てんがらもんの教え。#追悼三浦春馬さん #天外者

令和3年1月5日 晴れ時々曇り

令和三年始動。

今日は令和になって2度目の新年を迎えた令和3年の初出の日。年末に決算を行う私達、株式会社四方継では21期目のスタートです。毎年、新春の初日、一発目は全体会議を行い、経営計画の発表と、スタッフと一緒に近所の氏神さま惣社にお参りして1年間の安全を祈念しています。今日も例年通り、朝9時から全員集まってミーティングをスタートさせましたが、いつもと違うのは今回は計画を私が立てて発表するのではなく、スタッフ全員に話し合って決めてもらったことです。結果的に、トップダウンではなくボトムアップ、個々の力を最大限発揮させることが重要で、ヒエラルキー型組織では通用しないと言われる風の時代に対応した形になりましたが、昨年から組織図を解体し、上下関係のないシームレスに横のつながりを強化する組織づくりを目指してきておりましたので、わたし的にはごく自然な流れでした。

計画は実行者が立てるべし。

事業計画とはそもそも、事業(仕事量)を期間を決めてどのように進めるかの予定の組み立てであり、既に私が引退するまでの7年間で目指す大枠の中期計画を策定して示している以上、単年の計画は実際に業務を遂行する実務者に対して、私は事業所が持続、継続するに必要な仕事量(利益量)を指し示すだけで、それを誰が、どのように進めるかについては実際に業務を遂行する者が責任を持って自分達の能力や都合に合わせて計画し、実行してくれればいいと思っています。今年度も新型コロナの影響は日本だけではなく世界経済に非常に厳しい影を落としており、先行きが見えにくい環境ではありますが、私たちは昨年からブランディングをやり直した成果もあり、ありがたいことに、今年1年間に必要な仕事量の3分の2以上をもうすでにお申し込みをいただいており、後はその案件+必ずあるお声がけされる案件を決算までの期間内に、どのように高い品質を担保し、圧倒的な満足をいただけるように進めるかのみを計画すれば良い状態になっています。本当にありがたいことです。

複数年の事業計画を俯瞰する。

今日のミーティングの冒頭には、時代の潮目を明確に認識してもらえるように、風の時代の特徴を丁寧に説明するとともに、この2年間我々が準備してきたことがいかに時代の変化を予見し、新しい時代に則した事業体制を整えてきたかを共有しました。人は歳をとり、大人になればなるほど変化を嫌うもの。社名も、事業ドメインも組織の運営体制も事業所の在り方も大幅に変更を繰り返してきたこれまでの数々の変化に対して、初めからスタッフ全員が前向きに、積極的に受け入れてくれたわけではないと思うし、何のためにこんな面倒なことをするのか?と疑問を呈されたことも少なからずありました。しかし、2年、3年と少し長い視点でそれらの取り組みを俯瞰した時、その意味や必要性が理解してもらえたのではないかと思います。今年は現在お申込みを頂いている注文を丁寧に、確実にこなしつつ、すでに来年以降の仕込みをする状態になっているのは明らかにこれまでと違うステージに一歩進めた実感がありますし、スタッフの皆もリブランディングの効果について認識をしてくれたのではないかと思っています。

混乱期ほど強く立ち向かうべし。

今日のmtgの中で、意識の共有を図るために現在映画館で封切られている「てんがらもん」の中で先日、自死により急逝した三浦春馬くん演じる五代友厚のセリフを引用しました。昨年末に朝活メンバーの野村さんから「すごく良かったですよ」と紹介されていたこともあり、正月休みの間に少しの時間の合間を見つけて映画館に足を運んでみたのですが、ラストシーンで非常に印象的な言葉が2つ語られ胸を熱くしました。それは、大阪商工会議所の立ち上げで、五代友厚が初代会長に就任する際、薩摩出身の五代友厚が政府の力を利用して自分だけ私服を肥やしていると大阪商人たちに嗷嗷たる非難を受けていた彼が発した言葉で「利益を上げれないものは商売人たる資格がない」と明治維新の混乱期で商いがうまくいかないと嘆く大阪商人たちに対する強い叱咤です。利益なくして事業が継続できないのは自明の理ですが、先行き不透明な混乱期こそ、強い気持ちで事業を継続発展させる為の収益を上げることに意識を置くべきだと改めて感じさせられました。

目的が事業の全て。

もう一つはラストシーンで真っ黒な画面に白抜きの文字で書かれた「地位か名誉か金か、大事なのは目的だ。」と、金儲けは目的があってこそ必要になるし意味がある、イマカネジブンの価値観ではなく、世のため、人のため、次世代を担う子供達の為、より良い世界を残すことに尽力されたとされる五代友厚の強烈な生き様が凝縮された言葉でした。何の為に仕事をするのか?その設問に正面から向き合い、心底納得できる答えを見出す事こそ、後世に語られ続け、影響を与え続ける力を与えてくれる原動力になると腹にドスンと響きました。そして、これは映画や小説の中での絵空事ではなく、いつの時代も変わらず通じる原理原則であり、この当たり前過ぎる「理」を深く理解して、日々の行動の基準として持てる集団こそが荒れ狂う時代の荒波を乗り越えて事業を継続し、生き残る資格を得られるのだと感じた次第です。今年も1年間、何の為に?と自分とスタッフに問い続けたいと思います。天外者(てんがらもん)非常に良い映画でした。強くお勧めします。^ ^


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アップデートしてこそ人間。 #GACKTの名言

令和3年1月4日曇りのち晴れ

新春コンペからスタート。

正月三賀日を終えて今日からぼちぼちと指導。今日は日頃から何かとお世話になっているオリンピックゴルフクラブの速水さん主催の新春ゴルフコンペにお誘いいただき、例の如く夜明け前から自宅を飛び出してゴルフ場へと車を走らせました。ここからいつもの朝夜ハイブリット型生活のスタートです。年明けの三日間は昨年、一昨年と現場作業に勤しんでおりましたが、今年は現場に出ることもなく、いつになくゆっくりとさせてもらい、初詣のお参りと実家へのお年賀以外は本を読んだりNetflixで見逃していた映画を片付けたり、正月特番のお笑い番組を観たりしながら昼風呂と昼酒を楽しみました。たまにはゆっくりと完全オフの日を持つのもいいものです。

お笑い番組は時間の無駄ではない?!

正月に限らず、自宅にいるときはできるだけくだらないテレビ番組を見ないように心がけてはいるのですが、普段あまりテレビを見ない暮らしをしているとたまに見るお笑い番組や、バラエティーはずいぶん面白くてつい見入ってしまいます。特に、年末年始は延々とお笑い芸人が画面に現れてくることもあり関西人の性といいますか、お笑い好きの私としては時間の無駄と思いつつも随分とのめり込むように見てしまいました。ただ、関西人にとっては流行のネタを知っておくことも、笑いのセンスを磨く事も生きていく上で非常に重要なことであり、ある意味大いに勉強もさせてもらいました。(笑)

ミスターパーフェクトの冷や汗。

そんな感じで、年末年始の特番にはあまり興味がない私ですが、唯一(たまたまタイミングが合えば)前のめりに見てしまうのが、芸能人格付けチェックです。今年も結局見てませんが、(どっちやねん、笑) 再放送前の番宣でGACKTのインタビューの映像が流れていて、ミスターパーフェクトの名声を欲しいままに10年以上にわたって完璧な回答をし続けている秘訣的な話をされていました。GACKT曰く、今まで最も自信がなく、偶然正解で命拾いをした問題というのが1億円の盆栽と和菓子で作った盆栽を判別した時とのことで、その苦い経験からその年の収録が終わった後、盆栽の勉強を熱心に続けられているとの事でした。

GACKTの名言。

さすがだなぁ、と私が唸ったのは、GACKTが語った「人間はアップデートしていかなければ長く生きる意味がない。」そして、「知識は誰にも奪われることがない私だけの財産だ。」と言う言葉で、一流の人間の思考を端的に表した素晴らしい名言だと思いました。金も地位も名声もあり誰もが一流だと認めるGACKTでさえ、自分が知らない世界に触れると、素直にその世界について詳しい人に教えを乞い、文献を読み漁って学ぶ謙虚な姿勢は素晴らしいの一言で、その貪欲さこそが長きにわたって一流たる所以だと感じた次第です。

目標ではない1年の計。

1年の計は元旦にあり。と古代中国の故事を引用して、この年明けの時期によく耳にします。1年のスタートにあたり今年の目標設定をしようと多くの人が考えられると思いますし、私もその例に漏れず今年の目標をどう設定しようかと正月三が日の間ずっと考えておりました。ただ、思いつく目標設定は今現在の自分の枠組みの中でしか考えられず、やるべき事がそもそも決まっている以上、いまいちピンとくるものが頭に浮かびませんでした。GACKTのその言葉を聞いて、仕事の上で達成すべきタスクとは別に、全く違う軸で今まで触れてこなかった世界に飛び込み、知らない世界に触れることで人間としての幅を広げること、知識と言うよりも感性のアップデートを意識しようと思いました。考えるより感じろが風の時代の大きなテーマ、積極的に新たな刺激をもらえる場に足を運びたいと思った次第です。このブログを読んで、何かお勧めがあれば、誘っていただければ幸いです。(笑)


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状態管理と4つの視点。#鳥の眼、虫の眼、魚の眼+蝙蝠の眼

令和2年12月30日 雨のち曇り時々雪

晦日。

私の場合、毎年、年末いっぱいまで何かとやる事が片付いていない事が多く、大体、晦日も仕事をしているのですが、今日は朝早くから起き出してトレーニング納めの山登り。寒波が襲って来て神戸でも雪が降る予報の中、六甲山に登って今年最後の(健康面での)状態管理を行いました。今年はコロナの影響で多くのイベントごとの予定がキャンセルされたり、延期されたりしましたが、私は比較的、予定を変えずに粛々と決めた事を決めた通りに行う様に心がけて来ました。その中でも九州での若手大工育成プロジェクトで7月から12月までの半年間、毎月2回、前泊付きで九州筑後に全くトラブル無く通い続けられたのは、コロナ下の今年の大きな成果だと思っていて、そろそろ50歳も半ばに差し掛かる初老の年齢になりながらもコロナはおろか病気も怪我もなく、風邪ひとつひくことなく責任を全うできたのは日頃欠かさず行って来たトレーニングの賜物だと感じています。

鳥の目

成果は状態に由来する。といういたって当たり前の状態管理思考は在り方からビジネスを考える古典的マーケティングを学ぶ中で私の中に身についた考え方ですが、それがプライベートを含めてあらゆる面に波及して今の私の状態を作っていると実感していて、原理原則を学び続けたのはビジネスだけでは無く、人生そのものに大きな影響と効果を与えてくれたと、そのきっかけを与えてくれた先輩や先生方に今になって心から感謝しています。足元にやるべき事が山積する中、緊急性の低い、しかし重要なことに無理矢理でも時間を割く勇気を持つのは簡単では無く、未だに「今、そんな事をやっている場合じゃないでしょ、」と批判される事も少なくありませんが、鳥の目と言われる中長期的な視点で全体を俯瞰する事で、果敢に(平常心で)緊急性だけでは無く、重要度を物差しにして優先順位を入れ替える事が出来る様になったのは、50歳を超えてから、この数年ではないかなんて思っています。

虫の目

今年も明日でおしまい、明後日からの本格的な風の時代の幕開けにあたって、今年一年を振り返ると、かなり未来の状態を整える一年に出来たのではないかと思っています。大きくは、昨年1年間かけて準備してきた設立20年目にしての大転換、社名を変え、新たな事業部を作り、事業ドメインさえも変更して単なる建築請負業から脱皮して、地域に根ざしたコミュニティーを創出する企業へと足を一歩踏み出したことです。しかし、いくら1年間かけて社内間でのコンセンサスをとって来たといっても、人間の脳は基本的に変化を拒むもの、大きな転換には反発や理解不足などがつきもので、紆余曲折はありながらもようやく新体制が整ってきたと感じています。そんな中、私が特に大事だと感じたのは全体ではなく1人ずつ個人に対して丁寧に向き合うこと、虫の眼と言われるミクロな視点を持って全体を運営する事の重要性です。企業は人なりと言いますが、それはあくまでも個人単位の力の集積であり、個人に焦点を当てる魚の目を待たずして企業の成長もないことを実感しました。

魚の眼

もう一つ、留意すべきだと感じた事は、多様性の尊重と全体的な方向性や時代の流れとの調和です。この年末に占星術の世界では地の時代から風の時代へと変わったと言われていますが、今年は明らかに世の中の価値観が逆転する年になったのは誰もが認めるところだと思います。来年はさらに本格的に世界のパラダイムが大きく変わることが予想される中で、その時代の変化に適応する、流れを読む魚の視点が欠かせません。かといって、画一的な方向性を打ち出してトップダウンで全体を牽引していく時代でもない訳で、変化に対してネガティブになりやすい人も含めて同じ視点を共有する事が出来なければ、スムーズな時代への対応は出来ません。鳥の眼と虫の眼の両方を持ちながら、パラダイムがひっくり返るこれからの時代に最も重要になると予想される魚の眼を共有する取り組みが欠かせません。来年年始からの大きなテーマにしようと思っています。

蝙蝠の視点

マーケティングの世界では鳥、虫、魚の三つの視点を持つことは昔から重要だと言われて来ましたが、最近では蝙蝠の視点を追加して、4つの眼を持つべきだと言われます。蝙蝠は逆さ向いてぶら下がっている生き物で、逆転した観点で世の中を見る事が重要だという意味ですが、これは本当に難しく、本質的に理解して、実際の行動で体現するのは至難の業です。簡単にいってしまうと、コミュニケーションの基本である相手の立場に立って物事を考える。となるのですが、経営者と従業員、売り手側と買い手側、作り手と住まい手、親と子、男と女と全く逆の立場にあって相対する相手の思考になりきるというのは簡単に出来ることではありません。しかし、人間が持つあらゆる問題、課題は全て人間関係にあるとアドラーが断じたことに想いを馳せると、コミュニケーションこそ全ての問題解決のカギであり、相手を慮る思考を持つことは欠かせません。事業所においてこの部分の意識の共有は避けて通る事ができない重要なテーマで、多分、ずっと取り組み続けることになるのだと思いますし、これからの風の時代は逆転思考、逆算思考こそ本質的な問題解決の鍵になる様に思います。

整えるのみ。

年末、今年一年を振り返る時期になり、毎年、結局考えるのは、新たな年を迎えるにあたって1年間かけてどの様な状態を整えたか?という自分自身の状態管理への問いかけです。思い通りにできた事も、思いの外、成果に結びつかなかった事ももちろんありますが、「整える」意識を持ち続ける事こそ、混迷の時代を生き残り、事業を存続させる為には最も大事だと思います。本格的に風の時代になり、強風が吹きまくる事が予想される来年も拡大でも発展でも成長でも無く、粛々と整えることで、自ずと成果や結果がついてくると信じて、未来、マクロとミクロ、逆転、反転、時代の流れと様々な視点を持ちながら整える取り組みを続けていきたいと思います。大した経営資源を持たない小さな企業にとっては、整える習慣こそが状態を作り、成果を手にする唯一無二の資産です。関係各位のご理解とご協力を得ながら、原理原則に則って小さくても価値のある、強い会社へと歩みを進めていきたいと思います。よろしくお願いします。


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年末に(ありがちな)トラブル発生!#結果は状態に由来する

令和2年12月29日 晴れ時々曇り

まだまだ師走。

今年も残り3日、世間様は流石に年末年始のお休みに入られてすっかり静かになって来ました。我ら株式会社四方継でも早いメンバーは26日を最後に休暇に入った者もおり、今年のお正月休みは例年よりも長めの正月休みをとられる人が多い様です。私といえば今日も平常営業。朝からギッシリ予定が詰まっており、来年工事予定のお客様との打ち合わせに立ち会って、設計チームと大筋の方向性や計画等を共有しました。今年はコロナの影響で打ち合わせや着工を延期した案件が多くありましたが、年末近くになって一気に話が進んだ案件が多く、来年は随分と忙しくなりそうで、社員大工により施工しか工事を行わない私達としては交通整理に少し苦慮しそうな勢いです。世の中の景気がどんどん厳しくなる中、本当にありがたい事だと感謝する事しきりです。

命の危険を感じるトラブル。

そんな年末いっぱいまで走り回る中、今日は肝を冷やす事件がありました。宝塚のお寺の庫裏のリノベーションに伺った帰り、高速道路を車を走らせていると、車の前輪あたりから異音を感じ、ヤバイと思った瞬間、タイヤがバーストしてハンドルを取られました。18歳で車の免許を取得してから今まで、長年、車を運転して来てタイヤのパンクトラブルに遭った事はなんどもありますが、高速道路で時速100km近くで走行中にタイヤがパンクした覚えは皆無で、流石に少し焦りました。ハザードランプを点けながら完全にタイヤが破れた状態で路側帯までなんとか走り、車を緊急停車させてタイヤの交換を行い、なんとか戻って来ましたが、怖かったのは走行中にタイヤがパンクしたことではなく、路側帯でタイヤ交換を行っている際に横を通っていく車がかするのでは?と思うくらいすぐ近くを高速で走り抜けていくことで、緊急停止している事を認知してくれていないのでは?と思う車が多くいた事です。やっぱり、高速道路で停車する際は数十メートル手前で発炎筒を焚いて注意喚起するべきだと今更ながら感じました。

画像はイメージです。

車を運行する事業所の常識。

今回の高速道路でのアクシデントでは、大した事故にはならなかったし、タイヤ交換で時間がかかった分、夕方からの予定に少し遅れたくらいで事無きを得ましたが、もし、高速道路でタイヤ交換をしている際に後続の車がよそ見をして、突っ込んできていたらと考えたら冷や汗が出ます。そして、そもそも考えてみたら、営業車の運行前の点検など、長年行った覚えが無いことに気がつきました。若かりし頃、運送会社で働いていた頃は、毎日ではありませんが、それでも車の状態のチェックを定期的に行っていましたし、タイヤの摩耗くらいは把握して、時期が来れば早めに交換していましたし、それが当たり前でした。現在、私の事業所には2tダンプや軽トラックなど、10台ほどの車両があります。この年末に清掃、洗車くらいはしておりましたが、タイヤやオイル、ファンベルトの点検くらいは行ったかというと怪しいもので、今一度、全員に注意喚起すると共に、年始には一斉点検をしてから送り出したいと思います。

ハインリッヒの調査結果。

建設業界で繰り返し注意喚起され続けている労働災害における経験則の一つであるハインリッヒの法則では、1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常(ヒヤリ・ハット)が存在すると言われます。確かに、このままなんの改善をしないままにしておくと、走行中の車のトラブルが続出する可能性もあり、それが29回も繰り返されると確かに重大事故になるのは想像に難くありません。そして年末年始は思わぬトラブルが起こるもの、もうすぐ新しい年を迎えるにあたり、非常に良い気づきを得られる出来事でした。私の座右の銘と言っても過言でない「成果(結果)は状態に由来する」原理原則に則れば、普段の定期的な点検、整備こそまず行うべきこと。事故は起こってからしか原因を考えないものですが、事故を絶対に起こさない意識を持って、習慣に落とし込むことが出来れば予定を狂わし、人を悲しませ、喜ぶ人が誰もいないトラブルを回避する事が出来るはずです。忙しく、時間のなくなる時にこそ心がけたいものです。


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空き家!空き家!空き家! #ピンチはチャンス

令和2年12月28日晴れ

納会なし。

年末もいよいよ押し迫ってきて、今日で仕事納めの企業も多いかと思いますが、我々つむぎ建築舎はまだまだ年末いっぱいまで予定が入っており、本日も完全に平常営業の様相を呈しております。今まで、一般的な企業でよくされている様に納会を行う年もありましたが、近年は年末に改まって集まることをやめています。そもそも、休みはスタッフが自分自身で決めるスタイルなので、早くは26日を最後にお休みに入るメンバーや、30日まで出勤するスタッフまでまちまちで、事業所としてはなんともまとまりがない感じではありますが、風の時代に入ったことですし、それぞれに合った働き方で良いのではないかなんて思ってます。(笑)

身近な海外、淡路島。

私といえば、今日は朝から空き家対策プロジェクトチームで一緒に活動している不動産会社のつるちゃんと一緒に最寄りの海外、最近、人気パンケーキ店のブレイクやパソナの移転などもあり何かと話題に上っている淡路島へと向かいました。もちろん、購入候補の不動産の物件確認だったのですが、お目当ての物件以外にも、近隣の素晴らしくロケーションの良い空き家が売り出されていたりして、思わぬ収穫がありました。昼からは解体工事の見積もりを依頼された空き家に伺ったのですが、私としては解体工事よりもその後、その土地がどの様に活用されるかのほうが気になります。当然の流れでオーナーさんと建物を解体した後の土地の活用についての話題になり、周辺に数多くある空き家と一緒に利活用する道はないかと相談をさせていただきました。現場で長々と話をしていると、近隣の地主さんも出て来られて、周辺に数多くある空き家、老朽化した古い建物を持て余しているとの話になり、皆さんで協力して空き家をまとめて開発をかけて区画整理をしましょうか、と思わぬ展開になりました。

念願の海岸沿いの土地。

夕方、神戸に帰って来てからは、随分と昔からお付き合いいただいているお客様から連絡があり、海岸通にある空き家を購入したので、リフォームの相談に乗ってもらいたいとのご依頼を頂いて現地に馳せ参じました。話を伺うとその方は、以前からこの界隈の物件を探していて、この度、ご縁があって海岸から徒歩30秒の小さな住宅を買うことが出来た、との事でした。所謂高度成長期と言われた時代に団塊の世代向けに数多く建てられた戸建て住宅は新築から40年程経って世代交代の時期になり、子の世代に引き継がれると同時に売却にかけられるのがこれから爆発的に増えると言われておりますが、一昔前に造成された宅地が放出されることによって、今までは(家が立ち並んでおり)土地を買えないと思われていた土地が思いの外、手に入る可能性が広がっているのかも知れません。

空き家の深刻な問題

ちなみに、2030年には日本の住宅の3分の1が空き家になるとの統計が発表されており、人が住まなくなった家は一気に老朽化が進み、地震や台風などの自然災害での倒壊や屋根瓦の飛散や崩れてくるリスクが高まったり、不審火の発生による火災の危険もあります。昨年、広島の尾道では刑務所から脱獄した囚人が、空き家を渡り歩いて逃走していたとのニュースもあり、まだ記憶に新しいと思います。犯罪の温床になる可能性も否めず、その地域全体の安全を脅かす要因になりかねないのが深刻な空き家問題で、そんな地域全体の安心と安全を損なう可能性さえあるこの問題を解決するには、表面的な問題だけに対処するのではなく、じっくりと腰を据えて本質的な問題解決や課題の抽出を行うことが重要だと感じています。

個人的な問題ではない

今回、私は建築会社として解体工事に見積り依頼の紹介を受けました。本来、現場調査に行って、解体工事の金額を提示するのが私に寄せられた要望です。しかし、今年、弁護士の遠藤先生や不動産会社のツルちゃん達とと一緒に空き家対策プロジェクトチームの活動をスタートさせたこともあり、単にオーナーさんの言われる通り、老朽化した建物を解体して「その後」については預かり知らないと言うスタンスではなく、建物、土地の価値を最大限高める方法を考えて提案すべきだと思うのです。特に、都市部ではなく過疎化が進む地域では特にそのような思考で地域全体の問題として考えるべきだと思います。

地方再生の大チャンス

昔から良くピンチはチャンスと言いますが、近代になって土地が個人の所有物となり、個人の自由の権利行使を行なった結果、日本の街並みは調和の取れない味気ないものになってしまいました。世界が経験したことのない人口減少のフェーズに入った日本は地方都市には人が居なくなり次々と破綻すると言われています。需要と供給の市場原理から地方の土地建物は今後無価値化していくのは必然ではありますが、この大きなピンチこそ、地域を再編し、魅力ある街づくりを行う又とないチャンスと捉え、個々が持つ負の財産となる空き家を早目に手放して価値転換を図るべきだと思います。今年キックオフした空き家対策プロジェクトチームの活動を来年は本格的にスタートさせて行きます。空き家を所有して未来に不安を抱えている方はお気軽にご相談頂ければと思います、専門家が集まっているワンストップチームでお悩みを解決します!


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風の時代。#下克上の季節

令和2年12月24日曇りのち雨

冬至を過ぎると春が来る。

強い寒波の襲来とともに、今週から当時に入り、最も日の出が遅い季節になりました。今朝もいつもの愛犬チャックとの散歩に出る時間になってもなかなか明るくなりませんでした。これからますます寒くなるというか、年末年始にはまた強烈な寒波が来る噂もあり、寒さに弱い私としては当分辛い日々が続きます。とは言え、冬至を過ぎると少しずつ、日の出も速くなり始めます。厳しい季節が続くとは言え、少しずつ春に近づいていると前向きに考えたいと思います。(笑)

風が好き。

話は変わって、私は昔からおかしな嗜好というか、癖というかがあり、風が吹くとワクワクしてしまいます。不謹慎ですが、台風が近づいてくると遊びに行ったり、海岸線の銭湯に行って露天風呂につかろうかといつも悩んでしまいます。多分、子供の頃家にいるのをうっとうしがられて、子供は風の子やから外に出て遊びなさい!と言われ続けて、「俺は風の子や」と刷り込まれたのがその一因だと思いますが、空気中のチリやほこりを全て吹き飛ばす強い風が吹くと嬉しい気分になってしまいます。そんな私なので、昨日から(占星術の世界では) 250年間続いた地の時代が終わり、風の時代に変わったと聞いて、自分の時代が来たのだと大いに喜んでしまっています。

風の時代。

なんでも風の時代への移行は大きなパラダイムシフトが起こるらしく、今までの世界がまるで真逆にひっくり返るような価値観の転換がこれから訪れるとのことです。確かに、今年になってまさに本格化したと思える情報革命、テクノロジーの変化、そして新型コロナによるパンデミックとその影響で世界中が鎖国状態に陥り、グローバル経済がストップしてしまったのは、風の時代へ移行する予兆だったかどうかはさておき、 このところ立て続けにまさしく価値観が逆転するパラダイムシフトが起きたのは紛れもない事実だと思います。確かに、この調子で行くとこれまでの250年間とは全く違う世界が待っているかもしれません。

https://online.chichi.co.jp/category/BOOK/902.html

下克上が起こる。

風の時代に起こる特徴をかいつまんで見てみると、要するに価値観が逆転すると言う話であり、最も特徴的なのは論理の世界から感性の世界に変わることらしいです。少し前からこのブログで紹介している「考えるな、感じろ。」が最もわかりやすい概念ですが、論理が崩壊し、感情が爆発するとはどのような状態かと言うとコントロール不能で、下克上の時代と言えるかもしれません。これまで弱いとされてきたものが強くなり、強いと思われていたものが強くなる。ボトムアップなどといった生易しいものではなく、あちらこちらで革命が起こる時代と言っても過言では無いようです。子供の頃から織田信長にリスペクトし、戦国時代の歴史小説が大好きな私にとってはワクワクする時代になったと言う事です。

弱い者こそ力を持つ。

そもそも昨年ぐらいから、下克上の機運は高まってきており、新聞記者と言う映画でリアルに今の内閣を批判したシーンが映画館で上映されたり、ネットの声と言う名の一般市民のつぶやきに大新聞が振り回されたり、国や自治体のトップがインターネットのニュースに過敏に反応するようになったりと枚挙に暇がありませんが、我々建築業界で言うと、長大な集客力を誇っていたハウスメーカーの住宅総合展示場に誰も人が訪れなくなり、代わりに地域工務店に問い合わせが殺到したりしているのも下克上の一端を表してるのかもしれません。

強者、弱者表裏一体論

この強いものと弱い者の関係と言うのは非常に複雑で、誰しもがその両面を持ち合わせていると思っています。私にすれば、弱小工務店と言う立場では大きなチャンスがやってきますが、曲がりなりにも事業所のトップと言う立場からすると、今まで通りのルールや規則を決めてスタッフに従わせると言う手法は通じなくなり、従業員の声に耳を傾けて会社の運営をする時代になったと言うことです。まぁ、私の場合はずいぶん前からトップダウンが機能しなくなっており、スタッフの意向に沿う形でしか運営できなくなっていたので、ちょうど良いのかもしれません。(苦笑)

VUCA化を楽しもう。

とにかく、理論ではなく感情、広さではなく深さ、グローバルではなくローカル、都会はダメで、郊外が良い、大きさではなく硬さ、考えるのではなく感じる、トップダウンではなくボトムアップ、強い者ほど弱いものに従わなければならないこれからの時代、今まで以上にコミニケーションの広さではなく深さが必要になってくるのだと思っています。面白い時代になったと感じると同時に、1つ対応を間違うと大きな痛手を被ることにもなりかねないわけで、本当に一瞬たりとも気が抜けないややこしく、複雑な時代になったとも思います。不安定、不透明、複雑、曖昧な風の時代、楽しんでいきたいと思います。

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屋久島の杉を使う理由。#ひょうご木づかい王国学校

令和2年12月22日晴れ

木づかいの勉強会。

今週いっぱいは北極圏から広がってきた最強寒波の影響でずいぶんと寒い日が続くとの天気予報でしたが、今日の神戸は気温は日中でも10度にも達しませんでしたが、それでも暖かな日差しが差すいい天気で、幾重にも着込んだ上着を脱いで、セーター1枚で過ごせる位の小春日和になりました。そんな今日は、午前中から設計と大工のスタッフを引き連れて、ひょうご木づかい王国学校の大工を内製化している工務店メンバーと一緒に株式会社宮下さんの新築された物件の完成見学会にお邪魔して、兵庫県の地元の木材と、ひょうご木づかい王国学校で提携している屋久島から送られてきた屋久島地杉を使った内装インテリアや、造作家具の勉強をさせてもらいました。

地財地消を推進する団体活動。

ひょうご木づかい王国学校はもともと兵庫県林務課が作ったハーバーランドのモザイク内にあった地元産木材利用の啓蒙活動のための施設の名称で、創設から1年が過ぎ、林野庁の助成金が枯渇した段階で、運営を民間に移譲したいとの申し出を受け、私たち工務店と、関連するメーカーや材料屋さんに加入いただいて、資金を出し合って運営を続けています。これまで地元産木材を使ったワークショップや、イベントを主催したり、メンバーの事業者が行うイベントの告知を行いながら、木の家に暮らす良さをSNS上で配信したりして、興味を持たれたエンドユーザーさんに事務局の池川さんが第三者的な立場に立って、工務店をアテンドするなどのサービスも行っています。

山とつながる活動

今年は、当初の予定では啓蒙活動のイベントを活発に行う予定になっておりましたが、新型コロナの影響で残念ながら全くイベントを行いませんでした。その代わりにと取り組んだのが、オリジナル商品の開発と、その拡販のための研修会の充実です。先日ようやく完成にこぎつけたつむぎ建築舎のショールームに使った多可町ヒノキの産地である兵庫県の中部にある多可町の山に行って、樹齢100年でもあまり大きく育てるのに厳しい環境にある植林地を見たり、丁寧な低温乾燥庫での乾燥状況や、製材、完成品への加工まで1連の工程を見させてもらったり、11月には屋久島でも同じように生産者さんとつながって様々な話をお伺いしたりしました。

屋久島の杉を使った家。

そのような取り組みは、すべて我々がエンドユーザーの住まい手に地場産の材木を使う意味と意義を熱く伝えるための取り組みで、実際に建てる家でそれらの材料が使われて初めて実を結ぶことになります。今回、株式会社宮下さんで建てられた新築住宅には、屋久島から送ってこられた屋久島地杉の1枚板のカウンター材がテレビボードや洗面台などに使われており、また、壁にもヤクイタが貼られたりと、ひょうご木づかい王国学校で取り組んできたことが、住まい手への価値となって昇華した事例になっておりました。

自分だけよければ良い家づくり。

兵庫県の地元の木材を使う啓蒙団体と屋久島に何の関係があるのか?と疑問に思われる方もおられるかと思います。地産地消から外れているじゃないか、と。確かにそれもその通りで、我々はもっと兵庫県の杉やヒノキを熱心に使うべきと言う見方もありますが、大事な事は何のための地産地消か?と言うその問いにあると思っています。そもそも県産材を使いましょうと言うのは、自分だけがよかったら良いのではなく、地域の環境も考慮して家を建てませんかと言う提言です。実際、現在の住宅業界で使われている米松やホワイトウッドなどの木材はほとんどが外国から輸入される安い材料が中心で、コストだけのことを考えると、外材の方が安いのが現実です。しかし、日本の国土の70%を占めるといわれる山に植えられた杉やヒノキを使わなくなったせいで、山は荒れ果て、土砂崩れのリスクが高まったり、伐採されるべき樹齢に達した木が切られないことから花粉をまき散ら子ことになっています。住宅は地域に根ざすもの、その地域が荒廃していけばせっかく建てた家での暮らしも良いものにはなりえません。家は地域と共にあるのです。

屋久島の杉を使う理由。

自分だけ良ければ良いわけではない、との観点から考えれば、地産地消もあまり凝り固まると自分が住む地域さえよければ良いと言うことになってしまいます。離島の屋久島に植林された杉はそもそも党内で消費されるだけでは供給形になってしまいます。本州に供給することを想定して植林された山は堂内の将棋だけでは循環する事はありません。しかし、日本全体的に安い外国産木材に市場は占領されており、原木を流通させたところで会場での運搬費を考えると山に収益が還元される事は無いのが現実で、それを解消すべく考えられた仕組みが屋久島内でフローリングや羽目板に製品化して、付加価値をつけて販売することで林業家にも収益を歓迎し循環型ビジネスモデルとして成り立たせようと言う屋久島共同宣言の取り組みで、同じ志を持つ仲間として、私たちひょうご木づかい王国学校でもその共同宣言に調印してヤクイタの供給を受けることになりました。兵庫県産材を使うのと全く同じ価値観、世界観を持った取り組みなのです。

ちなみに、

株式会社四方継、紡ぎ建築者の事務所では、床一面に屋久杉由来のDNAが生きていると言われる屋久島の地杉で作ったフローリング「ヤクイタ」が貼っています。日本国内のすぎの分布の南限と言われる屋久島で育った杉は本州の杉に比べて、余分が多く、匂いも強く、防虫効果も耐水性も高いと言う試験結果が出ています。見た目も色や木目がやっぱり少し違い、目にする人にダイナミックでワイルドな印象を与えます。私自身、非常に気にいっていますし、多くの方に知ってもらい、使ってもらいたいと思います。そんな一般的には流通していない特集で貴重な材料を取り扱えれるようになったのは非常に嬉しいことですし、ひょうご木づかい王国学校の活動を続けてきて本当に良かったと思っています。興味がある方はいつでもご覧いただけますのでお気軽に遊びに来てください。(笑)


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職人よ大志を抱け! #本質は国境を越える

令和2年12月21日 晴れ

(実質)ラストウイークスタート

実質今年のラストウイークのスタートとなる月曜日、今年のことは今年の内にと考えると、今週中にあれもこれも片付けないといけないと焦ってしまう忙しい一週間の始まりです。そんな今日もまだ真っ暗な内から起き出して早朝から始業前の大工スタッフとの1on1コーチングから。日中も今年最後となる設計メンバーとのミーティングや、NPO法人ひょうご安心リフォーム推進委員会の運営会議など、慌ただしい1日になりました。今週もまだまだ打ち合わせや出張、ワークショップの開催などが詰まっており、今年も年末ギリギリまで走りまわることになりそうです。

来年への準備期間

年末に慌ただしく走り回るのは、今年の事は今年のうちに片付けたいのもありますが、ほとんどはもうすぐやってくる新しい年に対する仕込みです。新型コロナによる影響で、来年の国内経済は大きな落ち込みが予想されており、先行き不透明感が半端ない中、できるだけ念入りに準備をしていたおきたいのは誰しもだと思います。忙しいからといって先送りにせず、今年のうちにあらゆるオファーに対応して、新年に良いスタートが切れるように計画を立てておきたいと思います。

中国からのオファー

先週末の土曜日も、忙しい時間の合間をぬようにして、夕方遅くから長時間のオンラインミーティングを行いました。それは、中国で10,000,000人の建築職人が登録しているマッチングサービスのプラットフォームを運営している企業の関係者からのオファーで、中国独特の形態である、職人が企業に属さず、個人事業主的なチームを作り、組毎でマッチングサービスなどを使って工事を請け負っている現状での問題点を解決したいとの相談でした。ご存知の通り、上海や北京など大都市では日本よりももっと先進的で大規模な建築が行われており、中国の職人の技術的な水準も日本と遜色ないレベルまで上がってきているようです。しかし、残念ながら技術面以外でのモラル的な側面はまだまだ低く、そのことが原因で工事現場で起こる問題も多く見られるようです。

大事なのは志。

私に相談を持ちかけてこられたその中国の方は、一般社団法人職人起業塾のホームページを見て、私が上梓した書籍を読み、オンラインで開催している私塾「継塾」に参加されたりと、私が行ってきた職人の意識改革、それに伴った建築工事現場で圧倒的な信頼を得ることを起点にした、原理原則に基づいたマーケティング理論の現場での実践に大いに興味を持ってくれていました。その方曰く「職人さんには志が必要です。」と、今、金、自分だけがよかったら良いと言う価値観から脱却して、高い志を持って現場作業に従事するようになってもらわなければ表面的な教育を施したところで根本的な問題は何も改善されないと口にされました。

トレンドはライブ配信

私としては全くその通りです!と共感すると言うよりも、彼女が口にされたのは私が提唱してきた考え方そのもので、本質的な考え方に国境の区切りは無いのだと非常に嬉しく感じました。その方が言われるには、来年には、建設マッチングサイトに登録する10,000,000人の職人に向けて、私へのインタビュー動画を今中国で流行に流行っているライブ中継で配信したいとのことで、同時通訳&翻訳テロップを流しながらのライブ配信は非常に難しいのではないか?なんて思いながらも、是非やってみましょう!と大いに盛り上がりました。なんでも、中国のライブ配信はそんなにクオリティーにこだわらず気楽な感じでやっているそうです。(笑)

思えば招く。

その他にも、私の書籍「職人起業塾」を中国語に翻訳して電子書籍で出版、配信する等の案も出て、来年に向けて非常に楽しみな打ち合わせになりました。創業してから20数年、面々と社内で進めてきた職人の意識改革と職人育成のスキームを公開し、授業として取り組み始めてそろそろ4年が経ちます。起業するときに私が掲げた職人の社会的地位の向上が、思いもよらぬ形で広がりつつあることを少し不思議な感じもありながら、それでも強く願った思いは現実になる、物質の世界ではなく、生身の世界で生きていることを実感することになりました。もうすぐやってくる新しい年、楽しみです。

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継続が継続を生む論 #弁証法的成長の場

令和2年12月19日曇りのち晴れ

早くも最強寒波

昨日、一昨日とやたら寒いと思ったら北極圏から日本列島に最強寒波が押し寄せてきていたらしく、日本海側の地域では弓形状の日本列島のほぼ全ての地域で雪が降り積もっていたらしく、信越や東北では例年の何倍もの雪が一気に降り積もったそうです。昔、信州の八方尾根に車で向かった際、中央道が雪で通行止めになり、岐阜の山を下道で超えなければならなくなって、24時間ぐらいかかったのを思い出しました。急勾配の坂道に差し掛かると、前を走っているトラックがいくらアクセルを踏んでも空回りしてずるずると滑り落ちてきて、今にもぶつかると言う憂き目にあったのはひどく恐ろしかった経験で今でも大雪を見るとその時の恐怖が蘇ります。自然の大いなる力の前ではいつも人間があまりにも無力です。

関西横串会

そんな本格的な寒さが到来した中、今日は毎年の年末の風物詩となった恒例のTOTOリモデルクラブの面々とのゴルフコンペでした。関西横串会と名付けられたこのコンペはもう10年以上、毎年行われており、いつもはゴルフの後に姫路の山奥、峰山温泉の温泉旅館後楽に宿泊して猪鍋をつつきながら1年の振り返りと来年の抱負を語り合う会なのですが、今年はコロナの影響で自粛しようかとの流れでゴルフだけの会になりました。毎年楽しみにしている集まりなので、残念な感じも否めませんでしたが、それでも心やすいメンバーとのグリーンコミニケーションはたいそう楽しく、めっきり顔上好ことが少なくなったメンバーの近況報告なども聞けて非常に良い時間を過ごせました。

状態を作る結果。

今年は残念ながら、酒を酌み交わしながら経営談義をする時間は持てませんでしたが、それでも10年以上この会が続いている事は改めて凄いことだと感じました。10年の間に参加メンバーも多少なりは増えたり減ったりを繰り返しておりますが、大まか初期メンバーは毎回元気に参加しておられ、もちろん、それぞれ大変な時があったりもしましたが、厳しい競争にさらされている我々建築業界で生き残ってきたこと自体、非常に意義のあることだと思います。成果は状態に由来する。が私の口癖ですが、10年間誰一人、事業を破綻させていない「状態」を保てた一つの要因として、毎年年末に集まって情報を交換し、ライバル心を燃やし、刺激を受けて事業に対する情熱を燃やしてきたことも少なからずあるのではないかと思うのです。

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弁証法的螺旋

そんなことを考えながら、実は状態は成果に由来する側面があり、ヘーゲルが提唱した弁証法に様に、状態→成果→状態→成果の繰り返しが螺旋状の成長となり、10年と言う長い期間の継続に繋がったのではないかと思うのです。ちなみにそれは私が20年以上の長きに渡って大病も怪我も風邪さえも引くこと無く、決めた予定を変更する事無く過ごしてきたのにも繋がると思っていて、先日も最終講を終えた九州での若手大工育成の研修をはじめ、研修事業をスタートさせてからのこの4年間、半年間の研修を全て何事も無く終えることが出来たのも平素から習慣に執着し状態を整える意識を持ち続けてきた成果だと思っています。そう考えると世界は意思の力で変える事が出来ると思いますし、吉田松陰先生が言われた通り、志こそ万事の源だと思うのです。そしてそれも高い志を持った多くの仲間に囲まれているからこそ。今日は改めて、長年に渡り良い関係を続けてくれているメンバーに心から感謝したいと思いました。感謝します。

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沈黙。

令和2年12月17日 晴れ

真冬。

TVの朝のニュース番組では、「今季最大の寒波の襲来で真冬のような寒さになるでしょう」とお天気お姉さんが言ってました。えっ!12月の半ばを過ぎても真冬では無かったんだ!と改めて思い調べてみると真冬の定義は冬の最中を指すとのことで、時期的な決まりはなさそうでした。気象庁が定める真冬日は気温が氷点下になる日のことを指すようですが、私の感覚では子供の頃、雪が降り始めていた記憶がある12月の半ばから2月末頃までを真冬だとすっかり思っていました。とにかく、神戸も随分と冷え込んだ朝になりました。

年末風情。

今日は夕方から、明日の九州での若手大工育成プロジェクトの講師役に備えて前乗りで筑後入り。半年間通い続けたいつもの羽犬塚というローカル線駅前のホテルに着いたのは午後10時をゆうに回っており、九州も北のほうは南国では無く、逆に日本海に近いんだと知らされるくらい、随分と冷え込んでました。夕方までは今日も延々とスタッフとの個人面談マラソンの続きと土地探しのお手伝いをしたお客様の不動産売買契約の立会い等、朝からギッシリと予定が詰まっており、今日も年末らしく慌ただしい1日を過ごしました。

コーチングになってない、、

私は一応、これまで20年近くコーチングのセッションを受けて来ており、また自分自身でもグループコーチングの勉強会を主宰している事もあり、スタッフとの面談の際は出来るだけ話を聞く事を心掛けようと思っているのですが、予定がギッシリ詰まっている時はつい、じっくりと相手の答えを待ちきれずに話してしまいがちで、本来守るべき、私の質問に対する相手の沈黙を破って口火を切ってしまいます。一人当たり1時間以上も時間を取っているにもかかわらず時間が足らなくなる事も少なからずあり、決められた時間内に聞いておきたい、また話しておきたい事がそれなりにあるので、タイムマネジメントも必要ではありますが、答えを待てない様ではあまりいい面談にならないと反省する事しきりでした。

沈黙

沈黙というと、遠藤周作の隠れ切支丹を題材にして小説が有名です。つい最近、平戸出身の人と出会う事があり、ふと思いついてNetflixでその映画を見てみました。キリスト教とその弾圧を題材にしたこの小説は世界13カ国で翻訳された同氏の代表作であり、戦後の日本文学でも大きな評価を得ている有名な作品です。子供の頃に読んだ覚えがあるのですが、大筋のストーリーくらいしか覚えておらず、改めて映画を観てみると自分が信じる守るべき思想や信念とそれを許さない厳しい現実の狭間で苦しむ人間の葛藤のドラマは人が生きていく上での選択について、時代は変われども、姿形を変えて常について回る根源的な問いを突きつけられたように感じました。自由を謳歌しているはずの現代社会でも踏み絵を踏む、もしくは踏ますような事が少なからずあり、それは単なる弾圧といった単純なものでは無いと感じました。

正義と正義

元切支丹の奉行、井上がイエズス会の司祭に棄教を勧めるくだりでの司祭とのやりとりは正義対正義であり、どちらも相手が悪でない事を認めながらも、見せしめの切支丹を拷問して、棄教をすれば隠れ切支丹を苦しみから解き放つと、その責任を司祭に押し付ける事で、最終的に司教は踏み絵を踏ませます。井上奉行が転んだ司祭に「私があなたに勝ったのではない、日本という(キリスト教の根が根付かない)底深い沼にあなたは勝てなかったのだ」と言った言葉は、人の意志ではコントロールする事が出来ない強く大きな力がこの世には存在し、それに対して人間はあまりにも無力だと示唆しているようにも感じました。また、理念を掲げ、理想の実現に向かって突き進む事を是としている私にとっては、自分でも意識していないうちに踏み絵を踏ませる弾圧を人に強いていないか、考えてみる必要があるのかと考えさせられる事にもなりました。小説ももう一度読み直してみようと思います。

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