令和3年1月18日晴れ
あの日を忘れない。
ポカポカと暖かい日差しの差す1週間のスタートになりました。昨日は神戸の建築に携わる者には忘れることができない1.17、阪神淡路大震災から26年を迎えたということで、京都の新選組ゆかりの壬生寺で追悼式典と虹と絆と未来のコンサートがあり参加してきました。神戸はさほど冷え込みませんでしたが、1時間強の短い時間のコンサートの間、小雨がパラついたりみぞれが降ったりと非常に寒く、京都の冬は厳しいとよく言われるのを体感してきました。震えながら聴いたピアノとバイオリンとチェロの三重奏は震災からの復興をテーマに作られた楽曲で非常に感動的で、収益を無視してこのような取り組みを継続的に行われている音楽家の方、そして主催者の皆様の熱く高い志に甚く感動してきました。ご縁をいただけたことに感謝です。
サラメシの日。
今日は年明けはじめての設計チームでのミーティングがあり、オリジナル造作キッチンのショールームが完成して初めてと言うこともあり、デザインの使い勝手の検証、実際に使ってみての経験則の積み重ねをこれから行うにあたり、私がスパイスカレーを作って振る舞うことにしました。予定では、ちゃんとスパイスを買ってきて調合して味付けをするつもりでしたが、先週大阪のショコラッタさんに打ち合わせに行った際、無添加の「カレーの壺」なるスパイスペーストを販売されているのを見つけて、今回はこれでいこう!とつい購入してしまったので、少しインスタントな感じのスパイスカレーになってしまいました。それでも、最近流行のレンコンを具に入れてみるなど、それなりに頑張ってみたところ、設計チームの面々からは75点から90点、平均85点位のそこそこの評価をもらうことができすっかりご満悦です。ちなみに、自己評価では辛さが足りず65点でした。次回は本格スパイスカレーにチャレンジしてみたいと思います。(笑)
ここは今から倫理です。
話は変わって、先日、夜中になんとなくついていたテレビを見ていると、「ここは今から倫理です。」と言うドラマの第一回目が放映されていました。倫理法人会の会員として愚直に倫理を学び続けている私としては興味をそそられてつい見入ってしまいました。それは高校の選択科目の倫理の時間を担当する教師が主人公のドラマで、生徒間で起こるいじめや不純異性交遊?の問題を皮切りに、実際に起こる出来事において倫理について学ぶといった内容で、倫理というのが取り立てて改まって学ぶ学問ではなく、普段の生活に密着し、常に関係していることを示唆しているドラマになっておりました。調べてみると『みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2018』ネクストブレイク部門2位を受賞した人気漫画が原作の様で、意外と地味で真面目なストーリーが若者に受け入れられているのだと少し嬉しくなりました。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い
そのドラマの中で、いじめられっ子だった少年が、友達や教師も含めて誰にも助けられなかった自分の辛かった体験をもとに、いじめられっ子に寄り添う教師になりたいと志し、倫理の時間を選択するのですが、その山田裕貴くん演じる倫理の教師が学校から少し離れた喫煙所でタバコを吸うのを目撃し、いじめられっ子にタバコの火を押し付けられそうになった記憶がフラッシュバックして、一気に嫌いになってしまうと言うシーンがありました。また他の教師が学校の敷地外の喫煙所でタバコを吸う主役の教師に対して厳しく非難するシーンがあり、生徒も同調してしまいます。私も愛煙家の端くれで、節度ある喫煙を心がけておりますが、法的に認められ、制限されていないところでタバコを吸っても見ているだけで嫌な思いをする人がいるし、よく無いこととの認識をされる時代の流れを感じてしまいました。喫煙人口の減少と共に、その風潮は加速して行くのでしょうが、倫理の教師にタバコを吸わす設定は悪く無いねー、なんて思ってみていました。
善なるものはわれこれを善とし、不善なるものもわれまたこれを善とせん
ドラマも終盤になって、その生徒が「僕はいじめられっ子に寄り添う教師になりたいんです!」と告白した際、倫理の先生が返したのは「いじめられっ子にも、いじめっ子にも誰にでも寄り添い、生徒を信じる教師になってもらいたい」との言葉で、それに続けて老子の残した格言を口にします。「善なるものはわれこれを善とし、不善なるものもわれまたこれを善とせん 」要するに、戦争も正義と正義の戦いと言いますが、人それぞれに正義を持っており、その考えを否定するものを悪と捉えると、世の中は諍いばかりが蔓延する、自分の正義を振りかざし、相手に押し付けたり、攻撃するのではなく、相手の考え方に耳を傾け、お互いの理解を深める努力をしなければこの世の中は一向に良くならないことを示唆しました。そして、タバコの一件を通して一つの事象を見て全てを否定する、十把一絡げ的に各論と総論を切り分けられなくなると、理性的なまともな話し合いはできなくなるのを示唆していた様でした。
倫理の時間。
実は今年になって私が毎朝取り組んでいるのは、倫理法人会に参加するともれなく配布される日めくりの小冊子「職場の教養」にある文章を読んで感想をスタッフ全員に個別にチャットで送り合うプチ文通です。熱心に感想を毎日書いて返してくれるスタッフもいれば、スルーしたままの人もおりますが、送るのは自分の課題なのでそれは別によくて、スタッフには少しでも心を磨く、倫理の時間を持ってもらえたらと思っています。ちなみに、昨日、その職場の教養に書いてあった文章は以下のようなものです。
2021/01/17 良薬は囗に苦し
Kさんは仕事柄、人前に出て話す機会が多くあります。その際に、いつも心がけていることがあります。そのきっかけは、Kさんがまだ新人の頃に、話し終わった後、ある先輩に言われた言葉でした。「あなたの話し方は、はきはきしていて気持ちがいい。だけど、はっきりものを言う話し方を、《怖い》とか《厳しい》と感じる人もいるかもしれないわ」。その言葉にKさんは、《そんなことを言われるなんて〉と落ち込んでしまいました。この件を職場の先輩に相談すると、「「良薬は口に苦し」というじゃないか。よく効く薬は苦くて飲みにくい。つまり、よい忠告は聞くのがつらいが、その言葉は身に染みてためになる、ということだよ」とアドバイスをもらいました。
中には、受け入れ難い、指摘や忠告もあるでしょう。そのような時には、相手はよかれと思って言ってくれたのだと、捉え方を変えてみる柔軟さが必要です。Kさんはそれから、人前で話す時には意識して口調を柔らかくし、表情も明るくするように努めています。今日の心がけ◆忠告に耳を傾けましょう
倫理とは実践が全て。
この文章に対して、私がスタッフに送ったのは、『「善なるものはわれこれを善とし、不善なるものもわれまたこれを善とせん 」と言う老子の言葉がありますが、正しいことは人それぞれ、自分の正義を盲信することなく常に人からの忠告、諫言、苦言には謙虚に耳を傾ける姿勢を持ちたいものです。』とドラマ倫理の時間で出てきた老子の言葉を引用しておきました。このように朝の少しの時間に倫理について考える時間を持ったからといって、人の行動や態度があっという間に変わったりする事は無いかもしれません。しかし、倫理とは本を読んだり講演を聞いたりして学ぶものではなく、日常の生活の中で起こる些細な出来事に対して小さな選択を行う際に、今、金、自分がよかったら良いと言う選択ではなく、未来につながる、価値のある、人様の為になる方向に一歩足を踏み出せるかどうかだと思うのです。日常の何気ない仕事の時間も、少しの意識をするだけで倫理の時間になると思うのです。
目に見えないものの代表は『心』
目に見えるものではなく、目に見えないものが価値を持つと言われる今の風の時代、目に見えないものの代表格は心であり、その心が作る状態です。先行き不透明で混迷を極めるこれからの時代を乗り越えていくために、私たちが行うべきはスタッフとともに自分自身が心を磨き、状態を整える意識を持って周りの人に少しでも良くなってもらうための行動を常に選択できるようになることだと思っています。NHKのテレビドラマで「倫理の時間」が取り上げられるのも、ひょっとしたら現代の世の中の風潮を取り込んでいるのかもしれませんし、見えないものを大切にする企業風土を作っていけるようにコツコツと、地道な努力を重ねたいと思います。そんな想いを伝えるのも全ては自分自身のあり方とそこから生まれる行動、実践のみ、電柱が高いのも、ポストが赤いのも全て経営者の責任だと自覚して倫理の時間を続けていきます。(笑)
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