平成31年2月25日快晴
(黄色く霞む)春の足音。
いよいよ今週で2月もおしまい。2月は逃げると言いますが、振り返ってみると本当にひと月が一瞬で過ぎ去った印象です。この調子であっという間に3月も去り、今年の第一四半期が終わってしまうのでしょう。。今日の神戸の空は朝から良い天気で、遠くの空は花粉で黄色く靄がかかっており、何となく目がかゆい、春がもうすぐそこまでやってきているのを体感として感じる暖かな1日になりました。どうも今年から花粉症が発症してしまった様ですが、とにもかくにも、寒い冬が終わるのは嬉しいことです。
講演は短い方が伝わる。
昨日の日曜日は弾丸日帰りで横浜への出張でした。職人起業塾の研修に多くの職人や施工管理部の社員さんを派遣してもらっている関西リフォーム業界の雄、コニージャパン社の関東エリアの協力業者会に講演のご依頼を頂き参上してきました。いつもに比べて随分と短い時間だったので、伝えたいポイントをぐっと絞り込んだショートバージョンの講演でしたが、第二部の懇親会では私の話に共感したと言ってくださる経営者さんが数多くおられ、講演は長けりゃいいってもんじゃないのだと改めて感じた次第です。
これからはこれまでの延長じゃない。
超ショートバージョンで私が協力業者会の皆さんにお伝えしたのは、大まか3つだけでした。まず1つ目は、IT革命、テクノロジーの圧倒的な進化が建築業界にも波及しており、これからの時代は、今まで通りとは全く違うフェーズに入り、これまでの延長線上にないと言うことです。AIやロボットが建築現場に使われ始めている例をもとに、言われた事をやるだけの、技術だけの職人なんか必要がなくなると言う話で、それは職人よりも施工管理者の方が顕著で、これから建築現場で働く実務者はAIや機械にはない、人間ならではの強みを磨く必要があると伝えました。
一度の過ちが致命傷となる。
2つ目は情報革命により、インターネットに誰もがいつでも情報発信をすることができ、かつ、あらゆる情報を受け取れるようになったと言う事で、昨年東京で判決がおりた元工務店社員が顧客を殺害して床下に埋めた衝撃的な事件を引用して、「御社の社員が人殺しをしたらどうします?」との問いかけと共に、一度犯した過ちはインターネット上では絶対に消えることがなく、不祥事を起こした会社は二度と地域で商売ができなくなるという厳しい現実に向き合ってもらいました。また、リフォームを考えているユーザはそのような事件を知った上で、おっかなびっくりリフォーム会社に問い合わせをしているのを理解して、あらゆるところに細心の注意を払って顧客への対応をする必要性を訴えておきました。
職人不足は誰のせい?
最後に、建築業界を取り巻く環境のおさらいをして、新築市場は右肩下がり、リフォーム市場は内訳の増減はありながらもあまり大きく増減しない近年のデータを示すとともに、市場の縮小よりも圧倒的な速度で職人不足が広がる現実に目を向けてもらい、「現在の職人不足が起こったのは一体誰のせいか?」と問いかけました。会場の反応は水を打ったように静まりかえりましたが、「その答えは私です。私が職人の1人として若者たちに大工になりたいと思ってもらえるような働き方をできていないのがその原因です、すみませんでした。」と申し上げると食い入るような真剣な眼差しで私の言葉に皆さん耳を傾けてくださいました。
大事なのは責任の所在よりもこれからのこと。
第二部の懇親会の会場で乾杯を終えた後、隣におられた防水工事会社の社長は、「高橋さんの言う通りです、職人がいないのは私の責任です。」と、男らしく言ってくださいました。今の職人不足を生み出した責任の所在はともかく、今後のことを考えたとき、今、現場で働いている職人たちが生き生きとそして安心して働き、豊かな暮らしを実現していなければ若者はやっぱり建築業界には寄り付きません。社会保険や厚生年金等の他業種では当たり前に付加されている社会保障を担保するとともに、もっと稼げる職種に建築職人はならなければなりません。
職人が価値を増す方法。
懇親会の席でもずいぶん熱く語りましたが、建築業界に「相場」というものがある以上、職人の所得を上げるには今のままの職人の働き方では限界があり、決して満足な所得を得られるようにはなりません。職人自身が「自助の精神」に目覚め、働き方を見直し、言われたことを言われた通り、図面に描かれたままに行うだけではなく、もっと大きな付加価値を現場で生み出すしか方法はありません。私の持論は元請け、下請けにかかわらず職人がその仕事を認められ、圧倒的な顧客満足を得ることが出来れば指名を受けて仕事を依頼される様になり、世の中の通り値とは別の指名料を含めた高単価で受注できる様になります。要するに、ビジネスは集客力を持つものが大きな影響力を持つ原則から、職人でも質の高い集客を出来る力を持てばもっと稼げる様になるというのは非常に分かりやすい理屈だと思います。ただ、顧客の期待値を大きく超えるには技術と知識の他に目的意識と高いコミュニケーションスキルが必要で、この部分を鍛える教育を受けることが不可避だと思っています。
それ、俺だよ、俺。
そんないつもの持論を展開しながら、脳裏をよぎったのは新春か年末のTVのお笑い番組で見かけたコントです。それは、女流芸人の友近さんとハリセンボンの春菜さんがコラボユニットを組んだコントで、意地っ張りで自己顕示欲が強いキャラの二人が、露天商?の場所の取り合いを「俺が先にここで商売を始めた」とお互い主張を始めるのを皮切りに、最後は「世界を作ったのは俺だよ」というくらいまで言い合いをエスカレートするというたわいも無いコントです。しかし、「俺だよ」という言いっぷりが非常に小気味よく、(俺だよと言ったからといって何ら責任を取るわけではありませんが、)もっと私達も声を大にして「俺だよ」というべきでは無いかと思ったのです。特に、上述の職人不足をひき起こしたのは私です。という意識を全ての職人は持ってもらいたいと思うし、その責任を引き受けるべく、今の働き方を見直してもらいたいと思います。以下のYouTubeの動画、一度見てみて下さい。(笑)
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◆職人起業塾2019東京オープンセミナー【建築業における真実の瞬間】
日時:2019年2月13日水曜日 14:00~17:00 場所:株式会社シップ 〒112-0004 東京都 文京区後楽1-4-14 後楽森ビル3階 www.shipinc.co.jp お申し込みはこちらから→https://www.facebook.com/events/239954583566295/
◆職人起業塾2019 大阪オープンセミナー「建築業界が抱える諸問題の根本的解決へのアプローチ」
日時:2019年3月18日月曜日 14:00~17:00 場所:カラフル会議室 新大阪 大阪市淀川区 西中島 6-2-3 チサンマンション第7新大阪 1102号室 主催者: 一般社団法人職人起業塾 お問い合わせ:www.shokunin-kigyoujyuku.com お申し込みはこちらから→https://www.facebook.com/events/543933566013947/
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◆一般社団法人職人起業塾オフィシャルサイトリニューアルしました。
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