風の時代。#下克上の季節

令和2年12月24日曇りのち雨

冬至を過ぎると春が来る。

強い寒波の襲来とともに、今週から当時に入り、最も日の出が遅い季節になりました。今朝もいつもの愛犬チャックとの散歩に出る時間になってもなかなか明るくなりませんでした。これからますます寒くなるというか、年末年始にはまた強烈な寒波が来る噂もあり、寒さに弱い私としては当分辛い日々が続きます。とは言え、冬至を過ぎると少しずつ、日の出も速くなり始めます。厳しい季節が続くとは言え、少しずつ春に近づいていると前向きに考えたいと思います。(笑)

風が好き。

話は変わって、私は昔からおかしな嗜好というか、癖というかがあり、風が吹くとワクワクしてしまいます。不謹慎ですが、台風が近づいてくると遊びに行ったり、海岸線の銭湯に行って露天風呂につかろうかといつも悩んでしまいます。多分、子供の頃家にいるのをうっとうしがられて、子供は風の子やから外に出て遊びなさい!と言われ続けて、「俺は風の子や」と刷り込まれたのがその一因だと思いますが、空気中のチリやほこりを全て吹き飛ばす強い風が吹くと嬉しい気分になってしまいます。そんな私なので、昨日から(占星術の世界では) 250年間続いた地の時代が終わり、風の時代に変わったと聞いて、自分の時代が来たのだと大いに喜んでしまっています。

風の時代。

なんでも風の時代への移行は大きなパラダイムシフトが起こるらしく、今までの世界がまるで真逆にひっくり返るような価値観の転換がこれから訪れるとのことです。確かに、今年になってまさに本格化したと思える情報革命、テクノロジーの変化、そして新型コロナによるパンデミックとその影響で世界中が鎖国状態に陥り、グローバル経済がストップしてしまったのは、風の時代へ移行する予兆だったかどうかはさておき、 このところ立て続けにまさしく価値観が逆転するパラダイムシフトが起きたのは紛れもない事実だと思います。確かに、この調子で行くとこれまでの250年間とは全く違う世界が待っているかもしれません。

https://online.chichi.co.jp/category/BOOK/902.html

下克上が起こる。

風の時代に起こる特徴をかいつまんで見てみると、要するに価値観が逆転すると言う話であり、最も特徴的なのは論理の世界から感性の世界に変わることらしいです。少し前からこのブログで紹介している「考えるな、感じろ。」が最もわかりやすい概念ですが、論理が崩壊し、感情が爆発するとはどのような状態かと言うとコントロール不能で、下克上の時代と言えるかもしれません。これまで弱いとされてきたものが強くなり、強いと思われていたものが強くなる。ボトムアップなどといった生易しいものではなく、あちらこちらで革命が起こる時代と言っても過言では無いようです。子供の頃から織田信長にリスペクトし、戦国時代の歴史小説が大好きな私にとってはワクワクする時代になったと言う事です。

弱い者こそ力を持つ。

そもそも昨年ぐらいから、下克上の機運は高まってきており、新聞記者と言う映画でリアルに今の内閣を批判したシーンが映画館で上映されたり、ネットの声と言う名の一般市民のつぶやきに大新聞が振り回されたり、国や自治体のトップがインターネットのニュースに過敏に反応するようになったりと枚挙に暇がありませんが、我々建築業界で言うと、長大な集客力を誇っていたハウスメーカーの住宅総合展示場に誰も人が訪れなくなり、代わりに地域工務店に問い合わせが殺到したりしているのも下克上の一端を表してるのかもしれません。

強者、弱者表裏一体論

この強いものと弱い者の関係と言うのは非常に複雑で、誰しもがその両面を持ち合わせていると思っています。私にすれば、弱小工務店と言う立場では大きなチャンスがやってきますが、曲がりなりにも事業所のトップと言う立場からすると、今まで通りのルールや規則を決めてスタッフに従わせると言う手法は通じなくなり、従業員の声に耳を傾けて会社の運営をする時代になったと言うことです。まぁ、私の場合はずいぶん前からトップダウンが機能しなくなっており、スタッフの意向に沿う形でしか運営できなくなっていたので、ちょうど良いのかもしれません。(苦笑)

VUCA化を楽しもう。

とにかく、理論ではなく感情、広さではなく深さ、グローバルではなくローカル、都会はダメで、郊外が良い、大きさではなく硬さ、考えるのではなく感じる、トップダウンではなくボトムアップ、強い者ほど弱いものに従わなければならないこれからの時代、今まで以上にコミニケーションの広さではなく深さが必要になってくるのだと思っています。面白い時代になったと感じると同時に、1つ対応を間違うと大きな痛手を被ることにもなりかねないわけで、本当に一瞬たりとも気が抜けないややこしく、複雑な時代になったとも思います。不安定、不透明、複雑、曖昧な風の時代、楽しんでいきたいと思います。

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職人の地位向上の一丁目一番地。

令和2年12月23日 晴れ

風の時代

水曜日、つむぎ建築舎設計部は定休日。私はいつも通り朝活からのスタートで今朝も夜明け前に起きだして、ゆっくりと白んでいく空を見ながらBNIのビジネスミーティングに参加しました。6時半のスタート時点ではまだ真っ暗だった空も2時間後の終了時にはすっかり明るく日が昇っており、日の出と共に1日が始まる感があります。良いことが起こる予感一杯で1日のスタートを切りました。
占星術の世界では、なんでも今日から地の時代から風の時代に変わったそうで、250年に一度のパラダイムシフトが起こるらしいです。占いにそんなに興味を持っていない私としては、ふーん、という感じで聞いておりましたが、朝の情報番組のコメンテーターに田坂広志塾長が登場してズバズバと本質に切り込んでいくコメントを発しているのを見て、あ、風の時代になったのだと感じました。私も何か新しいことにチャレンジしてみたいと思います。

明るい見通し

昨夜は顧問先である宍粟の山間にある工務店の全体ミーティングに参加してきました。mtgを終えてから、社長に少しだけ私が使っている資料を差し上げて提案スキームのアドバイスなどをしてから帰途に着きましたが、自宅に戻ったのは午後11時を回っておりました。出勤日数も残業時間も一切制限が無く、働きたいだけ働ける経営者ってお得です。(笑)
今年最後となるその会社の全体ミーティングでは社長が今年の振り返りと来年に向けての見通しを話されて、まずは足元を固めようと基本的な業務の徹底をしていこう!的な内容を話されました。どこの会社も基本は同じですね。そこでは、秋口から随分と集客の状況が随分と好調らしく、来年に向けて明るい見通しを示されておられました。素晴らしいことです。

変化に適応した者だけが生き残る。

ただ、風の時代になったからかどうかは別として、世界は大きく変わりました。顧問先の工務店が現在、好調なのも実はその変化の一つであり、またそれが長く続くかどうかはわかりません。私としては、昨年に来年から世界は大きく変わると確信して、20年間慣れ親しんだ社名を捨てて、新規事業を立ち上げて、建築請負業から脱却するくらい大きな変態を目指して、コロナ前の今年の1月からブランディングを一からやり直しています。その結果は、来年の夏以降に現れると思っているのですが、VUCAと言われる不透明、不安定、複雑、曖昧な時代には何が正しいか、間違っているかは時が経ってみなければわかりません。昨日の会議でも、時代の変化、顧客の行動の変化に適応して我々も変化しなければ生き残れないと熱く語らせてもらいました。

大工ブランディング

この混迷の時代に、来年の受注見込みがしっかりとあるのは非常に喜ばしいことですが、それにあぐらをかいていては来年以降どうなるかはわからないどころか、今の状態もたまたま風が吹いただけかもしれません。今のうちに社員総出で本質的な価値創出とそれを伝えるブランディングに取り組む必要があると強く訴えた次第です。そして、それが社員大工さん達の所得を上げ、地位を向上させ、次世代を担う若者が働きたくなるような会社となり、事業所が継続していく力を蓄える根本だと申し上げ、社長1人で孤軍奮闘している大工工務店、ものづくり企業としてのブランディングを全員で取り組まないかと提案させてもらいました。そして、大工工務店のブランドとは大工個人個人のブランディングにおかなりません、みんなの力が会社の力だと熱く語った次第です。

https://www.instagram.com/daishou_kensetsu/?hl=ja
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顧問の役割。

ブランディングへの取り組みについての提言をする前に、私がだいくを中心とした社員さん達に改めて説明したのは、同業の経営者である私が顧問に就任している理由です。今年度から一般社団法人職人起業塾では、従業員向けの研修だけではなく、そのモチベーションの根源となる人事制度改革のワークショップを開催しており、等級制度や評価制度を導入してもらうことで、役割と責任と給与をリンクさせてもらうい、やる気を出して新たなことに取り組んで、成果を上げた現場実務者に正当な評価とそれに見合った所得を得てもらうような仕組みを広めています。その運用のサポートで顧問に就任していると言う事は、ぶっちゃけ簡単に言っちゃうと従業員さん、特に大工の給料を引き上げに来ているようなものです。ただ、給料を引き上げるにはその原資となる利益を増やさなければならないのは当たり前で、それを全員で少しずつ取り組むことで現実にしようと言うのが私の立場であり、役割です。

職人の厳しい現実。

大工さん達に聞いてみると、しそう市で大工同士で応援のやりとりをする入り口あたりの単価は1万8000円位が標準とのこと、1ヵ月に25日働いたとして、450,000円。そこから車両代、ガソリン代、各種保険、道具代を引くと350,000円あるなしの計算になります。今は大工でも10年も修行の期間は入りませんが、それでも低賃金で働いて技術を身に付けて一人前になった挙句、実質年収は4,000,000前後しかないと言うのはあまりにも厳しく、夢のない職業になってしまっています。この先の事業所は正規雇用を押されて社会保険や厚生年金に加入されているのでずいぶんとマシな労働条件ですが、1人親方で働いている大工には若手を育成するような余力は全くないと言っても過言ではありません。これでは若者が職人になろうなんて思うわけがありません。

https://www.instagram.com/daishou_kensetsu/?hl=ja
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大工は自分の家を自分で建てるべき。

私としては、他業種との比較から、30代後半から40代位の、住宅を取得しようかと考える年齢になったときに、しっかりと社会保障を受けた状態で年収500万円以上は稼いでもらうようになりたいと思っていて、大工に自分の家を建ててもらえる状態になってもらいたいと思っています。実際、家を建てる仕事をしているのに、自分の家を自分で立てられない大工が圧倒的多数で、それでは家づくりをする小瀬主様の気持ちが本当の意味でわからないと思うのです。とは言え、一般的な大工と同じ仕事、同じ役割しかしない大工には、同じ給料しか払えないのは世の中の道理です。もっと稼いでもらうためには、大工として丁寧で美しい仕事をするのはもちろんのこと、付加価値を生み出してもらう必要があり、今までの職人として行ってきた仕事内容+何かしら役割と責任を引き受けてもらう必要があります。その内容を分かりやすく明記して、全員が把握できるようにしたものが我々が提唱している等級制度であり、人事制度改革の大きな柱です。

理屈は簡単、やるのも簡単。

大工が現場作業以外で付加価値を生み出し、会社の利益に寄与した分、所得を上げていく。理屈は非常にシンプルで簡単ですが、実際はどのようにすればいいのか?と頭を悩ませてしまいそうですが、実践する内容も実はそんなに難しくはありません。取り組んでもらう内容は会社によってそれぞれですが、今日の会議では会社で取り組んでいるInstagramの写真投稿を全員で見て、建物の完成写真の自慢げな写真よりも、大工が手刻をしていたり、原寸を引いたり、建前をしていたりと作業している風景のほうがいいね数が多いのを確認してもらいました。情報が溢れかえる時代になり、何が本当かわからない位、あらゆる情報が氾濫している現代、見た目がきれいなどこにでもあるような写真よりも、現場のリアルな情報にこそ価値がある、せっかく神社仏閣の仕事までできる高い技術を持った社員大工がいるのだから、経営者1人で行っている情報発信を全員でやれば大きな成果につながる可能性があると熱を込めて伝えました。理屈は簡単、やるのも簡単、後は継続して取り組むことで徐々に質を上げていくことができれば想いは必ず形になると思います。

1点突破で風穴を開けろ!

職人の社会的地位の向上をミッションに掲げた一般社団法人職人起業塾の活動を通して私がやりたいのは、先行き不透明で、成熟期を過ぎて淘汰の時代に入る建設業界で職人をむやみやたらと独立起業させることではなく、経営者感覚を持って起業しても立派に事業ができる位の知識とスキルを持った職人が、理念を共にする事業所の中で活躍し、やりがいのある働く環境と、豊かな暮らしを手に入れながら、次世代の若手の育成や事業の継承を担ってくれるようになることです。一般社団法人設立からこれまでの4年間、全国各地でセミナーや講演、研修事業を行ってきましたが、職人が意識を変え、働き方を変え、事業所の収益構造を押し上げるのに寄与して良い暮らしを手に入れたと言う事例はそんなに多くはありません。コロナの影響もあってこれまでの路線を転換し、広げるのではなく狭いところに深く深く入り込んで参画企業の経営者やその従業員さん達と一緒に汗をかき、1つずつ丁寧に改革を推し進めていくのが本当に私がやりたかったことであり、やるべきことだったのかもしれません。風の時代は量から質への転換が加速するとも言われます、その風に乗って私たちの取り組みが大きく成果に結びつき、建築業界の旧態以前の構造に風穴が開くことを願ってやみません。

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屋久島の杉を使う理由。#ひょうご木づかい王国学校

令和2年12月22日晴れ

木づかいの勉強会。

今週いっぱいは北極圏から広がってきた最強寒波の影響でずいぶんと寒い日が続くとの天気予報でしたが、今日の神戸は気温は日中でも10度にも達しませんでしたが、それでも暖かな日差しが差すいい天気で、幾重にも着込んだ上着を脱いで、セーター1枚で過ごせる位の小春日和になりました。そんな今日は、午前中から設計と大工のスタッフを引き連れて、ひょうご木づかい王国学校の大工を内製化している工務店メンバーと一緒に株式会社宮下さんの新築された物件の完成見学会にお邪魔して、兵庫県の地元の木材と、ひょうご木づかい王国学校で提携している屋久島から送られてきた屋久島地杉を使った内装インテリアや、造作家具の勉強をさせてもらいました。

地財地消を推進する団体活動。

ひょうご木づかい王国学校はもともと兵庫県林務課が作ったハーバーランドのモザイク内にあった地元産木材利用の啓蒙活動のための施設の名称で、創設から1年が過ぎ、林野庁の助成金が枯渇した段階で、運営を民間に移譲したいとの申し出を受け、私たち工務店と、関連するメーカーや材料屋さんに加入いただいて、資金を出し合って運営を続けています。これまで地元産木材を使ったワークショップや、イベントを主催したり、メンバーの事業者が行うイベントの告知を行いながら、木の家に暮らす良さをSNS上で配信したりして、興味を持たれたエンドユーザーさんに事務局の池川さんが第三者的な立場に立って、工務店をアテンドするなどのサービスも行っています。

山とつながる活動

今年は、当初の予定では啓蒙活動のイベントを活発に行う予定になっておりましたが、新型コロナの影響で残念ながら全くイベントを行いませんでした。その代わりにと取り組んだのが、オリジナル商品の開発と、その拡販のための研修会の充実です。先日ようやく完成にこぎつけたつむぎ建築舎のショールームに使った多可町ヒノキの産地である兵庫県の中部にある多可町の山に行って、樹齢100年でもあまり大きく育てるのに厳しい環境にある植林地を見たり、丁寧な低温乾燥庫での乾燥状況や、製材、完成品への加工まで1連の工程を見させてもらったり、11月には屋久島でも同じように生産者さんとつながって様々な話をお伺いしたりしました。

屋久島の杉を使った家。

そのような取り組みは、すべて我々がエンドユーザーの住まい手に地場産の材木を使う意味と意義を熱く伝えるための取り組みで、実際に建てる家でそれらの材料が使われて初めて実を結ぶことになります。今回、株式会社宮下さんで建てられた新築住宅には、屋久島から送ってこられた屋久島地杉の1枚板のカウンター材がテレビボードや洗面台などに使われており、また、壁にもヤクイタが貼られたりと、ひょうご木づかい王国学校で取り組んできたことが、住まい手への価値となって昇華した事例になっておりました。

自分だけよければ良い家づくり。

兵庫県の地元の木材を使う啓蒙団体と屋久島に何の関係があるのか?と疑問に思われる方もおられるかと思います。地産地消から外れているじゃないか、と。確かにそれもその通りで、我々はもっと兵庫県の杉やヒノキを熱心に使うべきと言う見方もありますが、大事な事は何のための地産地消か?と言うその問いにあると思っています。そもそも県産材を使いましょうと言うのは、自分だけがよかったら良いのではなく、地域の環境も考慮して家を建てませんかと言う提言です。実際、現在の住宅業界で使われている米松やホワイトウッドなどの木材はほとんどが外国から輸入される安い材料が中心で、コストだけのことを考えると、外材の方が安いのが現実です。しかし、日本の国土の70%を占めるといわれる山に植えられた杉やヒノキを使わなくなったせいで、山は荒れ果て、土砂崩れのリスクが高まったり、伐採されるべき樹齢に達した木が切られないことから花粉をまき散ら子ことになっています。住宅は地域に根ざすもの、その地域が荒廃していけばせっかく建てた家での暮らしも良いものにはなりえません。家は地域と共にあるのです。

屋久島の杉を使う理由。

自分だけ良ければ良いわけではない、との観点から考えれば、地産地消もあまり凝り固まると自分が住む地域さえよければ良いと言うことになってしまいます。離島の屋久島に植林された杉はそもそも党内で消費されるだけでは供給形になってしまいます。本州に供給することを想定して植林された山は堂内の将棋だけでは循環する事はありません。しかし、日本全体的に安い外国産木材に市場は占領されており、原木を流通させたところで会場での運搬費を考えると山に収益が還元される事は無いのが現実で、それを解消すべく考えられた仕組みが屋久島内でフローリングや羽目板に製品化して、付加価値をつけて販売することで林業家にも収益を歓迎し循環型ビジネスモデルとして成り立たせようと言う屋久島共同宣言の取り組みで、同じ志を持つ仲間として、私たちひょうご木づかい王国学校でもその共同宣言に調印してヤクイタの供給を受けることになりました。兵庫県産材を使うのと全く同じ価値観、世界観を持った取り組みなのです。

ちなみに、

株式会社四方継、紡ぎ建築者の事務所では、床一面に屋久杉由来のDNAが生きていると言われる屋久島の地杉で作ったフローリング「ヤクイタ」が貼っています。日本国内のすぎの分布の南限と言われる屋久島で育った杉は本州の杉に比べて、余分が多く、匂いも強く、防虫効果も耐水性も高いと言う試験結果が出ています。見た目も色や木目がやっぱり少し違い、目にする人にダイナミックでワイルドな印象を与えます。私自身、非常に気にいっていますし、多くの方に知ってもらい、使ってもらいたいと思います。そんな一般的には流通していない特集で貴重な材料を取り扱えれるようになったのは非常に嬉しいことですし、ひょうご木づかい王国学校の活動を続けてきて本当に良かったと思っています。興味がある方はいつでもご覧いただけますのでお気軽に遊びに来てください。(笑)


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職人よ大志を抱け! #本質は国境を越える

令和2年12月21日 晴れ

(実質)ラストウイークスタート

実質今年のラストウイークのスタートとなる月曜日、今年のことは今年の内にと考えると、今週中にあれもこれも片付けないといけないと焦ってしまう忙しい一週間の始まりです。そんな今日もまだ真っ暗な内から起き出して早朝から始業前の大工スタッフとの1on1コーチングから。日中も今年最後となる設計メンバーとのミーティングや、NPO法人ひょうご安心リフォーム推進委員会の運営会議など、慌ただしい1日になりました。今週もまだまだ打ち合わせや出張、ワークショップの開催などが詰まっており、今年も年末ギリギリまで走りまわることになりそうです。

来年への準備期間

年末に慌ただしく走り回るのは、今年の事は今年のうちに片付けたいのもありますが、ほとんどはもうすぐやってくる新しい年に対する仕込みです。新型コロナによる影響で、来年の国内経済は大きな落ち込みが予想されており、先行き不透明感が半端ない中、できるだけ念入りに準備をしていたおきたいのは誰しもだと思います。忙しいからといって先送りにせず、今年のうちにあらゆるオファーに対応して、新年に良いスタートが切れるように計画を立てておきたいと思います。

中国からのオファー

先週末の土曜日も、忙しい時間の合間をぬようにして、夕方遅くから長時間のオンラインミーティングを行いました。それは、中国で10,000,000人の建築職人が登録しているマッチングサービスのプラットフォームを運営している企業の関係者からのオファーで、中国独特の形態である、職人が企業に属さず、個人事業主的なチームを作り、組毎でマッチングサービスなどを使って工事を請け負っている現状での問題点を解決したいとの相談でした。ご存知の通り、上海や北京など大都市では日本よりももっと先進的で大規模な建築が行われており、中国の職人の技術的な水準も日本と遜色ないレベルまで上がってきているようです。しかし、残念ながら技術面以外でのモラル的な側面はまだまだ低く、そのことが原因で工事現場で起こる問題も多く見られるようです。

大事なのは志。

私に相談を持ちかけてこられたその中国の方は、一般社団法人職人起業塾のホームページを見て、私が上梓した書籍を読み、オンラインで開催している私塾「継塾」に参加されたりと、私が行ってきた職人の意識改革、それに伴った建築工事現場で圧倒的な信頼を得ることを起点にした、原理原則に基づいたマーケティング理論の現場での実践に大いに興味を持ってくれていました。その方曰く「職人さんには志が必要です。」と、今、金、自分だけがよかったら良いと言う価値観から脱却して、高い志を持って現場作業に従事するようになってもらわなければ表面的な教育を施したところで根本的な問題は何も改善されないと口にされました。

トレンドはライブ配信

私としては全くその通りです!と共感すると言うよりも、彼女が口にされたのは私が提唱してきた考え方そのもので、本質的な考え方に国境の区切りは無いのだと非常に嬉しく感じました。その方が言われるには、来年には、建設マッチングサイトに登録する10,000,000人の職人に向けて、私へのインタビュー動画を今中国で流行に流行っているライブ中継で配信したいとのことで、同時通訳&翻訳テロップを流しながらのライブ配信は非常に難しいのではないか?なんて思いながらも、是非やってみましょう!と大いに盛り上がりました。なんでも、中国のライブ配信はそんなにクオリティーにこだわらず気楽な感じでやっているそうです。(笑)

思えば招く。

その他にも、私の書籍「職人起業塾」を中国語に翻訳して電子書籍で出版、配信する等の案も出て、来年に向けて非常に楽しみな打ち合わせになりました。創業してから20数年、面々と社内で進めてきた職人の意識改革と職人育成のスキームを公開し、授業として取り組み始めてそろそろ4年が経ちます。起業するときに私が掲げた職人の社会的地位の向上が、思いもよらぬ形で広がりつつあることを少し不思議な感じもありながら、それでも強く願った思いは現実になる、物質の世界ではなく、生身の世界で生きていることを実感することになりました。もうすぐやってくる新しい年、楽しみです。

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継続が継続を生む論 #弁証法的成長の場

令和2年12月19日曇りのち晴れ

早くも最強寒波

昨日、一昨日とやたら寒いと思ったら北極圏から日本列島に最強寒波が押し寄せてきていたらしく、日本海側の地域では弓形状の日本列島のほぼ全ての地域で雪が降り積もっていたらしく、信越や東北では例年の何倍もの雪が一気に降り積もったそうです。昔、信州の八方尾根に車で向かった際、中央道が雪で通行止めになり、岐阜の山を下道で超えなければならなくなって、24時間ぐらいかかったのを思い出しました。急勾配の坂道に差し掛かると、前を走っているトラックがいくらアクセルを踏んでも空回りしてずるずると滑り落ちてきて、今にもぶつかると言う憂き目にあったのはひどく恐ろしかった経験で今でも大雪を見るとその時の恐怖が蘇ります。自然の大いなる力の前ではいつも人間があまりにも無力です。

関西横串会

そんな本格的な寒さが到来した中、今日は毎年の年末の風物詩となった恒例のTOTOリモデルクラブの面々とのゴルフコンペでした。関西横串会と名付けられたこのコンペはもう10年以上、毎年行われており、いつもはゴルフの後に姫路の山奥、峰山温泉の温泉旅館後楽に宿泊して猪鍋をつつきながら1年の振り返りと来年の抱負を語り合う会なのですが、今年はコロナの影響で自粛しようかとの流れでゴルフだけの会になりました。毎年楽しみにしている集まりなので、残念な感じも否めませんでしたが、それでも心やすいメンバーとのグリーンコミニケーションはたいそう楽しく、めっきり顔上好ことが少なくなったメンバーの近況報告なども聞けて非常に良い時間を過ごせました。

状態を作る結果。

今年は残念ながら、酒を酌み交わしながら経営談義をする時間は持てませんでしたが、それでも10年以上この会が続いている事は改めて凄いことだと感じました。10年の間に参加メンバーも多少なりは増えたり減ったりを繰り返しておりますが、大まか初期メンバーは毎回元気に参加しておられ、もちろん、それぞれ大変な時があったりもしましたが、厳しい競争にさらされている我々建築業界で生き残ってきたこと自体、非常に意義のあることだと思います。成果は状態に由来する。が私の口癖ですが、10年間誰一人、事業を破綻させていない「状態」を保てた一つの要因として、毎年年末に集まって情報を交換し、ライバル心を燃やし、刺激を受けて事業に対する情熱を燃やしてきたことも少なからずあるのではないかと思うのです。

SONY DSC

弁証法的螺旋

そんなことを考えながら、実は状態は成果に由来する側面があり、ヘーゲルが提唱した弁証法に様に、状態→成果→状態→成果の繰り返しが螺旋状の成長となり、10年と言う長い期間の継続に繋がったのではないかと思うのです。ちなみにそれは私が20年以上の長きに渡って大病も怪我も風邪さえも引くこと無く、決めた予定を変更する事無く過ごしてきたのにも繋がると思っていて、先日も最終講を終えた九州での若手大工育成の研修をはじめ、研修事業をスタートさせてからのこの4年間、半年間の研修を全て何事も無く終えることが出来たのも平素から習慣に執着し状態を整える意識を持ち続けてきた成果だと思っています。そう考えると世界は意思の力で変える事が出来ると思いますし、吉田松陰先生が言われた通り、志こそ万事の源だと思うのです。そしてそれも高い志を持った多くの仲間に囲まれているからこそ。今日は改めて、長年に渡り良い関係を続けてくれているメンバーに心から感謝したいと思いました。感謝します。

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二つの世界。#若手大工育成プロジェクト

令和2年12月18日 曇りのち晴れ

 

いつもの羽犬塚にて。

昨夜遅くに前のりで乗り込んだ久留米駅からローカル線に乗り換えて大牟田方面に3駅、羽犬塚駅前のホテルで迎えた朝は外気温−2度でした。少し大きめの窓のシングルガラスからしんしんと冷気が部屋の中に入ってくる冷気に参った、と昨夜はエアコンを点けっぱなしでベッドに入るのに攻めて少しでも湿度を保とうとユニットバスの浴槽にお湯を張ったままにしていたら、目を覚ます頃にはガラスだけではなく窓枠から零れ落ちるくらいにびっしりと結露していました。九州だからと言って別段、どこでも南国なわけじゃないよなー、福岡、北九州はどちらかと言うと日本海側やしなー、なんて実感した朝でした。

若手大工育成プロジェクト最終講。

今日はなんでも今年1番の寒波が襲来し、信越や東北方面では例年に比べてずいぶん早く大量の積雪になったようで、テレビのニュース番組ではまた自然の変化に脆弱な人間社会の弱さを映し出しておりました。そんな寒い中、今日は半年間にわたり通い続けた筑後での若手大工育成プロジェクトの実習研修の第12回目、最終講の講師を務めました。いつも感じることですが、研修のスタート時点では半年間の期間をずいぶん長い期間があるように感じるのですが、終わってみるとあっという間だったと思います。それは講師を務める私だけでなく、受講生も同じように感じるようで、終盤になると最終回を迎えるのがなんだか少し寂しい雰囲気が漂います。

ラッキーな若者たち。

JBN(全国工務店協会)の地方組織である一般社団法人人に優しい会を考える会が主催された、この度の若手大工育成プロジェクトの実習研修は3年計画であり、来年度は新しい受講生ももちろん迎え入れますが、基本的に、同じメンバーに継続して3年間実習研修を受けてもらうことになっています。なので、今日の最終講の終わりには、また来年会おう!と言う言葉で締めくくり、半年後の成長した受講生たちと会うのを楽しみにしながら別れをつげました。それにしても、3年間にわたって実際に小さな木造の実習棟を建てて、解体するするぜいたくなカリキュラムの半年ずつの実習研修を3年間継続して受講できると言うのは本当に恵まれていると思います。しかも、ほとんどの費用は全て国交省が負担してくれています。ありえない恵まれた環境に感謝したほうがいいよと今日も受講生達に(恩着せがましく)伝えました。(笑)

私が九州で講師を務める意味。

今回、私が遠く九州まで大工技術の自主研修の講師として半年間通うことになったのは、私が主催する一般社団法人職人起業塾が九州博多で開催する際の現地事務局をお願いしている関係で、一般社団法人人にやさしい家を考える会の事務局の方から新しい研修事業をスタートさせるので講師を務めてくれないかとオファーをいただいたからです。以前から、国交省の大工育成の事業の中で、技術実習の研修は繰り返し行われてきましたが、大体は引退した、若しくは第一線から引いたご高齢の大工の棟梁がやるもので、私のような(大工の世界では)まだ若手の部類になるような現役工務店経営者が務める事は非常に稀です。正直、技術だけを教えるのなら私がわざわざ毎回前日に前乗りして九州まで行く必要はありません。

技術だけではダメ。

研修講師のオファーをいただいたとき、正直、一瞬私じゃなくても良いのではないか?と考えて引き受けることに躊躇しましたが、「塾長が考えている通りにカリキュラムを変更してくれていいから」との熱心なお誘いを受けて、半年間筑後に通い続けることにしました。結果的には、実際に自習棟を建てるので技術的な研修を中心に行うのはもちろんですが、職人として、職業人としてのあり方、そこから生み出される価値を最大限生かせる状態を作る習慣の大切さを毎回の座学の中で繰り返し伝え続けました。1ヵ月に2回の研修のたびに、自分で決めた習慣に対する進捗や成果を発表させ続けることによって、はじめのうちは三日坊主でした等々、全く習慣に取り組めていなかった受講生も、カリキュラムが半ばを過ぎた位から全員がそれなりに実践できるようになり、最終的にはそれなりに、全員が習慣の力を実感してもらえたように感じています。

精神の世界の住人になれ。

研修の終わりは実務のスタート。明日から受講生たちが半年間の実習研修で培った知識やスキルをもとに、それぞれの現場や事業所、お客様先で活躍していくにあたり、本日の最終講義で私が彼らにこれだけは胸に刻んで業務に当たってほしいとお願いしたのは、「この世の中には2つの世界があり、1つは物質の世界、もう一つは精神の世界で、皆さんは物の世界ではなく心の世界に住んでいることを忘れないでほしい。」と言うことです。言い換えれば、理論と感性、表面的に目に見えるものと、目には見えないものの世界となるのですが、とにかく心のこもった仕事をしてもらいたいと言うことです。それは対お客様に向けてだけのことではなく、自分自身に対しても心を込めてもらいたいと言う願いであり、思考の中で理想を描き、心からそれを叶えたいと思った時、人は行動に移します。強い心を持って行動を継続することができれば、必ず手に入れられるものがあり、それはこの半年間、習慣を身に付けることで皆が体感してきたことでもあります。「思考は現実化する」とはナポレオンヒルの有名な言葉ですが、思考と言うよりは心を鍛えて心で感じてもらいたいとの私の願いです。

無限の可能性を秘めた若者たちへのエール。

文明の進化、テクノロジーの発達によって世の中は全て理論で構築されている様に思いがちですが、人と人との関係性は必ずしも理論で片付くものではなく、常に感情がつきまといます。頭の中ではやらなければならない、やったほうがいいと思うことも、心がそれを拒否すれば人は行動には移しません。私たちは建築と言う物理の世界に生きてはおりますが、決して全てがロジック通りではないのは世の常と同じであり、強く願う想いは現実となる世界の中に我々は生きていることを忘れないでいてもらいたいと思います。誰もが奇跡のような確率でこの世に生を受け、しかも大概の若者が忌み嫌い、興味を持たず、圧倒的な若手実務者不足に陥っている私たちの業界に飛び込んできてくれた若者は業界の宝であり、建築現場で働いているだけでもう既に凄いことです。これから未来にものすごい可能性を秘めていると思っています。彼らの輝かしい前途に心からエールを送りつつ、半年後たくましくなった受講生と会うのが今から本当に楽しみです。皆さん、半年間本当にお疲れ様でした。心を尽くして頑張ってください!
そして、サプライズプレゼントのマフラーありがとう。(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

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沈黙。

令和2年12月17日 晴れ

真冬。

TVの朝のニュース番組では、「今季最大の寒波の襲来で真冬のような寒さになるでしょう」とお天気お姉さんが言ってました。えっ!12月の半ばを過ぎても真冬では無かったんだ!と改めて思い調べてみると真冬の定義は冬の最中を指すとのことで、時期的な決まりはなさそうでした。気象庁が定める真冬日は気温が氷点下になる日のことを指すようですが、私の感覚では子供の頃、雪が降り始めていた記憶がある12月の半ばから2月末頃までを真冬だとすっかり思っていました。とにかく、神戸も随分と冷え込んだ朝になりました。

年末風情。

今日は夕方から、明日の九州での若手大工育成プロジェクトの講師役に備えて前乗りで筑後入り。半年間通い続けたいつもの羽犬塚というローカル線駅前のホテルに着いたのは午後10時をゆうに回っており、九州も北のほうは南国では無く、逆に日本海に近いんだと知らされるくらい、随分と冷え込んでました。夕方までは今日も延々とスタッフとの個人面談マラソンの続きと土地探しのお手伝いをしたお客様の不動産売買契約の立会い等、朝からギッシリと予定が詰まっており、今日も年末らしく慌ただしい1日を過ごしました。

コーチングになってない、、

私は一応、これまで20年近くコーチングのセッションを受けて来ており、また自分自身でもグループコーチングの勉強会を主宰している事もあり、スタッフとの面談の際は出来るだけ話を聞く事を心掛けようと思っているのですが、予定がギッシリ詰まっている時はつい、じっくりと相手の答えを待ちきれずに話してしまいがちで、本来守るべき、私の質問に対する相手の沈黙を破って口火を切ってしまいます。一人当たり1時間以上も時間を取っているにもかかわらず時間が足らなくなる事も少なからずあり、決められた時間内に聞いておきたい、また話しておきたい事がそれなりにあるので、タイムマネジメントも必要ではありますが、答えを待てない様ではあまりいい面談にならないと反省する事しきりでした。

沈黙

沈黙というと、遠藤周作の隠れ切支丹を題材にして小説が有名です。つい最近、平戸出身の人と出会う事があり、ふと思いついてNetflixでその映画を見てみました。キリスト教とその弾圧を題材にしたこの小説は世界13カ国で翻訳された同氏の代表作であり、戦後の日本文学でも大きな評価を得ている有名な作品です。子供の頃に読んだ覚えがあるのですが、大筋のストーリーくらいしか覚えておらず、改めて映画を観てみると自分が信じる守るべき思想や信念とそれを許さない厳しい現実の狭間で苦しむ人間の葛藤のドラマは人が生きていく上での選択について、時代は変われども、姿形を変えて常について回る根源的な問いを突きつけられたように感じました。自由を謳歌しているはずの現代社会でも踏み絵を踏む、もしくは踏ますような事が少なからずあり、それは単なる弾圧といった単純なものでは無いと感じました。

正義と正義

元切支丹の奉行、井上がイエズス会の司祭に棄教を勧めるくだりでの司祭とのやりとりは正義対正義であり、どちらも相手が悪でない事を認めながらも、見せしめの切支丹を拷問して、棄教をすれば隠れ切支丹を苦しみから解き放つと、その責任を司祭に押し付ける事で、最終的に司教は踏み絵を踏ませます。井上奉行が転んだ司祭に「私があなたに勝ったのではない、日本という(キリスト教の根が根付かない)底深い沼にあなたは勝てなかったのだ」と言った言葉は、人の意志ではコントロールする事が出来ない強く大きな力がこの世には存在し、それに対して人間はあまりにも無力だと示唆しているようにも感じました。また、理念を掲げ、理想の実現に向かって突き進む事を是としている私にとっては、自分でも意識していないうちに踏み絵を踏ませる弾圧を人に強いていないか、考えてみる必要があるのかと考えさせられる事にもなりました。小説ももう一度読み直してみようと思います。

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目的の細分化。#複雑な時代だからこそシンプルに。

令和2年12月17日曇り

寒波襲来

今週に入って、冬らしい曇天が続き本格的に寒さが厳しくなってきました。なんでもこの冬1番の寒波が北の方から押し寄せてきているらしく、温暖な瀬戸内にある神戸も随分と冷え込みました。寒さが大の苦手な私としては厳しい季節になってきました。本日は第88回目となる私が主催している無料の勉強会、継塾の開催日でした。先週までは小春日和が続いていたこともあり、懇親会は3階でリニューアル工事をしている完成間近の多可町町ヒノキとオーダーメイドキッチンのショールームのお披露目も兼ねてテラスで寒中バーベキューをやろうか、などと言っておりましたがそれどころではない寒さにあえなく諦めて冬らしく鍋パーティーに変更しました。やっぱり冬は暖かい鍋に限ります。(笑)

力みすぎか、、

今回で88回目とおめでたい感じの開催となった継塾は年末の忙しい時期にもかかわらず多くの方にご参加いただきコロナに負けじと強行した懇親会も含めて今回も大いに盛り上がりました。令和2年の最後の会と言うことで、今日のテーマは1年の振り返り「何を求め、何を手に入れたか」としました。今年の振り返りをすることで、もうすぐやってくる令和3年の新しい年を迎えるにあたって、大概の人が年の初めに行う目標設定がうまくいくように、少しでも寄与できればと思いながら勉強会の進行に努めました。ただ、1年の最後と言うことでコロナの影響で大きく世界が変わってしまった今年を振り返りながら、昨年末に先行きが全く見通せなくなる令和の時代を生き残るには、ブランディングが欠かせないと繰り返し語っていたのを改めてシェアして意識喚起をするのに時間を取りすぎて、各人の発表の時間が取れず、消化不良を感じられた方もおられるかも知りません。力みすぎて空回り、気をつけなければなりませんね。(汗)

今年の目標とその目的。

「今年1年を振り返ってどうでしたか?」と言う質問はこの時期になるとよく耳にする言葉です。今回は参加者の皆さんが年頭に立てた目標に対して、達成したこと、積み残したことを聞くだけではなく、もう一歩踏み込んで、目標設定のもとになっているはずの「目的」について考察をしてもらいました。例えば、私の場合、今年の目標の1つに、「顧客との関係をオンライン、オフラインの両方をシームレスにつないだコミニケーションが取れる場作り」というものがありました。今年の初めからスタートした社運を賭けたリブランディングの取り組みの大きな柱である地域コミュニティー事業「つない堂」の中心的な事業である会員制度を軌道に乗せたいとの強い想いでした。担当の尾上さんは熱心に取り組んでくれて、一緒に立てたロードマップに忠実に、地域で活躍する専門家の取材やその配信など、一生懸命取り組んでくれました。

目標達成どころかスタートライン

その目標を掲げた目的は、もちろん我々が事業を通して目指す先、理念として定めた「四方良しの世界を作る」です。一年を振り返って見ると、自分で考えていたよりも新規事業を軌道に乗せるまでの課題は多くあり、それらを試行錯誤しつつ、一つずつ解決しながらの取り組みは(コロナの影響もありましたが)当然、計画よりも進捗が遅く残念ながら私がイメージしていた目標への達成には遠く及びませんでした。冷静に成果を見直してみたら一年かけてやっと、ショールームも完成し、事務所のワークスペースをコワーキングスペースとして解放、営業できる体制が整ったところで、漸く本格的なスタートラインに立てた様に感じています。

目的の「良し」とはなんぞや

あまりの不甲斐ない結果に、自己嫌悪に陥りそうになっておりますが、気持ちを下げたところでどうなるものでもありません。大人は検証と改善を考えるものだと気を取り直して、もう一度、コロナ思考(*逆転のパラダイム)で前提条件から考え直してみる事にしました。目標設定は目的の達成の為であり、私の目的は四方(私達に関わる全ての人)を良くする事です。「良し」と言うのは状態を表す言葉で、外観での良いと、内観での良いの両面があります。外観の良しはWeblioで引いてみると、①りっぱだ。上等だ。②美しい。きれいだ。③すぐれている。善良だ。賢い。④高貴だ。身分が高く、教養がある。上品だ。⑤上手だ。巧みだ。すぐれている。⑥栄えている。豊かだ。幸せだ。⑦感じがよい。快い。楽しい。好ましい。⑧ちょうどよい。適当だ。都合がよい。ふさわしい。⑨親しい。親密だ。などの他者評価の部分が多分に入り込みます。もう一方、内観の「良い状態」とは?を考えた時、私は何事にも囚われず自由である事ではないかと思ったのです。そういえば、「人間の最も根源的な欲求は自由である。」とのヘーゲルの言葉もありました。

目的にダイレクトな目標設定。

そんな風に考えれば、意外とシンプルだと思い込んでいた目的も細分化すれば様々な側面があり、その達成を目指すならば、それぞれについて目標を設定し具体的な行動に移した方がいいに決まっています。要するに、私が目指したのは私を含めて私と関わりを持つ皆さんが、自由で、自立した、快適で、健康な、美しい、豊かな状態を感じる事だと改めて気づいた次第です。そんな風に考えれば、目標設定をするにあたり、事業の方向性とかKPIとかを設定することも大事ですが、直接、目的に対してダイレクトにアプローチすることも同時に行ったら良かったのではないかと思いました。私は自由を、スタッフには自立を、お客様には快適さを、家族には健康を、モノづくりには美しさを、会社には豊かさをそれぞれ手にして貰えるような目標の立て方をすれば、本来目指す先にもっと実感を持って近づけたのではないかなんて思うのです。

本当の目的は?

今日のワークショップの中で、参加者の皆さんにも同じプロセスで目的の細分化をしてもらったところ、宍粟で大工工務店を営んでいるM社長は「目的はずっと大工技術の継承と大工の地位向上だと思って目標設定をしてきましたが、細分化をして気付いたのは、本当は自分が事業を継承した父親である会長に対する親孝行がしたかったのではないかと気づきました。」と話されておられました。それならば、事業計画とは別に、直接親孝行をするような目標設定をすればいい訳で、もちろん、事業で結果を残して会長に喜んで貰うのも良いのですが、それ以外でも会長に喜んでもらう術はゴマンとあるわけで、縁起でもないですが、昔から「親孝行したい時にはなんとやら、」と言いますし、さっさと目的に対して直接のアプローチをしたら良いと思いますし、するべきです。

複雑な時代だからこそシンプルに。

目的と目標は違います。目的は目指す先であり理想の実現です。目標はそこにたどり着くためのマイルストーンに過ぎません。その重要度には大きな開きがあるはずですし、ごっちゃになったり、ひっくり返ったりする訳が無いように思いますが、実際は目的を見失った目標の達成に血眼になってしまったりしてしまいます。あり得ない様に思いますが、実際の仕事は時間の制限や限られた費用内で行わなければならないなど、様々な条件が折り重なる中で行わなければならず、あれこれと心を配る間に、本来の目的を見失ってしまいがちなのが現実です。感じるのでは無く感じろ、と感性を見直す必要性が叫ばれる、不安定で不透明、曖昧、複雑な混迷の時代を生きる私たちは、目的を見失いやすい状態に陥っているのかも知れません。そんな時代こそ、心に直接ビンビン響くような、目的にダイレクトにアプローチする計画を立てる必要があるように感じています。もうすぐやって来る新しい年を迎えるにあたり、少しでも参考にして頂ければ幸いです。

 


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なんてったって営業力! #逆転の時代のパラダイム

令和2年12月15日 晴

宍粟市の鬼登壇。

火曜日は朝活の日。今朝も早朝から神戸市倫理法人会のモーニングセミナーに参加して宍粟市倫理法人会の会長に就任された、兵庫県の建築業界では知らぬ人がいない位、先進的な取り組みをされている有名工務店ヤマヒロ社の三渡社長の講話を拝聴しました。創業者の祖父から引き継いで現在3代目の社長を務められているとのことで、事業継承の経緯などを中心に事業についての熱い想いを語っておられました。大学卒業後は大手アパレルメーカーのワールドで武者修行をされたと言う異色の経歴を持つ三渡社長は相変わらずのパワフルでユーモアたっぷりの語り口調で倫理法人会の教えと、ご自身の事業経験を通しての学びをリンクさせ、非常に面白くためになるお話を聞かせて下さいました。

ルーツとDNA

三渡社長のお話は朝起きして行った甲斐がある!と思える素晴らしい講話でした。その中でも、家系図の話から自分から4代前まで先祖をさかのぼると、16人のご先祖様に行き着きそのDNAが混じり合って自分の中に流れている。それこそが自分の力の根源になっている。と言うお話は、非常に興味深く、任侠人や医者、侍、職人などなど多彩な職業のご先祖様の生き方が凝縮されて今の三渡社長を形作られたのだと言う説に、なるほどと大いに納得させられました。哲学者の田坂広志先生が人にはいろんな側面があり、どれが本当の自分と言うわけでなく、二重、三重人格の全てが自分であり、様々な性格や才能を同時に伸ばすべきだの多重人格のススメ的な本を上梓されているのを以前読みましたが、その論説の根源は先祖から引き継いできたDNAにあるのかもしれないと改めて感じた次第です。

インナーブランディングあっての営業力

三渡社長率いる株式会社ヤマヒロ社は、職人の高齢化とこれから深刻さを増していく人手不足に先手を打つべく、数年前から大工の内製化、社員職人の育成に取り組まれています。その流れで私が主催する一般社団法人職人起業塾の研修にも数多くの社員さんをお預かりしてきました。また、社長自らが伊礼智さんを始めとする建築家に師事して、デザインを学ばれたこともつとに有名で、今の同社のブランドの基礎を作り上げてこられました。そんな三渡社長の口から、今日の講話で事業の中で1番重要だと口にされたのは営業職についてでした。三渡社長曰く「営業の仕事は自社を選ぶ理由を示し伝える仕事」とのことで、バックボーンに現場の精度を高めたり、デザイン力をアップしたりして高めてきたブランド力を背景にして、それをいかにお客様に伝えるかが最も重要だと口にされたのは非常に重い言葉で、非常に説得力がありました。

伝わらなければ無いのと同じ。

「マーケティング(ブランディング)は一切の売り込みを不要にする。」とは経営の神様ドラッカー博士の言葉。セールスマン不要にする仕組みこそマーケティングだと言われ続けてきましたし、私もそれを信じてこの20年間、営業力ではなく仕組みを作り上げる事業展開を行ってきました。しかし、コロナによって世界の価値観が逆転し、これまで正しいと考えられてきた全ての前提条件が崩れ去ったことを考えれば、あらゆるものは今まで通りではなく、変化することが求められていると考えるべきです。確かに売り込み(営業)をなくすこと自体は、別段事業の目的では無いわけで、そんなことに執着するよりも圧倒的な情報過多の今の時代では、余計な情報に惑わされない自分たちの良さや強みをしっかりと伝えることが改めて重要になるのかもしれません。

なんといっても営業が大事

確かにそのように考えたら、ブランディングをいくらしたところで、見込み客が購入を決める段階で、決定的な詰めの一手までが不必要となる事は考えにくく、特に高額な買い物である住宅やリフォーム等は直接のコミニケーションなくして最終的に選んでもらえる事はありません。いくらデザインや施工力でブランドを磨きあげたところで、その伝える術が弱ければ何もないのと同じになるのも確かです。「なんといっても営業が大事、」との三渡社長の言葉に激しく同意しつつも、社内にいるのは大工と設計士のみ、営業専任の担当者がいない私たちつむぎ建築者では、これからも営業職のみの人材を採用する予定はありませんが、大工や設計士などの技術職にもう一度改めて伝える事の大切さを理解してもらい、「営業マンがいないと言うことは、全員が営業だ!」を合言葉に営業職としてのスキルも上げてもらいたいと思いました。つい先日、設計チームでは横山桂子先生による4回シリーズの接遇講座の研修を終えた所ではありますが、今後更に伝える技術、その前の相手の立場に立って物事を考えるコミュニケーションの基本を社内文化として根付かせていきたいと思った次第です。三渡社長、いい気付きを有難うございました。感謝いたします。


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おとなしく、無口な若手職人の変容

令和2年12月14日曇り

冬空

小春日和が続いた先週までとはうってかわり、冬らしい曇天が広がる寒い1日になりました。今日も早朝から早出して、スタッフとの個人面談マラソンの続きからスタート。年末が押し迫り、忙しくなっていくのと並行して、朝夜関係なく隙間の時間を埋めていく個人面談はすっかり私の年末の風物詩になっております。今年はそれに付け足すかのように、顧問先の職人さんとのミーティングや、コーチングも入っており、例年に比べて目まぐるしい感じが加速してるように思います。

無口な若者との電話セッション

今日も、昼休みの時間を利用して、顧問先のシステムキッチン組み立て施工の職人さんと電話でのワントゥーワンコーチングを行いました。その彼は一般社団法人職人起業塾の第14期の卒業生で、高校卒業して社会に出てきてからまだそんなに年数も経っていない若者で、無口で、おとなしく、引っ込み思案で、はっきりとものが言えないタイプ。開講当初、全く職人の雰囲気が漂っておらず、こんな感じで我々職人の世界に馴染めるのか?と心配になってしまったほどです。当然、1人で現場を任されて施工に行ったこともなく、職人さんと一緒に行く手元をやってます。と、自信なさげに自己紹介をしていました。

頼りない期待の星

半年間の研修を終えて卒塾式の後、送り出す際も、1人前の職人になってがんばります。とは言っておりましたが、どうにも頼りない感じで、大丈夫かよ?と心配しておりましたが、とにかくその会社にとってははじめての新卒採用の社員職人であり、事業所の次の世代を担って立ってもらいたいと社長が願う期待の星です。何とか一皮向けるきっかけを与えたいと思って私も講義をしておりましたが、打てば響くタイプでもなく、いまいち手ごたえを感じきれていなかったというのが正直なところです。

職人の考え方と働き方改革

一般社団法人職人起業塾では、今年はコロナの影響で従業員を対象にした新規の集合研修を一切中止して、そのかわりに経営者向けの人事制度改革のワークショップを開催してきました。それは、職人や現場監督などの建築実務者向けの等級制度を軸にしたキャリアプラン構築のサポートで、現場実務者達に意識を変え、役割を変え、働き方を変えて決められたことを決められた通りに行うだけの道具のような職人から一方足を踏み出して、現場で付加価値を生み出してもらうように促すのと同時に、将来に希望を持って働いてもらえる環境を整える取り組みです。

僕、変わりました。

今日電話でコーチングを行った若者の所属する会社も、そのワークショップに参加して人事制度を刷新すると表明してくれた流れで今回私が顧問に入り、その運用をサポートすることになりました。今回は来年に向けて本格的に改革を進めるにあたり、目標設定をテーマに話す予定でしたが、約束の時間ぴったりに電話をかけてきた彼の声のテンションにまず驚かされました。今まで対面で話していた時には考えられない位、ハキハキした声でしっかりした口調で挨拶をしたのです。以下、彼とのやりとりです。

私「今日は何しとん?」

彼「今日は1人で新築現場にキッチンを組みに来てます」

私「やるやんかぁ、1人で現場行けるようになったんか」

彼「簡単な現場ならひとりでできるになりました」

私「凄い進歩やなー」

彼「ハイ!研修にいかせてもらって本当によかったです。」

人は変われるんや。

(私を含めて)職人の世界に就職する若者は自分から好き好んでこの世界に入ってきたと言うよりは他に行くところがなくて消去法で建築業界に入ってきた人が少なくありません、と言うよりその方が大多数かもしれません。将来への大きな夢を持っているわけでもなく、意欲が低い若者は、セルフイメージが低く自分なんて・・、と変わる事も成長する事にも否定的になりがちです。そんな彼らに小さな成功体験を感じてもらいながら、小さな一歩を踏み出させて、やった分だけ成果が出る、地道な努力が報われる世界がある事に気づいてもらえれば、今日の彼の様に一年足らずで人が変わった様な成長を遂げる事は少なくありません。私が職人向け研修事業を行う醍醐味であり、こんな若者へのサポートをするのが私の存在意義なのだと感じられるとても良いセッションでした。クラちゃん!どんどん行け!(^ ^)


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