年の瀬に「何のために」を考える。

平成30年12月29日 快晴

疾走中!

世間様ではもう年末の休暇に入られておられる会社が大半の様ですが、すみれでは明日の晦日まで現場が動いており、私もまだまだ平常営業。今朝も早朝出勤で社員との個人面談の続きを行なった後は建築機材リース会社に正月工事で使用する機材をトラックに積み込みに行き、昼からは何とか建物内部の完成にこぎつけた滋賀県大津の現場に完工確認とお客様への年末のご挨拶、夜は工務部メンバーと焼肉を食べながらの納会と、相も変わらず息つく間もなく疾走しています。。

人生に関われる仕事。

現場の確認と共に御礼とご挨拶に伺ったお客様宅では、結局逆にシャンパンとワインをしこたまご馳走になり、今回新たに家を建てる事になった流れから今年あった様々な出来事と不思議とも思える程の良いご縁を頂いたとのお話を伺い、その人生の一部に私も関われたことをとても嬉しく感じる事が出来ました。今年の秋に関西地方を直撃した台風の影響で、シャッターやエクステリアの部材の供給が滞り、予定通りに完工する事が出来なかった新築現場の事も、担当大工の洋平や設計のみまっちを労って頂き、工期にも理解を示して頂けた事で救われた様な思いで、理解のある顧客の有難さ、大切さを改めて思い知り、素晴らしいご縁を頂けたことに感謝するばかりです。

一年を振り返る時期。

お客様との雑談の中で、H様から「今年は随分といい出会い、素晴らしいご縁を頂けた」とのお話を聞いてその中に私達も含んで頂けているのを嬉しく思いながら、「高橋さんの今年はどうでしたか?」と訊かれて、そんな時期になったのだと改めて気づきました。その場では毎年同じ様なことを地道に繰り返しているので、大して大きな変化があった訳ではありませんが、少しずつ進んでいるのを実感しています。とぼんやりと返答をしておりましたが、今年もそろそろおしまいということで、今一度、本業である建築の仕事とプライベート、そしてライフワークについて今年一年を振り返ってみたいと思います。

愚直に、継続する。

すみれ建築工房の事業としては原理原則に基づいたマーケティング理論を愚直に実践することを強みとして相変わらず全く販売促進や広告宣伝を行わずに、現場接点強化、生涯顧客の創造、顧客にとって卓越した存在になる。の3ステップを繰り返して持続可能な自立循環型ビジネスモデルの構築を目指した取り組みの精度を上げることを目標に掲げ、現場担当者である社員大工への権限移譲と若手の人材育成に注力してきました。結果としては、決して満足できるものではありませんし、解決すべき課題も問題も山盛りではありますが、それでも社員大工達が売上利益に対する意識を持った事、何とか多少なりの利益を上げる事が出来たのは、来年への礎になるのではないかと思います。

学びと実践。

今更ながら研修に通い続け、今年で3年目となるUXデザインを学んでいるXデザイン学校の大阪分校では今年は研究生として「建築×UX」というテーマに取り組んだのは来年以降、平成時代が終わり、新たな時代の幕開けへの準備としては私の中では大きな自信というか、未来を標榜できる力を得られた様に思います。実際に、そこでの学びを実践に生かすべく、丹波での古民家再生プロジェクトで地域の人々の中に飛び込んで、建築請負会社ではなく、建築アドバイザー、DIY指導メンバーとしてこれまでと違う立ち位置での貢献の仕方を模索しています。建築工事を地元の人やそこに住んでみたいと思う方に戻す事で、今までと違うニーズを汲み取るきっかけになるのではないかと思っていますし、大きな手応えを感じながら現在進行中です。

ライフワークの全国展開。

私のライフワークとも言える、もう一つの事業、一般社団法人職人起業塾の活動では今年は東北地方までその活動の場を広げ、仙台、東京、大阪、長崎、鹿児島と文字通り全国展開を果たす事が出来たのは、(ずいぶん忙しくなりましたが)大きな成果だったと思います。全国で開催する6ヶ月にも及ぶ研修会では卒塾生達がこれまでの自分の役割を見直し、経営者感覚を持って顧客満足を得てそこから未来を切り開くマーケティングアクションに取り組んでおられ、現場から建築業界を変える。という私の信念を理解して実践に移してくれる仲間が数多く生まれました。また、大手住宅設備機器メーカーのPanasonicからボランタリーチェーン向けの研修依頼があったり、東北電力、YKKap等が開催された石巻市での工務店セミナーへの登壇依頼、また全国の名だたる有名工務店の協力業者会や社内研修会での講演にお声がけ頂けたのは、これまでの地道な情報発信が少しずつ結実しつつある胎動を感じています。

魂を感じる聖地巡礼。

建築事業と研修事業の二足のわらじとなり、年々プライベートの時間が取りにくくなっておりますが、それでも半分仕事の様な趣味の様な富士登山や信州での安曇野センチュリーライドに参戦できたりとそこそこ楽しむ時間を持ちました。中でも念願だった東北への聖地巡礼を叶える事が出来たのは、小説を読み、頭の中で膨らましていたイメージを体感できた素晴らしい体験で、岩手の江刺ふじわらの里や中尊寺の金色堂は悠久の歴史とそこでの爆発的な高揚感、血の涙を流す無念、慟哭が入り混じった本での間接体験が蘇り、心が震える素晴らしい体験で、中尊寺で見た松尾芭蕉の銅像を見て、奥の細道を辿る旅に必ず行こうと心に誓いました。もう一つの聖地巡礼は萩の松下村塾です。以前から絶対に行きたいと思っていた念願をやっと今年は叶える事が出来て、「志」に生きた吉田松陰とその生き様に共感し、日本を変えると命をかけた塾生達の魂を感じられたことは、これからの私の人生に大きな影響を与えてくれる気がします。以下は今年の聖地巡礼に関して書き残したブログです。

読書の秋と聖地巡礼@平泉

兵たちの夢のあと。聖地巡礼@平泉

聖地巡礼@松下村塾

「知見の収納庫」とそれを支える聖地巡礼@伊丹

己に課した大命題と感謝。

そんなこんなで、平成30年を振り返ってみると、そんなに大きな出来事や転機があった訳ではないが、しかし、確実に未来への布石を打ち込み、新たな時代での生き残りをかけた来年以降に繋がる一年になったのではないかと思っています。日々煩雑な毎日を送り、目の前のタスクに振り回されながらも一回きりでやり直しが効かないぶっつけ本番の人生、「何の為に?」という自分自身の生きる意味への大命題に常に向き合い、一年一年、後悔する事なく精一杯疾走を続けていきたいと思うし、その意味では悪くない一年だったのではないかと思った次第。そして、私の様々な取り組みを助けてくれたスタッフや協力者の皆様には改めて深く感謝いたします。ありがとうございました。

 

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