令和2年7月8日晴れのち曇り
予測できた大災害。
一昨日の未明、熊本の球磨川を氾濫させ、甚大な被害を及ぼした梅雨前線はその後も激しい雨を降らせ続けて、九州全土にその猛威をふるい九州全土のあちこちに大きな被害を被りました。被災された方々には心よりのお見舞いを申し上げるとともに、尊い命を失われた多くの方のご冥福をお祈りいたします。まさに未曾有の大災害となった今回の豪雨ですが、今回の災害を全く予想できなかったかというと、決してそんな事はなく、近年毎年のように全国各地で起こり続けた自然災害を鑑みると、もう少し命を守る予防ができたのではないかと残念に思います。
ハザードマップの精度。
昨年、熊本の知り合いから事業所の移転に伴う建築のご相談を受けたことがありまして、その時に熊本県が発表しているハザードマップを確認して、現在の場所の危険性と安全な移転先の候補地についてのアドバイスを行いました。広島の真備町の災害の時に、ハザードマップに書かれていた通りの水位まで決壊した河川の水が押し寄せたのは有名な話ですが、災害の想定は意外に計算できるもので、ハザードマップに対してもう少し真剣に取り合っていれば今回の被害ももっと軽減できたのではないかと思います。
不安を煽るメディア。
この二日間、テレビやインターネットで報道される、豪雨災害による被害者数が刻々と更新されているのを見て随分と暗い気持ちになってしまいました。危険地域の避難勧告、避難命令や今後の見通しや危険性を周知させるのは命に関わる報道だけに、重点を置いて報道されるのは致し方ないと思いますが、それにしても我先にといかにひどいことが起こっているかに焦点を当てて、被害者数の更新をし続けるメディアに対して、人の不安を煽る意図があるのではないのか?と疑念を持ってしまいました。そんな事を訝ってしまうほど、繰り返し悲惨な被害状況を繰り返し映し続けていました。
実態との齟齬と違和感。
実は、そのメディアへの疑念はこのところのコロナ報道を見ていて感じた違和感から来ています。東京での感染者数が連日100人を超えて、感染者数だけのグラフを示してまるで第二波が来たかのような報道を毎日のようにTVで目にします。緊急事態宣言を再度いつ発出するのか?といった論調です。緊急事態宣言と自粛要請が終わり、やっと経済が回り始めたと希望を持っている飲食店や、旅行業界の人には死刑宣告に値するような厳しい報道ですが、神戸と東京の違いがあるのかも知れませんが、リアルに周りの感染者数の実態を鑑みると、メディアの報道は随分と違和感がありました。
構造的な問題。
神戸では特に周りに新たな感染者が出たと言う話は一切聞かなくなりましたし、すっかりコロナ前の日常に戻りつつあります。メディアの報道との大きな乖離に違和感を覚えつつ、人々の不安をあおれば煽るほどテレビの視聴率が高くなると言う構造が偏った報道になっているのではないかと勘ぐってしまいます。冷静に考えると、夜のお店の従業員など、感染の可能性がある人に対して予防的にPCR検査の数が増やすとそれだけ感染者として認められる人の数も増えるわけで、だからといって深刻な症状があるとは限りませんし、無症状のままで抗体を持つ人が増えたところで大した問題ではありません。
驚愕の統計。
そもそも日本は欧米諸国に比べて圧倒的に死者数が少ないと言う報道があったのを思い出し、感染者数ではなく、死者数で統計を見直してみたら、驚くべき結果になっていました。なぜ、このデータを日々アップデートして報道しないのかが不思議で仕方がありませんが、死者数で見てみると完全にコロナは収束に向かっており、非常事態宣言の再発出どころか、収束宣言を出す秒読み段階に入っていると言っても過言ではない状態です。だからと言って全く感染予防を必要ではないとは言いませんし、油断は禁物だと思いますが、実際、発症して重症化したり、死亡する人は圧倒的に少なくなっている事実を正確に知らしめ、死にかけている経済を生き返らせる方向に人々の意識をシフトさせるのが大事ではないでしょうか。
メディアの報道は事実(の全て)では無いという大前提。
事実はひとつ、解釈は無限と言いますが、報道機関が自分に都合のいい事実だけを広く伝え、都合の悪い真実を隠すようなことがあってはならないですし、そんなメディアばかりだと信じたくはありません。しかし、コロナの報道を見ているとどのTV局も横一線の同じ論調で視聴者の不安を煽っているとしか見えません。実際、メディアは正義の味方ではなく、スポンサー収入で営利を稼いでいる企業である以上、ジャーナリストの矜持を持て!などと過度な期待をしてはいけない時代なのかも知れません。なんでも疑ってみる事を推奨はしませんが、情報が溢れかえり麻痺状態になりがちな今の時代、安易にメディアの扇動に乗ることが無いように、自分自身の考え方や判断軸を持つようにしなければならないと改めて感じた次第です。それにしても、ひどいなー。
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