意思ある所に道は開ける。@西粟倉村フィールドワーク

令和元年6月6日 晴れのち曇り

憧れの西粟倉村へ。

今日は岡山県の北の端っこ、鳥取県との県境近くの山間の村落、西粟倉村にきています。朝会メンバーの堀口さんの紹介で、知り合った方がここ粟倉でゲストハウスを営んでおられ、ひょんな話の流れからその建物が冬になるとやたら寒い、なんとかしたいとの要望をお聞きしたので、断熱改修のアドバイスに現地調査に伺いましょうか?と私が申し出たことから今回、泊まりがけで現地調査に来ることになりました。というのも、初対面でお互いの自己紹介がてらこんなビジネスや考え方で活動をしています。と言ったような話をする中で、丹波での古民家改修を行っているのが話題に上り、無断熱の住宅の寒さの酷いこと、それをなんとかすべきだと現在思案中だと申し上げたのがきっかけになりました。類は類を呼ぶというか、意思ある所に道は開けるものです。(笑)

理想と現実をつなぐ提案。

ゲストハウスの現場調査は事前に築年数や外観写真を見せて頂いて予測していた通りの建物で、窓はアルミサッシ、床下と天井はほぼ無断熱で真夏や真冬の厳しさは想像に難くなく、宿泊施設として稼働されるには性能向上を考えるべき建物で、本来なら全面的な改修をお勧めしたい所ですが、既に営業されていることもあり、工期及びコストのことを鑑みるとあまり張り切った提案をしたところで現実的で無いと判断して、段階を踏んで出来るだけ簡易で費用対効果の高い断熱改修をしませんか?と提案することにして、神戸から離れていることもあり、施工指導を行うので、簡単な作業については自分たちでされてはいかがでしょう?と今回もDIY改修をお勧めした次第です。

断熱改修のセオリーと現実の優先順位。

建物の断熱性能(断熱と機密の性能)を高めるのに最も効果が大きいのは何と言っても開口部の改修です。サーモグラフィーで計測してみるとシングルガラスのアルミサッシは外気温と同じ温度になっていました。サッシ枠ごと交換してペアガラス、もしくはトリプルガラスに交換すると室内環境は大きく改善しますが、費用的な負担が大きくなるし、インナーサッシを取り付けるのは意匠的に少し問題があるので今回は見送り、その代わり無断熱の床下と天井裏への断熱材の重点と、土のままになっている床下の土間への防湿シートの敷き込みに焦点を絞ってDIYで出来る事と専門技術を持った職人による施工を組み合わせた断熱改修プランを提案することにしました。ゲストハウスという業態ではきっとその方が合っていると思うのです。西粟倉に宿泊に来られる方の体験が快適なものになるお手伝いができれば幸いです。

西粟倉村でのフィールドワーク。

今回、神戸から1時間半程度の距離にある西粟倉に泊まりがけで来たのには理由があり、ここが自治体と住民、IUターン者、移住者が一体になって地域活性化の取り組みをされている先進的な村で、ローカルベンチャーと言われる地域創業の先駆けとなった地域で、以前から一度来てみたいと思っていたからです。今回、ひょんな流れから訪問するご縁を頂けた事に機に、ローカルベンチャー、地域活性化、そして地産元木材の利活用について学ぶ機会になればと思い、断熱改修の建物調査と打ち合わせと別に時間を取るようにしました。もちろん、ローカルベンチャーのメッカの人気のゲストハウスに泊まりたかったこともあります。(笑)
以下に短い時間でしたが大いに感動し、勉強になった西粟倉村でのフィールドワークのまとめを書きこのしておきたいと思います。

バイオマスのあるべき姿。

ここ、西粟倉村は面積の約95%が山林、その内の約85%を杉や檜などの人工林が占め豪雪地帯で、すぐ近くにスキー場がいくつもあります。その潤沢な森林資源を活かして地域を活性化するべく、自治体とベンチャー起業、そして地元の住民が手を携えて様々な試みにチャレンジされて結果を残されています。詳しくはこちら→http://throughme.jp/region/nishiawakura/
今回、宿泊させてもらったあわくら温泉元湯でも温泉をの湯を沸かす熱源は薪ボイラーを使っており、地元の間伐材の有効利用をされていました。兵庫県で建てられた巨大バイオマス発電所等の地域の循環と別の視点になってしまっている環境事業とは一線を画す、バイオマスのあるべき姿がここにはあります。

YOUBIでの奇跡。

「フィールドワークに行ってきます!」と、ゲストハウスを出発して、真っ先に向かったのは建築に携わる者なら必見の「YOUBI」さん、圧倒的な迫力の木組みの建物は木造建築の持つ可能性を無限に広げてくれると共に、この建物を全国のボランティアの人たちと一緒にワークショップで作り上げたとの事実を前に建物の前に立つと胸が震えます。残念ながら予約制なのでショップは閉店しており、外から食い入るように中をのぞいていると、隣の工房で作業していた職人さんが声をかけてくれて、「よかったら中もみて行かれませんか?」と言ってくれました。おまけに、地元の檜の間伐材を材料に作り続けている家具製作のこだわりや堅木では無い檜を使うことの難しさ、逆に良いところなどを話してくださいました。ちょっとした奇跡です。HPはこちら→https://youbi.me
YOUBIさんの工房全焼から再建への物語はこちら→https://greenz.jp/2018/06/26/youbi-2/

良い木は育てるもの。

YOUBIで家具職人さんに地元檜の間伐材のみを使って家具を作っていると聞いて、ふと疑問に思ったのは、建築業界で無地と言われる節がない檜は非常に高級で、しかも中々無いことから、いくら家具なので小さな材で良いと言っても間伐材でそんなに綺麗な木ばかりが取れる訳がないということです。その職人さんに聞くと、森と一緒にものづくりをしているからこそ出来ていると、当然といえば当然の答えが返ってきました。森の手入れをする人がいてそこで生産される綺麗な木材に命を吹き込んで価値を形成し、その認められた価値が森へと返って、次の森を育て、守る資源となる。私たちが思い描く一つの理想の形を実現されていて、それがしっかりとビジネスになっているのだと実感させられました。

愛情をかけられた美しい森。

「じゃあ、森を見に行こう!」となるのはごく自然な流れで、YOUBIさんを後にして私が向かったのは、ほぼ鳥取県との県境、西粟倉村の北の端に位置する若杉天然林です。深い森に車を進めると確かに綺麗に枝打ちされて、地面にまで陽が届く整備された森は大切に育てられているのがヒシヒシ伝わってくる愛を感じられる森になっていました。伐採された日当たりの良さそうなところにはプラ板で保護されて大事に植えられている苗木が等間隔で並び、価値の高い木材を産出する取り組みと同時に、50年後の次世代に向けて森を循環させているのが顕著に表れていました。元ゆ、YOUBI、若杉の森、旧影石小学校とそこでお店を営まれている人たち、西粟倉村で出会うものや人のすべてに「意思あるところに道は開ける」とのアメリカの奴隷制度を撤廃したリンカーンの言葉が自然に脳裏に浮かんでくる、そんな大きな勇気を頂ける体験となりました。ご縁に心から感謝いたします。ありがとうございました。深謝。


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担当 西田、岩川、西村

☆☆内容☆☆

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