地域工務店とSDGsの親密な関係。

平成31年4月6日 快晴

タイムスリップ。

今日は人生初の茨城県笠間市からスタート。水戸線の笠間駅を降りて感じたのは古くて豊かな街だな、という事でした。日本三大稲荷の一つである笠間稲荷とその門前町には江戸時代から続く旧家が軒を連ね、名物である饅頭屋さんがセイロから水蒸気を立ち上らせており、また、駅周辺から少し離れた集落では綺麗に庭が手入れされた立派な門構えの古民家が多くみられ、苗字帯刀と同じ様に四脚門、長屋門などの門付きの屋敷の普請を許された「門あり」と、そうではない「門なし」という家の格付けの風習が今尚残っているとの事。まるで江戸時代か明治時代にタイムスリップしたかのような古き良き日本の文化が残されていました。日本の経済は東京に一極集中して地域の衰退が止まらないと良くニュース番組で取り沙汰されますが、実際に全国津々浦々を歩いて見ると日本の地方都市はまだまだ豊かな資源を蓄えているところも多くあると思います。だからと言って今まで通りの暮らしを続けていてもこの先も安泰とは思いませんが、各地域にある伝統や文化、そこにしかない景観や豊かさを見直す事で、成長発展は難しいかも知れませんが、持続可能な自立循環型コミュウニティーの確立は可能なのではないかと感じた次第です。

地域工務店の役割と責任。

昨日の行田市もそうでしたが、今日訪れた笠間市も職人起業塾の研修への参画にご興味を持たれている工務店の企業訪問に伺いました。両日ともお時間を頂いた会社はいわゆる地域No1工務店で、それぞれの地域のニーズをくみ取り、地域に密着した事業活動を繰り返す事で安定的な経営を叶えておられました。地震や台風などの災害に見舞われた際は特に顕著になりますが、私達が生業とする工務店という業態は地域のインフラを守り、そこで暮らす住民の安心と安全を担保する役割を担っていると言われます。地域になくてはならない存在であると私自身も思っておりますが、都市部では大手ハウスメーカーやパワービルダーと言われるモノづくりの会社ではない「住宅販売会社」に市場のシェアを握られている事が少なからずあり、私たちが住まう兵庫県もその例に漏れません。地方で圧倒的な影響力を発揮する工務店さんの活躍を見るにつけ、私達の持つ可能性を再認識させてもらえると共に、もっと地域に根を張った活動を深化させ地域と共に持続継続できるビジネスモデルを確立しなければとの想いを強くする今回の北関東の旅となりました。

SDGs(持続可能な開発目標)

昨日、事業所に伺ったJBNの大野会長は先月の京阪神木造住宅協議会の総会で神戸にお越しいただいた際に、その講演の中で、今世界中で注目を集めている国際目標、SDGsの概念を紹介されました。外務省のHPを引用すると「持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGsの後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます」との事で、大野会長はここに示されている17のゴールの殆どは既に地域工務店がその事業の中で取り組み、実現してきたものだ、我々日本の地域工務店こそが、世界が目指す事業形態への先鞭をつけていると胸を張られました。確かに、私達が10年以上前から取り組んできた住宅の設計思想は「自立循環型住宅」であり、目指してきたのは拡大ではなく地域とともに長く継続できる循環型持続モデルで、SDGsが話題になり出して久しいのに全く気にも留めていなかった私は大野会長の言葉に「はっ!」と気づかされました。

SDGs SDGs

17GOALS

ちなみに、SDGsに示されている17のゴールとは、以下の通り(出典:Wikipedia)

1:あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる

2:飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する

3:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

4:すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する

5:ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う

6: すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

7: すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

8: 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

9: 強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る

10: 国内および国家間の格差を是正する

11: 都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする

12:持続可能な消費と生産のパターンを確保する

13:気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

14:海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

15:陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

16:持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

17:持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

モノづくりの人材育成こそが地域工務店の1丁目1番地。

私達が事業の一環として取り組んでいる、健康的に暮らせる環境づくりとしての住宅の設計施工、社内外に向けての勉強の場の提供、女性の登用、地域住民を巻き込んでのイベント開催、コミュニティーの形成、外構工事での雨水利用の提案、太陽光発電と高性能住宅の組み合わせでのゼロエネルギー住宅の促進、地域経済の一環としての地域での雇用、建物の許容応力度計算による高耐震化、地域産木材利用の促進等々は全て持続可能な循環型社会を目指しての取り組みです。特に、売上、事業規模の拡大に背を向けて、自社社員大工による施工、その育成は、事業規模を縛ることは経営的には非常に難しく厳しい選択ですが、老朽化する住宅のメンテナンスや、自然災害時の応急復旧などを含めて地域のインフラを守るには「施工力」の保持が大前提であり、実際に現場で作業ができる職人の育成を行わずして、地域工務店の存在価値はないと思うからに他なりません。私が一般社団法人職人起業塾で行っている全国で唯一無二の現場実務者向けの現場での価値創造と、それを経営に結びつける研修は、地域工務店の1丁目1番地を守る非常に重要な活動なんだと改めて認識し、気を引き締めることとなりました。自社自らが地域の構成員である自覚は、持続可能な地域づくりへ貢献する事で自分達自身も持続を許される「三方良し」の商売感の根っこの部分であり、世界に誇る日本的経営の最たるもの。全てのスタッフが自分ごととしてお客様に向き合える姿勢こそが私達工務店が最も重要視すべきことだと改めて胸に刻み込んで社業に向き合いたいと思います。100年企業まであと21年、まだまだこれからです。(笑)


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日時は4.23 場所は三ノ宮のオサレコワーキング「WAY OUT」です!

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建築実務者向け実践型現場マネジメント研修
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次回の開催は4月17日(水) テーマは「タイムマネジメント」です。
時間(=人生)のマネジメントについて改めて考えを巡らす時間を持ちませんか?「今の時間の使い方で未来に手に入る成果は大きく変わるのは分かっている、でも、忙しいし、、」と私も長年悩み続けておりましたが、少しずつですがマネージ出来る様になって来ましたよ。(笑)

68回【元祖】職人起業塾&波動セラピー


◆一般社団法人職人起業塾オフィシャルサイトリニューアルしました。

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