ここは今から倫理です。#職場の教養の活用法

令和3年1月18日晴れ

あの日を忘れない。

ポカポカと暖かい日差しの差す1週間のスタートになりました。昨日は神戸の建築に携わる者には忘れることができない1.17、阪神淡路大震災から26年を迎えたということで、京都の新選組ゆかりの壬生寺で追悼式典と虹と絆と未来のコンサートがあり参加してきました。神戸はさほど冷え込みませんでしたが、1時間強の短い時間のコンサートの間、小雨がパラついたりみぞれが降ったりと非常に寒く、京都の冬は厳しいとよく言われるのを体感してきました。震えながら聴いたピアノとバイオリンとチェロの三重奏は震災からの復興をテーマに作られた楽曲で非常に感動的で、収益を無視してこのような取り組みを継続的に行われている音楽家の方、そして主催者の皆様の熱く高い志に甚く感動してきました。ご縁をいただけたことに感謝です。

サラメシの日。

今日は年明けはじめての設計チームでのミーティングがあり、オリジナル造作キッチンのショールームが完成して初めてと言うこともあり、デザインの使い勝手の検証、実際に使ってみての経験則の積み重ねをこれから行うにあたり、私がスパイスカレーを作って振る舞うことにしました。予定では、ちゃんとスパイスを買ってきて調合して味付けをするつもりでしたが、先週大阪のショコラッタさんに打ち合わせに行った際、無添加の「カレーの壺」なるスパイスペーストを販売されているのを見つけて、今回はこれでいこう!とつい購入してしまったので、少しインスタントな感じのスパイスカレーになってしまいました。それでも、最近流行のレンコンを具に入れてみるなど、それなりに頑張ってみたところ、設計チームの面々からは75点から90点、平均85点位のそこそこの評価をもらうことができすっかりご満悦です。ちなみに、自己評価では辛さが足りず65点でした。次回は本格スパイスカレーにチャレンジしてみたいと思います。(笑)

ここは今から倫理です。

話は変わって、先日、夜中になんとなくついていたテレビを見ていると、「ここは今から倫理です。」と言うドラマの第一回目が放映されていました。倫理法人会の会員として愚直に倫理を学び続けている私としては興味をそそられてつい見入ってしまいました。それは高校の選択科目の倫理の時間を担当する教師が主人公のドラマで、生徒間で起こるいじめや不純異性交遊?の問題を皮切りに、実際に起こる出来事において倫理について学ぶといった内容で、倫理というのが取り立てて改まって学ぶ学問ではなく、普段の生活に密着し、常に関係していることを示唆しているドラマになっておりました。調べてみると『みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2018』ネクストブレイク部門2位を受賞した人気漫画が原作の様で、意外と地味で真面目なストーリーが若者に受け入れられているのだと少し嬉しくなりました。

坊主憎けりゃ袈裟まで憎い

そのドラマの中で、いじめられっ子だった少年が、友達や教師も含めて誰にも助けられなかった自分の辛かった体験をもとに、いじめられっ子に寄り添う教師になりたいと志し、倫理の時間を選択するのですが、その山田裕貴くん演じる倫理の教師が学校から少し離れた喫煙所でタバコを吸うのを目撃し、いじめられっ子にタバコの火を押し付けられそうになった記憶がフラッシュバックして、一気に嫌いになってしまうと言うシーンがありました。また他の教師が学校の敷地外の喫煙所でタバコを吸う主役の教師に対して厳しく非難するシーンがあり、生徒も同調してしまいます。私も愛煙家の端くれで、節度ある喫煙を心がけておりますが、法的に認められ、制限されていないところでタバコを吸っても見ているだけで嫌な思いをする人がいるし、よく無いこととの認識をされる時代の流れを感じてしまいました。喫煙人口の減少と共に、その風潮は加速して行くのでしょうが、倫理の教師にタバコを吸わす設定は悪く無いねー、なんて思ってみていました。

善なるものはわれこれを善とし、不善なるものもわれまたこれを善とせん

ドラマも終盤になって、その生徒が「僕はいじめられっ子に寄り添う教師になりたいんです!」と告白した際、倫理の先生が返したのは「いじめられっ子にも、いじめっ子にも誰にでも寄り添い、生徒を信じる教師になってもらいたい」との言葉で、それに続けて老子の残した格言を口にします。「善なるものはわれこれを善とし、不善なるものもわれまたこれを善とせん 」要するに、戦争も正義と正義の戦いと言いますが、人それぞれに正義を持っており、その考えを否定するものを悪と捉えると、世の中は諍いばかりが蔓延する、自分の正義を振りかざし、相手に押し付けたり、攻撃するのではなく、相手の考え方に耳を傾け、お互いの理解を深める努力をしなければこの世の中は一向に良くならないことを示唆しました。そして、タバコの一件を通して一つの事象を見て全てを否定する、十把一絡げ的に各論と総論を切り分けられなくなると、理性的なまともな話し合いはできなくなるのを示唆していた様でした。

倫理の時間。

実は今年になって私が毎朝取り組んでいるのは、倫理法人会に参加するともれなく配布される日めくりの小冊子「職場の教養」にある文章を読んで感想をスタッフ全員に個別にチャットで送り合うプチ文通です。熱心に感想を毎日書いて返してくれるスタッフもいれば、スルーしたままの人もおりますが、送るのは自分の課題なのでそれは別によくて、スタッフには少しでも心を磨く、倫理の時間を持ってもらえたらと思っています。ちなみに、昨日、その職場の教養に書いてあった文章は以下のようなものです。

2021/01/17 良薬は囗に苦し
Kさんは仕事柄、人前に出て話す機会が多くあります。その際に、いつも心がけていることがあります。そのきっかけは、Kさんがまだ新人の頃に、話し終わった後、ある先輩に言われた言葉でした。「あなたの話し方は、はきはきしていて気持ちがいい。だけど、はっきりものを言う話し方を、《怖い》とか《厳しい》と感じる人もいるかもしれないわ」。その言葉にKさんは、《そんなことを言われるなんて〉と落ち込んでしまいました。この件を職場の先輩に相談すると、「「良薬は口に苦し」というじゃないか。よく効く薬は苦くて飲みにくい。つまり、よい忠告は聞くのがつらいが、その言葉は身に染みてためになる、ということだよ」とアドバイスをもらいました。
中には、受け入れ難い、指摘や忠告もあるでしょう。そのような時には、相手はよかれと思って言ってくれたのだと、捉え方を変えてみる柔軟さが必要です。Kさんはそれから、人前で話す時には意識して口調を柔らかくし、表情も明るくするように努めています。

今日の心がけ◆忠告に耳を傾けましょう

倫理とは実践が全て。

この文章に対して、私がスタッフに送ったのは、『「善なるものはわれこれを善とし、不善なるものもわれまたこれを善とせん 」と言う老子の言葉がありますが、正しいことは人それぞれ、自分の正義を盲信することなく常に人からの忠告、諫言、苦言には謙虚に耳を傾ける姿勢を持ちたいものです。』とドラマ倫理の時間で出てきた老子の言葉を引用しておきました。このように朝の少しの時間に倫理について考える時間を持ったからといって、人の行動や態度があっという間に変わったりする事は無いかもしれません。しかし、倫理とは本を読んだり講演を聞いたりして学ぶものではなく、日常の生活の中で起こる些細な出来事に対して小さな選択を行う際に、今、金、自分がよかったら良いと言う選択ではなく、未来につながる、価値のある、人様の為になる方向に一歩足を踏み出せるかどうかだと思うのです。日常の何気ない仕事の時間も、少しの意識をするだけで倫理の時間になると思うのです。

目に見えないものの代表は『心』

目に見えるものではなく、目に見えないものが価値を持つと言われる今の風の時代、目に見えないものの代表格は心であり、その心が作る状態です。先行き不透明で混迷を極めるこれからの時代を乗り越えていくために、私たちが行うべきはスタッフとともに自分自身が心を磨き、状態を整える意識を持って周りの人に少しでも良くなってもらうための行動を常に選択できるようになることだと思っています。NHKのテレビドラマで「倫理の時間」が取り上げられるのも、ひょっとしたら現代の世の中の風潮を取り込んでいるのかもしれませんし、見えないものを大切にする企業風土を作っていけるようにコツコツと、地道な努力を重ねたいと思います。そんな想いを伝えるのも全ては自分自身のあり方とそこから生まれる行動、実践のみ、電柱が高いのも、ポストが赤いのも全て経営者の責任だと自覚して倫理の時間を続けていきます。(笑)

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今一度、全ての大人に問う、日本の論点22個。

令和3年1月16日 曇りのち晴れ

オーダーメードの世界の住人。

今日は午前中、珍しく朝活、BN愛に参加しているスタッフと共に大阪のチャプターに所属されている造作家具や、インテリア雑貨の販売、インテリアデザインなど幅広く活動されているメンバーさんと3人で1to1to1のミーティングを行いました。キッチンや建具等の既製品の使用をやめて、顧客の暮らしにぴったりと寄り添ったオリジナル家具、建具の制作を行う私たち紡ぎ建築者とは、非常に近しい価値観を持った方で関連する業態ということもあり大いに盛り上がりました。人脈という言葉にすると陳腐ですが、やる気に満ちた若手経営者の方とご縁を持てるBNIは素晴らしいコミュニティです。今日もいい刺激を頂きました。宮地さん遠方より遥々お運び頂きありがとうございました。(^^)

非効率の高効果。

昼からは昨年から熱心に取り組みをスタートさせた空き家対策プロジェクトのメンバーでこれもBNIで一緒に活動している、背も低いが腰も低い抜群の親しみやすさを持っている不動産営業の鶴ちゃんと一緒に淡路島へ。解体の見積りの紹介を頂いた再建築不可の土地をただ解体するだけではなく、なんとか再活用し、地域活性化に寄与出来ないかと模索している案件の相談と年明け早々買い付けに失敗した別のプロジェクトの土地の照会に行きました。今どき、打ち合わせはオンラインで済むし、資料はEメールで送る事ができます。Googleマップのストリートビューでは事務所に居ながらにして大まかな土地のロケーションや周辺環境の確認も出来るので、わざわざ足をお運ぶのは非効率極まりないと思われがちな風潮がありますが、実際に現地に足を運ぶことでインターネット上に無い情報を知ることが出来ます。結果、非効率ではありますが、大きな効果性がある淡路島行になりました。ご縁と誘ってくれた鶴ちゃんに感謝します。(^ ^)

改めて、大人にもオススメする本。

午前中にセッションした大工スタッフ佐藤君から、昨日、何かオススメの本は無いですか?との質問を受けました。それに対して私は、最近のオススメ本は大体ブログで紹介してるで、と(安易に人に聞くのではなく情報収集は自分でするものだとの意味を込めて)自分で少し意地悪に答えておきましたが、昼から一緒だった鶴ちゃんは私のオススメ本を紹介するブログを読んで、出口治明さんの「自分の頭で考える日本の論点」を読もうと思ったけど、在庫がなくて買えなかった、と奇しくも同じ様な話になりました。二人とも積極的に本を読んで知識や感性を身に付けたいと思っておられるのは非常に素晴らしいことだと感じましたが、天文学的な数で出版されている書籍の中から今自分が読むべき本を探すのは非常に難しく、何を手に取ったらいいか分からなくなることの延長線上で、段々と読書から遠ざかってしまいがちなのもよく理解できます。今日の二人には仕事柄の絡みがあるので、改めて成人の日に若者に読んでもらいたいと薦めた「自分の頭で考える日本の論点」をおっさんにも強くオススメします。

22の論点に対して語れるか?

現代の知の巨人と言われる出口治明さんが社会人として興味を持って論ずるべき22のテーマについて解説とご自身の考え方を述べられているこの本を読むと、大人として知っておかなければならない最低限の社会の問題点が見えてきます。その上で、出口氏に感化されるだけではなく、違和感を覚える部分については反論できる様に、自分なりに情報収集したり、関連の書籍を深く学んでみたりすることが非常に重要だと思うのです。一時はジャパンアズナンバーワンとまで言われた日本がどんどん衰退し続けて世界の成長から、競争から取り残されて閉塞感に包まれている今の日本には、若者もですが今の政権を選択している大人が本のタイトルにもなっている「自分の頭で考えることが何よりも重要です。ちなみに、出口氏が挙げられた論点を目次から転載させていただくと以下の22個です。

◇日本の新型コロナウイルス対応は適切だったか
◇新型コロナ禍でグローバリズムは衰退するのか
◇日本人は働き方を変えるべきか
◇気候危機(地球温暖化)は本当に進んでいるのか
◇憲法9条は改正すべきか
◇安楽死を認めるべきか
◇日本社会のLGBTQへの対応は十分か
◇ネット言論は規制すべきか
◇少子化は問題か
◇日本は移民・難民をもっと受けれるべきか
◇日本はこのままアメリカの「核の傘」の下にいていいのか
◇人間の仕事はAIに奪われるのか
◇生活保護とベーシックインカム、貧困対策はどちらがいいのか
◇がんは早期発見・治療すべきか、放置がいいのか
◇経済成長は必要なのか
◇自由貿易はよくないのか
◇投資はしたほうがいいか、貯蓄でいいか
◇日本の大学教育は世界で通用しないのか
◇公的年金保険は破綻するのか
◇財政赤字は解消すべきか
◇民主主義は優れた制度か
◇海外留学はしたほうがいいのか
付録・自分の頭で考えるための10のヒント

真の正解も真の善も無い。

この本の出口さんの解説をあまり一生懸命に読んでしまうと、なるほど、そうなのか!とすっかり出口理論に感化されてしまいそうになります。しかし、価値観は人それぞれであり、決して知の巨人が口にすることが正しいとは限りません。「善なるものはわれこれを善とし、不善なるものもわれまたこれを善とせん 」と言う老子の言葉がありますが、たとえ現代の知の巨人の言葉でも、自分の信条や信念、もしくは確固たるロジックで反論出来なくても直感的に違和感が感じることに対しては、納得するまで受け入れる必要はありません。是非とも、この本を読んで反対意見を聞かせて貰いたいと思います。ちなみに、私は物体として有限な地球、そしてそこに生きとしあらゆる生き物と共生出来る自立循環型社会こそ、人類が目指すべき理想だと考えており、際限なき経済成長を是とする出口氏とは根本的な考え方が違います。当然、日本の抱える論点についても共感出来ない部分が少なからずありますので念のため。あくまでも四方良しの世界を実現する理想を見つめ続けたいと思います。(^^)


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風の時代の目標設定の指針 

令和3年1月15日 晴れ

小春かよ。

今日の神戸の最高気温は13度超え、先週末の強烈な寒波はすっかりなりを潜めて、過ごしやすい1日になりました。今日は外出の予定がなく事務所でデスクワークに励みましたが、あまりの天気の良さに、テラスに出て先日端材で作った3階ショールーム用の下駄箱の天板にガラス塗装をしたりして、麗らかな昼下がりの暖かな陽射しを楽しみました。一月も今日で中日、このまま暖かくなる事は無いと思いますが、少しずつ春が近づいてきている様な少しだけ明るい気分にさせてくれる1日になりました。ちなみに、緊急事態宣言が発出された直後の昨夜、神戸の中心地、三宮に立ち寄ってみるとまるでゴーストタウンでした、緊急事態宣言で暗くなりがちな世相の中ですが、小さな喜びを感じることが大事な気がします。

一年之計在于春

今日のデスクワークの中で、毎月、私が主宰している古典的マーケティング理論の実践勉強会「継塾」の今月使うスライドの作成を行いました。今月で第89回目を迎えるこの継塾、足掛け7年以上も継続しておりまして、毎年1月の初回には、一年之計在于春(一年の計は春にあり)また、
一年之計莫如樹穀(一年の計は、穀を樹うるに如くはなし)
十年之計莫如樹木(十年の計は、木を樹うるに如くはなし)
終身之計莫如樹人(百年の計は、人を樹うるに如くはなし)
との中国の古典、管子からの引用で参加者の皆さんに一年の意気込みと、志の実現に対しての中期、長期の計画をリマインド機能を持たせつつ、繰り返し発表してもらっています。今回も本来はその踏襲の筈でしたが、スライドを作っていて違和感があり、大幅に方向転換を行いました。

違和感の正体。

目標設定を行い発表してもらうにあたっての違和感の正体は、言わずと知れた、昨年の年頭と今とでは全く状況が違う事です。パンデミック、フェイクニュースの氾濫、鎖国、緊急事態や非常事態宣言の発出と世界の常識や価値観もひっくり返ってしまった今、これまで通りのやり方の延長線上では今後の世界では通用しない事を鑑みると、今まで通りのわかりやすい数値に置き換えた目標設定とその達成の為のKPI(Key Performance Indicatorsの略「重要業績評価指標」)の設定と毎月のチェックの様な先行きの見通しが立つ時代のやり方と同じでは全くダメだと気がつきました。

世界が変わったのはファクト。

昨年末から世界で起こっておる大きな転換を「土の時代」から「風の時代」に変わったからだと言われています。占星術の統計学の信ぴょう性はさておき、事実、世界のあちこちで大都市はロックダウンされ、国際間の交流は絶たれ、日本は間も無く全国的に緊急事態宣言が発出されそうですし、特措法の改正で政府の強権が発動される方向です。太平洋戦争を経て冷戦終結後の世界の覇権を握ってきたアメリカでは戒厳令が発令されて軍事統制が敷かれるといったまことしやかな噂まで流れています。自由と民主主義の国とされてきたアメリカ連邦議会に暴徒が乱入したのは事実です。間違いなく、世界中で大きな転換が起きています。

見えないモノの代表格

以前にも土(モノ、カネ、所有、組織)から風(体験、人脈、情報、シェア、個人)の時代への特徴をこのブログでご紹介しましたが、この大きな転換を一言でまとめると、見えるモノ(成果・結果)を求めるのではなく、見えないモノ(状態・関係)を目指すことでは無いかと思っています。そんな新しい時代の幕開けにふさわしい目標設定とは、目に見える売り上げや粗利、自己資本比率、物や組織や肩書きではなく、目に見えないものへのアプローチの目標設定を行って見るべきだと思うのです。そして、目に見えないものの代表こそが『状態』です。この1年間を通してどの様な状態を作り上げたいかを考えて見てもらいたいと思います。

あらゆる成果は状態に由来する。

そして、状態を整える事に対する目標設定は、立場、役割によって変わります。様々な切り口で状態=あるべき姿を考える事で自然に一年、十年、終身のそれぞれに対する計が見えてくるはずです。個の時代と言われる風の時代では、個別の関係性の状態が大きな影響を生み出します。担っている役割に応じて個々の人間関係を最高の状態に醸成する取り組みを具体的に考えて発表してもらいたいと思っています。とはいえ、少し、わかりにくいので、感覚的にご理解頂けるように以下に例文を列記しますので、〇〇を埋めてみてもらうことできっと風の時代に掲げるべき目標設定が見えてくると思うのです。

・リーダーとして○○と〇〇な状態を作るために〇〇を行う
・神戸に住む者として○○と〇〇な状態を作るために〇〇を行う
・親として○○と〇〇な状態を作るために〇〇を行う
・日本人として○○と〇〇な状態を作るために〇〇を行う
・〇〇メンバーとして○○と〇〇な状態を作るために〇〇を行う
・職業人として○○と〇〇な状態を作るために〇〇を行う
・ect…

変化に適応した者だけが生き残る。

生き残るのは強いものでも賢いものでもなく、変化に適応出来る者。新たな時代の一年の幕開けに際し、変化を楽しみつつ新たな時代に適応した目標設定を行うことで未来を標榜できる様になればいいと思っています。マーケティングの根本は在り方を見つめ直すところから、原理原則に沿ったビジネスモデルの構築を目指す継塾は今回もzoomを使ったオンライン併用の開催にしておりますので、全国どこからでも無料でご参加頂けます。多くの方のご参加をお待ちしております。イベントの詳細はこちらから↓↓↓↓

1月28日(水) 第89回【元祖】職人起業塾改め「継塾」#無料オンライン開放

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ややこしい時に代こそ時系列を正しく見る。#絶対に挫折しない日本の歴史

令和3年1月14日晴れ

食傷気味のコロナ報道。

2度目の緊急事態宣言がとうとう関西にも発出されました。政権の対応を批判し、不安を煽るばかりのメディアではますますコロナ報道がヒートアップして、朝のテレビ番組を見るのさえ食傷気味で、コロナの話題を口にすることさえ飽きてきましたが、これ以上感染拡大がひどくなると経済への影響もさらに深刻するのは紛れもない事実だと思うので、兵庫県でも病院の病床数が埋まりつつある日をじっくり見て、感染防止には努めたいと思います。

リスクはいかなる時も存在する。

緊急事態宣言の発出により、兵庫県知事からはイベントの希望5000人以下にするようにとの要請がありました。我々が企画したり、仕事の関係で参加するイベントは大規模なものはなくて、せいぜい数十人が集まるのが関の山なので、本来あまり関係ないはずですが、それでも、君子危うきに近寄らず。的な発想で、会合やイベントへの参加を控えられる方も少なくありません。もしもの事を考えたら参加しない、行動しない方がリスクが低いと言う考え方はわかりますが、世の中は常にリスクがつきまとうもので、それに萎縮して動かないのは逆に大きなリスクになるものです。

大事なのは体裁と雰囲気。

緊急事態宣言の中に盛り込まれた、不要不急の外出の自粛についても、生きるために最低限必要な事以外を控えるべし、となれば、獣や虫けらと同じ暮らしになってしまいます。かといって、人の営みにはコミニケーションこそが重要だ!と今まで通り、何も変わらないまま飲み会を繰り返していると、危機管理意識、もしくは能力を問われる風潮が確かにあり、それもバランス感覚に欠けていると言わざるを得ません。そんな中、私の周りでも対面のイベント事が次々に中止や延期になっています。それらは、感染リスクに備えると言うよりも概ね体裁や雰囲気を重視して、といった感じが否めず、若干の違和感もありますが、社会生活を営む上で「周囲の人への気配り」と言う点においては致し方ないのだと思います。

一生に一度のイベント中止問題。

先日、緊急事態発出の前にもかかわらず、全国で成人式の中止や延期が多々ありました。新成人にとっては一生に一回のイベントが突然なくなってしまったことに対して様々な物議をかもしました。私も、以前娘が成人式の1年前から晴れ着や美容室での着付けを予約して準備していたのを見ていただけに、かわいそうに、と心を痛めましたが、冷静に振り返ってみると、自分自身は30数年前の成人を迎えた時に成人式に参加した覚えがなければ、そんなイベントに何の思い入れもなかったことを思い出しました。日本人が大切にしてきた伝統的なイベントを簡単に中止するなんて、的な批判も一部でありましたが、よく考えたら成人式などと言うものは、高度成長期に若者が都市部に集中する様になってから大きな意味を持つ様になった側面もあると思いますし、そんなに伝統的に大切な行事ではなかったのではないか?とふと思ったのです。

サピエンス全史のパクリ企画。

少し前に、テレビのコメンテーターとしても大活躍されている古市憲寿氏の「絶対に挫折しない日本史」と言う本を読みました。この本は(帯にも大々的に謳っていますし、)著者も自分自身で冒頭に書かれておられましたが、世界的な大ベストセラーになった「サピエンス全史」の日本版とのことで、いわゆるパクリ企画モノです。地球を支配したホモサピエンスの成り立ちから現在までの歴史や宗教、哲学の変遷から地政学までを時系列を追ってまとめたサピエンス全史は世界史、人類に対する認識を刷新させられる程、非常に面白く、夢中になって読みましたが、世界史の中で日本の登場がごく限られていたこともあり同じ観点で日本史を読み解いてみたいと私自身も感じました。古市さんが同じ様に感じられて、実際に書籍にまとめられたのに非常に共感した次第で、(あまり好きなタイプでもありませんし、)パクリ企画とは言え、興味をそそられて手に取りました。

日本人のアイデンティティー。

古市さんの本を読んでみて、日本国としてまだ成り立つ以前、大陸や海を渡って多民族が移動してきたと言われている縄文時代から現在までを時系列を追いながら冷静に俯瞰してみると、現代の日本人が持っているアイデンティティーは(私を含め)ごく最近に生成されたと言うことがよくわかりました。サピエンス全史ほど壮大な視点と斬新な気づきがあったわけではありませんが、興味のままにたくさんの文献を読む時間を持てない身としては、様々な文献を引用しまくって、全体像を俯瞰させてもらえるのは悪くない体験で、事実と見解を切り分けて受け取る必要はありますが、非常に興味深く読ませてもらいました。古市さんが若いのに、堂々と偉そうなコメントを出されるのはバックボーンでよく勉強されている事が伝わってくる本になっていました。

大した歴史じゃない。

その本の中で、伝統的な行事や先祖代々からの、といった現代日本人が大切にしている価値観自体が、実はそんなに歴史があるわけではなく、結構最近になって認識されるになったんだと改めて感じました。成人式しかり、今後大きな問題として顕在化する空き家問題も同じだと感じました。特に、最近人気になっている田舎での古民家暮らしが、せっかくニーズがあるのに一向に進まなず、地域の衰退に歯止めが掛からない大きな原因になっているのが、「ご先祖様から受け継いだ土地を何処の馬の骨とも分からない者に売ったり、貸したりする事は出来ない」という価値観で、誰も住まない、所有者では利活用しようがなく朽ち果てていくばかりの土地建物が神戸の近郊にもゴロゴロしています。冷静に紐解けば、江戸時代からその土地を所有していた「庄屋」と言われる様な地主はごく一握りで、その他の人は明治維新の改革によって所有権を認められる様になったと考えれば、たかだか150年程度のことになります。確かに大した歴史ではないですね。。

時系列を俯瞰するきっかけ。

現在、私たちは新型コロナによる世界的なパンデミックだけではなく、米中関係の変化によるアジアの安全保障の脅威やアメリカが内戦状態になりそうなきな臭い世情、メディアもインターネットの上の拡散もどれが真実か判断がつかない情報革命の副作用、グローバル資本主義経済が行き着く先の二極化の世界への危惧、そして人智が及ばない気候変動への恐怖など、先行き不透明、不安定、複雑、曖昧極まりない世界に生きています。今、現在、足元の危惧や脅威に囚われてしまいがちですが、人はこれまでも様々な困難を乗り越え、生きてきましたし、生き残ってきた遺伝子を持つ人が現代を生きているわけですから、目の前の事象にあまり囚われ過ぎる事なく、人生を少し俯瞰してみる観点を持った方がいいと思いました。そんなキッカケをもらえる「絶対に挫折しない日本史」、アンチ古市憲寿氏の方もこの日本版サピエンス全史をご一読されるのをお勧めします。(笑)

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四方良しの世界の実現を目指す「株式会社四方継」オフィシャルサイト

地域コミュニティーサービス つない堂

受け継がれる価値ある丁寧なモノづくり つむぎ建築舎

緊急事態宣言発出に際して。

令和3年1月13日晴れ

小春日和。

強烈な寒波も少し弱まった水曜日。今日も早朝から朝活のビジネスミーティングに参加すべく夜明け前のまだ真っ暗な時間から外に出ましたが、先週末からの冷え込みに慣れていたのか、少し寒さが緩んでいるのを感じました。ミーティングに参加しながら窓の外を見ると、日の出とともに青空が広がり、暖かな日差しが差して日中は随分とうららかな小春日和っぽい1日になりました。本日はとうとうというか、やっぱりというか、私たちが住む兵庫県でも緊急事態宣言が発出され、予定していたイベント事をどうするか、出張の予定を変更するか、そして事業所としてどの様な対応をするのかをスタッフに対して改めて発信、共有するなどの対応に追われることになりました。

緊急事態宣言発出についての対応

私が緊急事態宣言発出に際して社内に向けて伝えたのは、基本的に井戸知事が公的に出した要請に基本的には従うということです。感染拡大をこれ以上悪化させたくないのは誰もが同じ想いだと思いますし、私も同じです。ただ、不要不急の定義は人それぞれであり、そこは各人の判断を尊重するのを基本姿勢としており、何でもかんでも全て止めてしまうのは決して良い事ではないとも思っています。なので、リモートワークの割合や少人数でのイベント開催や参加、日常業務については細心の注意を払いながら、経済活動を継続させていくべきだと社内グループサイトに書き込んで一斉に配信しておきました。私達、株式会社四方継の基本姿勢として以下に転載しておきます。

緊急事態宣言際発出についての株式会社四方継としての見解

明日からの緊急事態宣言際発出についての弊社としての見解を以下に記します。解除されるまでの行動選択の基準にしてください。基本的には知事の公式な要請を受け入れます。

緊急事態措置徹底要請(知事メッセージ)(令和3年1月12日)
兵庫県は、年明け以降の感染拡大状況を踏まえ、今月9日、京都府及び大阪府とともに国に対して緊急事態措置実施区域への追加を要請し、今月13日から、緊急事態措置実施区域に指定されます。したがって、今月14日から以下の取組を行うことにしました。県民の皆様、特に若い方々には、緊急事態宣言下であることを強く認識していただき、県民のいのちを守るため、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、さらなるご理解、ご協力をお願いします。

営業時間の短縮等

  • 飲食店は、20時までの営業、酒類提供は19時までとすることを特措法に基づいて要請します。

  • 劇場、集会場、運動施設、遊技場などの施設は、20時までの営業、酒類提供は19時までとすることについてご協力をお願いします。

  • 営業時は、業種別ガイドラインを遵守し、感染防止対策宣言ポスターの掲示、新型コロナ追跡システムの導入をお願いします。

外出自粛等

  • 緊急事態宣言対象地域をはじめ、リスクのある場所への出入りを自粛、20時以降の徹底した不要不急の外出の自粛を強くお願いします。

  • 毎日の検温、マスクの着用などの健康管理や換気を徹底してください。

  • 発熱、息苦しさ、味覚の異常など症状のある場合には、出勤、通学等を控えるとともに、すぐにかかりつけ医などに電話相談してください。

テレワーク等の推進

  • 人と人との接触機会を減らすため、在宅勤務(テレワーク)やテレビ会議などにより「出勤者の7割削減」をお願いします。

イベント開催要件の見直し

  • イベントは、人数上限5,000人かつ屋内にあっては収容率50%以下、屋外にあっては人と人との距離の十分な確保をお願いします。

この井戸知事からの要請で我々に関係するのは、外出自粛、テレワーク、イベントですが、体調管理に留意するのはもちろん、対面で会話する際のマスクの着用は現場であっても心がけてください。テレワークについては公共交通機関利用者がほとんどいないので7割減には応じる必要はないと判断します。3階のTUGIスタジオの活用等で今までと同じ様に距離をとって業務を行なってください。少人数のイベントについては予定通り開催します。何が不要不急かの判断については分かれるところですが、必要か否かは人それぞれですので、個々の判断にお任せします。

株式会社四方継 代表取締役 高橋剛志

コロナに対しての私の対応はこの様なものなので、結局、普段通りの生活とあまり代わり映えしませんが、それでも経営者が多く集まるお祝い事のイベントを一件延期を決定するなど、忙しく各所と連絡を取り合う事になりました。

急を要して重要なこと。

緊急事態宣言で真っ先に大きな影響を受けるのは飲食業の方々だと思います。昨年の年末に三宮の一等地、北野坂にある有名なビルで10数件の退去が決まっていると聞き及び、神戸の夜の街は灯が消えてしまうと本気で危機感を覚えました。年末年始のの書き入れ時もガタガタで、これまでなんとか持ちこたえていたお店も時短要請というより休業要請に近い今回の処置はかなりヤバイし、あまり萎縮せずに出て行ってあげないとまずいのではないかと思っています。なので、少人数の会合などは出来るだけ、キャンセルする事なく予定通りに粛々と行いたい、むしろ(感染しない様に細心の注意を払いながら)積極的に利用したいと思っています。大体、マスク、手洗い、ソーシャルディスタンス、そして普段から運動や食事で免疫を高める様に心掛けていたら、(20年以上風邪さえ引いてないし)コロナに感染することなど無いはずです。知り合いのお店を支援する方が急を要して重要な気がします。

失敗するしかない政府の対応。

今回の関西での緊急事態宣言発出を遅すぎたと言われる専門家の方が多くおられます。また、死亡率から見ると例年のインフルエンザとたいした変わりがないので、特定感染症から外して全く普段通りの生活をした方が良いと言う意見もあります。難しい舵取りを迫られる菅総理は、結局何をしても批判にさらされるわけで、コロナの感染拡大とともに内閣の支持率が下がるのは当然のこと、こうなることを見越して次期総理だと目されていた岸田氏が見送って、派閥に属さない菅氏が火中の栗を拾う覚悟を決めて総理大臣になったのではないかといるかってしまいます。翻って、それは私たち経営者にも同じことが当てはまります。何が正解かはわからない、それどころか正解自体がないのが今の時代なのかもしれません。自分が正しいと思える信念や心情、感性に従って選択、行動していきたいと思います。

風の時代に「進撃の巨人」を再読する理由。#逆転のパラダイム

令和3年1月12日雪のち曇り

初冠雪。

確かに昨日の天気予報で、近畿の南部でも雪が降るでしょう。と気象予報士さんが話されておりましたが、めったに雪が降ることがない神戸(の六甲山より海側)ではそんな大した事は無いだろうとタカを括っておりました。今日は火曜日、朝活の日と言うことでいつも通りに夜明け前からポートピアホテルで開催される神戸市倫理法人会のモーニングセミナーに参加した終了後、事務所に出社しようと車に乗り込んだら雨が雪に変わり始め、鵯越の峠を越す頃には視界も真っ白、周りには雪が積もり始めておりました。ほんとにイマドキの天気予報は驚くくらいによく当たります。豪雪地方の皆様、お見舞い申し上げます、ご安全に。

年頭のコーチングセッション

午前中は今年はじめてのビジネスコーチとのコーチングセッションでした。本来なら年頭のセッションと言うことで、今年1年間の抱負とか、ビジョンを語るのがコーチングを受けてるっぽいあり方だと思うのですが、ここ数年は普段からずっと中長期的な計画やビジョンを更新し続けていることもあり、改めて年頭にあたって話しておかなければならないこともなく、「今年も決めたことを粛々と進めていきます。」と、全くコーチングにならないような、取り付く島もないようなやりとりをしてしまいました。ま、毎月のセッションの中でビジョンについての共有はできているので問題はありません。(笑)

風を読む。

コーチとは今年の目標なんかより、時代の急激な変化についての風を読む話で随分と盛り上がり、ぼんやりと感じていることがコーチとのやり取りでずいぶんと言語化されて明快になりました。先行き不透明で不安定な今の時代、細かな計画を立ててKPIをチェックしたりするよりも大きな時代のうねりを認識するほうがずっと大事だと改めて感じさせられる時間でした。特に、溢れかえる情報の取得と何を正しいとするかの選択については深く考えさせられました。先日から話題持ちきりの日本にも大きな影響及ぼすアメリカ大統領選の結果は、日本のメディアではすっかりバイデン氏に決まっているのにトランプ大統領が悪あがきをしていると報道されているのに対し、全く違う、というか間逆の情報が巷に溢れかえるようになっており、アメリカで戒厳令が敷かれるとの噂まで飛び出してます。何が正しいのか全くわからない状況になってしまっていますし、先日は実際に連邦議会に暴徒が乱入したと事件が起こりましたし、何があっても驚かない位のつもりで生きていく時代になったのかもしれません。

今、読むべき本(マンガ)

話は変わって、本題に。上述の通り今までの価値観がひっくり返って全く違う世の中になったことを踏まえ、最近、これはもう一度読み直すべきではないかと感じたコミックがあります。それは「進撃の巨人」で、ずいぶん前に友人がSNS上で大絶賛しているのを見て、単行本を取り寄せて読んでいたのですが、いまいち何が名作なのかよくわからず、戦闘シーンがやたら長いのとそもそも絵がグロテスクで気持ち悪いこともあり、正直あまり熱心に読んでおりませんでした。コミックの購入もその当時発売されていた15巻位で止まったままだったのが、コロナの影響もあって?昨年Netflixにはまり、今一度アニメで見直すととんでもない凄い作品だと(今更ながら)思い知ったのです。内容についてはネタバレになるので控えますが、この作品ほどパラダイムシフトが繰り返されるコミックは私は今まで出会ったことがなく、アニメの作品を見れば見るほど唸らされました。価値観がひっくり返り、何が真実か、何が正義かが分からない今の時代にピッタリだと改めて感じ入っています。

なぜ今、進撃の巨人なのか?

今、私たちが置かれている状況はコミックの世界さながらの表と裏、右と左、正義と悪の区別がつかない時代と言っても過言でないと思います。昨日まで悪玉だ、民主主義の敵だと言われ続けていたトランプ大統領が、世界を牛耳る闇の組織からアメリカを守る正義の使徒だと応援され、バイデンファミリーの悪行の数々がネットで報じられたり、世界の平和を祈るはずのローマ法王が80もの罪状で逮捕拘束されたと言う報道があったり、日本では非常事態宣言を出しても出さなくても内閣総理大臣は厳しい批判にさらされたり、何が正解かわからないどころか、そもそも正解などこの世に存在しないことに気づかされます。そんな不可解で複雑な今こそ、物事を逆サイドから見て冷静に判断する思考が必要だと思うし、そのパラダイム転換には世界がひっくり返る体験をしておく必要があると思うのです。私は26年前に阪神淡路大震災でそんなパラダイムシフトを経験しましたが、今ではその記憶も随分と薄れつつあります。そんな現代の価値観の縮図ともいえるような進撃の巨人、ぜひとも改めて手にされる事を強くお勧めします。

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コロナ下の成人の日に際して。#自分の頭で考える日本の論点

令和3年1月11日晴れ

コロナ下の成人の日

3連休の最終日、今日は成人の日と言うことで、SNSでは満面の笑みをたたえ、晴れ着に身を包んだ新成人たちの写真が多く投稿されておりました。先行き不透明で、不安定、この先何が起こるかわからない弱々しく複雑な社会に飛び込んでこられる新社会人に心からエールを送りたいと思います。コロナ下で迎えた成人の日と言うことで、神戸市では成人式が一旦中止が発表されたものの、Twitterで批判が殺到し、無期限の延期に修正したとのことです。変化に機敏に対応するのは良いですが、自治体の首長さんにはもう少し慎重に判断してもらいたいものです。そんな波乱含みの成人の日に際し、若者たちに向けてエールを込めて餞の言葉を書いてみました。

新成人への餞の言葉

平成の最後から言われていたVUCA化(不安定、不透明、曖昧、複雑)な時代が本格化したとしか思えない昨年、そして、風の時代に入り今年はさらに今までの価値観を逆転しなければついていけないフェーズに入ります。年明け早々、緊急事態宣言が首都圏で発出され、今週末には関西でも宣言が出される勢いのコロナ禍は未だ勢いが止まることなく続いています。ウイルスの変異、変態、さらに中国では新たにブルセラ菌の感染症が増加しているとの報道もあり、現在のコロナに対処したからといって、感染症のリスクは消えそうにありません。多分、何事もなかったように、以前の世界に戻ることはないのでしょう。

世の中は不条理に満ちている。

今日は成人の日で、全国で新成人達が地元に戻って、責任と自由を同時に手に入れる喜びを噛みしめる日です。しかし、残念ながら、コロナの影響で中止や延期、もしくは入れ替え制での少人数の開催など、様々な対応が取られました。女性は一年前から晴れ着を予約して準備すると言われるくらい、大切な人生に一度しかないイベントが、いとも簡単に中止になってしまう世の中に不条理と憤りを感じた新成人も多かったのではないかと思います。

自分の頭で考えて。

私としてはとにかく、このややこしい社会に飛び出してくる新成人におめでとう!というお祝いの言葉を申し上げると共に、大人としての自由と責任を満喫して、素晴らしい人生を送ってもらいたいとエールを送りたいと思います。同時に、情報が溢れかえり、VUCAなこんな時代だからこそ、これからの日本を担っていく若者達に伝えたいのは、「自分の頭で考えて!」ということです。これまでの価値観が通用しない、メディアの情報は不安を煽るばかり、大多数の意見は大まか洗脳されていて、少数意見は主観が強い、検索で出てくる情報はフェイクニュースばかり、何を信じてわからない時代に、それでも生きていくという事は毎日、何らかの選択をする訳で、自分が正しいと思う判断基準の源というか、要を是非とも持って貰いたいと思うのです。

自分の意見を持てるきっかけになる本

そもそも何が本当かわからない時代に、独自の判断基準を持てというのも簡単ではありません。そこで、オススメするのは、左右、新旧、前後、保守革新と両面の情報を一旦取得して、自分の心がどこに反応し、何に対して正しいと思えるかをはっきりさせて見る事です。その入り口として、まず、「現代の知の巨人」と呼ばれる出口治明さんの最新刊、「自分の頭で考える日本の論点」を読んでみられる事を強くオススメします。たくさんの書籍を読むのが大変なら、沢山の本を読んだ人の意見を聞いて(読んで)みて、そこから違和感がある事、疑問が湧いてきた事を自分なりに調べたり、考えてみたりするのがいいと思うのです。この本には、新型コロナに対する対応、グローバリズムの是非、日本人の働き方、気候変動に対する考え方、憲法、AI、ダイバーシティー、少子化、ネット言論、移民、社会保障、医療、経済等々、今、大人として考えて見るべき論点が一通り挙げられており、それぞれに自分の意見を持てるきっかけを与えてもらえます。

若者よ反骨心を持て。

ちなみに、私は出口さんに直接メールで疑問に思った事をぶつけたことがありますが、返信が無いままで、少し不信感を持っているのと、この本の中の同氏の見解も半分くらいは違和感を持って読みました。大学の学長が書かれた本に対し、おかしいと思うことにははっきりと自分の意見を物申す、批判出来る位に自己の価値観、判断基準を持っている若者が増えれば、日本の未来は安泰だとおもうのです。決して、この本にに書かれている出口氏が解説するまことしやかなロジックを鵜呑みにする事無く、少しばかりの反骨心を持って自分の頭で考える。是非とも一度手にとって貰えれば幸いです。

高橋剛志拝

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謎の白い粉が出続ける家具を作ってしまった件。#クレーム発生

令和3年1月9日 曇り

豪雪お見舞い申し上げます。

最強寒波の影響で寒い週末となりました。信越や東北では何十年に一度と言われる豪雪に見舞われているようで、昔、信州に住んでいた時いくら除雪しても雪を除けた尻からドカドカと雪が降り積もり、朝起きて外に出ようとすると玄関が開かずに恐怖したことを思い出しました、今日は私たちの住む瀬戸内に面した温暖な気候の神戸でさえ、日中の気温が3度程度までしか上がらず、寒さが骨身にしみました。大雪に見舞われている方には心よりお見舞い申し上げます。

クレーム対応mtg

そんな寒さに震えた今朝もやっぱり早朝から起き出して工務スタッフとの1to1mtgをみっちりこなし、そのまま午前中は昨年末、造作家具を収めたお客様先で起こった面材の不具合のクレーム対応で材料メーカーとの協議の結果の報告と今後の善後策の提案をさせて頂きました。今まで長年使ってきた化粧面材が思わぬ商品特性を持っており、収納家具としての目的を達せるものでは無かったのは、完全に私たちの落ち度であり、材料に対する勉強不足で大変なご迷惑をおかけしてしまいましたが、担当したスタッフの真摯な態度をご評価いただき、前向きなご回答を頂けたのは本当によかったと胸を撫で下ろすと共に、理解ある顧客に恵まれていることを深く感謝した次第です。

謎の白い粉。

今回発生したクレームは、衣服の収納用の造作家具のご注文を頂き、多機能なオーダーメイドの収納家具の製作と取り付けをさせた頂いたお客様先で、家具の面材から白い粉が出続けるとの連絡を頂いたのがきっかけです。その材は建築面材のトップメーカーであるアイカ社の製品でBBボードと言われる耐摩耗性に優れた面材で、建具や腰板などにもよく使われている商品です。私としてはこれまで何十年もその材を使って来ており、そのようなクレームは初めての経験で、きっと製品不良だろうと思い、メーカーに問い合わせるように指示しました。しかし、アイカ社の担当者からの返事はその製品に不良などの問題があるのではなく、そもそもそのような商品です。との回答が返って来ました。これには私も随分と驚きました。

耐摩耗性が強すぎる面材。

実際に現場にアイカ社の担当者と一緒に出向きお客様への説明を聞かせてもらうと、このBBボード、非常に表面が強化されていて、10円玉で擦ると白い粉が表面に付着するのですが、それは面材ではなく10円玉の方が削れてピカピカになるのです。なので、指や衣服で擦れると摩擦で擦れた方の物体が削れてボードの表面に付着するとの事でした。BBボードが摩耗性に優れ、傷がつきにくいことは知っていましたが、ここまで強いというか、擦れた相手を削ってしまうとは知りませんでしたし、この事実を目の当たりにして私も随分と驚きました。お客様も同様に驚かれておられましたが、製品不良とかではなく、化学物質が出て来ていないことにとりあえずご安心頂けたようでした。

使えない家具。

BBボードの表面が強すぎて接触した相手を削って白い粉を出してしまうことは理解したのですが、今回の場合、引き出しの内面などにも全て同じ面材を使用しており、BBボード同士が擦れ合う部分にも多くの白い粉が発生しており、これでは、使い方云々以前に収納家具として使えないということで、全て引き上げて全て作り直すという判断をさせて頂きました。お客様には随分とご負担頂くことになり、収納されている中の衣類を全て出して頂いて年末に撤去させてもらいました。もちろん、設計の段階で面材の選定を行ったのはつむぎ建築舎の設計スタッフであり、全ての責任は私達にあるということで、当然ながら、撤去、作り直し、再設置にかかる費用は全て私どもで負担することになります。

家具に使えない家具面材。

ただ、長年使って来た材料が思わぬ特性を持っていたのを知らなかった不勉強、知識不足を悔いるのと同時に、面材同士が接触するような部位に使用する場合の注意喚起くらいはしておいて然るべきではないかとの疑問が湧いて来て、カタログや  HPを確認して見たところ、「耐摩耗化粧合板 マーレスボードという表記と「低価格でハイクオリティ。耐摩耗性、耐汚染性、耐薬品性、耐溶剤性に優れた高機能の化粧ボードです。」という説明書きがあり、webカタログで商品検索をしてみると、商品で選ぶ→家具・木工向け→化粧ボード→耐摩耗化粧合板となんの違和感もなく、商品選択に進んでしまう作りになっていました。昨日、アイカの担当者と支店長にお越し頂いてこの辺りの説明と、注意喚起の必要性を私の方から示唆しておきましたが、反映されるかどうかは今の時点ではなんとも言えません。

犯人探しではなく責任の所在。

また、私達が家具の内部にBBボードを選択した時点で使用に耐えないものになったと認めて全面的に仕様を変えて作り直す判断をした件についても、メーカー側に責任の所在は無いか?今回の件は全て私達の知識不足、勉強不足だけの問題として処理されるのかも問うておきましたが、まだ結論は出ておらず、まずはお客様に納得いただける状態になってから最終的な話し合いをして判断しようということになりました。とにかく、引き出しを出し入れする度に白い粉が出続ける収納など使い物にならないし、その責任の所在が誰にあるかなどはお客様には全く関係の無いことであり、出来るだけ速やかに注文通りの家具が使えるようにしなければなりません。ただ、使えない家具を作るような誰も喜ばない様な今回と同じような事が2度と起こらないようにすべきだと思いますし、実は表面に現れていないだけで、すでに全国各地で同じような問題が起こっている可能性も無きにしも非ず。お客様にご納得頂いた後に、その辺りもしっかりと煮詰めなければと思っています。

届きそうで届かない、近そうで遠いクレーム撲滅

私達株式会社四方継はこの新年から21期目をスタートさせました。創業からずっと私が目指し、言い続け、取り組んできたのはご縁を頂いたお客様に一生付き合ってもらえるくらいの圧倒的な顧客満足を提供する事、そしてその大前提としてのクレームゼロです。その為にこの20年間様々なことに取り組んできました。が、しかし、結果的に今回もまたお客様に多くのご負担をおかけする問題を発生させてしまいました。今回、お客様には担当しているスタッフに対して非常に好意的に接してくれて頂いてはおりますが、せっかく使えると思って衣服を収納した家具を撤去して、衣類を全て洗濯し直してまた収納し直す、本日もとても冷静に、建設的にお話いただきましたが、不便さと、そこに付帯する苛立ちや怒りは表面的に出されていなくてもきっとあると思います。私達はそのことを忘れることなく、不満を「良かった」に転換してもらうくらいの意識を持って真摯な対応を心掛けねばならないと思いました。クレーム完全撲滅、絶対にやらねばならない目標にもかかわらず、なかなか辿り着けません。。

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風見鶏からのメッセージが無駄に長い件 #爆弾寒波襲来 #水道管凍結注意喚起

令和3年1月8日曇り時々晴れたまに雪

爆弾低気圧寒波襲来

昨日、顧問先の年始の会議に出席するために京都に行ったら夕方ぐらいから気温が氷点下に下がり、京都はなんて寒いんだ!と思いましたが、今朝の神戸も負けず劣らず、日中でも気温は1度〜2度にしか上がらないこの冬一番の厳しい寒さになりました。早朝に工務スタッフとの1to1ミーティングを終えて、いつも河川敷にアイドル犬チャックとお散歩に行くと、川に沿って吹き上げてくる風が身体に突き刺さり、手袋を外すのさえ躊躇うくらい。爆弾低気圧と共にやって来た寒波、ハンパないです。こんな日は暖かな事務所でホットコーヒーとこぶ茶を啜りながらデスクワークに勤しむに限る、と思いつつも、結局昼から新築物件の土地探しのお手伝いや、ビルの改修工事のセカンドオピニオン、夕方からは空き家対策プロジェクトの会合と、結局、神戸市内を走り回りました。

地域コミュニティー事業のミッション

今日、出会う人が合言葉のように皆さん口を揃えて言われたのは、「ヤバいくらいの寒さですねー」でした。冬なので寒いのは当たり前ですが、めったに氷点下に気温が下がることのない、瀬戸内に面した温暖な気候の神戸では、日中でも1度や2度までしか上がらないと、まるで違う世界に来たような錯覚を覚えるくらいに寒さが身にしみます。(私が特に寒さに弱いからかもしれませんが、)この調子だと今日の深夜から、明日の夜明けにかけてかなり気温が下がって水道管の破裂や給湯器の故障が相次ぐかもなー、なんて思っていたら、弊社が手掛けている地域コミュニティーサービス、つない堂からのLINE連絡が入りました。会員さんに向けて、水道管破裂に備えましょう!との注意喚起で、株式会社四方継が掲げる理念、「四方良しの世界を作る」の一つ、「地域を良くする」ってこんな活動やし、こういうのがホント大事だよなーと、手前味噌ながら嬉しくなりました。以下に本文を転載します。

こんにちは!つない堂【tunai*do】です

昨夜からの爆弾低気圧により20年ぶりの寒波(snow)がやってきています。
須磨区の当家でも今朝はベランダのホースが凍結していました。
明日はもっと寒くなる予報も出ていますので対策を行われることをおすすめいたします。
屋外でむきだしになっている水道管や風当りが強い建物の北側にある水道管は特に注意が必要です。給湯器の配管は忘れがちなので念のためチェックをしてみてくださいね。
神戸市では対策方法、凍ってしまった場合の対処方法などをHPで公開しています。またyoutubeでは神戸市水道局が「風見鶏からのメッセージ~あなたの水道管凍らせないで~」という曲に乗せてとても分かりやすく紹介されていますのでおすすめです!どちらも画像クリックでご覧いただけますので早めの対策をしてくださいね。それでもご自身で対処できない状態になってしまった場合には「つむぎ建築舎」までご一報ください!

神戸市水道局の凍結予防ソング

こんな感じで、凍結予防についての具体的な方法は書いておらず、神戸市水道局のYouTubeに丸投げ(笑)。ま、神戸市での凍結対策といえば水道を少し開けてお風呂にでもチョロチョロと水を溜めておくのと、給湯器の水抜きを行なっておくくらいなので大まか皆さんご存知だと思うし、予防をしようと思うきっかけを提供するだけでも良いかとは思いますが。ただ、神戸市水道局がアコースティックギターの弾き語りに乗せて水道凍結の注意喚起ソングを作成していたのには少なからず驚いて、つない堂からのLINEで一緒に送られて動画を見てみました。題して「風見鶏からのメッセージ ~あなたの水道管凍らせないで~」です。こちら、

人は心(感情)で動く。

動画を見てみると、意外に本格的にシンガーソングされていて、しかも再生時間7分とまーまーの長さでした。そして、水道管の凍結予防の具体的な方法は最後の2分くらいで、本来の目的だけなら2分だけの動画でええやんか!と思わずツッコンでしまいました(笑)。しかし、今は風の時代。効率よりも効果性を重視する時代であり、無駄に見えることにこそ価値がある、理論的なことよりも感情や感性を重要視する方が結果的に良い結果に結びつくと言われています。人は理屈を知っても動かない。氷点下4度に気温が下がると水道管は凍結すると知り、天気予報を見てその気温になると知らされてもなかなか給湯器の水を抜こうとはしませんが、大切な水が使える環境を守ろうと切々と歌い上げるこの唄が面白いと思ったら心に残り、(このブログのように)話題に上らせることがあるわけで、寒波に備えようとする行動に結びつくかも知れません。まだ見たことが無い方は是非一度見てみて下さい。とにかく寒い週末になりそうです、ご安全に!


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大工に寿司屋のデザインを任せたらモールテックスのカウンターに仕上がっていた件。

令和3年1月7日 曇り時々雪

寒波襲来。

またもや強い寒波が日本列島に押し寄せてきて、厳しい寒さに震える一日になりました。今日は京都の顧問先の初出社の日と言うことで私も上賀茂神社への参拝と全体会議、そして社員大工育成と工務部の業務改革ミーティングに参加しました。顧問先の事業所がある京都の紫野という大徳寺近くの北のエリアでは夕方の時点で既に氷点下になる寒さで、昼から小雪が舞いました。京都はほんとに寒いところです。その事業所の工務メンバーとは年末にも8時間に及ぶ長時間のミーティングを行いましたが、その内容を踏まえて今日もガッツリと長時間の話し合いの時間を持ちました。非常に実践的な計画を立てる良いミーティングができたと思います。時間とミーティングの質が整合するとは思えませんが、しっかりと時間をかけて丁寧にコンセンサスを取るのは非常に重要だと感じた次第です。

お任せ工事

そんな寒かった今日、朝一番は大工の大ちゃんと一緒に、昨年末に着工し、ほぼ完成に漕ぎ着けた寿司屋さんの現場に完工のチェックに向かいました。1月中旬、もうすぐ新規オープンを予定している三宮のメインストリート、北野坂で工事を行なっていた「鮨竜」さんは隠れ家的なカウンターだけの小さな寿司店で、日本の食文化の頂点(だと私が思っている)の寿司を洗練された大人っぽい空間で食せるお店を目指されています。落ち着いた黒っぽい感じのインテリアデザインのイメージと予算だけをオーナー様から指示されて、「後はまかすので、自由にやってもらって良いです。」とご注文をいただきました。私もここは大工工務店の腕の見せ所とばかりに担当大工の大ちゃんに意匠から収まりまで全て任すと一任し、後は打ち合わせはおろか現場にも顔を出すことなく任せた物件です。

モールテックスとセンの無垢一枚板

年明け早々、そろそろ完成引渡なので見に来ませんか?と大工の大ちゃんに誘われて、今日久しぶりに現場を訪れたのですが、私が想像していたよりも、オサレな洗練されたお店になっており、大工としてのセンスを遺憾なく発揮されている仕上がりに(手前味噌ながら)これならお店の大将にも、オーナーさんにもご納得頂けるのではないかと自信を持ちました。特に、寿司店では珍しいモールテックスという左官仕上げのカウンターと花板さんが立つバックのタイルの統一感の中に現場造作で作った無垢材のセンの一枚板の建具を配した収納が存在感を示しており、なかなかやるねーと、素直に大ちゃんの実力を認めました。

大工デザインの意味

その他にも、カウンターに出される寿司を映えさせるカウンター上からのピンスポットのダウンライトの配置と、シンプルな中にも和風の雰囲気を醸す多可町産ヒノキの節が少ない羽目板の下がり天井、通路に余分な照明器具をぶら下げない間接照明の配置など、照明計画、建築照明にも細かな配慮がなされていたり、コストを抑えるのと意匠性を高める両方をバランス良くまとめており、玄関建具はコストカットの為に既存利用しようとの話もあったのを覆して、寿司店らしい無垢のガラス格子戸を作り直したり、必要な部分に費用をかける予算の配分も出来ており、デザイン、予算編成、顧客とのすり合わせ、施工をまとめて大工に任せる意味というか、価値を十分感じさせられる仕上がりになっておりました。

大工工務店のブランディング。

私達つむぎ建築舎は二十年前に大工集団として起業してからこれまで、自社の社員大工での施工、若手の職人の育成にこだわり続けて来ました。私の考える大工とは、単なる木工作業員では無く、現場全体を取り仕切り、顧客の要望をカタチに作り上げるプロデューサーであり、長年の使用に耐える耐久性と美しい仕上がりの高い品質を担保する現場管理者であり、数多くの現場経験を生かして、図面上の2Dでは無くリアルに空間イメージを3Dで想像出来るデザイナーであり、厳しいコスト管理を行い、顧客、自社、協力業者そして出入りする全ての職人さん達に納得して喜んで貰う現場経営者であるべきだと考え、無茶振りだとか、キツすぎるとか、こんなの大工の仕事じゃないとか、社員大工の面々から文句や泣き言を言われながらも「大丈夫、出来るって」と厳しい負荷をかけ続けて来ました。その長年の取り組みが大工工務店としてのブランドを作ると信じていますし、今回の「鮨龍」さんの物件のようにデザイナーも詳細設計を行う事無く、余分な費用をかけずして最低限のコストで良いモノづくりを実現する力を身につけてくれているのではないかと思っています。鮨竜さんのオープンに合わせて、お店にお邪魔しますので、私と一緒に大工デザインのお店で鮨を食したいと思われる方はお気軽にお声がけください。(笑)


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