考えるな、感じろ。#R2職人起業塾フォローアップ研修&第87回継塾

令和2年12月1日快晴

笑顔と挨拶。

今朝も夜明け前から起き出して神戸市倫理法人会のモーニングセミナーに参加。自宅を出たら気温は5度、さすがに師走、寒さも本格的になってきたと感じながら、夜明け前の凛とした空気感の中、ポートアイランドまで車を走らせ早朝より学びの時間を持ちました。今日の講話は同じ建設業界の3代目を引き継がれている池本社長で、社会人における基本中の基本、挨拶と笑顔の大切さとその効果性の大きさを、ご自身の赤裸々な経験から語られました。改めて深く腹落ちするとともに、(いつも胡散臭い顔している)自分の至らなさを身につまされました。人間の最大の罪は不機嫌とはゲーテの言葉、表情や態度で人はその人についての本性を感じます。せめて、御朔日の今日はニコニコした笑顔で過ごそうと心に決めつつ、倫理法人会の会場を後にして、真っ青な青空の下、お朔日参りに近所の氏神様へと向かいました。

考え込むと人は動けない。

実は、ここ最近の私のテーマというか、強く意識を置いているのは「考えるのではなく、感じる」ことです。三段論法(英雄、色を好む・・ていうやつね、)が大好きな私は、ついロジックを組み立て、理論武装して人を無理矢理納得させたり、やりこみたりしてしまいがちで、その場はそれで色よい返事をもらうし、私自身満足して気持ち良くなるのですが、残念ながら論理で人は動きません。人が動く(行動に移す)のは考え込んだた時ではなく、感じた時で、感情を揺さぶられた時、人は未知の世界に一歩を踏み出し行動に移します。私もやっぱりこのことも論理的に理解しているのですが、齢も50を過ぎ、人に偉そうに教える立場になった今でも、挨拶も笑顔もついおざなりにしてしまう自分に深く反省することしきりです。

直感型の反動。

これまでの自分自身を振り返ってみると、私はどちらかと言うと理論派と言うよりは直感型の人間で、思いつきとそれを即行動に移すことでこれまでの人生の大半の大きな選択をしてきたように思います。事業を立ち上げてから、それがあまりにもひどいことに気づき、このままではイカン、周りの人間に迷惑をかけるばかりだと考えて、ロジカルシンキングを学び、理論構築に励んだと言うのが実際のところで、振り子の反動が大きいように感じずに、理詰めをする人間になってしまいました。それが年齢を重ねるごとにどんどん凝り固まっていき、現在の感じにくいややこしいオッサンになってしまったように思います。今更ながら、若かりし頃の柔軟で敏感な感性を取り戻さなければならないと思っていて、それが最近のテーマです。

 

心を震わすセミナー。

先日の実践人の家の研修会でも、行徳先生に「混迷を極める今の時代だからこそ感性哲学論の見直しをすべき!」と強く示唆され、現在、芳村思風先生と行徳先生の書籍を読み返したりもしております。そのような私自身の気づきと学びの流れから、先週末開催した一般社団法人職人起業塾のフォローアップ研修でも、「考えるな、感じろ」をテーマに取り上げました。塾生たちに心を震わす感動の体験を通して、感性復興の必要性を感じてもらうために、20年近く前のお客様でもあり、私の事業の大きな転機となったコーチングを受けるきっかけを与えてくださった方であり、今も通い続けている倫理法人会にお誘いくださった大恩人でもある村山順子先生にご登壇いただき、先生のライフワーク「心を届ける手紙のセミナー」の講演とワークショップを行っていただきました。

心を揺さぶり動かす体験。

毎年開催しているフォローアップセミナーは自社で毎月無料で開催している継塾と同時開催にしており、オープンセミナー形式ということで、初めて私達のコミュニティーに参加された方もおられます。私がお誘いする時に、「誰もが涙する感動の体験を約束します。」と申し上げておりましたが、村山先生のセミナーが始まって、蓋を開けてみると一番心の汗と言うか、嗚咽を漏らしていたのは私かも知れません。実はそれも既定路線というか、私はこれまで二度、心を届ける手紙のセミナーを受講しており、この度、村山先生に講演をご依頼した時点で手紙を書く相手に何年も音信不通になったままの親父様にコンタクトを取ることを決めていました。心が動くきっかけが無いと行動を起こさない典型のようで恥ずかしい限りではありますが、アウトプットしてこそ真の学び、塾生に課している事を同じように自分自身にも課しておりました。とにもかくにも、参加者全員が深く心を動かす体験を味合われたのは間違いありません。

去年の焼き直しの基調講演。

村山先生による心を届ける手紙のセミナーの後は、(一応、)基調講演として少しだけ私も話す時間を持ちました。その内容はコロナで世界が大きく変わった中で必要なことは、やっぱりブランディングであり、我々モノづくり企業のブランディングは目の前のお客様に感動の体験を与え、その感動を継続させる関係性の構築しかないと、去年の年末に話したブランディングの話をもう一度焼き直し、この1年間で顧客に対してどのような「感動」を与えたか?を参加者にマイクを回して聞いて回りました。学びは実践に落ちて初めて価値が生まれる訳で、毎年新しい話を聞いてもらうよりも、職人起業塾の研修で学んだ当たり前すぎる原理原則論、相手の立場に立って物事を考え選択し、目先の損得や面倒くさいとか、効率等に囚われることなく、未来に繋がる圧倒的な信頼を得るために仕事をすべき。との基本をいかに実務に落とすかが重要です。男子の志は塩のように溶けやすい、と言いますが、この会が、一年に一度、志を思い出し、燃えたぎらせる時間になればと思い、今年もコロナ下の渦中ではありましたが強行開催した次第です。

分かっていた(感じていた)未来。

昨年と同じ内容を題目だけ変えて「コロナシフト」としておりましたが、基調講演として同じ内容を取り上げた理由は実はもう一つあります。それは、昨年末の時点で、今年新型の感染症が世界に蔓延してパンデミックに陥るとは夢にも思っていなかったけれども、どちらにしても世界は大きな変化に晒されるとの予測を立てており、その上で今一度、本質的なブランディングに取り組まなければ、激動の時代を乗り切れないと提言していたことを思い出して欲しかったのです。その証拠、とまでは言いませんが、昨年のフォローアップ研修を終えてすぐの年明けには私たちは自分たちの存在意義、顧客に対して提供する価値を見直して理念を「四方良しの世界を実現する」と刷新し、株式会社四方継と社名まで変えて、大きな変化に対応する段取りを整えていました。ここは、ロジカルに考えた部分もありますが、未来に対する予感を感じて動いたのは間違いなく、口で言ってるだけじゃないんだと、塾生の皆に伝えたかったのです。

原点回帰がイノベーションを起こす!

感じて、心が動けば人は行動する。感動という言葉の元は論語にあり、「感即動」がその語源と言われます。世界が変わった今年度は、政府のこれまで前例のない財政出動の甲斐あって、なんとか持ちこたえた企業も多かったように感じますが、国や自治体からの補助も無尽蔵では無いのも自明の理。来年以降に本当の荒波がやって来ることをよく理解して、いや、危険を感じて今こそ時代に適応できるように本気で変わらなければならない時だと思います。(もちろん、私も含めて)考え込むよりも感じて即行動に移し、人と人の繋がりが急激に希薄になっている今こそ、安心感や信頼感を感じてもらえる仕事を行う事、行徳先生の言われるところの「原点回帰こそイノベーションに結びつく」のだと感じています。諸君、感じたまえ!


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