平成31年1月12日 曇り
「すみれ暮らしの学校」餅つきでスタート!
今日はイベントの開催日、創業時から毎年欠かさず行っているお餅つきをTOTO西神ショールームのイベントスペースをお借りして行いました。私が子供の頃は、街のあちらこちらで年末年始にお餅搗きを近所の人が集まって行っておりましたが、徐々にそんな日本の伝統的な風習がなくなってきたのを寂しく思い、自分が子供の頃に楽しみにしており、嬉しかった経験を子供たちに体験してもらいたいと言う思いから続けています。残念ながら私は大阪での研修日と重なってしまい、朝の少しだけしか顔出せませんでしたが、ご参加いただいた方には楽しんでいただけたようです。すみれでは「家は建ててからがスタート」を合言葉に、今年も暮らしを豊かに彩るイベント「すみれ暮らしの学校」を毎月開催して参ります。よろしくお願いいたします。
赤点、落第、留年。
私といえば、昼前には大阪のグランフロントに移動して、Yahoo!大阪本社でのXデザイン学校の2018年度生の最終講座、研究生として1年間学んだ成果を発表する場へとチームの皆さんと最終のMTGを行なってから向かいました。UXデザインを学び初めてから3年目の終わりを迎える今回は、これまでのワークショップと言う練習ではなく、実業として事業化できる新たなサービスデザインを考案すると言うテーマを持って1年間、「建築× UXデザイン」と言うテーマを持って挑みました。その結果はと言うと、講師の浅野先生には「全くイノベーティブではない、ゲームチェンジになっていない、薄っぺらすぎる」と酷評を受け、講義の中で先生が提示されたサービスデザインを考える際に検証すべきチェックリストに照らし合わせると自己評価でも40点と完全に赤点、早々に留年が決定することになり、来年も改めて1から学び直す決意を固めた次第です。
類稀な幸運に恵まれた1年間。
また今回は、ベーシックコースの皆様のテーマも「豊かな暮らし」建築× UXデザインとしていただき、なんと、我がすみれ建築工房をサンプル企業として、10年後を生き残るためのサービスデザインを考案して頂くという素晴らしい機会に恵まれました。ベーシックコース4チームのプレゼンテーションを聞かせていただき、そのまますぐに事業化できるほど、完成度は高くないのは当然ですが、それでも今まで私が持っていた視点や、問題意識とは違う着眼点で解決すべき問題や、提供すべきサービスに大きな示唆を頂くことができました。お心遣いいただいた浅野先生、また私の事業の内容を研究し、提案くださったベーシックコースの皆様には心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。今回発表頂いたプレゼンテーションの内容を引き続き事業化に向けてチームを作って研究を重ねる話もあり、本当に素晴らしい機会を与えて頂けた事に感謝するばかりです。
Fail quickly and try it quickly
残念ながら、講師の浅野先生からは全く評価を得ることができなかった私たち研究生の“チーム1st place”が考案したサービスデザインをせっかくの機会だったので、備忘録がてら以下に記しておきたいと思います。UXデザインの根本的な思想は、ユーザの体験を調査してそこからユーザ本人も気づいていない問題点や改善点、願望等を抽出し、それを満たすサービス、デザインを見つけ出す(アウトサイドイン)と事業モデルとして成り立つ持続性やキャッシュポイント、マネタイズを整理する(インサイドアウト)の両面を統合すると言うものです。今日の講義の中で浅野先生が再度、強く訴えられたのは、観察調査とそこから抽出するインサイト(洞察、明察、物事の本質を見抜くこと)、イシュー(論点、争点)の重要性とその隠されたニーズ、表面化していない問題点を提案、解決するために考案するサービスデザインを出来るだけ早い段階で検証、評価、再構築を繰り返す事で、これまで何度もその重要性について示唆を受けて来たにも拘らず、利用状況の 把握と明示 → ユーザーの要求事項の明示 → ユーザーの要求を 満たす解決案の作成 → 要求事項による設計の評価のサイクルを回す事なく今日の日を迎えてしまったのは本当に悔やまれますし、学びが身体化していないというか、表面的な知識に止まってしまっている事を強く反省させられました。浅野先生が最後のスライドに映し出された “Fail quickly and try it quickly” の言葉が突き刺さります。。
「ユーザーの声は聞くな、行動を見ろ」はデザイン過程における 鉄則です。
ユーザーはデザイナーではないので、自身の仕事や生活の中で 既存の道具がもたらしている意味性を言語化できないのです
。サービスの企画者は、ユーザーは何かを求めているはずだとい う根拠のない前提に立って要件定義をしようとしますが、 多くの場合、何かを求めているのはユーザーではなく、企画者本 人なのです。
上野学:ソシオメディア
Tryfe 〜Try the Life~
それでは、そのボツ企画というか、酷評を受けて自己採点でも赤点という情けない結果になった私達の企画を以下に書き残しておきます。私としては、建築業界こそUX(ユーザー体験)をデザインする必要があると思っており、同じ業界の方に少しでもUXに興味を持ってもらえればという想いもあり、恥ずかしながら、一応の成果物を公開したいと思います。
オブザベーション
まず始めに取り組んだのはオブザベーションとい言われるユーザー調査で、今回私達のチームではこれからの住宅市場の中心層となる上場企業に勤めており、(将来にあまり持っていないと思われる)不安を20代〜30代前半の若者にインタビューを行いました。その結果私が知らされた衝撃の事実は、「高額の住宅ローンを長期に渡って支払い、住宅を取得するなんてあり得ない」というシェアリングエコノミーに違和感がない世代の人たちの「マイホーム願望ゼロ」の志向です。住宅産業と一言で言ってもその内容は幅広く、私達が行なっている注文建築市場というのはその中のごく限られた一部です。その顧客層はある程度年収があり、安定した生活をされている大手、若しくは中堅どころのサラリーマン、または公務員が大半を占めます。その層の若者がこぞって住宅を取得したいと思わない(というかあり得ない)という言葉を口にされたのは本当に衝撃で、注文建築市場の消滅を意味します。そのイシューを解決すべくサービスを考えようというのが出発点でした。
多様化の極み。
また、インタビューを重ねる上で見えて来たのは、自分好みの家を大金をかけて建てるなんてあり得ないが、住まい、暮らし、インテリアを含めたデザインに興味がないのではなく、逆に同じ世界観を持つコミュニティーの中で話題になったものには実際に足を運んで見に行くくらいの強い興味を示すという事です。その対象はこれまで建築業界が提案、提供して来たキラキラ、ピカピカ、真っ白、真っ黒のデザインではなく、昔からある古ぼけた本格焙煎の喫茶店がInstagramで話題になるように、リノベーション専門業者が「どうやっ!」と張り切ってHPに写真を公開しているのを見て、「どーしようもないですね、」と強烈なダメ出しをするなど、建築デザイナーが作為的に設計したものよりも、もっと自分の世界観に合うもので、ユーザー志向の多様化がここに極まったという印象を持ちました。私達のデザイン提案では通用しなくなるのを実感として持ちました。
体験してから始める新しい生活。
そのようなユーザー調査からあぶりだしたイシューに対して私達が考えたサービスは、そもそも賃貸住宅は圧倒的に最低限の機能と家賃による利回り計算のみで建てられており、多様性を持ったユーザー層には全く相手にされない現状を改善する必要がある、また、今後、地方だけでなく都市部でも圧倒的な空き家が出てくる事を踏まえて、これまでと違うデザイン、機能性、世界観を持った賃貸へ転換するにあたってのデザインの根拠となるデーターを集めるべく、(住宅に限らず)ライフスタイルをユーザーが投稿、集約するプラットフォームの運営で、ユーザーが自分にあった世界観を見つけることができる、また、投稿する事もできるサイトを作って、その中のお試し体験の一つに賃貸住宅もあり、自分好みの写真を選択すると住宅の提案が行われ、こんな物件ならいいかも、と思える住宅に短期間お試しで住んで見て、実際に体験する事で、満足できる家探しができるというものです。体験→賃貸契約になる人気物件のアルゴリズムを抽出し、世にミレニアム世代の若者が殺到する賃貸住宅を次々に生み出すことができれば、空き家問題も家は持ちたくないけど、自分らしいライフスタイルを持ちたい若者の両方のニーズを叶えることができるのではと考えました。
※ 写真はインターネット上で拾い集めたものです、不適切なものがあればご指摘ください。
プロトタイピング
サービスの実際の見え方、流れのプロトタイプとして作ってみたのが以下のスライド。アイデアを口で語り、文字でかくだけではなく実際の画面を作ってみるとサービスアイデアの実効性の難しさ、その欠点というか、改善点が浮き彫りにされます。今回も実際にこれはまずい、と気づいた点が多くありましたが、時間切れでそのままの発表になってしまった感は否めず、浅野先生の言う、“Fail quickly and try it quickly” (すぐに失敗してすぐに試す) の重要性、その理解の無さが今回の発表で酷評を受けてしまったのだと身に沁みて(今更ですが)よくわかりました。。
チェックリストを持て!
以上、こんなレベルのサービスデザインを考えるのに一年という年月を費やしたのか?と言われてしまいそうな内容ではありますが、これが私達が研究生チームとして今回、考えたサービスです。全体的には使いもんにならないですが、それでもこれからの建築業界が迎える大きな問題に対する解決策のヒントがあり、「若者は家を持たない、持ちたいとも思わない」というイシューを含め、大きな気づきを得させて貰うことができたと思っています。あと、最後の講義の中で浅野先生が自分たちが考えたサービスデザインの質は常に最新のチェックリストを更新しながら振り返り、その革新性、有効性、新規性、拡大性、運用性、等々をチェックするべきで、「自分自身でチェックリストを持っているか?」と問われました。学んだ事を実践に反映させるには学んだ要件をチェックリストに転換しておくというのは、当然といえば当然のことで、私が自分自身で行なっている研修でも最後にまとめのワークでチェックさせるにも拘らず、UXを学んで3年にもなるのに、自分のチェックリストを作れていなかったのには深く反省、当面は先生のチェックリストをそのまま流用させて頂きながら、ブラッシュアップを重ね続けたいと思います。
以上、2018年度の私のXデザイン学校大阪分校での学びのまとめです。チーム1st placeの皆様、ありがとうございました。そして浅野先生、来期も引き続きご指導の程、宜しくお願い致します。ありがとうございました。
職人進化論的原理原則(まとめ)
新しいサービスはユーザの体験を調査、問題点や改善点、願望等を抽出し、それを満たすサービス、デザインを見つけ出す(アウトサイドイン)と事業モデルとして成り立つ持続性やキャッシュポイント、マネタイズを整理する(インサイドアウト)の両面を統合すべき。
“Fail quickly and try it quickly” (すぐに失敗してすぐに試す)こそが成功の秘訣
「ユーザーの声は聞くな、行動を見ろ」が鉄則。
ミレニアム世代の一定層には「マイホーム願望ゼロ」志向が存在する
情報化社会は「自分の世界観」を見つけられるようになりユーザー志向の多様化がここに極まった。
学ぶなら、実践に落とし込む際に見直す、自分独自のチェックリストを作るべし。
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13 期オブザーバー参加申込書チラシ
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◆大阪 職人起業塾公開講座 第12期 神戸・大阪開催 オブザーバー参加募集
https://www.facebook.com/events/282975708886246/ ■2019年2月1日 9:30~18:00 NLCセントラルビル 3階大会議室 業務改革基礎研修4 – リスクマネジメントと日本式マーケティング理論 – 7.弱みこそ胸を張って伝える 8.三方よしとWIN-WIN アクションプラン策定研修 ■2019年2月22日 9:30~18:00 NLCセントラルビル 3階大会議室 建設現場における生涯顧客獲得、クレーム撲滅スキルアップ 検証研修1 ■2019年3月22日 9:30~18:00 建設現場における生涯顧客獲得、クレーム撲滅スキルアップ研修5 – 目的と手段の明確化 9.なんのためにを考える ■2019年4月19日 9:30~18:00 建設現場における生涯顧客獲得、クレーム撲滅スキルアップ 検証研修2 ■2019年5月10日 9:30~18:00 建設現場における生涯顧客獲得、クレーム撲滅スキルアップ研修 検証研修3
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