平成30年8月16日 曇り時々晴れ
朝MTGから。
そろそろ世間様も盆休みも終わって、平常に戻る頃なのかしら?なんて思いながら、今朝は早朝6時半から工務部のMTG、先月完工した現場の収支を担当大工が清算して報告してもらうのと、各現場の進行状況、今後の着工予定を担当ごとに割り振って設計部との引き継ぎ、準備を促すのと共に、契約前のやりとりをしている案件がいつならスムースに着工、そして施工出来るかを大工チーム全員で共有する時間を持ちました。また、先日お叱りを頂いたお客様からのクレームの情報を共有、二度と同じ過ち、失敗を起こすことは罷りならん、絶対にこれだけは守れ!と鉄則を再確認、朝っぱらから厳し目の口調で檄を飛ばしておきました。(笑)
熊本へ。
工務部との早朝MTGの後は新幹線に飛び乗って、九州熊本へ。創業してからたった数年で熊本で上位のシェアを握るくらいに急成長した超有名ビルダーR社のY社長に依頼を頂き、業者会の運営、施工管理部の問題解決についての相談を受けて訪問しました。お声掛け頂いて熊本に来ることになったのですが、私としては業界屈指の急成長を遂げた同社に非常に興味があり、その人気の秘密を知りたいなーと以前から思っていたので、どちらかというと渡りに船、逆に勉強、見学させて頂くつもり?で伺いました。ショールームに着くと「え、これが木造なんですか!」と、一応、建築の専門家であるはずの私でさえも驚く構造にディティール、家具やデザインに込められた世界観は一つひとつなるほど、と唸らせられるものばかり、私たちすみれとは規模感もドメインも大きく違いますが、人気の秘訣を少しだけ覗かせてもらえたように思います。
施工管理部MTG
昼過ぎにR社に到着して、施工管理部の社員さん6名とY社長、私と総勢8名でディスカッションというか、ブレストというか、悩み相談的な話し合いを夕方までみっちり。優秀で、意欲的な若者と意見交換するのは楽しいもので、時を忘れて話を聴きこんでしまいました。「うまくいかないんです、」と悩みがあると言っても、一人当たり常時15件もの現場を受け持ち、その施工管理から部材の発注までを切り盛りしていては、全てを完璧に、立て板に水的にスムースに現場を進めていくのはそんなに簡単ではなく、ひとつ歯車が狂うだけで悪影響が波及して連鎖的に問題が発生するのは建築業ではありがちな話です。それを、うまくいかない=スキルが足らないと反省し、毎日の緊急で重要なタスクに追い回される中でスキルアップをしなければ問題解決ができないと思ってしまうと、「やらんといかん、できない」の悪循環のスパイラルに陥ってしまいます。私としては、問題を抱え込まずに周りに協力を仰いで、仕事量を減らして効率ではなく効果性をあげたほうがいいんじゃないのとアドバイスしておきました。(^_^)
コミニケーション不全、スタンスのパラドックス
よくある話ですが、若手の施工管理者が大工さん、職人さんに対してうまくコミュニケーションが取れない、と悩まれているのを耳にします。私のように大工出身で、自社の施工管理は社員大工が行なっている者には(いじめっ子がいじめられっ子の気持を理解できないような、笑)よくわからない悩みではありますが、若くて真面目な現場監督さん程、どうしたものか?と思い悩んでいることが多いように感じます。コミュニケーションの問題は、必ず一方に問題があるのではなく、双方に問題点があるのですが、私の経験則からすると、その原因の多くが「スタンスのパラドックス」にあると思っています。それは、年齢は職人さんが目上、金銭的な関係は元請けである若い監督が上、人生においても業界でも経験は職人が上、施工を管理するのは監督が上、体力、腕力的?に職人が上、とコミュニケーションをするに当たってのポジションが定まらず、あからさまにするしないは別として、お互いに、「ここは立場的に引くけど、本当は俺が上やのに」とどこかイラッとした感情を水面下に抱えながらやりとりを繰り返すからではないかと思います。
ブラックボックスは突つかない。
こんなことは、話題にあげるのもバカバカしい幼稚で些細なことではありますが、建築現場がうまく回らない原因がこんなくだらない意地の張り合いだったりすることが少なからずあります。また、スタンスのパラドックスによるコミュニケーション不全を口にしても、職人さんも現場監督さんも「自分が上だなんて思っていない」と否定して、ブラックBOXの中に押し込んでしまうことも少なからずあり、根本的な原因をそのままにして、表面上のシステムや仕組み、ルールなどで改善を図ろうとしてしまいがちです。私としては、そんな誰もが絶対に認めたくない心の奥の幼稚な問題に真っ正面から向き合って解決を試みるのはナンセンスだと思っていて、全く違うアプローチから、本人たちが意識しないまま、気づけば「どっちが立場的に上か?」などと言うどーでもいいことに労力を使うことなく、お互いに効果的な現場運営でより良い成果を手にしてもらいたいと思うのです。
何のために?という質問。
そのアプローチとは、ざっくりと言うと、目的の確認と共有です。建徳現場で働く人は全員、ものづくりの楽しさ、素晴らしさに魅了された人ばかりで、その(しんどくて、面倒だけど)素晴らしい建築の仕事を通じてお客さんに喜んでもらい、安心と安全を提供したい、そして自分たちもがっちり稼ぎ、豊かな暮らしを手に入れたいと思っているはずです。なんのために働いている?と訊けばそれは現場の職人さんも施工管理を行う監督さんも同じはずで、協力し合いスムースに現場が進めば進むほど両者共の成果に結びつきます。利害関係は相反するのではなく、完全に一致するはずで、その目的を共有できれば、立場がどちらが上かなんて関係なく、協力して成果を手にすることに集中できると思っています。ただ、このような話は現場で作業の合間に話し合うような事ではなく、少し場を改めて、根本的な部分からの理論構築を丁寧に説明、お互いに意見に耳を傾けて理解し合う時間を持つことが必要だと思っていて、そのきっかけになるのに私で良ければお手伝いします!と名乗りをあげておきました。
マインドセットは場のセットアップから。
心理学者の大家、アドラーは人間の抱えるあらゆる問題は人間関係にあると断じられましたが、それはやっぱり工務店でも当てはまり、薄っぺらい、取り繕いのコミュニケーションを繰り返すのではなく、本質的に相手を理解する覚悟を持って、それが伝わるシチュエーションを整えることで根本的な問題解決の入り口に立つことが出来ると思っています。建築業の本業はものづくり、いくら人気があり、多くの集客を得ても、着工、完工出来なければ売り上げにはなりませんし、その仕事の評価は全て現場で作りあげたものとその後の暮らしにかかっているわけで、施工体制の整備、施工品質の担保、施工スピードの向上が経営の基盤となるのは自明の理です。それを支えるのが現場でのコミュニケーションで、しかもその当事者がコミュニケーション下手を自認すると言うのがこの業界の厄介なところです。(笑)こんなニッチなところが大工あがり経営者で、研修事業を行なっている私が最も重宝される場ではないかと改めて認識し、職人起業塾@長崎への参加表明を頂けたことですし、私に出来るだけのお手伝いをさせて頂きたいと思います。R社の皆様、次の再訪を楽しみにしております。引き続きよろしくお願いします!
_____以下は告知です!_____
「古民家から再生プロジェクト」のキックオフパーティーを8/26(日)の15時から開催します。
イベントページはこちら→https://www.facebook.com/events/237375223562920/
・再生前の古民家を実際見たり
・古民家周辺を散策したり
・今回のプロジェクトの説明
・どんな関わり方、利用ができるのか
・丹波の野菜とジビエのバーベキューと地酒、地ビール、中岡さんのワインを飲み食いしたり
・その日はちょうどすぐ近くで花火大会があるので間近で花火観賞したりできます。
【日時】
2018/8/26(日)15:00~21:00 途中参加途中退席OK
▼大まかなスケジュール▼
15:00~古民家周辺の案内&散策
16:00~プロジェクトの紹介&ディスカッション&質疑応答
18:00~バーベキュー
20:00~花火観賞
【場所】
丹波市春日町下三井473-2
https://goo.gl/maps/jR7hLU29fCk
【参加費】
大人:3900円(3000円の宿泊割引チケット付き)
子供:無料
【お申込】
https://www.kokuchpro.com/event/180826/entry/
【送迎について】
▼電車でお越しの方▼
神戸、大阪方面からですとJR黒井駅14:07着の電車でお越し下さい。
▼高速バスでお越しの方▼
全但バスが大阪、神戸方面から出ています。
・大阪(阪急三番街)13:20→春日インター14:33着
・神戸(神姫バス神戸三宮BT)12:30→春日インター13:46着
【お問合せ先】
自然食レストラン三心五観 藤本
3shin5kan@gmail.com
090-6676-6283
◆夏休みちびっこ支援!〜夢を叶える木工教室〜
8月18日(土)午前の部10:00〜 午後の部13:00〜
今年もすみれでは、毎年恒例の木工教室を開催します。『夢を叶える木工教室』では事前に子供達に作りたいモノの設計図を書いてもらい、FAXもしくはメールで送ってもらって実際に倉庫の端材を使って作って見る『2度楽しいモノづくり』を体験して頂きます。「これと言って何を作るか思いつかないなー」という方には、ブックスタンドや小物入れといった題材も用意していますので、安心してご参加下さいね。すみれの若手大工が腕を振るい夢を形にするお手伝いをいたします。作りたいもののスケッチを書いて送ってください。詳細はスタッフにご連絡ください。
定 員:午前の部、午後の部 各回10名
参加費:OG様、お知り合いの方、お取引先さま無料
◆一般社団法人職人起業塾ボトムアップ式実践型現場マネジメント厚生労働大臣認定研修 受講絶賛申し込み受付中!
厚生労働大臣認定 建築現場における卓越の戦略実践研修6ヶ月コース絶賛募集中!
【第13期】職人起業塾@大阪 2018年11月16日開講(募集開始しました)
お問い合わせ、ご質問はこちら→shokunin-kigyoujyuku.com/お申し込み/お問い合わせ/
研修へのお問い合わせ、お申し込みはこちらから。
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◆職人的マーケティングへの入り口:一般社団法人職人起業塾オフィシャルサイト
建築現場におけるマーケティングに取り組んで見たいとお考えの方は一度のぞいて見てください。実践型現場マネジメント理論、公開しています。無料公開のサンプルPDFはこちら
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