憧れの大工への道 #大工のキャリアプラン構築

令和3年2月6日 晴

暖かいことはいいことだ。

いい天気が続きます。今日は朝からなんと気温10°c位あり、日中は寒いイメージがある京都におりましたが汗ばむ陽気。これからまだ寒の戻りがあるのでしょうが、これだけ暖かくなれば自然とコロナも収束に向かうやろなーと少し嬉しい気分になりました。暖かいことはいい事ばかりです。この調子だと(私の予想では)来週末に緊急事態宣言は解除されるでしょう。(笑)

新人大工オリエンテーション

今日は朝から神戸を出発して昼過ぎに京都の顧問先の事務所に出社、この4月から顧問先に入社する新卒の大工見習い三人の入社前オリエンテーションに参加しました。顧問を務めていると言っても私は経営コンサルタントではありませんので経営に関する事には何も口を挟んだりすることはなく、大工育成を軸に据えた現場マネジメント改革担当顧問と言う肩書きで、工務部メンバーと人事制度の運用や工事品質の担保、そして現場で圧倒的な評価を得て信頼関係を構築した顧客からの繰り返しの受注や紹介を目指す現場マーケティングの仕組みづくりのお手伝いしています。

新しい風

顧問先のこの事業所ではこの度、大工志望の若者が三人も入社される事が決まり、既存の工務社員さん達はこの数ヶ月随分と気合いを入れて新卒社員受け入れの準備をされてきました。新人が四年間で大工として新築住宅程度は一人で何もかも出来るレベルまで育てるべく、綿密な育成計画を立てたり、先輩大工が自分自身が目標にしてもらえる様にと今まで担っていなかった役割、業務担当を増やしたり、私と長時間のmtgを重ねて社員大工としての役割と責任の定義や意味と意義を見直してみたりと、新入社員が入社するタイミングで現場マネジメントの刷新も図ってきました。新しい風が入るのは全体の活性化に繋がると言いますが、まさにその通りの効果を発揮しています。

大工育成の厳しい現実

近年、建設現場離れが著しい若者に職人として入職してもらうにはまず、条件面で他業種に引けを取らない様に正規雇用で安心して働ける場を提供することから始めるべきだというのが私の持論です。日給月給のような日雇い労働者に毛が生えた程度の労働環境を改善、整備する必要があると、自社で実際に完全適法での社員大工育成を行うと共に一般社団法人職人起業塾の研修やセミナーでそのことを訴え続けてきました。しかし、新卒で大工見習いを採用すると一人前に稼げる様になるまでやはり4〜5年はかかり、事業所としてはそれまでの給与を先行投資的に負担しなければなりません。若手の採用、大工育成の難しさもさることながら、その厳しさを避ける意味もあり社員大工育成に取り組む事業所は一向に増えないのが現実です。

若手大工の離職問題。

更に残念な事にせっかく若くして大工の見習いとして働き始めても、離職してしまう若者も少なからずいる現実があります。職人として働く魅力が失われている、もしくは今の若者の価値観に沿っていないと思わざるを得ないのが現状です。私は、自分自身の経験則から若者が大工になりたいと言ったら親が泣いて止めるような働き方では誰もこの業界に入ってこないと自社で構築し長年運用してきた人事制度やキャリアプラン構築のシステムを公開して、一般社団法人職人起業塾でワークショップを行っており、現場作業から離れても稼げる大工の育成を推奨しており、それに共感いただいた志の高い事業者に対して人事制度改革と運用のお手伝いをする顧問として関わらせて頂いています。

大工の道具化は両面の問題。

30年前まで80万人いたと言われる大工は、現在20万人を切る位まで減少しています。また、若年層と言われる20歳未満の若手大工は全国で2000人を切っていると言われており、ほぼいないも同然です。その原因として挙げられるのは、大工を雇用する工務店が大工を人としてではなく道具として使い捨てにしてきたことと、大工自身も分業化が進んでいく中で、現場作業以外のスキル習得に意欲を示さず、業界用語で「お日さんにしにし」と言われるその日の作業さえ終わればあとは何も考えないような成長志向の無い働き方に陥ってきたことの両方に問題があると思っています。

大工のキャリアプラン。

職人不足の根本的な問題解決は、雇用、育成する側がキャリアプランを提示して、ただの作業員ではない付加価値を生み出せる職人に育てるべく、現場作業以外でも教育を施すことと、職人自体も意識を変えて将来のキャリアに向き合って資格取得や建築全般の知識習得、営業や施工管理までこなせるようにコミュニケーションスキルを高める努力をする必要があると思っていて、私が主宰する一般社団法人職人起業塾では、従業員向けに古典的マーケティング論を切り口に本質的なコミュニケーションの実践研修と、経営者向けの人事制度改革のWS、リーダー向けのマネジメント研修などを通してその両面でのサポートを行うようにしています。

憧れの職業への復権。

本日、オリエンテーションに来ていた3人の若者は全員が大工と言うものづくりの仕事に憧れて自ら大工になりたいと、この会社の門を叩いたと言っていました。私に言わせると、建築業界では現場を知っている者ほど、設計でも営業でも大きな成果を叩きだせます。彼らには子供達から憧れのマトになるような次世代の新しい大工像を叶える輝かしいキャリアを手に入れてもらいたいと思いますし、微力ながら現場改革担当顧問としての積を全うできるように精力的に関わっていきたいと思っています。とにかく、私にとっても非常に胸おどる、ワクワクする1日になりました。未来の棟梁に大きく期待したいと思います。


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