コーチングと原理原則と建設的思考。

平成30年11月2日晴れ

風邪?花粉?

昨日、丹波でのミーティングが長引いて夜遅くに帰宅すると、鼻の奥がもぞもぞしてくしゃみが止まらなくなってしまいました。通り雨にあったこともあり随分と気温が下がったからなのか、ブタクサなどの花粉の影響なのかはわかりませんがとにかくずっと鼻水が出るし、くしゃみが止まりません。今日の午前中は長田区の地主さんの物物件を見て回る予定になっており、張り切って出かけましたが、くしゃみと鼻水で集中できないこと甚だしく、非常に失礼な現場調査となりました。昼からは福知山にてクリナップ社が主催する情報交換会で1時間半の講演を依頼されており、くしゃみだらけの講演になりそうな嫌な予感をしながら向かっています。なんとかおさまってくれたら良いのですが。。

魅力的なコンテンツのプラットホーム

話は変わって、先日東京での新建ハウジング主催の建築業界向けにコンテンツを提供する新しいプラットフォーム作りの説明会は工務店やリフォーム会社などの建築業界向けにコンテンツを提供している方々が10名ほど参加されておられました。設計デザイン、集客、採用、クロージング、その他様々な工務店に必要なスキルやノウハウを提供されている方たちのお話は非常に興味深く、1人の工務店経営者としても非常に関心を持つものが数多くありました。もう少し時間があれば詳細を聞き込んであれこれと加盟していたかも知れません。(笑)

同情するなら契約を!

そんな中で、ひときわ異彩を放っていたのは和歌山の大工上がりの工務店経営者さんの話で、先代で創業者の社長が突然急逝されたのを受けて全く経営者としての知識もスキルもないまま、押し出されるように代表取締役に就任して、非常に素晴らしい業績を上げ続けておられるI社長です。I社長曰く、「急に経営を任されて全くどうしていいのかわからないので、社長が急になくなって困っていると言うのをダシに使って、同情を集めて受注を獲得しまくった。」と言われておりましたが、御涙頂戴と同情をかったかどうかは別として、家やデザインと言う「モノ」ではなく、そこで働いているスタッフや、ものづくりに情熱を燃やす社長の「人」に焦点を合わせた認知の拡大、情報伝達のコンセプトは素晴らしいと感じました。(笑)

コーチング的アプローチの浸透

説明会後の懇親会では私も同じ大工上がり同士ということもあり、すっかり意気投合してあれこれと話し込みました。中でもそのI社長が説明会の中での自己紹介の際に口にされた、コーチングを学んでコーチングスキルを業務に生かし、ボトムアップ型の組織を作ってきたと言うのには非常に感銘を受けました。15年以上もコーチングを受け続け、私自身も研修事業の中でグループコーチングを行っている身としては、トップダウン型の事業所が圧倒的に多い建築業界でも徐々にコーチング的思考が広まってきたのだと非常に嬉しく思った次第です。

原理原則系。

逆に、そのI社長も私の自己紹介の時際に語ったジェイ・エイブラハムやスティーブン・コヴィー博士の提唱された原理原則型マーケティングにを実践する研修に強い興味を持たれ、ご自身も、また社員さんにもスティーヴィン・コピー博士の「7つの習慣」読ませているとの事でした。さすが元大工、価値観が一緒ですねと談笑しながら、7つの習慣を読んだときに一筋の光明がさしたかのように、事業が目指す方向性が見えたのを思い出しながら、「成功法則で理屈は簡単、でも実践して成果に結びつけるのは難しいんですよね」と私が私塾を主宰したり、研修事業を行っている理由を申し上げると、大いに共感してもらいました。

建設的思考と原理原則。

そもそも大工に限らず、建築の仕事と言うのは図面に書いたものを地面に書き写し、柱や梁を書かれた通りに加工して組み立てることで計画した通りのものが出来上がります。安全で思い描いた通りの建物ができるには、1つずつの作業が完璧で、次の工程に渡せることが大前提であり、1つが間違うと後がすべて崩れ去ります。非常に建設的な思考を実際の業務で行い続ける訳で、種を植えなければ芽は出ない、顧客の評価を得なければ仕事は来ない。と言う原理原則論が理解しやすい土壌があると言えると思います。しかしながら、建築、建設業界では原理原則系マーケティング理論を取り入れ、実践に移している会社はあまり多く無く、未だに多額の費用をかけてチラシや住宅雑誌、WEB上での販促を熱心に行われている事業者が殆どか、それらを利用していなくて紹介受注に特化していても既存の顧客への繋がりをおざなりにしてしまっている事業者が少なくありません。

感謝します。

私たちは、モノづくりを生業としている企業として、(モチロン、集客方法やクロージングスキルを磨いて目先の売り上げ利益をつくるのも大事ではありますが、)今一度、原因と結果の法則に則って顧客の現場満足から生まれる信頼関係の強化とそれを担う現場力の強化を考えるべきだし、また、地域密着の工務店こそ、最もそれが出来る、出来やすい業態だとも思っています。この度、そんな私の持論に諸手を挙げて賛同してくださる工務店経営者さんと知り合える機会を頂けたこと、その様な場へのお声がけ頂けた事に心から感謝すると共に、私たちが長年積み重ねてきた原理原則に基づいた概念を学び、実際の実務で実践するのに必要な思考やノウハウを伝える機会が増えて、現場実務に携わる人達がもっと活躍出来る業界、社会への移行に微力ながら寄与できればこんなに嬉しい事はありません。感謝致します!

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想いは伝わる。むしろ伝わりやすくなった。@石巻

平成30年11月1日曇り時々晴れ

霜月のお朔日。

霜月のお朔日。平成30年も残すところあと2月のみとなりました。そろそろ年末までに工事ができるか、来年に持ち越すかを選択する時期となっていて、建築実務としてはこれからひと月ほどが最も緊急性の高い仕事が増える時期になります。できる限りお客様のご要望にお応えできるように、年末まで息継ぎをせずに走り抜けたいと思います。とは言え、11月もやっぱり容赦なく畳み掛けるが如く出張が重なっており、明日は福知山にクリナップ社主催の研修会での講演、明後日はまた東京に行って職人起業塾の講座を受け持ってくださっている小田全宏先生の還暦祝いの講演会に参加、その後は大阪と長崎で新たに半年間の職人起業塾の研修講座が開講、呉市での業者会での講演、福岡でのパナソニック主催の勉強会や、東京での職人起業塾も継続中と今月も出張の予定がびっしり詰まっています。頼まれごとは試されごと、ほんに忙しくさせていただけるのはありがたいことです。

今日は丹波へ。

素晴らしい学びの機会でもあった東京から帰ってきて今日は昼から丹波に移動して古民家再生プロジェクトの計画変更の打ち合わせ。今回の古民家の再生工事は、ただ単に建築業社として請け負った工事を行うのではなく、できるところは全てプロジェクトを支援してくれる人たちによるDIYで行うことになっているだけに、イベント告知で集まってくださるボランティアの方々に対する作業を教える手順や食事の手配などオペレーションを考えるべきことが多くあり、MTGは思いのほか時間がかかり、気づいたら辺りは真っ暗、通り雨が降ったこともあり気温もぐんと下がって帰りの車に乗り込んでみると外気温はなんと9度、確実に冬が近づいているのを感じる霜月の初めの日となりました。

プラットフォーム企業へのチェンジ。

昨日は東京にて建築業界で圧倒的なシェアをと認知度を誇る業界専門紙、新建ハウジング社主催による建築業界向けコンテンツを集約する新しいプラットフォーム創設に関する説明会に参加してきました。タブロイド版の新聞の発行と、雑誌や書籍を出版しているメディアの企業がこれまでと全く違った立ち位置でプラットフォーム企業にシフトチェンジをする非常に興味深い試みで、コンテンツを集約するプラットホームを作るというのはとても面白い展開になるのではないかと大いに期待をするとともに、そこでの情報発信する側にお誘いいただいたのは私にすると嬉しい限り。一般社団法人職人起業塾で推し進めている建築現場でのマネジメント改革を多くの人に知ってもらう機会になればと大いに賛同、早速参加を表明してきました。

 

職人起業塾の誤解を解く。

職人起業塾で行っている研修は決して職人に起業を勧めるような研修を行っているわけではなく、ドラッカー博士が提唱した「組織を構成するメンバー全員が経営者感覚を持って責任を引き受ける覚悟を持つことで主体性が発揮される効果性の高い組織えと変容すること」を目指しています。起業できるくらいのスキルと意識を、最も濃密で長期に渡る顧客接点である「現場」に携わる職人をはじめとする現場実務者に持ってもらう事で「真実の瞬間」と呼ばれる顧客がその企業やサービスに高い評価を下し、リピートする事を選択してもらえるための一貫性と継続性のある高い意識とそこに根ざす行動を半年間の研修の中で実践、習慣や仕組みに落とし込み、未来の顧客の創造に取り組んで貰っています。ただ、元々すみれの社内で社員大工の独立支援で始めた塾なので「起業塾」という誤解を招きやすいネーミングになってしまっており、建築業界では社員を参加させると独立させれるのではないかと危惧を抱かれる経営者が少なからずおられます。今回の新建ハウジング社の取り組みでその誤解を解く機会になればと思っています。(笑)

工務店セミナー@石巻の受講者満足度

そんな少しワクワクするような新たなプロジェクトの説明会を聞きながら、パソコンの画面に飛び出てきたのは先日仙台で東北電力主催で行われた工務店セミナーの参加者のアンケート調査の結果を知らせるメールでした。ちょうど新建ハウジングの三浦社長に、仙台での講演の際に私が昨年1年間、新建ハウジングプラスワンと言う雑誌で連載をしていた記事を読まれた方、もしくは新建ハウジングを購読されている方はおられますか?と100名近い参加者に問うて見たところ誰1人挙手をしてもらえなかった、しかし、講演終了後に数人の経営者がやってきて毎月私の記事を楽しみに読んでいた。と言ってくれた事件があり、東北人の気質の難しさを話していたところだったので、非常にタイムリーなタイミング。早速、確認してみると、なんと「非常に参考になった」と「まあ参考になったと」言う意見で96%となっており、この手のセミナーでは異例の高い満足度だと主催者側から喜びのメッセージをいただき、ほっと胸を撫で下ろした次第です。

仙台工務店セミナーアンケート結果
仙台工務店セミナーアンケート結果

思いは伝わる。むしろ伝わりやすくなった。

アンケート報告書には、満足度の集計のほかに受講者のコメントを転記されており、そこには登壇させてもらった私にとっては非常に嬉しい感想の数々をが書かれていました。全国で建築実務者向けの研修事業を行っているといっても、私は所詮神戸の方田舎の小さな工務店経営者であり、このたびこのブログを見られたイベント運営の担当者が私に声をかけて下さったのがご縁で偉そうに高い壇上から石巻の工務店経営者さん達にお話をさせてもらう機会を得ましたが、神戸生まれの神戸育ちで生粋の関西人である私が東北の言葉も慣習も違う人たちに想いを伝えることができるのかと、正直少し不安を抱えていました。常に激しい外部環境の変化にさらされる我々工務店は、目先の売り上げや集客のみにとらわれることなく原理原則に立ち返り、地道に現場で顧客満足を積み重ねる事でものづくり企業としての実力を身に付けるべきだとの私の持論が伝わったことが非常に嬉しく、ありがたかったです。

顧客(セミナー参加者)の声。

ちなみに、アンケート集計で返していただいたセミナー参加者の声というかメモにはこのようなことが書いてありました。

・ホンモノとは、企業は人、建築は現場…
我々の業界にも通づる素晴らしい公演ありがとうございます

・今まで受けたセミナーの中で一番もっと聞きたいセミナーでした。
  いつか独立したいと思える講義で自分のやる気につながりました。ありがとうございます

・意識改革

・”ホンモノ”とはの話についてです。

・本物だけが生き残れる自力マーケット

・変化と挑戦、三方良し

・ITの時代とうまくつきあう

・マーケティング

・ネット社会、「ホンモノ」

・卓越の戦略は是非取り入れていきたいと思います。とてもためになるお話でした。

  ありがとうございました。

・職人マーケティング論について

・セミナー全体

・楽しい話でした。

12月6日には仙台にてオープンセミナーを開催します、志を思いを同じくする工務店経営者の方々と共に学ぶ機会ができるような良いご縁が今回のセミナーから派生すれば私としてはこんなに嬉しい事はありません。東北の皆様、仙台でお待ちしております。

https://www.shokunin-kigyoujyuku.com/news/12月6日(木)%E3%80%80オープンセミナー「建築業におけ/

 

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百戦百勝は善の善なる者に非ず。  戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者 なり。

平成30年10月31日 晴れ

第62回元祖職人起業塾

水曜日も朝活の日。今朝も(目覚ましをかけるのをすっかり忘れておりましたが、なんとか)まだ真っ暗な中起き出して張り切って自宅を飛び出しました。昨夜は19時からすみれ本社で毎月開催しているマーケティングを切り口にしたグループコーチングである元祖職人起業塾の開催日で、今月も忙しい時節にもかかわらず30名弱の勉強熱心な経営者やマネージャー、職人など多数の方にお集まり頂き、熱気ムンムンの盛り上がりをみせました。懇親会も勉強会の続きの熱いディスカッションがカリスマ左官の植田親方を中心に展開されて主宰の私も大いに刺激をもらう有意義な時間となりました。皆さま深夜までお疲れ様でした!

百戦百勝

昨日の勉強会のテーマは「百戦百勝の人になる」というお題目でした。スモールビジネスに取り組む中小零細企業では社員全員が売り上げを上げる、利益を残す意識を持つとともに、売り上げをあげるのに寄与できる力を身につけるべきとの観点から、声がかかれば全て受注できる「百戦百勝の人」になる方法論を整理、全員にその力を身につける具体的な取り組みを考えてもらいました。企業が破綻する理由の98%が売上不振だと言われますが、逆に考えると売上だけ上げ続けること出来れば一応、倒産のリスクから逃れることができるという見方も出来ます。本来、企業が目指すべきは売り上げではなく利益なのですが、その前段階として売り上げは絶対に必要です。

分解すれば簡単だ。

「百戦百勝の人」と言うとすごい人の様に思いますが、細かく分解して考えてみると、実はそんなに難しいことではありません。まず初めに参加者の皆さんに「比較検討するまでもなくぜひあなたにお願いしたい」と言って仕事を頼まれた経験をお伺いすると、全員がその経験を持っており、条件さえ整えば勝つことがわかっている勝負の場に立てる事が明らかになりました。問題はそのシチュエーションをいかにパタン化して繰り返し、必要な量を手にするかだけの事、誰もが百戦百勝の人になれる可能性を持っています。

真実の瞬間

問題はレアケースをスタンダードに変える、必要とする量をいかに集めることが出来るかであり、この問題さえクリア出来れば無理な売り込み、一般消費者への強制介入である折り込みチラシなどの効率の悪い販促をしなくても売り上げを作る事が出来る様になります。では、どの様な時に比較検討されることなく特命受注を得られるかというと、その企業や人、サービスが信頼に値する評価を受けているから、と、非常にシンプルですが決して簡単では無い原因を作り出さねばなりません。要するに、顧客接点で「真実の瞬間」と言われるこの会社に頼んでよかった、この人なら大丈夫。と感じて貰える瞬間を持つことが出来るか否かにかかっています。

意図の影響

参加者の皆さんに特命で仕事を依頼された経験からその理由を訊いてみると、仕事への情熱や思い入れ、生き様、哲学などが伝わった時に是非お願いしたい、と言われたとの答えが帰ってきて、信頼を得るための4つの核(誠実、意図、力量、結果)の中の「なんのためにその仕事を行なっているのか?」という「意図」が大きく影響している事が鮮明に浮き彫りになりました。逆に、プロならば求められる仕事ができて当たり前、誠実に確かな仕事をしていても心の在り方が伝わらないと他者との圧倒的な違いが認められないという事だと思うのです。

マーケティングとは影響力。

百戦百勝の人になるには、「百戦百勝は善の善なる者に非ず。 戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者 なり。」と孫子の兵法に書かれているように戦う前に勝敗が決まっており、戦わずして勝つ(集客ができる)状態を作り上げることが必要です。そこに必要なのは出会ってからクロージングに発揮される表面的、顕在的な影響力ではなく、非対面、出会う前に比較検討を排除してもらう位の潜在的な影響力であり、それは圧倒的な強みを有しなければ手に入れることができません。結局、マーケティングとは影響力を拡大する活動自体だと言い換えることもできると思っています。

影響力は習慣によって作られる

そして、影響力は一朝一夕で身に付くものではなく、長い年月をかけてでもコツコツと積み重ねで育てるものだと思っています。今回の元祖職人起業塾参加者の皆さんには、社会的影響力を構成する9つの要素を紹介し、今の自分がどの影響力が必要でそれをどのように伸ばしていくかを質してみました。目標を達成する力である目標達成能力はやはり習慣に基づいて創成されるものであり、忙しい時期にも、このような勉強会に継続して参加することと同じように、普段の生活の中で緊急性の低い重要な「影響力を高める取り組み」に注力する時間を持たねばならないとまとめておきました。

社会的影響力 Social Power

どんなにシンプルでわかりやすい概念も行動に移すことが出来なければ全く意味を成しません、結局は継続した行動に具体的に落とし込むことが出来るかにかかっており、今、何に取り組むべきかを考えるのに、慶應義塾大学の今井芳明教授のサイトに紹介されている社会的影響力の9つの要素が非常にわかりやすかったのでここでも以下に紹介しておきます。習慣に取り組む選択の参考にして頂ければ幸いです。戦わずして勝つ、百戦百勝の人への道を共に歩みましょう!(笑)

①賞影響力(reward power)
受け手が欲しいと思っている報賞を与え手が受け手に与えられる

②罰影響力(coercive or punishment power)
与え手の望む行動を受け手が取らなかった場合に、受け手に罰を与える

③正当影響力(legitimate power)
高地位の人からの指示、命令には従うべきであると低地位の人が認識する

④専門影響力(expert power)
ある領域で専門的知識や技能が高い人が持つ

⑤参照影響力(referent power)
「あのような人になりたい」という認識される

⑥情報影響力(informational power)
価値のある情報を提供できる

⑦魅力影響力(attraction power)
好感度の高い、あるいは魅力的な人

⑧対人関係影響力
コネクションに基づいた影響力

⑨役割影響力
役割関係に基づいて、自分よりも高地位に相手に対して影響を及ぼすことができる

出典:社会的影響力と対人的影響の世界
http://www.ne.jp/asahi/socialpower/yimai/index.html

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目指すべきは性善説に立ったモノづくり。

平成30年10月30日晴れ

現場現場現場!

火曜日は朝活の日。昨夜は大阪で建築業界全体の施工品質の底上げを目指すネクストステージの小村社長と二人きりのミーティング&懇親会で大いに盛り上がり、建築業の評価は「現場が全て」と言う建築業の本質論から現場の品質を担保する人材育成をどのようにすべきかと熱い議論を戦わせました。小村社長のご子息は学校を卒業してからずっと大工として働いておられ、若い職人の生の声を直接聞いているだけあって、我々が取り組む職人起業塾の研修で目指している、職人にキャリアパスを身につけて貰うには経営者感覚を現場実務者に植え付けなければならない、そして作業だけでは無く現場監理や営業、設計を出来る様になるべきで大工は元請けとして働くべきと言う私の持論に大いに共感してくださいました。私としても小村社長が行って来られた第三者検査、施工品質のエビデンスをとる重要性を訴え、施工の標準化と現場監理への技術的な指導と心構えを説く現場監督塾の理念と理論には共感しか無く、今後は共著などを含めた共同戦線を張っていこうという小村社長からのありがたいお申し出に諸手を上げて賛成しました。小村社長、ありがとうございました。引き続きよろしくお願い申し上げます。

祝12周年!

大阪で散々熱い建築談義、現場談義を重ねた後は翌朝に備えて神戸に移動、12年前に設計施工をさせて頂いたSnackの(今ではすっかりchampagne BARと化した)BLACKに干支一回りという長きに渡り営業を続けてこられたお祝いに駆けつけました。改めて12周年のお祝いを申し上げて、(ママはそれなりに年齢を重ねられたようですが)オープン当初と全く変わらず美しい店内を眺めて自分達が作ったモノを大切に扱って貰えることのありがたみを噛み締めました。せっかくなので、と一杯飲ませてもらいながらママに言ってもらった一言は建築の仕事をやっていて本当に良かったと心から思える嬉しい言葉で、それは「お店作りの際に職人さん達が一生懸命丁寧な仕事をしてくれているのを見て、店を大切にしなければならないと心から思い、スタッフと一緒になって完璧な掃除を心がけて、その延長でお客様に対しても丁寧に迎え入れることができた、工事で良い仕事をしてもらったから12年の長きにわたりお客様に支持されることができました。」と、やもすればポロリと涙をこぼしそうになる位、ありがたい言葉でした。いつまでも物心両面の美しい状態を保ちつつ、癒しの場所であり続けてもらいたいと思います。

因果応報。

お客様にそんな言葉を頂くと、私たち建築会社に出来ることは住宅や店舗といった単なる箱作りではなく、もっと大きな価値を生み出せる可能性があるのだと改めて思い出さされます。昨年からすみれでは「家は建ててからがスタート」とのコンセプトを掲げて、そのコンセプトを建築実務に落とし込むことでお客様にとってなくてはならない存在になるべくジェイ・エイブラハム氏が提唱した「卓越の戦略」に取り組んでおりますが、10年以上前に取り組んだことが、こうして少しづつ実っていくのが自社の成果に限らず、お客様にも貢献出来ているとの声を頂くと、自分たちが取り組んできたことがあながち間違っていなかったのだと思えたりもします。今日も朝会の後はお客様先に出向き打ち合わせを重ねました。連続して医療関係の財団法人と開業医の先生のご自宅のリフォームのお申し込みを頂きましたが、どちらも随分と以前からご紹介で繋がったお客様であり、(どちらの工事もなかなかタフな現場ではありましたが、笑)その当時、私たちが行った現場でのものづくりの姿勢を評価いただきこの度もお声がけを頂くことができました。私達がいただく受注は今作ったものではなく、過去行った仕事の答え合わせ、工事後の評価の積み重ななのだと、改めて現場の重要性を感じずにはおられません。

いい人間関係がいいモノづくりを生む。

そして、信頼関係にあるお客様からのお声がけに対して、やっぱり精一杯お応えしたい思うのは人間誰しもで、「一見さん」と言われる紹介でもなく、社名を何と無く知っていた、ネット上で見かけた、というだけのこれからお互いを知り、関係を作っていく新規のお客様と差別するわけではありませんが、私たちの在り方といっても過言でない「家は建ててからがスタート」というコンセプトをよく理解して私たちの言葉に素直に耳を傾けてくれるお客様に対しては張り切って自分が持つあらゆるリソースを総動員して提案、設計、施工を行おうと思いますし、その意識こそが実は業務品質の根底を支えるものだと思っています。観念的、精神論のように思われるかもしれませんが、良い工事を行い、出来上がった建物での暮らしや商売が素晴らしいものになるには、チェックと管理を厳しくするだけではなく、建築主であるお客様と私たち設計、施工を行う者が力を合わせて協力することが大切であり、そこに疑心暗鬼ではなく信頼と尊敬と相手を思いやる心の絆があるべきなのは自明の理。私たちは建築知識を身につけ、技術を磨くことも大事ではありますが、それ以前にいいモノづくりに向かえる人間関係の構築にこそ、より一層心を配り、具体的かつ継続的な取り組みを行うべきだと思いますし、その部分にできる限り向き合ってきたという自負もあります。甘っちょろい性善説のように見られるかも知れませんが、誰かの幸せを作るのに、誰かの犠牲がいるような世の中にはなってはならないと思いますし、そうならないように最大限の努力を常日頃から積み重ねる事こそ、私達のミッションだと思っています。期待以上の仕事を、ガンバロ。

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ひとつむぎの手。

平成30年10月29日曇りのち晴れ

現場からスタート!

朝目覚めてみるとどんよりとした雲が空を覆っていましたが、朝1番に若手大工廉と一緒に工場の蔵書工事の墨出しに行き、親墨だけ出していると大工の大ちゃんが担当現場を任せて手伝いに来てくれたのを見て「後はよろしく」とアンカーセットを任せて外に出てみると明子気持ち良い青空が広がっていました。忙しい1週間の始まりです。

大工短命。

工務部の大工たちがあまりに予定が詰まっているのでこのところ私も頻繁に(現場に狩り出されて)活躍をしているのですが、今日は久しぶりに墨出しをしてみたら鉄骨製作図に書き込まれた細かな文字がよく見えず、何度も間違いを繰り返しました。図面を顔から遠ざけて目を凝らしてみると何とか見えるのですが、目が見えにくくなると見る事のみに意識が偏り、集中力が散漫になるのを身をもって体感しました。たかだか墨出し程度でこの調子では、髪の毛1本の隙間も許されない日本間の細かな造作の仕事はできないのだと改めて感じた次第。大工の寿命は思いのほか短いようです。(苦笑)

伝説の書店 店主のオススメ本。

精密な作業を要求される手仕事と言うと、私たちは日本建築の専売特許の様に思ってしまいがちですが、やっぱり究極は心臓外科の手術ではないでしょうか、血管を糸と針で縫い合わせる様な。先日、伊丹駅前にあるブックフレンド伊丹さんに立ち寄って、店主のオススメ本をどっさりと買い込んだ中にただいま売り出し中の若手作家の本が紛れ込んでいました。ビジネス本を読むのをすっかり止めて小説一辺倒になっている私の読書ライフですが、流行のベストセラー作家の本は全くと言っていいほど読む事はありません。しかし、生きる伝説の書店経営者、ブックフレンド伊丹の店主のオススメ本とあれば話は別で、試しににいちど読んでみようと手に取ってみました。「ひとつむぎの手。」と言う医療現場を舞台にしたいわゆるヒューマンドラマで、さらさらと読みやすい割には、人間の心の中にうごめく感情の機微が非常に細やか且つ、リアリティーある表現で描写されておりぐいぐいと引き込まれる良書でした。

ひとつむぎの手。

ネタバレにならない程度に内容を紹介すると、主人公である心臓外科医の祐介がコンプレックスとジェラシーとどす黒い権力争いを繰り返す有名私立大学病院内の人間関係の間で、人として、本来は行うべきでない言動を選択し、後悔する様は誰しもが持つ人間の弱さを露見させ、私自身にもそのような部分がまちがいなくあるのを感じることで胸を掻きむしられるような感情が芽生えました。エピローグでは苦悩と葛藤の先に人としての本来あるべき姿に何とか立ち返り、あり方を正した選択を行うことが地位や名声や金銭だけでない人生における素晴らしい意味と意義を見つけられるといった清々しい結末を迎えてくれたのにはほっと胸を撫で下ろし、紆余曲折あるにしろ、最終的に自分自身の弱さに向き合う勇気をもらえる素晴らしい内容になっています。この作家さんの作品は、緊迫した医療現場を舞台したものが多いとのこと、胸をかきむしりられるような感情とその後に訪れる晴れやかな気持ちを同時に感じてみたいと言う方はぜひご一読をお勧めします。やっぱり、喜多川泰さんによるマーケティングの書、「福に憑かれた男」のモデルとなった本屋さんの店主による選書は鉄板です。秋の夜長に是非どうぞ。(笑)

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実るほど頭を垂れる稲穂かな、の心。

平成30年10月27日 雨のち快晴

雨の仙台から。

昨夜は仙台での研修終了後、国分町の前から行ってみたかったクラフトビールマーケットで仙台の経営者仲間と大いに盛り上がり、調子に乗って夜中まで痛飲&シメのラーメンと餃子まで食してホテルに帰りバタンキュウ。明け方から夜中まで動き回る1週間溜め込んだ疲れを若干感じながら、今朝は雨の仙台から新幹線で京都を経由して滋賀の和邇まで茶の湯のお稽古に先生のお宅に伺いました。ドタバタと走り回った1週間の終わりに、茶室で集中してお点前に向き合うのは、心を鎮めて一層忙しくなりそうな来週に向けて気持ちと身体をリセットさせる非常にいい時間となりました。惜しむらくは、お稽古に通い始めて随分経つのに一向に上達しない事。先生に注意される(内容は変わっておりますが、)数は増えている様な、、いつもながら残念なお稽古となりました。

インプット&アウトプットの1週間。

それにしても、今週は相変わらず建築実務にどっぷり浸かりながらも、インプット、アウトプットの両方共が非常に多い、濃密な一週間でした。簡単に振り返ってみたら、
日、収穫祭で地元の木材利用についてプチセミナー
月、NPO法人ひょうご安心リフォーム推進委員会にて勉強会
火、倫理法人会MSと、ひょうご木づかい王国学校にて勉強会
水、BNIと書道お稽古
木、理念と経営の勉強会
金、仙台にて職人起業塾研修講師
土、滋賀にて茶の湯のお稽古
と、「アウトプットこそ最大の学び」とするなら毎日が学びまくりの1週間、しかも「懇親会こそ真の学びの場!」と毎日の様に飲み会に参加してたらそりゃ疲れも溜まるわな、と我ながら少し呆れてしまいます。ま、現状維持は緩やかな破滅への道と言いますし、実践が伴わなければ意味はありませんが、少しでも学びを行動に移すことができるなら、学びの習慣は絶対に必要な事だと思いますし、書道や茶道の様な道を学ぶ習慣は通い続ける事で感じられる様になる世界がある訳で、忙しかろうと止めるわけには行きません。

やれないいのではなくどうやるか、

とはいえ、もう足掛け8年位滋賀の和邇まで茶の湯を習いに通い続けておりますが、正直、茶道を習っているというのも憚れるくらいに未だにさっぱり垢抜けません。今日は一年に一度の中置(風炉の場所が少し客よりになる)でお濃茶のお点前を見て頂きましたが、一年前にした所作はすっかり忘れてしまっているし、切り柄杓の角度、茶筅通しの高さ、仕覆の置く場所、袱紗の扱いとひとつ一つの所作について延々と指摘、ご指導頂きました。「お点前は順番を覚えたら良いのではなく、一つずつの型を完璧に行う事で全体の空気感作り上げるのです。」と、お抹茶が点てればいいってもんじゃないとお叱りを受けました。どうやら、少しずつでも身に付ければその分完成度を求められる訳で、ゴールイメージが見つけられないな、と思っていたら、「美しいものを見て美しいと思う心があればその所作も美しくなるのです。」と諭されました。やっぱり、日々の精進なのですね。。(^ ^;)

実るほど頭を垂れる稲穂かな

会社の代表、社員教育をする立場で研修事業では塾長の肩書で若い人達に偉そうに道を説きながら、一方では同じような事を私自身も茶道や書道の先生方に繰り返し指摘されているのは何だか申し訳ないような気持ちになったりします。情け無いのが正直なところですが、つい先日、田坂広志塾長から届いたメッセージ(メールマガジンとも言う)に書いてあった一文を思い出して少しだけ救われました。それは「実るほど頭を垂れる稲穂かな」との古人が残した言葉は謙虚であることの大切さを説いており、謙虚になるには長年にわたる精進を積み重ねて力を蓄えなければならない。弱い物ほど謙虚になれないと言ったことを書かれていました。学び続ける事が謙虚になれる源であり、謙虚であるからこそ学びの場に身を置く事が出来る。年齢を重ね、幾つになっても叱って貰える師事できる人がいる事こそ最大の財産なのだと改めて感じた次第。情け無い姿を晒しながら挫けず腐らず謙虚な心で学び続ける習慣を持ち続けようと思います。ご指導下さる先生方への感謝の気持ちを忘れずに、いつも本当にありがとうございます。

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理念と経営と即実践。

平成30年10月26日 快晴

仙台、残すは一回のみ。

今日もやっぱり夜明け前に起きだして、始発のバスに乗り込み朝一番の航空便で仙台へ。第十期職人起業塾@仙台の研修講師として張り切って研修会場へ向かいました。今回の12講を終えると仙台での私の講義はあと最終講を残すのみとなります。半年間、朝10時から仙台市役所の近くの研修会場で講義を始めるのに、神戸から前乗りをせずに当日入りという無謀とも言えるスケジュールをこなして来て、これまで飛行機の遅延、欠航のトラブルもなく、(あと一回ありますが、)無事に通えた事は奇跡とまでは言いませんが本当にありがたく、ツイテタナー、と思う事しきり。感謝感謝です。

運がいいのが普通で基準。(笑)

そう言えば!とふと思い出したのは、先日、東北電力主催の石巻市で開催された工務店セミナーに講師で呼ばれた際、事務局の担当者さんに当日では間に合わないかもしれないと、前日入りする様に頼まれたことで、よく考えると私の出番は午後3時で、いくら石巻市が仙台から離れていると言っても、いつも10時に仙台での講習をしている事を考えれば、(私にすると)余裕で間に合う時間だったんだと今更気付きました。ま、当日の飛行機でメインの登壇者が移動すること自体、非常識なことなのだということなのでしょうが、その非常識を鹿児島、仙台、東京で延々続けている私は、よっぽど運が良いのだと改めて感じた次第。と言いつつも、慢心してたかを括っていると、いつかどうにもならないトラブルに巻き込まれるのかも知れません、、

理念と経営を学ぶ。

さて、話は変わって、、昨夜は「理念と経営」経営者の会@神戸支部の勉強会に先月に引き続き2回目参加させていただきました。以前、8年間ぐらい大阪で開催されていた同じ勉強会に通っていたのが途絶えて、残念に思っていたのが昨年から朝会に参加することになり、BNIのメンバーの日本創造研究所の金山さんと出会い、同じBNIメンバーでキャッシュフローコーチの椙山先生から「神戸で勉強会を行っているので来てくださいよ、」と誘って頂く機会を得て、先月から参加させてもらえる運びとなりました。一つの新しいアクションは、新しい人との出会いを生み、人との出会いは新たなアクションのきっかけになる、まさか朝活に参加する事が毎月、理念経営の成功事例に学び、自社の理念と経営について振り返り、自問自答を繰り返すこの勉強会に通う習慣を再び持つきっかけになるとは夢にも思いませんでした。本当にご縁を頂けたことに感謝するばかりです。

成功事例に学ぶ。

そんな昨日の勉強会では(期待していた通りの)素晴らしい学びの時間を過ごす事ができました。月刊誌「理念と経営」企業事例として取り上げられていた木製家具の老舗、飛騨産業がニトリをはじめとする海外から輸入される安価な家具の攻勢にあい、売上を下げ続けて破綻の危機に陥ったのを、30億の借金を背負った状態で経営者が変わり、一つづつ課題を克服してV時回復を成し遂げた軌跡を追った記事はモノづくりに従事する私達にとってとても勇気付けられる事例であり、「飛騨産業の岡田社長が売り上げ、利益を上げて企業としての体制を立て直したポイントとなる部分はなんだと思いますか?また、自社に取り入れたいものは何ですか?」との設問に答える事、また、参加者の皆さんの回答と自社での実践例をを聞かせてもらえる事は非常に貴重な学びの場となり、早速、自社に持ち帰って試してみよう!と思える素晴らしいアイデアを頂けました。

問題は経営にある。

飛騨産業に新しく就任した岡田社長が復活をかけてまず初めに取り組んだのは、従業員、取引先への面談とヒアリングだったとのことで、その中で関わる全ての人が飛騨産業が作り出す家具に誇りとプライドを持っているのを確認し、「作り手と受け入れ側の環境は悪くない、問題は経営にある」と、在庫を抱えないトヨタ方式の多品種少量生産、カンバン方式を取り入れて生産体制を刷新し、財務状況を大きく改善、また、商品開発も「100人中の一人がすごく気に入ってくれる椅子」をコンセプトにUXの観点を持ってデザインを見直してヒット商品を生み出す事で販売力を上げ、V時回復を成し遂げたとのことでした。

コミュニケーションから始めよう。

朝会のメンバーでもあるダスキンおおやの営業マンである寺田くんはこの事例を読んで、成功の秘訣は初めに岡田社長が行った面談にあると断じられ、社内、事業の改革はまずコミュニケーションを取る事ではないか、と答えられました。ちなみに、と自分も同僚と面談を継続的に行っており、その成果で営業マンが受注してきたお客様に対する配達員の態度やサービスが改善され、契約が途切れる事なく長期に渡って継続できたり、レンタルマットだけの顧客に対して違う商品の提案ができるようになり、契約金額がアップするなどの成果を手にしたとのこと。私がすごいと感じたのは、寺田くんは経営者でも無ければ、配達員達の上司でもなく、一営業マンとしての立場で、自分のお客様に対しての責任や事業所全体の業績、会社が掲げる理念に沿って自ら自発的に同僚達と面談を繰り返しているという点で、その目的意識の高さには心から素晴らしいと感嘆した次第です。

即実践。

心理学の大家であるアドラーは人間が持つ全ての悩み、問題は全て人間関係に起因すると断じられました。そして、人間関係を良くするのも、悪くするのも全て人同士の接点にありコミュニケーションによって解決出来る事は限りなくあると言っても過言ではありません。また、コミュニケーション不全が誤解や思い込み、決めつけなどの原因となり、更に人間関係を悪化させることもあるでしょう。すみれではこれまで、私が全社員に対してワンツーワンの面談を夏と冬の一年に2回行って来て社内に内包する全ての問題を聴き、改善に努めて来ました。その中で、なかなか解決できなかったのは、社員間、特に工務部と設計部のコミュニケーション不足で、あれこれと手を尽くして来ましたが、根本的な解決に至っておりません。私にしていたら、ただ単に、お互いがお互いを認め合い、受け入れ、尊敬の念を持ち、仲良くしてくれるだけで良いのですが、なかなかです。今回の勉強会で寺田さんに聞かせてもらったコミュニケーションの仕組みをヒントに社内で新たな取り組みを行ってみたいと思います。良いと思ったら即実践。素晴らしい、学びの時間をありがとうございました。

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下町ロケットと中小企業〜!の人材採用。

平成30年10月25日秋晴れ

天気は西から回復に向かう。

と格言のような言い回しで朝のテレビ情報番組の中で天気予報士が言ってましたが、神戸はすっかり真っ青な空が広がる秋晴れが戻ってきて、気持ちの良い行楽日和の日が続いています。今日は朝から工場の外壁改修の契約、一戸建て住宅の防水改修の契約、RC造の漏水調査と水回り関係というか、1ヵ月前に神戸を直撃した台風の余波にまだまだ振り回され続ける1日となりました。外装周りの契約、ご注文をどしどしいただいてはおりますが、結局、職人も材料もなかなか手配がつかず、すべて1ヵ月以上先の施工となってしまいます。腰を据えて待っていただけるように、応急処置に走りまわる日がもう少し続きそうです。

15名の大量中途採用。

本日外壁改修の契約を頂いた製造業、部品格好の事業を行われている社長と雑談をしている中で聞かせてもらったのは、この半年間でなんと15名もの新規の従業員さんを採用したとのことで、現在その新人教育に随分と忙しく力を入れておられる様子でした。昨日のブログですみれでも設計部2名の採用で欠員の補充が完了したと書きましたが、これからの先を見据えて中途採用の新入社員を大量入社させたと言われたのには本当に驚きました。私たちとは少し規模感が違う製造業の会社とは言え、労働集約型のものづくりの事業と言う一面では同じであり、これから国内需要は減少の一途を辿ると言われている中で、まるで成長産業であるがごとくの攻めの人材採用を行われているのには非常に興味を持ちました。凄い勢いです。

強みは品質。

その事業所が行われている金属部品加工は同業他社と比べて工程が多く、精度が高いことが強みであるようで、マーケット全体は縮小している中でも品質に信頼を寄せて注文を続けてくれるクライアントが数多くあり、業界を襲う外部環境の変化にもこれまでは売り上げを下げることにはなっていないとの事です。企業は人なり、と言いますが労働集約型のものづくり企業はそれがもっと顕著に現れる業態であり、オートメーション化が進む中でも本質的な品質を担保する知識があるものだけがその機械を100%使いこなせるといいます。ちなみに、いつも工場の実務でやりとりさせてもらっている工場長は、中卒から現在67歳まで50年以上もこの道一筋の職人で、金属加工に関する知識や技術は抜きんでた存在であるとも言われていました。日本の中小企業の底力を垣間見せられた気がします。

中小企業〜!

その経営者さんが、消費税が上がるこれから先行き不透明感が広がる時代にもかかわらず積極的に人材採用を行われている理由の1つに、マーケットの縮小よりも激しい同業他社の減少があるとの事でした。マーケティングの世界で言う所の「残存者利益」を得るために人材採用をしている。と理論的には非常にわかりやすいですが、とても勇気のいる経営判断だと思います。少子高齢化、世帯数減少による需要の減少とともに、労働集約型企業に圧倒的な人材不足が押し寄せる中、これからは売れるものではなく、(高い品質のモノを)作れる者が勝ち。と言う職人時代到来を予測した先進的な取り組みに非常に感銘を受けるとともに、大工の正規雇用、教育による役割の多能工化を図って人材の在庫と言われた職人の内製化を顧客接点の強みに転じてきた私たちのビジョンと重なるところも多くあり、非常に勇気をもらえた次第。奇しくもTVの日曜劇場は中小企業の星、「下町ロケット コースト」が大いに盛り上がっており、モノづくりに熱く取り組む中小企業時代が見直されている風潮もあり、時代の流れは確実に私たちにとって良い方向に流れているのだと喜んだ次第です。中小企業〜万歳!

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人材採用と世界観と本物の時代。

平成30年10月25日曇りのち晴れ

セミナー参加ドタキャン。

今日は水曜日で朝活の日。昨夜のひょうご木づかい王国学校の勉強会&定例会実は地元のワークウェア製造販売メーカーのアグロ社長や、プロモーションを担当されている石本さんなど、地域活性化の同志とも言えるゲストの参加もあり懇親会、二次会も大いに盛り上がり、調子乗った私はまたもや遅くまで痛飲。結局行きつけの神戸サウナに泊まって朝風呂浴びてから朝会に行くと言う爽やかな1日のスタートを切りました。

ITソリューション提供企業の喜多社長を新メンバーに迎えて盛り上がった朝のビジネスミーティングを終えた後は、昼から大阪でセミナーを受講する予定になっておりましたが、一旦すみれ事務所に出社して中途採用の面接を行ってみたところ、1時間程度の予定がなんと2時間オーバーの長時間となり、そのまま設計メンバーと事務所内の業務改善のミーティングに流れ込むと言う不測の事態となり、大阪に行く予定を諦めてしまいました。業界最先端の事例の情報収集ができなかったのは非常に残念ですが、緊急かつ重要な第一領域をないがしろにしては事業は成り立ちません。タイムマネジメントのまずさを反省しつつ、あきらめる、受け入れることも大事だと自分言い聞かせました。

喜多社長これからよろしくお願いします。

ボトルネック解消の糸口。

今月2名の採用が達成できたことで、2カ月間、毎日このブログのフッターに書いていた人材募集をこれで一旦終了します。今後は、設計部の人手不足と言う全体のボトルネックであり、残業が増えて労働環境が悪化する、仕事が辛くなる、良い提案ができなくなると言う負のスパイラルの根本をなんとか断ち切れる様に業務フローの改善や、全体最適化を目指すワークシェアリングの仕組みを整えるべく、取り組みを進めてみたいと思います。企業は人なり、我々の強みとはすなわち働いてくれるスタッフの強みであり、そこを伸ばし最高のパフォーマンスが発揮できる状態を整えるのが私の1番の仕事なのかもしれません。とにかく、やるべき事はいくらでもあるものです。(苦笑)

変わった工務店?!

今日の長時間にわたる面接をしながら改めて感じていたのは、人手不足に喘ぐ中小企業では、一緒に働いてくれる仲間を探さなければならないのは当然ながら、来てくれるなら誰でもいいわけではもちろんありません。事業を目的に沿って推し進めるには同じ価値観を共有できる人に来てもらわないといけないと言うことです。面接であれこれと質問する中で、なるほど、と思ったのはすみれは外から見ると随分と変わった事をやっている変わった工務店に見えているということです。あらゆる情報がインターネット上で検索できる情報化時代の今、働いてみようと思う会社の情報をあれこれと見てみるのは至極当然のことで、そこで見えてくる業務の内容が自分と合わないと思えば応募すらしないわけで、その意味では我々の取り組みを面白いと思ってもらえたのは本当に嬉しいことです。

思いは(行動すれば)招く。

確かに、スタッフが月に何度も順番に畑に行って農業をしたり、職人育成の研修事業を行ったり、毎月OBさん向けに暮らしを楽しんでもらえるためのイベントをしたり、会社で書道教室を行っていたり、建物の電磁波の対策に取り組んだり、社員大工がお客様宅を延々と巡回無料メンテナンスを回ったりと、「家は建ててからがスタート」と言うコンセプトを実現するために実務に落としているというのは傍目から見ると随分と変わった、おかしな会社に見えるようです。あと、マーケティング理論を愚直に実践することで、全く宣伝広告を行わなわず、リピートと紹介だけで事業を成り立たしている事にも随分と驚かれ、「どこの会社でも目指したいと思ってはいるかもしれないけど、実際にできた会社はありませんでした」と、まるで珍しいものを見た時のような顔されたのが印象的でした。

どう伝えるかではなく何を伝えるか。

知られなければないのと同じ。と言われますが、情報化社会に移行した今は、インターネット上に発信できていなければ存在しないのと同じになってしまうようになりました。ここで問題なのは、どう伝えるかではなく何を伝えるかだと思っていて、どこの会社のホームページを見ても素晴らしい崇高な理念を掲げた経営者の挨拶が掲載されており、それは詐欺まがいと言われる悪徳訪問販売系リフォーム会社でも、反社会勢力のブラック企業でも同じです。今や、企業がインターネット上に掲げる理念には何の価値もありません。重要なのは、事業の目的である理念をいかに実務に落とし込み、リアルに実際の顧客接点に発揮しているか、自分達に価値に転換して提供できているかを見てもらえるかです。そしてそれらを生み出す源となる世界観や、志といったあり方を伝えることこそ「本物の時代」と言われる現代の情報化社会おいて最も重要ではないかと思うのです。

苦難は幸福の門。

今回、人材採用の取り組みを始めて2ヶ月ほどで私たちの取り組みを面白いと思い、少なからず世界観に共感してきてくれた新しいスタッフが来てくれることに感謝して、より働きやすい職場環境の整備に努めると共に、お待たせしてしまっているお客様の不満を解消して参りたいと思います。企業は人なり、理念を実践に移してくれる人がいかに集まるかが企業の存続のカギとなる時代、私自らがあり方を正す習慣を持って気合を入れて内外含めた事業の最適化を目指して臨みたいと思います。8月末にリフォーム担当のプランナーかなちゃんが退職した後、随分と設計スタッフには負担をかけ、私も悩みましたが、苦難は幸福の門、災い転じて福となす、一期一会。ご縁に心から感謝しながら新たな業務革新のきっかけにしたいと思います。

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事業継承と経営感覚の見える化。

平成30年10月23日曇り後雨

月が傘を被ると雨が降る。

神戸は久しぶりの曇天。昨日の夜、薄い鱗雲の上にあった満ちかけの十四夜の月が大きな傘を作っているのを見て、明日は天気が崩れるのかな、と思っていたら、その通り今日は久々に青空が見れない1日となりました。子供の頃に教えられた古くからの言い伝えのような先人の知恵に「なるほど、確かなもんや」と改めて感心しました、大したものです。
今日は火曜日でいつもの朝活の日、明け方、外に出てみると、とうとう涼しいを通り越して肌寒い朝になっていました。これから早起き、朝会がちょっとした修行の場になる季節へと移り変わります。気合を入れてもうすぐそこまで来ている苦手な冬に向き合いたいと思います。

テーマは事業継承。

今朝のモーニングセミナーの講話者は倫理法人会の財津一郎と呼ばれる近畿方面長の津隈亮二氏が法人局本部からお越しになり、事業継承についてのお話をされました。日本の企業の97%を占めると言われる中小企業の前に巌然と立ちはだかる事業継承の問題は非常に根が深く、様々な要素が複雑に絡み合う難しい問題で、私自身もこれからの10年間でこの問題を解決すべく取り組みを始めたところです。

家業から事業へ。

起業化家がスタートアップを果たした後、ある程度事業を安定させるには家業から事業へ転換させることが必要で、事業の拡大を図るために金融機関と取引をして資金調達をし、設備や人材を整えることが重要だ。とよく言われますし、私もそのセオリーに従って事業を伸ばす事に随分と注力しました。徒手空拳、一文無しの大工職人からスタートしてから必死になって社屋を建て、ダンプやトラックを揃え、人材の採用をして工務店としての体裁を整えてきました。しかし、いざ事業継承を具体的に考える歳になって、地域工務店としてのちょうどいいスケール感はどうだったのだろう、と今思い返すと疑問が湧きます。ひょっとするともう少し家業レベルの小さい規模の方がスタッフに事業を引き継いでもらいやすかったのではないか?なんて考えてしまいます。

過去と他人は変えられない。

今更そんなことを考えてもどうしようもないし、私が今やるべき事はこれまで私たちが家を建てたり、リフォームしたりしてお付き合いいただいてるお客様がいつまでも安心して暮らしてもらえるように、メンテナンスやアフターフォローの体制を整え、永続できる事業形態、自立循環型のビジネスモデルを作り上げるべく、システム整備と人材育成、そして顧客からずっと支持され続けるための卓越の戦略を実践する社風を作り上げることしかありません。過去を後悔してもしょうがない、なんとかあと10年で形に出来る様に頑張ってみたいと思います。

事業継承が難しい理由

事業継承の最も難しいところは、(変えられないはずの)他人を変えなければならないところだと思っています。事業所の規模や内容によって千差万別なので一概に他人(社員)に事業継承する前提が正しいとは思いませんが、持続可能なモデルを目指す時点で、世襲制の親から子に事業のバトンを渡すのは(良し悪しは別として)非常に選択肢が少なくなるのは自明の理で、一子相伝的な事業継承ではなく、もっと広く人材を求める必要があると思っています。しかし、経営者感覚とは全ての責任を引き受ける決意と覚悟が必要で、誰もがそんな意識を持って仕事に向き合いたいと思うとは限りません、経営者と従業員との間には目に見えない一線があるものです。その前提に立った上で、如何に経営者と同じ価値基準を持ち、判断出来るスタッフを育てることが出来るかが、私達中小企業経営者に求められている訳で、事業継承の難しさとは即ち一線を超える人材育成の難しさに他なりません。

経営者感覚の見える化

そして、事業を引き継いでくれる人材を育成するのは、自分のコピーを作るのとはまた違い、これまで培ってきた強みや価値を引き継いでもらいながらも、今後ますます激しく変化を遂げる時代に乗り遅れる事がない様に、常に新たなチャレンジをし続けてもらわなければなりません、このように書くとずいぶん大げさに聞こえますが、私自身、そもそも大した経営者でもありませんし、起業するまで経営の勉強をした事もありませんでした。ただ、「立場が人を作る」とよく言われますが、経営者になって責任を背負うことで大きな成長を見ることも少なくありませんし、完璧な状態で事業を継承できなくても構わないと思っています。ただ、どんなタフな状況でも挫けない、レジリアンスなメンタルと、目的を忘れない志は事前に培ってもらわなければならないと思っています。そんな覚悟と決意と志が一体になった経営者感覚というものは内面と外面の両方を伝えるべきで、私の場合は内面は知的資産経営報告書にまとめてアウトプットした事業モデルのロジックをスタッフと共有し、外面については様々な習慣を継続することで背中をみて学んで貰えればと思っています。9年後、未来のすみれを背負って立つ人材を生み出すには、やっぱりコツコツとした地道な努力しかありません。がんばろ。

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