理では住宅事業者は稼げりゃ人を不幸に陥れても良いのか?と質されかねません。殆どの方は人生で初めての家づくり、練習無しのぶっつけ本番です。良く分からんし、うまく行きそうにも無いのでプロに相談に行く訳で、そこでいかにも親切そうで熱心な「イマカネジブン」の担当者に当たるだけで人生がガタガタになってしまうなんて可哀想過ぎます。建築業界はいい加減、「在り方」を見直し、モノを作って売るだけのビジネスから脱却して、顧客の幸せな暮らしをデザインし、提供する本質的な価値観を持つようになるべきです。

建築の専門家倫理を学べ。

昨日のブログにも建築基準法の第一条(目的)の条文を引用しました。「国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。」から始まる建築基準法は住まい手の命を守る重い責任が建築業に課せられるという文から始まっているにも関わらず、上述の家づくりで失敗した事例を聞くと、建築・不動産業者が倫理観を学ぶ機会が欠落しているのではないか、と思わずにはいられません。これは先日の京阪神木造住宅協議会の研修で構造塾の佐藤実氏も言われていましたし、私が良く「建築会社は倫理法人会に入るべきだ!」と言っている所以でもあります。

イマカネジブンの排除。

持続継続性のあるビジネスモデルは持続可能な地域があってこそ成り立ちます。家は売ってしまったらそれでしまい、といった「今だけ、金だけ、自分だけ」の倫理観に欠けた考え方は何十年も住み続け、また何十年もかけて住宅ローンを払い続ける高額な商品を取り扱う住宅業界こそ排除しなければなりません。そのためには倫理観を学び、実践するトレーニングの場を設けるべきで、倫理法人会こそ、うってつけの場だと思っています。ご興味がある方はお気軽に私(高橋)までご連絡下さい!(笑)


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次回の開催は4月17日(水) テーマは「タイムマネジメント」です。
時間(=人生)のマネジメントについて改めて考えを巡らす時間を持ちませんか?「今の時間の使い方で未来に手に入る成果は大きく変わるのは分かっている、でも、忙しいし、、」と私も長年悩み続けておりましたが、少しずつですがマネージ出来る様になって来ましたよ。(笑)

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職人非正規雇用と構造計算省略の深い闇。@JBN京阪神木造住宅協議会研修会

平成31年3月29日 晴れ

マンプクロス

好評を博していると噂の朝の連続ドラマ「まんぷく」は世界ラーメン協会の初代会長だった安藤百福翁が主人公とあって私の様なラーメンフリークにとっては観ずにはおれない毎朝ののルーティーンになりました。と同時に、大阪の発明王であり、昭和の戦災復興と高度成長期の波に乗り一代で世界展開する大企業を作り上げたジャパニーズドリームの立役者たちの一翼を担うモノづくり企業のサクセスストーリーは昭和生まれの経営者にはたまらなく痛快で、勇気をもらえる物語でした。それが明日で最終回を迎えると知って少し寂しさを感じましたのは私だけでは無いはず。マンプクロスの影響でチキンラーメンが爆発的に売れるのでは、なんて思ってます。(笑)

総会シーズン開幕。

今日は不肖私が副会長を努めさせてもらっているJBN京阪神木造住宅協議会の総会があり、朝から一応、スーツを着込んで出かけました。総会はいつも通り、ちゃんちゃんと滞りなく承認の拍手の繰り返しで無事終了。その後、埼玉からお越しいただいた母体団体のJBNの大野会長による唯一無二の全国的工務店組織であるJBN(日本工務店協会)が今後目指していく姿と方向性についての講話を頂きました。全国の工務店のトップといっても過言でないJBNの会長職を務められている大野会長が冒頭から語られたのは「創業から100年を超える社歴を積み重ねながら大事に守ってきたのは地域への密着と大工の育成であり、今も24名の大工を正社員として雇用して、営業や設計など他の社員と同じような待遇で働いてもらっている」と言うことでした。

答えは職人の社員育成。

圧倒的な職人不足に陥りつつある建設業界でこの問題を看過してしまうといくら受注を重ねても工事にかかることができなくなり、当然、企業が破綻する原因のダントツナンバーワンの売り上げ不足に陥ってしまいます。職人不足問題は喫緊かつ重要な課題のはずですが、残念ながら根本的問題解決に業界全体が取り組んでいるとは言えないのが現状で、全国の工務店を取りまとめる団体のトップにある大野会長が職人不足を解消するには「職人を社員登用して生涯所得と社会的な補償を他業種と変わらないレベルに引き上げるしかない」と結論づけられたのは、この15年間、職人の内製化に取り組んできた私にとっては我が意を得たり!と思える素晴らしい、そして勇気をいただけるお話でした。

建築のプロが苦手な構造計算!?

第二部は、全国で構造塾を展開されているMs設計の佐藤実氏の講演でした。実は建築計画には欠かせない構造計算ですが、国家資格の免許を持っている建築士でも苦手な人が多く、ちなみに私も構造計算はできません。しかし、建築は人の命を守る重要な役割を担うわけで、安全に対するエビデンスが取れない建物を建てる訳にはいかないのは自明の理です。今日の講演では非常にわかりやすい例えと実際に地震で倒壊した事例の写真を多く用いてくださりながら、いかに構造計算で建物の安全を担保するのが大事であるかを丁寧に説明されました。ちなみに、すみれではずいぶん前からすべての物件で許容応力度計算を行っておりますが、実は、これは建築業界では非常に稀な部類で、ほとんどの会社では「4号特例」と言われる建築基準法の緩和措置に則って構造計算をせずに確認申請を出して、建物を建てています。

建築基準法の目的。

建築基準法の第1条は目的を示してあり、「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。」と書かれています。国民の生命を守る最低の基準とは即ち、すべての建物で安全性の確認が求められるとの意味です。しかし、昔から大工さんが長年の経験で建ててきた木造2階建てまでの住宅については構造計算が必要でないと言う特例が定められており、これが「四号特例」なる法律です。もちろん、どんな建物でも建てて良い訳ではなくて、地震や台風に耐えうる壁(筋交い)の量を定めた仕様規定があり、壁(筋交い)の配置のバランスチェックと共に行う事になっています。昨今は、その壁量を基準法で定められた最低量より1.25倍、1.5倍と増やすことで耐震等級2とか耐震等級3とかの表示をすることが一般的になっています。以下は一般社団法人住宅性能評価・表示協会のHPに書かれている定義です。

1-2 耐震等級(構造躯体の損傷防止)

・地震に対する構造躯体の損傷のしにくさを表示します(等級3〜1)。
・希に(数十年に一度程度)発生する地震力が建築基準法で定められており、性能表示制度ではこれに耐えられるものを等級1としています。
・想定する地震の揺れの強さは、地域により異なりますが、この揺れは、東京を想定した場合、震度5強に相当します。
・等級は1から3まであり、等級2は等級1で耐えられる地震力の1.25倍の力に対して損傷を生じない程度を示しており、等級3では1.5倍の力に対して損傷を生じない程度のものとなります。

建物は基礎と地盤と繋がっている。

建物は壁(筋交い)の量が増えれば地震などの横揺れに対して強くなります。ただ、建物は基礎と土台で地盤とつながっており、土台から上の建物ばかり強くしても基礎や地盤の構造検討を行わなければバランスが取れなくなります。耐震等級1と耐震等級3の建物の基礎が同じである事はありえないのですが、構造計算をして必要な鉄筋量や基礎の形状、地盤の強度を検討しなければ求められる耐震性能を発揮できる事はありません。非常に残念な事ですが、こんな当たり前のことを行っていない建築会社が実は大半で、正直に申し上げると、すみれでも数年前までは全棟構造計算を実施してはいませんで、私としても大いに反省し、現在、10年前まで遡って構造検討をやり直す取り組みに着手しております。そんな建築業界の現状に危機感を募らせたのだと思いましが、佐藤氏は全国で開催されている構造塾でその現状にに強く警鐘を鳴らしておられます。

「今だけ、金だけ、自分だけ」へのアンチテーゼ。

本日の研修会に参加された工務店経営者や、建築実務者の皆さんはもともと意識が高い方ばかりで、目から鱗が落ちた、と言うような衝撃はなかったかと思いますが、それでも改めて大野会長が強い口調で断じられた「職人の社員化と育成」や、佐藤氏がユーモアを交えながらも熱く語られた「構造計算の重要性」を再認識される良い機会になったのではないかと思います。私も曲がりなりにも京阪神木造住宅協議会の団体役員の末席に名を連ねている以上、地域に根付き、地域のインフラを守る工務店が正しい道、王道を歩み、持続継続的なビジネスモデルを確立して、今後厳しさを増す顕徳業界で生き残れる様にに少しでも寄与しなければ、と改めて思い、気合いを入れ直させられる機会となりました。手弁当でのボランティアですし、時間は取られるし、自社のビジネスモデルの確立もまだまだ道半ばではありますが、事業の目的はあくまで地域貢献である以上、「自分だけ良かったらいい」訳はなく、本当に微力ではありますが、私が出来る範囲で地域で頑張る同業者の皆様と共に学び、共に成長し続けられるように気張りたいと思います。京阪神木造住宅協議会は正しい在り方を求める工務店を大募集しておりますので、ご興味があれば、私(高橋)までお気軽にお声がけください!


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斧を研がない木こりと自ら泥沼にハマるバカ。(涙)

平成31年3月28日晴れのち曇り

現場の誘惑。

毎週木曜日は出張に出ることが多いのですが、今週はそれもなく珍しく1日予定が空いており、たまには社内でじっとして、内向きの経営者としてのデスクワークに励もうかと思っておりました。大体、私は普段からほとんど社内にいないし、今年から組織の組み立てを大幅に変更したこともあり、行うべき事はてんこ盛りなのですが、結局、現場が気になって丹波で進行中の古民家再生工事の現場に出かけてしまいました。大工上がりの私としては現場に出ていると仕事をした気になってしまいがちで、自分で担当の現場を持つとつい誘惑に負けて出掛けてしまいます。ま、内向きの仕事は日中にする必要もないし、夜中にシコシコやるようにします。(笑)

現場実務の日。

今日の丹波の現場では、いつも行なっているDIYでの施工サポートではなく、専門職による設備仕上げの立会いと、これで1期工事もほぼ完成となり、この週末はお披露目を兼ねたランチイベントを開催することになっており、私は塗り残してあった部分の漆喰塗りやステンレスのキッチンの搬入等、現場の片付けを中心に施工管理者兼職人として軽めの作業を行いました。というか、掃除をしていた時間が中心といっても過言でない位、現場内のあちこちからゴミを出しては掃き掃除を繰り返しました。(笑)

DIYは楽しくてナンボ。

丹波古民家から再生プロジェクトはリノベーション工事をできるだけDIYで行って予算を抑えながら大掛かりな工事をしようと試みています。私の立場は大工でも工事を請け負った建築会社の経営者でもなく、基本的にDIYを教える講師役としてプロジェクトに参画しています。あくまでも地域の人たちが中心になってイベントを立ち上げて参加された人達と工事を行うのですが、指導する立場の私が心がけているのは、「あまり細かなことを気にしない、おおらかな気持ちで接しよう」と言うことです。プロの職人が施工するのでは無いのですから、施工品質はあまり高いレベルを求められないのは当然で、どちらかと言うと楽しみながら現場を進めてもらうようにしています。

そこはかとない違和感。

ただ、DIYイベントをこの数ヶ月繰り返してきて、なんとなく気になるというか、そこはかとない違和感があり、この感じは何かしら?とぼんやりとした疑問を抱いておりました。ここ最近、DIYで行うにはハードルが高すぎる、建具枠の造作などの施工を自分自身で(久々に)行うようになって、すっかり薄らいでいた現場勘を私も少しだけ取り戻しつつありまして、今日の軽作業をしながらふと気づいたのは、作業前後の掃除とあと片付けにかける時間と質が職人行うのとDIYの時のそれではずいぶんと違うと言うことです。昔から腕の良い大工の現場はきれいに片付いて、掃除が行き届いていると言われますが、作業の質を求めないDIYでは、掃除の質もやっぱり下がっていたのだと、自分の意識の低さに大いに反省した次第です。

斧を研がない木こりの話。

「成果は目標達成能力に由来する」との原理原則の根幹である状態管理の重要さを伝えるのにわかりやすい例えとして木こりの話があります。「成果を上げる(早く木を倒す)ことができる木こりは作業を始める前に熱心に斧の刃を研ぎ、成果が上がらない(仕事が遅い)木こりはぼろぼろに刃が欠けた斧で力任せに木を倒そうとする。」と言う話で、私はこれを大工の仕事に置き換えてよく話します。「早くてきれいな仕事ができる大工は鑿やかんなの刃を普段から研いでおり、その切り口は美しく早く木をを削ることができるのに対して、下手くそな大工程、切れない道具を使って汚く、遅い仕事になってしまう。」実は、状態管理の意識が欠けていると簡単な仕事さえも自ら仕事を難しくしてしまうという示唆がこの例え話にはあります。残念ですが、丹波DIYのシーンでは私が自ら泥沼にハマるバカだったという事になります。。(涙、)

 

自ら泥沼にはまるバカからの脱出。

古民家再生現場の掃除にしても同じことが言える訳で、例えば壁にペンキを塗るDIYをするとき、まず掃除を綺麗にした方が、余計なところにペンキが付着しないようにするマスキングテープ養生も貼りやすくなります。反対にろくに掃除をしないまま養生を始めると鴨居や枠についた埃でテープがつきにくく、塗装する段になってテープが捲れてしまったりします。養生のマスキングテープがきっちり貼れていれば枠周りの塗装は簡単ですが、テープが貼れていないと刷毛を巧みに操る技術が必要になります。掃除がテキトーなまま作業にかかると素人のDIYなのに自ら高い技術が必要な難しい仕事にしてしまい、結果、上手くできる訳もなく仕上がりがイマイチ、という結果を招いてしまいます。キレイにペンキを塗るには塗りやすい状態を整えるのが何より重要で、その前段階として丁寧な清掃が結果を大きく左右する。当たり前ですが、ついうっかり忘れてしまいがちなこの原理原則を、これからはDIYイベントの際には必ず木こりの話をして理解してもらい、まずは丁寧な掃除にかかってもらうようにしたいと思います。DIY以外でも状態管理の概念は何にでも当てはまるし、丁寧に掃除を行う事で、良い気づきを得てもらえるかも知れません。実際に原理原則を体験してみたい方、丹波の古民家でお待ちしております!(笑)


◆~古民家から再生プロジェクト~ 祝!第一期改装工事終了お披露目パーティー開催します!

本格的なリノベーションを前にとりあえず泊まれる様に水回りと二部屋の改修を行いました、世界に一つの研ぎ出し風呂や、断熱塗料ガイナの実証実験室など結構見所もあります!
日時:2019年3月30日土曜日 10:30〜17:00
場所:兵庫県丹波市春日町下三井474
詳細:https://www.facebook.com/events/296991217900771/


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住宅取得で後悔しない為にまず何をするべきですか?にお答えします。@住宅はランニングコスト

平成31年3月27日快晴

春の憂鬱。

春らしい暖かな天気が続きます。待ちに待った本格的な春の到来に気持ちもウキウキのはずですが、今日は1日中なんだか少し黄色いモヤがかかっているように思う位、花粉の飛散がひどかったようで、私の場合鼻がムズムズする事はあまりないのですが、皮膚の炎症があちこちに発症して痒くて仕方がありません。たかが花粉症と侮るなかれ、アレルギー反応とは恐ろしいものだと改めて思い知らされています。

薬依存への躊躇。

そもそも私は、小学生の低学年まで小児喘息とアトピーを患っており、体質改善の治療を受けるために週に何度も病院通いをするひ弱な子供でした。40年以上昔のことで、もうあまり詳しくは覚えておりませんが、毎週1人で病院に行って注射を打ってもらっていた記憶があり、この調子で花粉症がひどくなったらまた体質改善の治療を受けなければならないのか、なんて思ってしまいます。皮膚炎はステロイドを塗ると効果的面に状態が良くなるのですが、繰り返し塗り続けなければならないのは少し怖いような気がして結局病院にも行けてません。代替治療の良いアドバイスがある方はぜひお願いします。(笑)


住宅取得の4パターン。

さて、昨日のブログでは(珍しく)建築屋らしい雰囲気で「新築と中古を買ってリノベーションするのとどちらがお得ですか?」とよく聞かれる質問について書いてみました。複数の方からとても分かりやすいとコメントをいただいたりと思いのほか反響があったので、引き続き今日も建築屋風コンテンツを重ねてみたいと思います。(^ ^)
住宅を取得するパターンは、大きく4つに分かれます。1.注文建築で新築、2.分譲と言われる建て売り住宅の購入、3.中古物件を買ってリノベーション、4.リフォーム済み中古物件の購入。のいずれかに大まか当てはまります。初期費用の高額な順番に並べてみましたが、昨日のブログにも書いた通り、住宅は長年の生活を送るための基盤なので、ランニングコストで考えることが重要であり、初期投資が安いからといって決してお得とは限りません。表面的な金額だけではなく様々な面から検討することが必要です。

住宅ローンの仕組み、知ってます?

私は、住宅購入の相談をいただくと、まずは住宅ローンの仕組みからご説明するようにしています。金利が数%変わるだけで支払い総額が1.5倍や2倍にもなることもざらにあるのを知らずに銀行に勧められるがまま、なんの疑いもなく変動金利や期間固定金利で何千万円もの借り入れをする人が多すぎるのを大いに危惧しているからで、超低金利の今の時代だからこそ、もし金利が2%程度上がると、返済が終わった瞬間に多額の未返済金の請求が銀行から送りつけられて不幸のどん底に落ちる人が物凄い数になると思っているからです。

ヤバいリスク。

少しマニアックですが、昨日に引き続き今日も具体的、かつ簡単な計算でそのヤバイリスクを説明してみたいと思います。銀行のHPを覗いてみると住宅ローンについての細かな約款が分かりにくい文章で書かれています。某地方銀行を例に変動金利に関する説明文を以下に抜粋します。

  • 年2回、毎年4月1日及び10月1日に当行変動金利型住宅ローン基準金利を基準として利率の見直しを行います。4月1日の新利率は7月のご返済分から、10月1日の新利率は翌年1月のご返済分から適用します。
  • 元利均等返済の場合、返済額は10月1日の利率見直しを5回経過するまで一定とし、5回目毎に新返済額を定めます。ただし、返済額が増加する場合は前回返済額の1.25倍を上限とします。
  • 当初の借入期間が満了しても未返済額残高がある場合は、原則として期日に一括してご返済いただきます。
  • 固定金利選択型への切り替えは可能(手数料が必要)ですが、固定金利型への切り替えはできません。

通訳すると、、

この内容をもう少し丁寧に分かりやすく説明すると、「(金利が上昇し始めたら)半年毎に金利は見直すので、金利が上がった分、支払いは増えますが、2年半は今のままの金額を支払ってもらいます。2年半後に支払いが増える際も1.25倍までしか返済金額の増額はしませんが、金利上昇分は元金返済を圧縮してもらいます。元金の返済が少なくなった分、利息は雪だるま式に増えるので返済期日の最終に残高を一括返済していただきます。できない場合は抵当権を行使して住宅を売却します」。となります。

お金に置き換えてみると、

言葉で見るとあまりリアリティーがないのでわかり易い数字に置き換えてみます。
【土地建物4千万円 変動金利当初1% 返済期間30年】
で住宅ローンを組んだ場合、月々の返済額は128,655円となります。1年後、(実際にはあまり考えにくいですが、)2%の金利上昇があったとします。月々の支払い額は168,641となりますが、それが適用されるのはその2年半後です。そして、改訂された支払い額は125%ルールに従って160818円となります。問題なのは、金利変動によって1年半前から168,641円を支払うべきを128,655しか支払っておらず、その差額は元金の支払いから差し引かれていることです。

知らないうちに借金が膨らむ。

ちなみに、一般的には、仕組みを把握されている方は少ないですが、住宅ローンはほとんどすべての人が(半ば自動的に)元利均等払いを選択されています。要はローンのスタートから最後まで支払う金額は一定で、はじめのうちは元金よりも金利が多く、返済が進むにつれてその比率が変わっていくと言うシステムです。上述の金利上昇局面で支払い金額が変更されるまでの2年半の支払いを見てみると、月々の返済は128,655円でその内訳は元本返済95,322  利子33,333円 となっています。しかし、金利上昇分の支払い増となった168,641円との差額39,986円をこの金額で吸収するので、返済は計画通り進みません。実質、金利は常に残債に対してかかりますので、この差額が雪だるま式に増える事になります。複利は複雑な計算で分かりにくいのでここでは割愛してシンプルに考えると、39,986円の差額が2年半(30ヶ月)溜まると1,199,580円となります。住宅を購入して3年半後に知らないうちにこの負債を抱えている事になるのです。

 

複利計算とは雪だるま式のこと。

もう少し詳しく見てみると、1%から3%に金利が上がると、総支払額は46,315,920円から60,710,833円に膨らみ、その差額は1400万円以上増える事になります。返済の元金と利息の内訳は3%の場合、元金68,641  利息100,000と支払い額が増えるにもかかわらず、元金の返済は少なくなり、残債が多くなる分、金利が更にかかる雪だるま式の計算になるのです。上述の金利上昇場面のシュミレーションに当てはめると、返済スタートから3年半経った金利の見直しがされる時点での返済は、金利上昇した未返済分の1,199,580円+金利+残債となり、3800万円以上になります。このあまり返済が進んでいない状態で金利計算をやり直すと、毎月の返済額は173,366円となり、125%ルールでの月々の支払い額は168,641円ですからここでも4,725円未返済が発生します。これを残期間分掛け合わせて単純に計算しても150万円+金利となり、最終的にローン完済時に300万円前後の未返済分の請求が銀行から送られてくるという事になるのです。

住宅取得で後悔しない一丁目一番地。

以上、あまり細かな計算をしても複雑になるので、ざっくりした計算で考え方を説明したのですが、これでもかなりマニアックだと感じて分かりにくかった方もおられると思います。しかし、多額の借り入れをする本人が面倒くさがって金利についての理解を諦めると、とんでもない事になり、幸せに暮らすために手に入れる住宅が不幸の種になってしまう事になりかねません。とにかく、新築、中古住宅にかかわらず、まずはランニングコストで考えられるように住宅ローンの仕組み、金利の恐ろしさは理解しておく必要があります。住宅取得を考えられたら、まず初めに押さえておくべき点だと思っています。ちなみに、125%ルールの適応が無い銀行や、変動金利と変わらない金利の全期間固定のローン商品を扱う銀行もありますなので、根気よく調べられることを強くお勧めします。こんなブログではイマイチよく分からないと言われる方はお気軽に私(高橋)までご連絡頂ければもう少し分かりやすく丁寧に解説させて頂きますよ。(笑)


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◆~古民家から再生プロジェクト~ 祝!第一期改装工事終了お披露目パーティー開催します!

本格的なリノベーションを前にとりあえず泊まれる様に水回りと二部屋の改修を行いました、世界に一つの研ぎ出し風呂や、断熱塗料ガイナの実証実験室など結構見所もあります!
日時:2019年3月30日土曜日 10:30〜17:00
場所:兵庫県丹波市春日町下三井474
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新築と中古×リノベどっちがお得ですか?にお答えします。@住宅はランニングコスト

平成31年3月26日快晴

春の丹波。

今日は朝から春らしい日差しが戻ってきました。日中も「これぞ春!」といった風情の暖かさで、丹波での古民家再生工事の仕上げ工事に職人として向かう道すがらも、ポカポカ陽気の下、ドライブを楽しむ勢いで気分を上げて車を走らせました。寒いのが苦手な私とすると春の訪れは心待ちにしていた嬉しいことではありますが、気になるのは花粉によるアレルギーのさらなる発症で、黄色くかすんだ遥か彼方の空を見ながら、これ以上症状がひどくならないこと祈りつつ、せっかくの気持ちの良い天気にもかかわらず窓を閉め切って車を走らせました。

真面目すぎるNPO活動。

話は変わって、昨日はNPO法人ひょうご安心リフォーム推進委員会の定例会と研修会があり、ここでも理事の末席に名を連ねさせてもらっている私も参加させて頂ました。このNPO法人の活動は、兵庫県に住まう人が安心してリフォームできる環境を整えることを目的としており、意識の高い真面目な事業者が集まって活発な活動を行っています。その内容は、未だに暗躍する悪徳リフォーム会社に対する注意喚起のセミナーの開催や、自治体とタイアップして、地域の方がリフォームを行うにあたって古くなった建物をただ単にきれいにするだけでなく、性能改善提案の啓蒙活動を通して建物の人が暮らす上で非常に大事な住環境を整え、地域の方の健康に寄与する本質的なリフォームの普及に取り組んでいます。

既存住宅流通部会。

昨日の研修会では、国の方針でもある中古住宅の流通活性化の流れもあり、最近特に増えてきている中古住宅をリノベーションして新築に比べて費用を抑えながら思い通りの住まいを手に入れたいと言うユーザーが、安心して物件を取得できるようにと広まっているインスペクション(住宅診断)について、中古住宅の買取再販で実績を上げておられる不動産寄りの工務店経営者、Hさんを講師としてお招きし、不動産業界の立場からの意見を聞かせてもらいながらメンバー全員を交えての活発かつ本音トークが飛び交うディスカッションを行いました。

インスペクションの現実。

講師役のH社長のお話を要約すると、昨年の不動産業法改正で中古物件の購入者にインスペクションを行うか行わないかを確認することが義務化されたのを受けて、実際の取引現場ではどのようになっているかと言うと、重要事項説明書にチェックボックスが並んでいるだけで、詳しく説明されていないのが現状で、積極的にインスペクションを進める不動産会社はほとんどいない。売主にインスペクションをすることによるメリットを感じてもらえない以上、普及することはないのでは、と言う厳しい見解でした。非常に残念ですが、木造一戸建てのまだギリギリ資産価値が認められる築20年前後の建物でインスペクションを行なって資産価値以上のいい結果が認められる建物は殆どなく、建物の価値を明らかにする為ではなく、買い手側の不安要素の確認の為に行うのみになっているのが現状のようです。

建物診断の本質は劣化予防。

ちなみに、すみれでは中古住宅の売買のシーンだけではなく、お客様の持ち家の定期健康診断的な位置付けでのインスペクションを積極的に行っています。それは将来的にメンテナンスにかかる費用と時期を明らかにすることによって建物の劣化を予防する意識を持ってもらうための取り組みで、OB顧客には「おかげで安心して住める。」とご好評を頂いています。また、最近特に増えている中古住宅の購入を検討されている方からのインスペクションの依頼は、「新築住宅を取得するか、中古住宅を購入してリノベーションで費用を抑えて快適な住宅を取得出来るか迷っている」と言われる方がとても多くなっています。

新築住宅or中古×リノベ

「新築とリノベ、どちらがおトク?」の判断は物件次第で大きく変わるので一概にどちらがいいとは言えませんし、新築よりも難しいリノベーション費用の算出や、様々な住宅税制の優遇措置等もあり、その選択は簡単ではありません。その比較検討の難しさからか、綿密に条件を調べて検討することなく、場所や外観を見て直感的に判断されて中古住宅を購入される方も多くおられる様で、私にすれば「そんなに簡単に決めて大丈夫かしら、」と心配してしまうことも少なからずあります。この辺りが住宅取得者の7割が購入後に後悔をされると言われる原因だと思いますが、これから住宅購入を検討されている方のために、いつも私が相談を受けた際にアドバイスしている点を以下に記しておきたいと思います。

中古住宅の選び方の基本。

まず、中古住宅の選定ですが、基本的には昭和56年以降に新耐震基準で建てられて、かつ、新築当時の図面と建築確認完了済証が残っているものをお勧めしています。この条件を満たさない物件は、インスペクションを施しても見れない部分に不安要素が多く、購入後内装をばらしてみるとびっくり仰天と言うことが少なからずあります。また、銀行融資を受ける際の担保価値の基準に耐震等級1をクリアしているか、の項目があり、(住宅ローンを利用されなくても耐震性のは重要ですが、)金利の優遇も変わったりしますので住宅ローンを利用する場合は耐震補強をしなくてもその基準を満たしているものを選ぶべきです。

住宅はランニングコストで考える。

最低限の基本性能である耐震がクリアされていれば、物件の良し悪しは立地やデザイン、老朽間の程度等物件によって様々ですが、共通して言えることは断熱性能、省エネ性能が高いものは殆どないということです。これは現在の新築では主流になった高断熱、高気密住宅に比べて冷暖房の光熱費が嵩む事になるので、それも含めて費用の部分だけはしっかりと確認されることを強くお勧めしています。現在、住宅の取得は住宅ローンを利用することがほとんどになっています。中古住宅の購入でも住宅ローンの利用もできますし、リノベーション費用も一緒に融資を受けて住宅ローンに組み込むことも最近は多くなりました。ここで特に留意していただきたいのは、住宅はイニシャルコストで考えるべきではなく、毎月の支払いを積み重ねるランニングコストで考えるべきだと言うことです。

住宅費用の総額を試算する

わかりやすくシュミレーションを行って比較してみます。
例えば、築20年の一戸建て住宅が2千万円で販売されていたとします。土地が40坪で坪単価が40万円、土地価格が1600万円、建物評価は400万円と設定します。その中古物件を内外装や水回りを全て改装するリノベーション費用と合わせると3000万円程度になります。
同じ地域で新築を建てる、もしくはその物件を解体して建て替える場合、30坪の建物をZEH仕様(一次エネルギー換算でゼロになる)で2400万円(坪80万円)で建てた場合、土地と建物総額は4000万円(解体して建て替えたら4200万円程度)となります。
この場合、住宅取得にかかる初期費用としては中古×リノベの方が1000万円ほど抑えられるように思いますが、月々の支払いで考えると、ZEH使用の住宅との光熱費は月平均2万円の差額があると考えれば、30年の期間で見ると、その差額は720万円となり支払う総額は大して変わらなくなる可能性があります。

新築の方が安いんかい!

更に、住宅を取得される方が意外と気にされないのが住宅ローンの金利です。史上最低の金利となっている今は、絶対に固定金利を選択すべきタイミングとなっておりますが、新築の方が金利優遇が大きく、中古×リノベーションの場合は金利が高く設定されることが少なくありません。ちなみに、私たちが新築でオススメする兵庫県産木材特別ローンは0.8%の固定金利です。リノベーション 物件で金利優遇が適用されない場合、固定金利にすると2%を超える可能性もあり、この金利差を上述の案件の支払い総額で計算してみると、、

・中古×リノベ  購入費3000万円 光熱費720万円 金利(2%)1173万円 支払い総額4893万円
・ZEH仕様新築 購入費4000万円  光熱費0円    金利(0.8%)587万円 支払い総額4587万円

なんと、新築の方がトータルコストでは安くなります。更に、住宅ローン減税の拡充やエコポイント、地域型グリーン化事業の補助金の活用等々、新築にはまだおまけが沢山ついてきて、実際はもっと支払い総額が減る事になります。以上で住宅はランニングコストで考えるべき、という私の持論をご理解頂けたと思います。新築か、中古×リノベにすべきか、と迷われている方、いつでも個別のご相談を承りますので、お気軽に私(高橋)までお声がけください!(笑)

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菜の花忌とオッサンの情熱の燃やし方。

平成31年3月25日晴れのち曇り

春の足音。

天気の週間予想によると神戸の桜の開花予想は3月27日とのことです。いつもの朝のお散歩でアイドル犬チャックと伊川の河川敷を歩いていると、桜の蕾が少しだけほころんできておりました。今日も日中は気温が随分と上昇すると言うことでしたし、この調子だと天気予報のキャスターが言った通り、明後日には井川の千本桜も花を咲かすかもしれません。河川敷の千本桜が咲き誇る本格的な春、まだ気分もウキウキとまではいきませんが楽しみです。

利休忌。

その3月27日は、茶の湯の太祖、千利休が使えていた豊臣秀吉に命じられ、自害をして果てた日で、茶の湯の世界では利休忌(菜の花忌とも言われる)として千利休を偲ぶ茶会が営まれ、お茶湯(おちゃとう)といって床の間に茶の湯をお供えする行事が行われます。昨日は私も一向に上達しないながらも長年通い続けている茶の湯のお稽古でそのお茶湯のお稽古に参加させて頂き、床の間に掛けられた利休さんの辞世の句と画賛が描かれた掛け軸に向かって茶の湯をお供えさせて頂きました。

利休辞世の句

へうげもの。

ご存知の通り千利休は戦国時代が終わりを告げる織田信長が天下統一を果たす頃から信長、秀吉と天下人に仕えて茶の湯を指南し、当時は戦国大名と並ぶ権勢を誇ったとされています。戦国時代を生き残った大名達の茶の湯熱は今では考えられないほどの熱さ、高さで、信長が所有していた「肩衝」と呼ばれる小さな茶入一つがが城一つと同じ価値だったというのは有名な話です。詳しくは今も根強い人気を誇る織部焼の創始者、古田織部を主人公に独特の視点で茶の湯の観点から戦国時代を描かれた漫画「へうげもの」とそれを紹介したマンガ新聞の記事をご一読頂ければと思います(笑)→http://www.manga-news.jp/news/body/1526

へうげもの へうげもの

ぷっ!

先日の東京でのセミナーで、マーケティングの概念を紐解いて日本古来からの価値観に照らし合わせて「一期一会」の在り方を事業へ落とし込む説明する際に「実は私、茶の湯のお稽古に通い続けておりまして、」と申し上げると、最前列におられた新建ハウジングの編集長に何故か吹き出されてしまいました。理由は定かではありませんが、要するに私のイメージが茶の湯とよっぽどそぐわなかったのだと思われます。(苦笑) 近年、茶道と言うと華道や料理教室と並んで花嫁修行の為に通うと言ったイメージが強いのか、すっかり女性向きのお稽古として認識されている感が否めません。しかし、戦国武将がこぞって茶の湯に入れ込んでいた時代に千利休が千家流茶道を大成されたのですから、そもそもは茶の湯は男の世界の嗜みであったのは疑う余地はありません。そう考えるとガテン系の私がお稽古に通っていてもそんなに違和感が無いと思っています。(笑)

年老いてなお持つべき情熱の炎。

茶の湯が元来、男っぽい趣味であると前述の戦国大名達の茶の湯熱でご紹介しましたが、それを改めて感じたのは、昨日のお稽古の際、床の間に書けられていた掛け軸に書かれていた千利休の辞世の句の文言です。茶道を極め、流派を大成させた茶聖千利休居士がその人生の最後に詠んだ句がまるで武人のそれのような激烈な語句が踊っており、静寂を愛し、侘び寂びの世界観を確立させた茶聖は静かな佇まいのその奥に、燃えたぎるような情熱を隠し持っており、自刃にて果てる70歳になってまでなお、その種火を持ち続けていたのかと改めて感じさせられる事となりました。「50歳を過ぎてオレモそろそろシニア世代やな、」などとこじんまりしている場合じゃなく、まだまだ情熱の炎を燃やして熱く生きなければ、なんて思った次第で、本当に茶の湯のお稽古で学ばせて頂ける事の多さには感心と感謝するばかり。ちなみに、私は「男の人が40歳を過ぎて、茶の湯の一つも嗜まれへんのはまずいでしょ」とお世話になっていた方に誘われてお稽古に通うようになりました、オッサンにこそ、茶の湯に親しまれる事を強くお勧めします!

千利休の遺偈

人生七十 力囲希咄 (じんせいしちじゅう りきいきとつ)

吾這寶剣 祖佛共殺 (わがこのほうけん そぶつともにころす)

堤る我得具足の一太刀 (ひっさぐる わがえぐそくのひとたち)

今此時ぞ天に抛(いまこのときぞ てんになげうつ)

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イチローが示した状態管理による弁証法的螺旋

平成31年3月23日曇り

三寒四温。

春のかかりは3日寒い日の後に4日天気の良い日が訪れて、徐々に暖かくなって行くと言いますが、桜も咲き始めたと言うのにまだまだ寒い日が続きます。明日は毎月開催しているOB様の暮らしを楽しんで貰うきっかけ作りの取り組み、「すみれ暮らしの学校」の春の一大イベント、収穫祭を開催する予定となっており、あまりの寒さに少し心配になって天気予報をチェックしてみると、三日間寒い日が続いたからなのか、明日からは少しずつ春らしいお天気が回復するとの予報に胸を撫でおろしました。うららかな春の日差しの下、沢山の方に畑で楽しんでいただければと思います。私は茶の湯の稽古があり残念ながら参加できないのですが。。

イチローロス。

昨日の引退報道からメディアではイチロー選手の引退会見の話題ですっかり持ちきり、日本野球界、いや、今や世界の野球界の至宝といっても過言でない、数々の素晴らしい記録を打ち立てたイチロー選手の偉業を振り返り、称える報道が何処を見ても溢れかえり、まるでイチロー選手がメディアをジャックした感さえありました。私も一人のファンとして何度も繰り返されるそれらの報道を見て28年間という長きにわたり殆ど怪我も無く活躍し続けられた選手生活を支えた、ストイックとも言われる状態管理の凄さを改めて再認識させられました。

成果は目標達成能力に由来する。

スティーブンRコヴィー博士が原理原則論の一丁目一番地として提唱された概念に「P/PCバランス」があります。「成果は状態に由来する」とのあたりまえに過ぎる考え方で、成果を求めるならば目標達成能力を身につけた状態を整えるべきで、鍛錬も節制もする事なく、まぐれ当たりに期待して打席に立ち続けるのは愚の骨頂なのは誰にでも分かる簡単な理屈です。ドラフト4位でオリックスに入団した時点ではスター選手でもなく平凡な評価を受けていたイチロー選手が若干20歳で200本安打を達成した背景には才能だけでは無く、人並み外れた努力があった事は容易に想像出来ましたし、私も当時、地元球団に彗星の様に現れた若きスター選手に随分と興奮させられました。

状態管理への執着。

イチロー選手がこの度の引退会見の中で「大リーグに移籍後もシーズンオフには神戸に帰ってきてデビュー当初から続けている自主トレを繰り返してきた。」と語られておりました。私がイチロー選手の会見を観ていて最も心を打たれたのはその言葉で、前人未到の偉業を成し遂げ、世界のトップ選手になった後も新人だった頃と同じ場所(しかも神戸!)で同じ様な練習を繰り返して来られたとのエピソードは、(数年前まで定期的に神戸に戻られていることを知ってはおりましたが、それが昨年まで続いていたとは思ってもおらず、)驚くと共にルーティンを守る状態管理への執念の様なものを感じたのです。

対処の連鎖からの脱出。

先日行った大阪での職人起業塾の研修のマーケティング理論をレクチャーする中で、目的意識を持つことの重要性と、確固たる方向性を持つことで学ぶ事、それを実践する事が、モグラたたきゲームの様な「問題発生→対処」を繰り返すその場凌ぎの繰り返しではなく、根本的問題解決に進む様になると伝えました。目的意識を持って物事に当たれば、同じことを繰り返している様に思えても、行ったり来たりするのではなく、少しずつ目指す方向に近づいて行き、レベルが上がる事で根本的問題解決に近づいて行くという理論で、これこそが原理原則系マーケティングを学ぶ中で最も重要な概念だと塾生さん達に熱く語りかけました。

イチローの弁証法。

それは哲学者ヘーゲルが提唱した弁証法で示される螺旋的成長のスパイラルに入ることであり、上から見ていると同じところをぐるぐる回っている様ににしか見えないが、視点を変えて側面から見れば(目的や目標に近づくべく)上昇している図に示されます。この概念を言葉で説明しても中々理解されるのは難しいですが、上述のイチロー選手のエピソードを引用すると、非常に分かりやすく、傍目から見ると長年に渡り同じ場所で同じ様な練習をしている様に思えますが、実はそのレベルは毎年高まり、年数を重ねる事で誰もが届かない高みに上り詰める事が出来たという最たる事例であり、最も分かりやすい弁証法の実例だと思います。

問いを立て、志を掲げる。

成果は状態に由来する。状態管理は習慣に由来する。習慣は目的意識を持ててこそ継続する事ができる。目的を強く意識するには、自分自身に対する「何のために」との問いを持つ事から。原理原則に基づいたマーケティング理論とはこの当たり前の積み重ねであり、人生や仕事への「問い」を立てて、自分が行うべき事、叶えるべき「志」を明らかにすることから始まります。「志を立てて以って万事の源と為す」との吉田松陰先生の至言はマーケティングを学ぶ者が初めに胸に刻み込むべきだと私は塾生さん達に対して言い続けており、その全体像を理解してもらうのにこの度のイチロー選手の引退会見は随分と多くの示唆を示し、気付きを与えてくれたと思うのです。

謝辞。

この度、現役選手としては区切りをつけられたイチロー選手は、神戸の震災後のオリックスの優勝をはじめ、200本安打を10年間連続で続けて状態管理と習慣の大切さ、誰にでも出来る事を誰にも出来ないレベルまでやり切る事で手に入れる事が出来る高みを見せてくれたなど、私達に多くの勇気を与えて下さいました。彼のこれからの新たなステージでの益々のご活躍を祈念すると共に彼が実証した原理原則、ヘーゲルの弁証法の実効性を心に刻み込み、実践したいと思います。イチロー選手、28年間お疲れ様でした。ありがとうございました!

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上っ面のリスクリバーサルと絶妙バーガーキャンペーンの評価。@職人起業塾 大阪

平成31年3月22日 曇り

上っ面のアクションはいらん。

今日は大阪。第13期職人起業塾の講師役として朝から張り切って出かけて夕方までの研修、深夜までの懇親会と相変わらず一日中熱く語り続けました。大阪での研修もそろそろ終盤に入り塾生の皆さんは自分自身で立案したアクションプランに熱心に取り組まれており、イメージしていた通りの成果を出される方も数人出てきたりと随分と盛り上がってきました。職人起業塾の6か月コースではマーケティングのコンセプトを時間をかけて丁寧に解説しており、それを実業に落とし込んでもらうことを目指しています。アクションプランも然りですが、マーケティング理論を学び活用してもらう中で、絶対に上っ面の薄っぺらいマーケティングアクションは慎む様に、使い方を誤れば却って顧客の信頼を失うことになると口を酸っぱくして言い続けており、本質的な視点を持って業務に当たるように伝えています。

一等地に立地するハンバーガーショップ。

最近の大阪での研修は新大阪の会場をお借りしています。講座の中盤で「リスクリバーサル」の概念を説明するのに、実例として引用している企業が新大阪駅の改札を降りてすぐにあり、講座の度に毎回、そのお店の繁盛具合が話題にのぼります。それは新大阪駅の改札を出るとすぐ目の前に大きなハンバーガーの写真を貼り出しているお店で、店頭にでかでかと張り出されたバナー広告にはチーズが溶けておいしそうなハンバーガーの写真とともに「絶品バーガー」との目立つ文字が踊っています。飲食店舗の売り上げを左右する大きな条件として人が集まるロケーションが挙げられますが、そこはハンバーガーショップとしては抜群の立地で営業しているお店です。新幹線も乗り入れている都会の大きな駅の改札前に、手軽に食べれて誰もが好きなおいしそうなハンバーガーショップがあれば繁盛すること間違いなし。と思いきや、中を覗いてみるといつも微妙に席が空いており、なんだか少しもったいないような印象を持っていました。

リスクリバーサルという概念。

数あるマーケティングコンセプトの中でもスタンダードな部類に入る「リスクリバーサル」は顧客が買わない理由(リスク)をひっくり返し、購入を促す概念で、代表的な例として良く紹介されるのは購入後、その商品に納得できなければ代金を返す「返金保証」です。近年はTVショッピングをはじめとする通信販売ではすっかりおなじみになりましたが、飲食店舗でこの返金保証を付加したサービスを行っているケースは非常に稀で、日本では殆ど見ることはありません。ちなみに台湾では「不好吃免錢」(不味かったらお金はいらない)と看板を掲げたタンメン屋さんが数多くあり、マーケティングコンセプトと言うよりも店名?ジャンル?として良く知られています。それだけ味に自信があるという意味の様で、実際にそのお店で細麺のタンメンを食べて、不味いからと支払いをしないことはないらしいですが、一番最初はクレームを言ったお客さんにはお代を貰っていなかったのかも知れません。

期待を裏切るマーケティング施策。

駅前のハンバーガーチェーン店の話に戻ります。そのお店では2009年に「絶妙バーガー」と言う高級路線のハンバーガーを新発売して上述のリスクリバーサルの手法を使って、「美味しくなかったら返金!」のキャンペーンを行いました。改めてネット上で調べてみると、返金の条件は食べかけのハンバーガーを半分以上残して申し出ることと、個人情報を提供して一度きりしか返金は受けられない様にしていた様です。実は元来の新し物好きなのと、マーケティング学んでいた関係もあり私も当時その絶妙バーガーを新大阪駅の改札前のお店で食した覚えがありまして、10年以上前のことで随分と記憶は曖昧ですが、印象に残っているのは、「これぞ王道!」と大々的に宣伝されていて期待していたほど特別美味しくなかったのと、店先で返金の条件を聞くと、免許証がいるとか、アンケートに答えてもらいたいとか、あれこれと面倒なことを言われ、結局、(朝の忙しい時間に立ち寄ったのでは)実際は返金などしてもらうことはない。と言うこれも期待を大きく損なうものでした。

目先だけの成功例。

インターネット上でその当時の記事をみると、返金保証を大々的に宣伝したことが幸いして約2週間で約120万食と大きく売り上げを伸ばしたとか、キャンペーン当初は1%〜5%の返金率を見込んでいたのが、0.2%に留まったとか、概ね新商品販売のマーケティング戦略が成功したかの様に評されています。しかし、自分自身の経験から鑑みると、私の様な新し物好きの人が多く購入したのは間違いありませんが、味も返金のシステムも期待値に達しないと感じた人も少なくなく、返金を求めた人の割合が0.2%と予想を大幅に下回ったのは、返金する際のややこしいハードルの設定のせいでは無かったかと思うのです。私個人的な意見では、本当に返金保証が顧客の支持を得たのであれば、一時的なキャンペーンではなく、継続したサービスとして定着すればよかったはずで、そうしなかったのは単に新商品に話題性を持たすための薄っぺらいマーケティング施策で、目先だけの利益を追った本質的な顧客主義からは外れていたのでは無いのではないかと思うのです。

マーケティングで目指すべきは長期的、安定的な売り上げ。

以上は、あくまで私の私見であり、そのハンバーガーチェーン店が返金保証キャンペーンを行なった後の業績の推移は公開されておらず、キャンペーンをキッカケにファンを増やし、長期的な収益に結びつけたかは定かではありませんが、昨年の決算では大幅な赤字を計上しており、今日、その店舗をみると一等地にあるにも拘らずとうとう閉店のお知らせが告知されてありました。確かに、私も2009年に絶妙バーガーを食してから、なんとなく期待を裏切られた体験に引っ張られてそのお店を利用することから足が遠のいておりましたし、いつ見ても周りの店舗に比べて空き席が目立っていた様に思います。私と同じ想いを抱かれている人が少なからずいるのではないかと思っていました。一時的に爆発的な売り上げ増を呼ぶマーケティング施策は本質を外し、客を欺く様なことになると却ってダメージを与えるのではないかと思うのです。

弱みをさらけ出せ。

職人起業塾で塾生たちに伝えているマーケティングはあくまでも顧客からの信頼をベースにした売り込み、宣伝広告不要で持続的に売り上げを上げ続ける自社独自の市場(マーケット)を作る方法論であり、入口はともかく、最終的に期待を裏切る上っ面だけの施策は絶対にやめるべきだと言っています。本質的なリスクリバーサルとは、顧客が決して口にしない、しかし、胸の奥に抱えている不安に対して積極的に正面から向き合うことであり、その最たるものはこれまでにお客様から頂いたクレームを公開することだと思っています。人は誰しも、自分の良いところは声を張って人に伝えたい。しかし、弱みは隠しておきたいものです。顧客が抱えるリスクの本質はその弱みにこそあると考えれば、自社が抱えるリスクを明確に示し、その対応方法や改善に向けての努力を伝える方が、返金保証などよりもよっぽど本質的なマーケティングアクションとなります。情報革命によってあらゆることが白日の下に晒される今の時代、隠し立てしたところで結局全てはバレてしまいます。自ら弱みを正直に伝える「在り方」を正すところからマーケティングは取り組むべきだと思うのです。

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カリスマ左官と職人自助論。

平成31年3月21日 春分の日 雨のち曇り時々晴れ

古民家ワークショップ2Days

今日も終日丹波。昨日の夕方スタートした、初めての出張開催となった元祖職人起業塾のホットシートのワークショップの後はそのままディスカッションを続行しつつ、猪鍋と丹波産の地酒に舌鼓を打ちまくる懇親会になだれ込み、「合宿」と定義されていた通り、参加メンバーと夜中遅くまで話し込んでそのまま寝袋で就寝。非日常的な熱く、楽しい時間を過ごしました。今朝はその流れのまま「古民家から再生プロジェクト」のDIYワークショップを行いました。決して丹波に移住したわけではありませんが、どっぷりと田舎暮らしを堪能しています。(笑)

カリスマ左官の手ほどき。

今日のDIYワークショップは、当初の予定にはなかったのですが、急遽カリスマ左官の植田親方が現場に来てくれることになり、親方にご指導いただきながら漆喰を塗ると言う類稀な機会に恵まれました。以前、Facebookで植田親方が但馬の現場に来ると告知したときは、親方に会いたさに多くの申し込みがあり、DIYワークショップと言うよりは、「左官なんでも相談室」の様相を呈してしまうほどの大人気ぶりで、今回は事前の告知をしていなかったにもかかわらず、風のうわさで親方が丹波に来てると聞きつけた建築女子が突然、押し掛けてくるなど、あいからず植田親方人気は絶好調です。実は、私も鏝捌きを少しばかり教えてもらいたいと思ったりもしましたが、大人気無いのでやめました。(笑)

カリスマ左官の話。

日本の左官のトップレベルの技能と知識を待たれた植田親方は、全国で「日本の指間を考える会」という技術研修会を主催されており、明日開催のたびに全国各地から多くの左官職人さんや新素材を求める設計事務所やデザイナーさんが植田親方に手ほどきを受けたい、話を聞きたいと集まられます。そんなカリスマ職人を丹波ワークショップで10時と3時の休憩と昼食の時間を独占して、様々な話を聞かせていただけるのは本当にありがたいことで、私のような町屋の大工には経験のない左官による伝統工法の詳細をご教示をいただけるのは本当に幸せな時間です。ま、建築とは関係のない職種の方も熱心に聞かれているのでそれだけ親方の話が面白いと言うことなのでしょう。

職人の思考。

そんな植田親方の話の中で、「磨き」と言われる左官の伝統工法は現場に行く前段階の仕込みに非常に手間と時間がかかり、実際に現場で施工している時間は短時間でもかかる費用は高額になり、1m2あたり10万円を超える事も少なくないと言われていました。それが高いか安いかは伝統工法に価値をおくか否かで人それぞれとは思います。しかし、日本でトップクラスの技術を持っておられたら、何人かかったかと言う人工計算ではなく、自由に値決めしたらいいと思うのですが、金額を日当計算を基準にして決められるのは流石は職人で商いとは一線を画す実直な姿勢に好感と共に改めて尊敬の念を抱きました。

職人の単価を再考すべき理由。

先日、大阪での職人起業塾オープンセミナーの後の懇親会で、セミナーの感想を皆さんに一言ずつ話して頂きました。その際に元大工の経営者さんが口にされたには私が「職人がもっと稼げる様にならないと、建築業界は職人不足で立ち行かなくなる。」と言う持論に諸手を挙げて賛成で、「今や設備関係の職人よりも大工の方が収入が少なく、それをなんとかしたいとずっと思っていた」との事でした。上述の植田親方の値決めの根拠、日当計算の延長線上で施工費を決める方法を私も含めて職人出身者はついとってしまいがちで、その根本である単価(日当)を世間一般の通り値で考えてしまいがちです。しかし、昔ながらの徒弟制度が崩れ、若い職人もそれなりに稼げなければ離職してしまう今の時代、次世代の職人の育成を見込んだ単価への修正が出来なければ建築業界は衰退の一途を辿ることになります。

自助の精神が建築業界を救う。

ただ、それぞれの業界にはそれぞれ通り値があり、一社のみが飛び抜けて値段が高くなると一瞬にして競争力が無くなり、売り上げを上げる事が難しくなります。売り上げ不振に陥り事業所が破綻してしまう様な事になれば本末転倒であり、このジレンマが解消出来なかったから、建築業界は圧倒的な職人不足に陥った訳で、今まで業界が手を付けて来なかった根本的な問題解決を行なうべき時期に来ています。私は自分自身がそうしてきた様に、職人が若者に憧れられるくらい稼ぐ様になるには、自らが稼げる様になる努力を行うべきで、また、実際にどの様にすれば良いかの教育をすべきだと考えて、全国で職人をはじめとする建築実務者向けにマーケティング理論を教えている次第です。「天は自らを助くる者を助く。」サミュエル・スマイルズが唱えた「自助の精神」を日本中の職人達に伝えたい。そんな風に思ってます。伝われば良いんですが、、

古民家活用のビジネスモデルキャンバス@元祖職人起業塾 丹波出張開催。

平成31年3月20日快晴

春本番!

3月もいよいよ終盤戦に突入しました。明日は春分の日、そろそろ春も本格化する時期となりました。今朝は朝から雲1つ無い良い天気で、日中は20度近くまで気温も上昇、汗ばむ陽気になったのと同調して、気分も上がり気味になるはずでしたが、高速道路から遠くの海を見てみると花粉なのか黄砂なのかは分かりませんが水平線が黄色くにじんでおり、今年から突然アレルギーを発症している私としては少し気が重たい1日となりました。夕方丹波に向かう頃にはあちこちが痒くなり、完全にアレルギー物質の許容量、コップが溢れたのだと改めて自覚した次第です。早々に何とか対策を考えなければなりません。

初の元祖職人起業塾、出張開催&合宿

夕方から丹波に向かったのは、昨年から絶賛進行中の「丹波古民家から再生プロジェクト」の着工中の古民家で、普段はすみれ本社で行っている月に1度のマーケティングの勉強会、元祖職人起業塾を開催することになったからで、念願だった初めての出張開催(&合宿)に胸を躍らせながら向かいました。いくつになっても合宿と言う言葉を聞くと何かワクワクしてしまいます。

古民家のビジネスモデルを考える。

今回、勉強会を丹波で行うことにしたのは、ただ単に私が合宿がしたかったと言うわけではなく、勉強会のテーマがホットシート(メンバーの中の1人を取り上げてそのビジネスモデルをブラッシュアップするワークショップ)に「丹波古民家から再生プロジェクト」の中心メンバーである自然食レストラン三心五観のオーナーの藤本さんをピックアップしたからで、ゲストハウスとして再生する古民家のこれからの運営、サービスデザインを考えるワークショップを行うと言う位置づけだったからです。

イメージよりもリアル。

今日のワークショップは管理人室としてDIYで断熱改修を行った離れの部屋でしたが、ワークショップが始まる前に参加メンバー全員に実際にゲストハウスとしてリノベーションする古民家を見てもらい、良いところも悪いところもリアルに把握してもらってから、どのような使い方をすれば多くの人に利用してもらい、持続可能なビジネスモデルを構築することができるかを考えて貰いました。写真や図面でイメージを膨らましながら考えるのでは無く、実物を体感してからのワークショップは思っていた通り、実際の運営に採用できそうな素晴らしいアイデアが次々と生み出されました。

リノベーションは単なる手段。

私も企画段階から深く関わっているこの「丹波古民家から再生プロジェクト」は単に古い空き家をリノベーションして収益物件に生まれ変わらせるだけが目的ではありません。古民家再生における1番のネックである多額のリノベーション費用を地元の人とこの古民家を利用したいと思う人達によるDIYで建築費用を抑えながら、共に作るコミュニティーを生成させて、工事完成後の運営にも、たくさんの人に自分事として関わってもらうことで大きな価値を生み出し、お力をお借りできるのではないかと思っています。イノベーションは単なる手段であり、DIYワークショップをすることで、コミニケーションツールにできるのではないかと思ってお手伝いをしています。

顧客は誰か?

今回の元祖職人起業塾のテーマ、「リノベーション下で再生した古民家をどのようにビジネスモデルを構築するか?」は、実は昨年の夏のキックオフパーティーのまだ以前から、運営主体である「春日町大路未来会議」の皆さんと何度も話し合ってきました。基本的には一棟貸しのゲストハウスとして運営することになっております。ただ、宿泊客は週末に固まるのは費用見るより明らかで、それでも一応運営ぐらいはできますが、大きな目的である地域活性化にはほど遠く、普段から人で賑わう開かれたコミュニティースペースにしたいと言う思いがあります。それを実現するには違う顧客を探さなければなりません。

目的をデザインする。

3ヶ月に1度行っているホットシートのワークショップではビジネスモデルキャンバスのフレームワークを使って、既存のビジネスモデルのブラッシュアップや新規事業における持続可能な収益モデルを模索します。ネタ元のビジネスモデルジェネレーションにはフレームワークの順番が非常に重要だと書かれており、まず1番初めに「顧客は誰か?」を考えるべしとされています。今回のワークショップでは、再生した古民家を平日に活用できるような運用案を考えてもらいたいと皆さんにお願いしました。2つのグループから出された案はどちらもこれまでの視点とは全く違うもので、かつ実際に取り組んでみる価値のある実践的なものでした。私の思惑がズバリはまった形で、4月以降の第二期工事の計画、デザインにも反映させて、リノベーションのその先にある地域活性化と持続的なビジネスモデル構築を実現させたいと思います。ご参加いただきました皆様本日は本当にありがとうございました。

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