令和2年7月18日 曇り時々晴れ
富士宮にて。
今日は久しぶりの出張で静岡県、富士宮市に。一般社団法人職人起業塾の研修に社を挙げてご参加頂いている空間工房匠屋さんの協力業者会総会の基調講演を依頼されてやってきました。富士宮は去年までの10年間、毎年富士山に登拝を続けてきた関係でとても馴染みがあり、富士宮駅を降りた時には(雲で富士山は見えませんでしたが、)いつもの富士山の香りがしたような気がしました。駅のすぐ側に、観光センターがあり、通りがかりにふと見ると今年は山小屋が全て閉鎖されており、富士登山は出来ません。との張り紙が貼ってありました。考えれば、山小屋での仮眠は芋の子を洗うようにギュウギュウ詰で寝袋で眠るので、蜜は避けられない上に、頂上で病人が出ると如何しようも対処のしようがなく、致し方ないのかな、などと考えながら、本当にコロナをそこまで警戒しなければならんのか?と少し寂しい寂しいと言うか残念な気持ちが込み上げました。
空間工房匠屋業者会総会
昼過ぎに富士宮駅に到着後、出迎えに来てくれた山崎社長に連れられて、定番の富士宮焼きそばをご馳走になったのち、駅前の会場に入って協力業者総会のスタートから参加させてもらいました。基本的に、建築会社の業者会などと言うものはクローズな会合であり、外部に公開するものではありません。そんな会の講演に呼んでもらえる私は、様々な会社の業者会に参加させてもらえる役得に恵まれており、今回も大いに勉強させていただきました。特に、匠屋さんは今年の新卒新入社員に初任給プロジェクトという企画にチャレンジされており、社会人になって初めてもらう給与で、これまで育ててもらった親や兄弟に感謝の気持ちを伝えると共にプレゼントをする一部始終をプレゼンテーションにまとめて発表するという取り組みをされており、素晴らしい取り組みだと感動させられた次第です。
職人の価値
今回の講演で山崎社長から頂いたお題は「職人の価値」でした。いつもの講演のテーマと大まか同じ毛色ではありますが、現場で働く職人さんに少しでも心に火を灯し、ほんの少しでも意識と行動を変えてもらえるようにといつにも増して熱く語らせて頂きました。私が思うに、職人の価値は昔に比べればずいぶん目減りしている様に思います。それは、管理する者と作業する者へと分業化が進み、職人が細分化された作業をこなす作業員になってしまったからに他ならず、自分で考えることも、プロフェッショナルとしての矜持を持って判断する事も無く、決められた作業を決められた時間で済ますだけの価値しか生み出さなくなったからだと思っています。価値は役割と連動しており、役割が減れば責任も減り、価値の減り、当然所得も減ってしまいます。職人は今一度、責任と役割について考え直し働き方を見直すべきだと思っています。
待った無しの職人不足問題。
私が代表を務める一般社団法人職人起業塾のミッションは「職人の社会的地位の向上」であり、今一度、大工等の職人を昭和の頃の様に子供達が将来就きたい職業の上位に戻す事です。その為に行うべき事は、今現在、現場で働いている職人を子供達や若者からみて、魅力的な仕事だと思ってもらう必要があり、職人の待遇と一緒に働き方自体を変えていく必要があります。また、建築業界の職人不足はとうに顕在化どころか益々深刻化しており、職人の待遇改善、同時に現場で付加価値を生み出す働き方改革を進めるのは既に待ったなしの状態でもあります。
要は習慣化と目的。
今日の講演の冒頭に話したのは、「知っている事と出来ること、やれている事は違う」と言う事と、「新型コロナの影響もあり、価値観が逆転する位のパラダイム・シフトが起こった今、分かりやすい目に見えるモノよりも直ぐには理解されない目に見えないモノの方が重要になる。」と申し上げました。見えないものとはわかりやすく言うと「心」であり、「想い」です。職人の価値を上げて、もっと稼げる様にするのはそんなに難しく無く、非常にシンプルな理論です。施工する先々で顧客に寄り添い、顧客の立場に立って物事を考える、コミュニケーション理論の原点を守り、誠実に真摯に工事を行えば、必ず顧客からの高い評価を得られ、繰り返しの注文や紹介を得られます。圧倒的な信頼を得ていれば適正価格、適正工期での受注が叶い、満足出来る利益を得ながら、更に顧客満足を高める仕事に注力出来るのです。こんな簡単な理屈ですが、なかなかそのまま実践出来ている職人がいないのは、「知っている」から「出来ている」へのハードルを超える「習慣化」が容易では無いのと、目的意識が明確になっていないだけだと思うのです。
役割と責任と価値。
今日の講演の最後に熱を込めて伝えたのは、やっぱりいつもと同じで、全ての現場、全ての職人から「カネだけ今だけ自分だけ」思考を排除し、未来を見据えて目の前の仕事を一つずつ絶対的な評価と信頼を得られる様に考え、選択をしてもらいたいと言うことです。ただ単に作業をこなすだけの役割から現場作業を通して顧客の絶対的な信頼を勝ち取るとの役割をこなすだけで、多くの企業が新規顧客獲得のためにかけている、売り上げの3%とも言われる莫大な販促費も必要なくなりますし、情報過多の時代で益々厳しくなっている競合他社との価格競争からも抜け出すことができるようになります。そもそも建築業は最終的に現場でしかその評価を得ることができない以上、職人には大きな責任と役割があるわけで、そこに気づき、少しの実践を積み重ねるだけでとてつもなく大きな価値を生み出すとお伝えしました。ほんの少しでも、匠屋社の業者会の方々の心に灯をともせたなら幸甚です。次の富士登拝の際にお会いできるのを楽しみにしております。
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