職人起業塾からの提言 〜その3〜

6月26日雨

久しぶりに梅雨らしい雨空が戻ってきました。

こんな日はしっとりと事務所でデスクワーク、が良いのですが、朝から夜遅くまで予定がギッシリ。

分刻みのスケジュールをサクサクとこなして、合間に見つけた時間にこのところ気になっている餃子の研究にひょうたんに立ち寄って、おやつを食べてみたりとなかなかスムースな一日でした。

予定の時間通り、もしくは予定の行動を時間の余裕を持って進める事が出来ると得も言えぬ快感を覚えます。ギリギリ間に合う事に対しては美しいとさえ思う程。(笑)

昔セールスドライバーをしていた時の感覚が今なお心の奥深く、価値観としてのこっているのでしょうか。

 

後活(後継者募集、育成活動)始めます。

そんないい調子のスタートは、事務所に三佳先生はじめ、行政書士の先生御一考様をお迎えして、知的資産経営報告書作成の為のヒアリング、と言うよりミーティング?を行なって頂きました。

知的資産経営報告書作成中!
知的資産経営報告書作成中!

知的資産ってなにかというと、

 知的資産
 「知的資産」とは特許やブランド、 ノウハウなどの「知的財産」と同義ではなく、それらを一部に含み、さらに組織力、人材、技術、経営理念、顧客等とのネットワークなど、 財務諸表には表れてこない目に見えにくい経営資源の総称を指します。「知的資産」は企業の本当の価値・強みであり、企業競争力の源泉です。企業経営・活動は、知的資産の活用なしには成り立たないものなのです。

 知的資産経営

そのようなそれぞれの会社の強み(知的資産)をしっかりと把握し、活用することで業績の向上や、会社の価値向上に結びつけることが「知的資産経営」なのです。
企業が勝ち残っていくためには、差別化による競争優位の源泉を確保することが必要です。差別化を図る手段は色々ありますが、 特に大きなコストをかけなくても身の回りにある「知的資産(見えざる資産)」を活用することによって、他社との差別化を継続的に実現することができ、 ひいては経営の質や企業価値を高めることができるのです。

 知的資産経営報告書
 「知的資産経営報告書」とは、企業が有する技術、ノウハウ、人材など重要な知的資産の認識・評価を行い、それらをどのように活用して企業の価値創造につなげていくかを示す報告書です。過去から現在における企業の価値創造プロセスだけでなく、 将来の中期的な価値創造プロセスをも明らかにすることで、企業の価値創造の流れをより信頼性をもって説明するものです。経済産業省近畿経済産業局HPより抜粋

 

金融機関に提出して事業融資を得るためにもよく使われる様ですが、私の目的は少し違います。

先日のセミナーでお話しした、中小工務店が抱える大きな問題の一つに『事業継承の問題』が有り、その解決策は『暗黙知の明文化とそれを理解する人材育成。』ですとお伝えしたのですが、まさにその暗黙知=経営者の頭の中に有る思考とその価値を明文化する事が不可欠。

で、早速取り組んでいると言う訳です。

私ももうすぐ天命を知ると云われる50歳を迎えます。そこからの10年で本気に後継者を育てなければ事業の継続はままならない訳ですから、今の内から準備をしておこうとしています。

知的資産経営報告書を作成する事によって、すみれの『在り方』から『マーケティング』そして『事業の意味や価値』を誰でも理解出来る様にして、それに共感してくれる人に後を任せる様にしたいと思います。

要するに、後継者募集活動を始めるってこと。(笑)

三佳先生、上辻先生、みゅう先生、宜しくお願いします!

 

仮説から原理原則へ

それではお題目、職人起業塾からの提言、3回シリーズの最終回いってみます。

昨日は仮説を立てる経営から、原理原則に則った経営へのシフト、そして建築会社の評価は現場で作った建物で決まることから、『現場で結果を出す=顧客からの絶対的信頼を出せる人材育成』が原理原則に則った方向性であり、その必要性を書きました。

しかし、、現場で働く担当者は職人に限らず、工事管理を行なう者も、技術的なスキルアップはさておき、経営者感覚を身につけるような研修を受ける事は皆無であり、そこは営業職と切り分けられて全く期待されて来なかった現状があります。せいぜい、挨拶や掃除などのマナー研修を受けて、悪い印象を持たれない程度、マイナスからゼロに引き上げられる程度の教育しか受けられていない人が殆どです。

工事現場は設計やデザイン、見積りなどの答え合わせを行なう場所で有り、最も濃密な顧客接点にも拘らず、野放しにしてきたのが業界の現状です。

『職人起業塾』は元々起業する為の知識を身につける講座でありますが、すみれでは工務社員全員に10年前から同じ内容を伝え続けています。その知識は経営者感覚となって現場(顧客接点)で発揮してもらえる様になり、現在の全く販促を行なわず、紹介とリピートだけで安定した売上げをあげるシクミの基礎となりました。

「マーケティングとは販売活動を不要にするものだ」

と定義されたのは経営の神様と言われるピーター・F・ドラッガー博士、まさに原理原則に基づいた経営こそマーケティングに直結すると考えています。

 

知っている≠出来る≠定着

しかし、シクミとは一度出来れば良いというものではなく、社内に定着して自然に効果を発揮するものです。セミナーを受けて知識を行動に移せなければ全く意味がありませんし、よしんば行動に移せたとしても、定着して継続出来なければシクミにはなりません。

その意味から考えると、今まで学ぶ事をして来なかった現場担当者に経営社感覚を落とし込むと言うのは非常にハードルが高く、難しい事、解決策は、学び続け、実践し続け、検証し続ける枠組みを社内に構築する事しかありません。

職人起業塾では、職人にも分かりやすい言葉、内容でマーケティング理論を解説、実践、検証を繰り返してきましたが、この度、京阪神木造住宅協議会が事業主体となって会員向けに社員研修の事業として6ヶ月の研修事業を立ち上げる事になりました。

事業主と共に工務担当の社員にマーケティングの理論を学んで頂き、日々の業務でそれを実践出来る様に、問題解決への考え方、コミニケーションスキルなどもカリキュラムの中に組み込みました。

今年から大幅拡充されたキャリア形成の助成金、『ものづくり人材育成助成金』を利用すれば費用負担もなく、マーケティングマインドを社内に取り入れる事が出来る研修制度です。

売上げ、クレームなど目先の問題は緊急で重要であり、迅速な対処が必要です。

しかし、その問題の根本に対する問題解決は、緊急性は低いですが実は何より重要です。

目の前の問題解決と並行して、工務店として抱える根本的な問題、将来への漠然とした不安を払拭する原理原則に沿ったアプローチを始めるきっかけになれば幸いだと考えております。

少しでも気になった、詳しく聞いてみたいと思われた方はお気軽に京阪神木造住宅協議会事務局、もしくは私までお声掛けを頂ければと思います。

http://keihanshin-mokuzou.jp

深刻な職人不足が叫ばれる今こそ、地域に根付く工務店が本来の力を取り戻し、業界の明るい未来を作り上げるチャンスだと考えております。

 

お詫びとお願い。

以上、ここまで3日間に渡り、長々とお付き合い頂きましてありがとうございました。

「なんや、結局告知かー、」と思われたかも知れませんが、創業当初から『職人の社会的地位の向上』を掲げ、業界では非常識(てか、あほやろ、)と言われていた大工の正規雇用を守り続けて来た私たちにとっては、今回の事業はミッションの遂行、実現への記念すべき第一歩です。

温かな目で見守って頂ければ幸いです。(笑)

〆の三本締め。
〆の三本締め。

職人起業塾からの提言 〜その2〜

6月25日 晴れ 真夏日

梅雨明けか、と思わせるような伊川の河川敷
梅雨明けか、と思わせるような伊川の河川敷

新築工事中の現場では、今日まで地階部分の防水工事の予定となっており、なんとか雨が降りません様に、とお願いしていた通り絶好の防水日和でした。

私も昼から現場にて、防水の施工についての細かな指示をしたり、現場の掃除をしたりと、作業服に長靴を履いて汗を流しました。

防水工事施工中
防水工事施工中

ま、防水工の職方達はいい天気過ぎて風も通らない地中での作業でずいぶんキツそうでしたが、、ぐずついた天気よりは作業しやすいのは間違いなく、機嫌良く進めてくれていました。

ガレージ防水工事施工中
ガレージ防水工事施工中

コレで、明日からの雨もひと安心です。江戸屋水研の皆さん、ご苦労様でした。(笑)

現場清掃中
現場清掃中

 

昨日の振り返り

さて、今日も昨日に引き続き、一昨日大阪のTOTOショールームにて行なった研修会の内容についての備忘録を。マニアックな内容で申し訳ありませんが、すみれのミッションとして掲げて来た活動ですのでご容赦下さいませ。(^ ^)

昨日のブログでは、職人不足の解消は喫緊の問題であり、そのためには、

『育成費用は、正社員であるので工務店が負担』
『大工職として一生涯食べられる仕組みを作る』

という大きな課題を克服する必要が有る。
『将来の売上げ、利益が自然に出来上がって行くシクミ。』を作り上げて職人自らがそれを実践出来ないとそれは成り立たないということを書きました。
しかし、今の建築業界はそれが全く出来ていないから、大工が絶滅危惧種になっている訳で、、

一筋縄では解消する事が出来ない、非常に難しい問題です。

 

 

工務店が抱える4つの問題

具体的にどうやってそれを克服するのか?という問いの前に、『マーケティング』自体についての説明をさせて頂きました。

私たちのような地域の工務店が抱える問題を大きくまとめると、

1.集客

2.収益

3.人材育成

4.事業継承

以上の4つに大別されます。

お客さんが来ない、と言う悩みを解消すると、忙しいのに利益が残らない。
利益管理が出来る様になると、幹部が辞めてしまう、社員が続かない、という人の問題、会社のシステムの欠落が表面化して、それらを全て片付けたら、最後に事業をどのように継承するか、という問題に突き当たります。

殆どの経営者は、これらの問題に対して、解決策と言う名の『仮説』を立てて実行、検証を繰り返します。しかし、仮説はあくまで仮説であり、真理ではありませんので、一度はうまくいったとしても、本質を捉えていなければ再現性が発揮される事はありません。

その意味から考えると、これらの問題に対する根本的な解決策を見いだす為の共通のキーワードは、ズバリ『人』です。

企業は人なり、と言いますが、人を育てるしか根本的な解決にはならないと考えています。

 

仮説と検証から原理原則へ

堂々巡りを繰り返す、仮説と検証のサイクルから抜け出すには、定説や真理=『原理原則』に沿った計画を立てて、問題解決の根本に対して辛抱強くアプローチするしか無いと思っています。

そして、原理原則の観点から見ると、工務店の評価は『現場』にあります。

現場が命!とか、現場主義!とか、よく耳にしますが、工事の契約がどんなに安くても、工期がどんなに早くても、素晴らしいデザインのパースを見せられても、美しい設計をしてもらっても、ものづくりをした現場がガタガタでは顧客からの最終的な評価を得る事は出来ません。

経営者が、全ての現場を把握して、全顧客との窓口をやり切れるならば、きっと全ての顧客に対して良い結果を出せると思います。しかし、規模が大きくなり、それが出来なくなれば、人を育て、顧客から絶対的な信頼を勝ち取るには、現場で答えを出す事が出来る人材を育てるのが最も原理原則に沿った考え方だと言えるのではないでしょうか。

経営者と同じ経営感覚(マーケティングマインド)を現場担当者に叩き込む事が出来れば、きっと素晴らしいものづくりが出来るし、顧客からの圧倒的な信頼を得る事が出来る様になると思います。

 

 

『聖域』としての顧客接点の強化

そして、建築業において、職人は最も濃密な顧客接点です。

新築工事ではまだしも、リフォーム現場ではお客様が住みながら工事をする事も珍しい事ではありません。工務店は毎年確実に減少して行く新築事業からリフォーム事業にシフトしなければ生き残れないと言われている今、顧客接点の強化は今すぐ取り組まなければならない緊急なタスクではないかも知れませんが、長期的に見れば絶対に取り組むべき非常に重要なタスクです。

そして、この部分は大手住宅メーカーやビルダー等、住宅の『販売会社』にはには絶対にやり切る事が出来ない、いわば『聖域』であり、販売会社ではない、施工会社としての工務店が一番強みを発揮出来る部分です。

来年に控えている再度の消費増税後の厳しい経営環境に対する布石としての『現場で結果を出せる人材の育成』こそが職人起業塾からの提言となります。

今日はここまで。

明日は具体的に経営者感覚を持って現場で結果を出せる人材の育成の方法とそのマインドの社内への定着について書かせてもらいたいと思います。

 

建築業界以外の方にはマニアックすぎる、くだらないブログになってしまい、申し訳ありません、、関係ないなーと思ったら、明日までスルーでお願いします。(苦笑)

田植えが済んだ伊川沿いの田んぼ
田植えが済んだ伊川沿いの田んぼ

 

 

 

職人起業塾からの提言 〜その1〜

6月24日晴

梅雨明け宣言はまだですが、このところ安定した良い天気が続きます。

水曜日の今日はすみれ事務所は定休日、私はNPO法人ひょうご安心リフォーム推進委員会の活動の一環で記念すべき第1回目となるチャリティーゴルフコンペに参加してきました。

第一回HARSチャリティーゴルフコンペ
第一回HARSチャリティーゴルフコンペ

スコアのほうは相変わらず振るいませんでしたが、初夏の気持の良い日差しの中、心安いメンバーと楽しくラウンドさせていただきました。

 

夕方からは書道教室。

コレも何時まで経ってもイマイチ上達しませんが、心地よい疲労感を抱きながら2時間半、集中して硯と半紙に向き合う時間はなかなか良いモノですが、終わりの時間には心身ともにクタクタになってしまってました。(笑)

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さて、お題目は昨日は京阪神木造住宅協議会の第21回研修会のこと。

年に4回開催されるこの研修会、いつもは会員として勉強しに参加しているのですが、今日は立場を変えて講師を務めることになりました。

たっぷり2時間半、ハーバードの白熱教室風に参加者にマイクを回して対話しながらの講演をさせてもらいました。

 

テーマは、「職人起業塾からの提言」。

私たちがこの10数年取り組んできた大工職人の内製化とそれを強みとしてマーケティングを組み立て、お客様からの支持を得てきたプロセスとその理論を皆さんにお伝えしました。

JackやTOTOリモデルクラブなど他団体の方や、このブログを見てくださっているブロガーの工務店経営者の方など多方面から大勢に御参加頂き、60名の会場に50名以上の申し込みを頂いていたとのこと、兵庫県の北、豊岡市や遠方では、北陸の金沢、東京などからも参加いただいた方もおられ、我々の取り組みが時代のニーズに合ってきていることをひしひしと感じることとなりました。

今回の講演は、もともと京阪神木造住宅協議会の事務局のNさんがすみれで毎月開催している職人起業塾に参加されている事がきっかけで、ぜひこの内容を協議会の研修でやってもらいたいと言うオファーをいただきました。

時を同じくして、2700社が加盟する日本最大の工務店ネットワークであり、京阪神木造住宅協議会の上部団体でもある、一般社団法人JBNの青木会長から事務局を通して私宛に、激励の手紙を頂いた事も有り、日経ホームビルダーさんも取材がてら参加して頂いたりと、大いに盛がりました。

 

第21回京阪神木造住宅協議会研修
第21回京阪神木造住宅協議会研修

 

備忘録がてら、内容をここにも残しておきたいと思います。

 

待った無しの職人不足問題

まず始めに、若年層の大工が壊滅的に居なくなっている現状を見て頂きました。
未成年の就業者が2000人を割り込んでいる現状は、10年後になると一人の大工を30社で取り合いになる、もしくは30社の内、29社が消えてなくならないと成り立たない事を示しています。

ずっと以前からぼんやりとは分かっているが目先の問題ではないことで業界全体が先送りをしてきたツケがここに来て溜まり切って爆発寸前になっています。

大工人口の予測【国土交通省】
大工人口の予測【国土交通省】

JBNの青木会長もこの問題に正面から向き合う事を決意され、私に頂いた手紙の中に、問題解決の基本方針を書いてくださいました。

 

JBN青木会長からの手紙

***以下転載させて頂きます***

<JBNの育成方式>

労働基準法に則った就業規則を満たし、社員大工として受け入れる育成機関は当面の間3年とする。

〇高卒新規入職者募集をハローワークへ労働条件の書類提出できる

〇新規入職者の親にとって、安心して預けられる職場環境をもつ

〇3年を1区切りとして3年で到達すべき技能レベルは、プレカットを用いた大壁仕様の住宅の建方から仕上げまでとする。その後のキャリアアップを目指す。

〇大工職として一生涯食べられる仕組みを作る。

〇育成費用は、正社員であるので工務店が負担、今後JBN工務店・協力会員で国の協力をお願いする。

〇JBNは、就業規則、賃金規程評価システムを作成済

〇一人親方に弟子入り方式は、昔はいい方式であったが、結果的に新規参入者が激減してしまった。

 

まさに正論かつ、進むべき方向性を指し示しておられると思いますし、これこそ私たちすみれの取り組みそのもの。

今回の研修会のテーマでもある、職人起業塾からの提言とは、このJBNの基本方針を実践、実現可能にするシクミのご提案です。

それは、この育成方式のなかで最も難しい課題である、

『育成費用は、正社員であるので工務店が負担』
『大工職として一生涯食べられる仕組みを作る』

この2点をどのように解決するか、という実務です。

 

社会的弱者といっても過言ではなくなってしまった、職人と言う職業に若者を入職してもらおうとすると、雇用側からすると『守る』という姿勢が必要です。
現在の殆どの工務店が行なっている、職人は外注というシステムのままでは、本人はもとより、親御さんも若者が職人になる事を忌み嫌います。一般的な企業クラスの社会保障をつけなければ、若い人材は集まりません。

 

ただ、守るべき存在は守られるべき存在であるべきです。

それは、利益を生み出す=稼げる人材にならなければならないという事であり、今までの様に現場作業だけキッチリ出来ればそれでいい。と言うままでは厳しい建築市場の中では生き残って行けません。

それは、大工職として一生涯食べられる仕組みを作るということにも通じています。

 

要するに、職人は、今まで以上の価値を創造する事が出来なければ、守られる事も、安心して働くことも出来ない時代に突入したということ。

私たちすみれはこの難問の解決にこの10年間取り組んで来て、漸くその成果を手にする事が出来る様になってきました。

その解決方法とは、職人にマーケティング理論を叩き込む事。

マーケティングの定義は人によって様々ですが、経営の神様、ピーター・F・ドラッガー博士は、

「マーケティングとは販売活動を不要にするものだ」と定義されています。

要するに、『将来の売上げ、利益が自然に出来上がって行くシクミ。』です。
マーケティング理論を職人と共有し、職人がそれを自分のモノにする事が出来たなら、上記に述べた二つの難問が解決出来ると言うのが、私たちが長い時間をかけて取り組んで来た事であり、今回の研修会で皆さんに提言させて頂いた内容です。

では、具体的に何をするのか?という実務については、(長くなりすぎるので、)明日に続けさせて頂きたいと思います。

待った無し!の工務店が抱える深刻な問題の解決策、新しい時代へのシフトチェンジを想いを同じくする工務店の皆様と取り組んで行ければ幸いです。

※ご参加頂きました皆様のfbへの写真、無断で使わせて頂きました、スミマセン。笑

第21回京阪神木造住宅協議会研修
第21回京阪神木造住宅協議会研修

職人時代の胎動。

6月22日晴れ

 

今日も朝から現場へ、すっかり予定を狂わせる想定外のハプニングなどもあり、月曜日らしい慌ただしい一日となりました。(涙、)

海の見えるsumika
海の見えるsumika

昨日の日曜日は『父の日』

淡~い期待なんか持ちながら、おもむろに夕食は家族で食卓を囲もうかしら、なんて思っておりましたが、(結構こう見えてもシャイで(^_^;)意地っ張りなところもある私は、)結局、知り合いに誘われるがまま、私と非常に近い活動を展開されている『建設職人甲子園』の特別例会に(なんで父の日やねん、とぼやきながらも)参加させて頂きました。(苦笑)

建設職人甲子園大阪
建設職人甲子園大阪

建設職人甲子園とは、

建設職人甲子園とは、建設業界で働く様々な業種の職人達が一堂に会し、自分達は何の為に働き、何を目指しているのかを明確にするプロセスの中で共に学び、共に実践し、そして共に輝こうという、日本の産業の土台を支えてきた職人の復権、そして最近特に深刻な問題として脚光を浴び出した職人不足を解消する足がかりとする素晴らしい取り組みです。

要は職人の社会的地位の向上を目指す。と言うことで、完全に私達すみれが掲げるミッションと理念を同じくします。

ただ、そのアプローチが私たちはマーケティングと言うシクミを切り口にしているのに対して、『想い』をプレゼンテーションというカタチにする切り口にしておられるのが少し違うくらいで、やろうとしている方向性はほぼ同じ。

なので、父の日でも断われ無い。。ってことでした。

職人学校という会社形態

特別例会に講師としてこられたのは、少し前に500人もの観衆を集め、国土交通省や厚生労働省からの後援も取り付けで開催されて大成功を収めた、建築甲子園東京の理事長であり、大工と並んで若者の入職者がいないと言われる左官業で若い人材を育て、現在80人もの職人を抱えて施工会社を営まれている東京の左官の雄、株式会社メガステップの小山社長。

苦悩しながらも1つずつ問題解決を積み重ねて職人学校ともいえるような施工力、技術力を担保したビジネスモデルを構築してきたプロセスを熱く語っておられました。

すみれでも昨年から工務部員が自主的に集まって施行部会での勉強会と情報共有の場を作る、と言っておりますが、もっとリアルに技術面を磨く時間も必要なのか、なんて思ったり。

とにかく非常に勉強になりました。父の日(の家族との食事)を圧してまで参加させて頂いて良かったです。(←くどい、笑)

建設職人甲子園大阪
建設職人甲子園大阪

職人の復権は学ぶ事から

小山社長のお話の中で印象に残ったのは、『やり方の前に在り方』という言葉。

職人起業塾でも一番はじめに考えてもらう課題と全く同じところを出発点にされているのには、共感を通り越して親近感を覚えました。(笑)

職人だから学ばなくてもいいのではなく、職人だからこそ、学ばなければならない。

今までの職人が学ぶべき事というと、施工、実務に関する事ばかりでした。ビジネスの根幹となる部分、なんの為に仕事をするのか、それを通して何がしたいのか、というマインドセットを学ばずして、どんなにいい腕を持っていたところで顧客からの信頼や喜びの声を聞く事はありません。

そこに気付き始めた人が全国に大勢いると言うのが小山社長の講演を通して良くわかりました。

若者が定着しない業界となって久しい建築の世界、息も絶え絶えになりつつ有るように見えている職人という職業の復活の狼煙が全国のあちらこちらで上がり始めているようです。

志を同じくする人達がこんなに沢山いるのだと、改めて感じ、大きな勇気を頂きました。

 

職人起業塾からの提言

明日は、TOTO大阪ショールームで、京阪神木造住宅協議会の研修会の講師を務めます。

50名程の工務店経営者を中心とした人達に対してお話をさせて頂く内容はズバリ、『職人起業塾からの提言』です。

 

京阪神木造住宅協議会 第21回研修会[3]
京阪神木造住宅協議会 第21回研修会[3]

【モノ作りの本質は作り手を守り育てること】私たちのミッションとして掲げる『職人の社会的地位の向上』は職人の正規雇用と教育こそがお客様にお渡しする工事品質、現場満足を達成し、地域で信頼を得る企業になるとの信念です。その活動の一環である職人向け勉強会が京阪神木造住宅協議会の研修に採用され代表の高橋が講師を務めます。職人時代の夜明けが近づいて来ているのを感じます。

Posted by 有限会社すみれ建築工房 on 2015年5月25日

張り切って、熱い想いを語ってみたいと思います。

ご参加頂く皆様、宜しくお願いします!

 

おまけ、昨夜も夜中遅くの帰宅となってしまいましましたが、朝起きると枕元に何やらおもむろにプレゼントらしきモノが置いてありました。

カードには、(交換条件的な)お願いと、苦言。(^^;

父の日のプレゼントと苦言
父の日のプレゼントと苦言

とにかく、単純に嬉しいモノです、ありがとう♡

はよ帰ってビール飲も。(笑)

ひょうたんに学ぶ。

6月20日晴れ旧暦の端午の節句。

思いの外、良い天気となった週末、気持の良い青空が広がりました。

南京町広場
南京町広場

神戸では浦和レッズが無敗のまま優勝を決めにやって来て、そのまますんなりと優勝を決められた様子。神戸の繁華街は赤いTシャツの人でずいぶん盛り上がってました。
今日も昼からは三宮〜元町界隈で店舗の改装やリニューアルの打ち合せを立て続けに4件、すっかり店舗工事屋さんになり切ってます。(笑)

すっかり見慣れた行列のその先は

夕暮れ時の繁華街をウロウロしていて目についたのはいつもにも増して長くなっていた『行列』です。そんなに流行っとんや、凄いな。と、商業施設の設計施工、所謂、ハコづくりに携わる者としては興味津々。

端午節に沸く南京町へと歩く道すがら、改めてなんのお店かしら?と思って見てみると、行列の先は餃子のひょうたんでした。

そう言えばと、、南京町界隈の3大行列ができる店といえば、老詳記(豚まん)、森谷(コロッケ)、ひょうたん(餃子)と全てミンチ系の料理やと、気付きました。

あとの共通点は、お持ち帰りが出来る手軽さ、神戸では老舗であること、ぐらいでしょうか。

 

そんな事を考えながら、歩いていると、三宮でも行列を発見。

これもやっぱり、ひょうたん三宮店、ミンミンと、両方とも餃子屋さん。そう言えば、若い頃は頻繁に餃子を食べに来てた事を思い出して、日がとっぷりと暮れたいい時間になってしまった事もあり、口がすっかり餃子とビールになってしまいました。(笑)

 

行列ができる店で行列のできる理由を知る

そんなわけで、行列には並ばずに前から気になっていた三宮の駅前のビルの2階にできている餃子屋さんに行ってみました。

チャオチャオ餃子
チャオチャオ餃子

大阪発祥で全国展開をされているお店で三宮にも2店舗出店されています。

以前、大阪で訪れた際に、元気の良い接客とパリッといい感じに焼き上げられた餃子を食べて好印象を持っておりましたが、神戸でもその辺はしっかりと守られておりました。

創作餃子?と言うバラエティーに富んだメニュー構成で、餃子専門店とは言え、飽きさせない品揃えとなってました。

ここも、行列まではできていませんでしたが、店内は超満員。驚いたことに、カップルはおろか女性同士のお客さんも結構見受けられました。

餃子とビールっておっさんの先輩特許かと思いましたがそんなことないんですね。。。

チャオチャオ餃子をぱくつきながら、この女性ウケが良いのは若者向けに色々と工夫を凝らしているこの店だからなのか?という一つの疑問が浮かんできました。

私たち(オッサン)にとっては餃子とビールというと、テッパンの組み合わせで、嫌いだと言う人を捜すのが困難な程ですが、餃子にはニンニクも入っているし、ビールはカロリーも高いし、若い女性に好まれると言うのは少しイメージと違います。

気になってしょうがないので、検証のために昔から一切メニューも品揃えも変えていない老舗の餃子屋さんにはしごしてみました。

やっぱり昔からなじみのある大好きな餃子を食べたかったということもありますが、、(笑)

ひょうたん三宮店の餃子
ひょうたん三宮店の餃子

ついさっき行列を横目で見ながらとおり過ぎたひょうたん三宮店に行ってみると閉店間近になっていたので何とか行列は解消、すんなりと入れてもらえたのですが、それでも店内は超満員。

ひょうたん三宮店、店の外に餃子しか置いてませんと書いてあるだけあって本当にメニューはシンプル。

さすがは専門店です。

そして!ここでもやっぱり女性同士やカップルのお客さんが結構おられて、しかも、カウンターの私の横には上品そうな女性のお一人様が餃子をぱくついておられました。(驚)

世の中の人がいかに餃子が好きかということがよーくわかったというか認識を新たにしました。

ひょうたんのメニュー
ひょうたんのメニュー

専門化こそ、行列が出来る源

少し前に、マクドナルドが低迷する業績をテコ入れするために、100通りの組み合わせができるバリューセットという新メニューを発表しておりました。

世界的な大企業の社長が知らないわけはありませんので、知った上で敢えて打ち出したのだとは思いますが、マーケティングの世界では商品をむやみに増やせば売り上げはむしろ下がるというのは定説というか散々テスト、検証が行なわれた挙げ句の常識になっています。

ネットの上では、低迷する業績を回復するには1番得意で価値のある商品を絞り込むべきだ。と、マクドナルドの新サービスに対して定説を振り回して批判する論客も多く、ずいぶん物議をかもしましたが、餃子専門店のこのフィーバー振りを見るとまさしくその通りだなと感じずには居られません。

まぁ、(私の個人的な意見としては、)マクドナルドの業績不振はそんなこと(新商品や新サービスの投入)では解消されることがない全く違う根本的な問題だと思っていますが。

 

この餃子専門店の繁盛ぶり、専門店の強さっていうのをまざまざと見せつけられたことで、私たち工務店も中華料理屋さんのような、何でもできる工務店ではなく、一点突破の強みに特化した専門化を進めるべきだ、という理屈が実体験を通して感じることができました。

 

『○○専門の工務店』になる、というコンセプト、自社に持ち帰って今一度じっくりと考えなおしてみたいと思います。

行列ができるヒントは、行列が出来るお店に学べ、ですね。

ごちそうさまでした。(笑)

ビルギャルとオヤジ。

6月19日曇天時々雨

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本来、台湾に出張に行く予定だったのが、急遽延期となりぽっかりと予定が空いてしまうかと思いきや、折衝中や、着工前の現場がいくつもあり、また普段から溜めてる仕事もいくらでもあると言うことで、暇やったらどうしようという心配は杞憂に終わったというか、ただの勘違いでした。(笑)

今日も昼から来週ハーバーランドで行う子供向けの木に親しんでもらうためのワークショップの下打ち合わせや、来週に着工を控えた店舗の最終の詰めなどハーバーランドから三宮界隈を走りまわりました。

ひょうご木づかい王国
ひょうご木づかい王国

夕方、打ち合わせが終わったのとほぼ時を同じくして、すみれママ☆と娘が近くの映画館に映画を見に来ると言うのを聞きつけて、私も急遽参加することに。

映画のタイトルは「ビリギャル」

ビリギャル
ビリギャル

全く勉強などしていなかったおちこぼれギャルが一念発起して慶応大学に合格するという実話を元にした映画です。

早慶戦のポスターのコピーに使われたりしてずいぶん話題になりました。

難関の慶応大学に合格できたという実話が映画のテーマですから、ストーリー的にはネタバレもいいところ。なんのサプライズもありません。(笑)

ネタバレの陳腐なストーリーと言ってしまえばそれまでですが、実際見てみた感想はと言うと、「とてもいい映画」でした。

若い時特有の、友達と楽しみたいがための、ずるずると落ちこぼれていく様子。

目標を設定して取り組んだの時の周りとの軋轢。

実力と目標とのギャップに苦しめられ、プレッシャーに押しつぶされそうになる姿。

それでも前向きに出来る事に精一杯取り組む姿勢。

そしてそれを支える母親の大きな愛情とどうしようもないオヤジの姿は特に身につまされました(涙)

半分コメディーだと思ってたこの映画で終始ハンカチを手放せず、食い入るようにして観るとは夢にも思っていなかっただけにそのギャップにやられた感じです。

ミント神戸
ミント神戸

意思のあるところに道は開ける。

このネタバレ且つ陳腐なストーリーの映画を通して伝わって来る、そのシンプルなメッセージに心を強く打たれました。

期待値が低かった分、感動は非常に大きかったです。(笑)

 

これも高校生のギャルを娘に持っているおかげ、感謝することしきりです。

帰りの道すがら、話をしていたらどうやら子家族3人で同じ映画を観るのは初めてのことのようで、、

驚くとともに大きく反省と後悔をした次第です。思いがけずひょんなところで一生の思い出となりました。

心謝。

 

おまけ、せっかく3人で出掛けたんやから、と帰りはクライアントでもある『魚匠隆明 北野坂本店」にて。

ギャルが写真撮るとこうなる。(笑)

隆明の舟盛り
隆明の舟盛り

理想と現実のギャップを埋める『もったいない』

6月18日 曇天時折小雨

今日から少し久しぶりの台湾に出張。

の予定でしたが、現地で行なう変更登記手続きの準備が思うように整わず、「無駄足になるかも知れませんよ、」と知人からの忠告を受けて急遽訪台の予定をキャンセル。再来週に延期としました。

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中華民国の法律に則って現地法人の定款変更の手続きを進めているのですが、なかなか思うように行きません、私が法律も慣習も良く分かっていないのがそもそもうまく行かない原因ですが。。。

台湾で御世話になっている会計士さんに準備を進めてもらっていますので、あと1週間程で準備が整う模様、整い次第行ってきたいと思います。(というわけで、当面国内におりますので、笑)

 

第22回職人起業塾
第22回職人起業塾

昨日の夕方からは、毎月自社のセミナールームで行なっている、マーケティング理論についてのグループコーチング、『職人起業塾』を主宰しました。

参加者は(たぶん)29名!過去最多というか、完全に(私のスキルでは)グループコーチングが出来る人数ではなくなってしまい、事前課題やテーマについて皆さんの意見をアウトプットしてもらう、単なるシェアの場となってしまいました。。(苦笑)

ま、それでも普段あまりじっくり考える事の無いマーケティングの根本的な部分に想いを巡らす時間を持たれるのは悪い事では有りませんし、何かしら気付きや発見のきっかけになればと思っています。

 

第22回職人起業塾
第22回職人起業塾

テーマは、『経営資産を活用する』

アメリカのシュルツビールが、消費者に対してビールの製造過程の細かな情報を公開した事によって大きくシェアを伸ばして、低迷していた業績を建てなおして全米ナンバーワンのビールメーカーに成長した事例を例にとって、自社が持っている、しかし今活用しきれていない経営資産に目を向けてもらいました。

世の中の殆どの事業は理想と現実のギャップに常に晒されています。もしかすると、広い世界には既に理想を叶えている、という企業も存在するのかも知れませんが、私の知る限り、そんな完璧な会社は見た事も聞いた事も有りませんし、特に起業したての若い会社にそれはあり得ないと思います。

理想を叶える為には山のように積み上がっていく問題を一つずつ解決していかなければならない訳ですが、問題を解決する為には、それ相応の戦力が必要です。

例えば資金。

潤沢な資金力が有れば、目先の問題は結構片付ける事が出来るかも知れませんが、起業家で資産家と言うのはあまり聞きません。。

 

自社の経営資源って何だ?

そこで、資金ではない資産を活用して問題解決に取り組んで行かなければならないのですが、今回のテーマは「それって一体何だ?」ってことです。

技術力、提案力、人脈、設備、経験知、イメージ、キャラ、施工力、機動力、土地、農園、ネットワーク、性格、企画力、オリジナルメソッド、情報、知識、スキル、バランス感覚、プロ意識、姿勢、歴史、フットワークの軽さ、、、

塾生の皆さんからは様々な自社の持つ資産を発表頂きました。

現状の受注、売上げはモチロンその資産を活用して上げているわけですので、胸を張って言われるのは当然ですが、ここで考えてもらいたいのは、

自社が持つ資産を余す事無くフル活用しているか?

そして、

せっかく良い資産を持っているにも拘らず、使えていないものが有るんじゃないですか?

ってことです。

世の中の全てのモノは陳腐化する、とドラッガー博士は言われましたが、今うまく使えている強みや方法論がいつまでも同じ状態で使い続ける事が出来ると考えるのは非常に危険だと思います。

ビジネスは成長し続けて、やっと維持出来る。維持しようとした時点で衰退する。とは、よく聞く言葉ですが、まさにその通りだと思います。
この、自社の持つ資産を見直し、その活用を考える事こそ、マーケティング・アクションとなり、売上げ利益の安定や拡大の元になる種になります。

 

隠れている経営資産の活用例

例えば、、

自社で大工を雇用して、現場管理を大工がする工務店なら、内装仕上げの工程など、大工の手が空く時間が必ず有り、その時間を利用してOB顧客のメンテナンスを回ってもらうことで顧客の信頼を得てリピート受注を増やすとか。

社内で研修や勉強会のノウハウを持っている会社がそれを外部に公開する事よって収益を上げる事が出来るとか、

または、勉強会というコミュニティを形成する事によって、多くの人からの信頼を得て、2次的に顧客を紹介してくれるようになるとか、

見逃してしまいそうな自社の強みや使えるところは実は誰もが沢山持っているものだったりします。

それに、気付くか、気付かないか。

探すか、探さないか。

活用するか、埋もらせ朽ちさせてしまうか。

今回のテーマとなった問いはマーケティング(=自然に売上げ、利益が生み出されるシクミ)に取り組むか取り組まないかという根源的な設問だったりします。

 

気付いていないコトを知る方法

しかし、使えていない資産ってなんですか?と言う問いは、「それがわかっとったら、とうに使っとるわ」と言うツッコミを内包しています。(笑)

マーケティングの大家、ジェイ・エイブラハムは「顧客は知らない事さえ知らない」と言って、提供する側が商品やサービスによって得られるメリット、デメリットを伝える事、教える事の重要さを説かれましたが、これって裏を返せば、「事業者も気付いてない事さえ気付かない」とも言えるのかも知れません。

じゃあ、どうすればいいのか。

一般的に自社の魅力や強みを見直すために行なうべきだと言われるのは、「市場に聞け」「顧客に訊け」ですね。

自社を選んでもらえた理由は自分で予想している内容と違う部分だった、と言うのは非常に良く有る話で、丁寧に顧客に対してアンケートやインタビューを行なう事によって、自分の気付いていない強みや良さ=経営資産を教えられたりする事は往々にして有ります。

その他の方法論では、(あくまで私見ですが、)マーケティングマインドを持って、PDCAサイクルを繰り返すことだと思っています。

そして、螺旋状に繋がり成長を続けるPDCAサイクルの一番最初に来るのは、『在り方』です。

トライ&エラーを繰り返しながら一つの問題を解決したら、次のステップに進む前に再度在り方を考え直す、リセットもしくはリフレーミングの時間を持つ事で、自分の中に新たな一面を発見し、それを力にして新たな行動を起す事が出来ると思っています。

 

合い言葉は『もったいない』

とにかく、無い物ねだりをしてもしょうがないわけで(笑)、今自分が持っているモノをフル活用することに集中して、使い切れていないものを探し出し、どうしたらそれが使えるようになるかを考え続けるしか無いと思います。

ずいぶん前の事ですが、接遇のセミナーに参加した際、講師の先生が、挨拶やお辞儀、立居振る舞いがイマイチちゃんと出来ない受講生に対して、「もったいない!」を連発していたのを今でもよく覚えています。

お辞儀や挨拶など、やろうと思えば誰にでもちゃんと出来るもの。それが出来ないのは出来る自分に本人が気付いていないからで、「もったいないと言わずにいられない。」との事でした。

そこに気付くだけで、顧客をはじめとする他人が受け取る印象は大きく変わり、それは当然、成果に現れ、それが加速すると人に好印象を与えれるという事は、人生が変わるくらいに大きなスキルを身につける事かもしれないのです。

飽食の時代と言われて久しいこの国ではあまり聞かなくなった『もったいない』
日本人が守って来たとても素晴らしい価値観だと思いますし、美徳だと思います。その価値観をモノに対してだけではなく自分自身についてもそう思えるかどうかが事業に限らず、人として問題解決や成長する上でも大きな鍵なのかも知れません。

職人起業塾へご参加の皆さんは、サンマの骨、大根の葉まで食べ尽くす気概で、自分の資質、強み等、自身が持つ資産をこれでもかって言うくらい使い倒してくださいね☆

 

 

おまけ、

最近懇親会の方が盛り上がってね?

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懇親会のみ参加、の方が2名もいましたもんね。。。(^^;

第22回職人起業塾、懇親会
第22回職人起業塾、懇親会

 

 

在り方と結果の法則。

6月17日晴れ時々曇り

今日は水曜日、すみれ事務所は定休日です。

私はと言えば、ガス機器メーカーのリンナイ社と取引商社の大松社が主催するコンペにお招きに預かり、行ってきました。

六甲国際ゴルフ倶楽部
六甲国際ゴルフ倶楽部

 結果を出せずに反省するが。。

ゴルフ場は、神戸では名門と言われる六甲国際ゴルフ倶楽部。

3日前までサントリーレディースオープンのトーナメントが行われていたゴルフ場で、今日もまだ、プロ仕様とまでは言わないでしょうがグリーンはカチコチのツルツル、随分と難しいコンディションとなっておりました。

ま、そんな事が関係あるかどうかわかりませんが、いい天気に恵まれたにも拘らず、いつもにもまして、スコアは土砂降りでしたが。。。(涙)

六甲国際ゴルフ倶楽部
六甲国際ゴルフ倶楽部

実は私、あまり熱心に練習をしない怠け者の素人ゴルファーでして、たまに練習に行って少し感触をつかんだな、と思ったらまたすぐに練習をサボってしまいます。

いわゆる+1-1 +1-1を繰り返して何時まで経ってもたっても0のまま。というアレです。(苦笑)
毎日5分の肉体改造メソッドを提唱している私としては、積み重ねこそが成長、変化の源泉だ!といつも声を大にして言ってるにも拘らず、全くのダメパターンに陥ってしまっています。。

これではいつまでたっても結果は出ませんね。(涙、)

 

練習熱心で結果を出すO社長
練習熱心で結果を出すO社長

まぁ、ゴルフは取引先や、同業の経営者、時にはお客様など、仕事での付き合いが有る方とばかり行くので、すっかり仕事のような顔をして行ってますが、所詮遊びと言ってしまえばそれまで。

優先順位は低いとして、だめだねー、と笑って済ましておりますが、しかし仕事やその他にも優先順位の高い事はそんな悠長な事を言ってるわけにはいきません。

結果を出さなければならない事が(ゴルフ以外では)山ほど有ります。

 

 結果にコミットするということ、

最近(いろんな意味で)とても話題になっているライザップの宣伝で最近耳によくする言葉、「結果にコミットする」について少し整理して考えてみました。

得意の三段論法を使うと、

 

結果は行動により、導かれる。
行動は考え方により、生み出される。
考え方はあり方により、作り上げられる。

となります。

このように考えると、あり方を見つめ直さなければ『結果』は一切何も変わらないということ。

ではあり方とは何なのか、これが問題です。

『人のあり方とは?』

と、大きな枠で考えると禅問答か哲学の世界の設問の様で、非常にわかりにくいですが、自分の持つ役割を細分化してその1つずつについて見ていくとおのずとあるべき姿、理想が見えてくると思います。

人は生きていく中でたくさんの役割を持っています。

その役割1つずつにこうあるべきというあり方があるはずです。

配偶者としてとか、

父親としてとか、

子供としてとか、

職業人としてとか、

日本人としてとか、

そして人としてどう有るべきか。

それらひとつひとつに丁寧に向き合うことが自分のあり方を見つける唯一の方法だと思うのです。

あり方を正していけば、おのずと正しい考え方になったり、行動が伴ってきます。

良い『結果』と言うのは偶然やまぐれでやってくるものではなく、良いプロセスによってこそ生まれると考えています。

 

優先順位と日々の努力

ゴルフが上手くなりたければ、ゴルファーとしてのあり方を見直すべし。

他のたくさんの自分の持つ立場やその優先順位を鑑みて、そのうち考えてみたいと思います。(苦笑)

そんな風に考えると、私のゴルフはなかなか上手になれそうにありません、残念ですが。(笑)

結果を出すべきだ!とコミットする優先順位の高いモノから、コツコツと一つずつ在り方を正しながら、日々生きていきたいと思います。

きっと結果がついて来るはずですから☆

自殺志願亀とぽっちゃりノラ子猫、2つの問題。

6月16日 雲のち一時雨

今日も朝から着工予定の現場へと打ち合せに走りました。

明後日からの台湾へ出張を控えて、済ましておかなければならない事がてんこ盛り。

ドタバタしています。

梅雨空
梅雨空

 

自殺志願の亀

現場での打ち合せから戻る途中、池沿いの道を車で走っていると、車道の真ん中に大きな石がごろり、と転がっておりました。

おいおい、といいながら除けて走り過ぎたのですが、それはよく見ると石ではなく亀でした。

次のアポイントの時間まで、もうギリギリで、急いではいたのですが、10mくらい行き過ぎたあと、「あーもう、」と車を止めてバック、車道の真ん中で丸まっている亀を池に戻してやりました。

命の恩人だと、喜んでくれてたらいいのですが。(笑)

 

その後、打ち合せや現場確認をサクサクと済ませ、(久しぶりに、)昼下がりに事務所に帰社、溜まっているデスクワークや、台湾出張の為の準備を現地の会計士さんとやり取りしたり、、

どうも、台湾の税務、会計、登記関係の法律というか、慣習になじめず、苦労しています。。。(出張、伸ばそうかしら、、)

自殺志願の亀
自殺志願の亀

腹ぺこじゃないノラ子猫

事務所でデスクに向き合っていると、すぐドアのそとで、ニャーニャーと猫の鳴き声が聞こえてきました。

3階でおとなしくしているはずの(愛猫)にゃろがまた一人で散歩に出て来たのかと思って、迎えに行ったら、にゃろではなく、なんと彼女の姪っ子でした。

「どうやら、にゃろのお母さんは事務所の近所に住む野良猫で、にゃろの兄弟も近くに住んでいるらしい」と、風の噂で聞いていたのですが、それがまた子供を作った、という事の様です。

 

真っ黒に薄汚れて、かわいそうに、と思って抱き上げてみると、意外におなかはたっぷりと肥えていて、どうやらひもじい思いはしていない様子。

それにしても、何となく不憫かな、と思い、家に連れて帰ろうと思いかけましたが、すみれママ☆情報によると、何でも近くにミルクをくれる人がいるらしく、食事には困っていないとのこと。(確かに良く肥えていた、苦笑)

じゃあ、なんとかたくましく生きて行け、とそのまま倉庫の前に離しました。

にゃろの姪っ子
にゃろの姪っ子

自由と束縛の親密な関係

彼、(彼女?)にとって人に飼われるのと、自由気ままに野生に生きるのとどっちが幸せなんだろうか、なんて考えながら、この問いって、自分の身にも同じ事があてはまるよな、なんて考えてしまいました。

人の世もまた、安定は不安定であり、自由は責任に縛られる事であり、何かに属する事は選択の自由の機会を持つ事になる。会社員は自由を求めて起業家になりたいというし、多くの起業家は安定を求めてガムシャラに働き詰めたりして、自分が自由に使える時間を失っていまいがち。(私の事ですが、、)

どちらが良いとか悪いとかではなく、やっぱり世の中は表裏一体ってことなのかも知れませんが、この子猫と、我が家で暮らすにゃろとの違いは一体何で、本当はどっちが幸せなのか?サッパリわからなくなりました。

自分自身のことを含めて。(苦笑)

 

自己欺瞞への向かい方

もう一つ問題なのは、亀や子猫と出会う度に、自分の中に芽生える厄介な感情です。

亀が勝手に池から上がって来て、飛び込み自殺をしたからって、私にはなんの関係もないし、どーでも良い事であります。

子猫も、もう生後2ヶ月くらいは経っていそうだし、ちゃんと食事にありつけているようなので、自由気侭な人生(猫生か、)を送ったらいいとおもいます。

何故、私がなんの関係もない彼らの事を気に病んで、お客様との約束が遅れそうなのに車を止めたり、にゃろだけでも十分手を焼いているのに真っ黒に汚れた猫の面倒を見なくていいのか、と悩んだりしなくてはならないのか。

心の中の葛藤、そっちの方が問題です。

気にしなければいいのに、その方がずっと楽やのに、とは思いますが、実はわざわざ自分から厄介ごとを拾いに行ってる気がします。(苦笑)

 

『影響の輪』と『選択と集中』

それは、天命を知る50歳を目前に控えて、やっと人生って魂を磨くために有るのではないかと、ナチュラルに思えるようになって来たからではないか、と。

亀井勝一郎氏が残された、私が大好きな、というか常に喉の奥に突き刺さっている小骨のように引っ掛かっている『割り切りは魂を弱くする』と言う言葉は自分の実力では出来もしない、所謂『影響の輪の外』にあるモノについても関心を持つ事を暗に示唆していると思うから。

仕事柄、マーケティング論をいろんな角度から見直したり、定義の見直しをよくするのですが、その中の一つに、『マーケティングとは、影響の輪を広げるシクミである。』というものがあります。(私のオリジナルです。笑)

影響の輪を広げる為に、今出来る事に集中して精度を高めるべしで、その結果、自然な流れで徐々にその輪が広がって行く、と、主宰している塾でもよく話すのですが、似て非なる言葉に、一時よくもてはやされた『選択と集中』という言葉が有ります。

選択と集中という言葉の持つニュアンスは、影響の輪の論理と違い、影響の輪の外にある関心事に心を残しながら、今出来る事に集中するべし、そして輪を広げて関心事を影響出来るように取り込んで行く。という考えではなく、大きな輪の中で必要な部分だけに特化してその他をを切り捨てるべき、と言う風に感じてなりません。(私見です。)

割り切りの推奨といいましょうか。。

 

天命とは魂の使い方

とにかく、『魂を磨く』という人生の目的がその方法論(割り切らない生き方)と共にぼんやりと見える年齢になって来たことで、普段の暮らしの中にある些細な選択に対しても、割り切らないことが自分の中にすこしずつ定着し始めたように思います。面倒この上ないですが、、(苦笑)

至って厄介な問題ではありますが、考え方によってはその厄介事が増えれば増える程、己の魂は成長する機会をもらえるという事ですし、ここはやっぱり前向きに捉えて行くしか無いと改めて。(笑)

 

結局、人生修行やってことやで、大ちゃん。

デザインで家族は幸せになるか?性能で家族は幸せになるか?

6月15日曇りのち晴れ

まずまずの良い天気での1週間のスタートとなりました。

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今日も月曜日らしく、複数の現場の着工前のプランの変更調整や、リフォームをお考えのお客様宅に見積ををお持ちしたり、新築現場のコンクリート打設後の現場確認など、忙しく走りまわりました。

ほんと忙しいことはありがたいことです。
感謝します。

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夕方は、先週末開催した.神戸市の運営する住まいの窓口、スマイルネットさんとの提携のDIYセミナーが非常に好評ですっかり勢いづいている「ひょうご安心リフォーム推進委員会」の運営委員会に出席。

大好評のセミナーのニュースはこちら→http://www.yomiuri.co.jp/adv/job/release/detail/00018989.html

地域に安心してリフォームできる環境を整えようという理念を掲げて地道な活動を続けている地味なボランティア活動ではありますが、セミナー事業の本格的な始動で確かな手応えを得て理事の皆さんも俄然やる気になっております。

来月はすみれの地元、西神中央でも同じセミナーを開催することになっておりまして、忙しい最中ではありますが、なんとかがんばって準備をしたいと思います。

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さて、昨日の日曜日、完工間近の新築現場に検査に行きました。

私の担当は、電磁波測定士として、オールアース工法による電磁波カットが計画通りにできているかという測定です。

一般的な住宅では、宅内に配線されている電線からはすべて微弱な低周波の電磁波が出ており、すみれの新築では長時間過ごす場所などでその負荷が体に影響を及ぼすないように対策を講じています。

検査結果は非常に良好、後は実際に生活する前に家電製品を入れた後再度チェックをして安心して暮らせるお住まいに仕上げたいと思います。

お施主様にも立ち会っていただいて測定の数値を見ていただき、目に見えない不安が解消されて目に見えて安心ということを実感していただきました。

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その他の仕上げの部分についてのお施主様による検査も同時に行っていただきましたが、プラン担当のみまっちと現場担当のコムさんと細やかに打ち合わせを繰り返しながら進めてきただけあり、これといって気になるところはないと言っていただきました。

とは言え、まだ残工事もありますので、すべて終わった後に再度じっくりと見ていただいてすっかり納得できる住まいに完成させたいと思います。
完工間際のこの現場、実は仕上工程に入ってからあまり行けてなくて、現場に行くのは久しぶりでした。

出来上がってくると、奥様のインテリアに対する細かなこだわりが随所に見られ、ずいぶんといい感じになっておりました。

電磁波測定中
電磁波測定中

一般的に、住宅を立てるにあたり、ご主人は気密や断熱、構造強度など目に見えない性能に非常にこだわりをもたれる方が多く、今回も私たちが取り組んでいる電磁波に対する住宅性能にも高い評価をしていただきました。

それに対し、奥様はやっぱり見た目の雰囲気やデザインに強いこだわりを持たれることが多いです。

今日も完工検査のなごやかな雰囲気の中でそんな話題になり、

ご夫婦の間で、「デザインで家族が幸せになるか」というご主人と、「住宅性能にこだわってほんとに幸せになるの」という奥様との軽い?意見の対立がありながら新築と言う人生の大事業を進めてきたとのお話がありました。

デザインと性能、どちらも気持ちの良い環境を作るのには欠かせないものであり、どちらかに偏りすぎると家づくり終えた後、長い時間をここで過ごすうちにその歪みが現れてくると思います。

デザインと性能は間逆のようで実は同じ目的を目指している相反しながらも一体のものだと思っています。

家づくりと言う、時間もコストも限られた中でお互いの価値観を認め合いそれを融合させながら1つの形に作り上げていく作業と言うのは、単に住まう場所を作るということではなく、改めて家族が大事にするべき事を共有し分かり合える希少な体験ができる場なのかもしれません。

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とにかく、海が一望できる素晴らしいロケーションに立つゼロエネルギーの超省エネ住宅でありながら、電磁波の対策をして自然素材の内装の健康的なスペックで、奥様のセンスがきらりと光る素敵なテクスチャーを盛り込んだ住宅は、やっぱりご夫婦の愛の結晶だと思うのです。

お施主様が話されていた、お互いの主張を認めながら進めていくのが大変だったーという言葉はなんだかとてもまぶしくて、羨ましく思いながら聞いていました。

そんな家づくりのお手伝いができたことを本当に嬉しく思います。

そして、私たちすみれとお施主様とのお付き合いは今始まったばかり、これから長いお付き合いをさせていただきながら、ご家族が幸せに暮らされるのに、これからも引き続き微力ながらもお手伝いができれば幸いです。

H様、ご縁をいただきまして本当にありがとうございます。末永くよろしくお願いいたします。