令和2年11月2日雨
久しぶりの雨
神戸で久しぶりに降った雨は、朝から晩までよく降り続きました。昨日の日曜日は霜月の御朔日と言うことで、朝から近所の氏神様にお参りに行ったり、毎週日曜日のルーティーンである大蔵海岸にランニングに行った後、露天風呂浸かったりしましたが、11月とは思えない位、暖かな陽気で、とてもすがすがしく11月のスタートを切ることができました。終わりよければ全てよしと言う言葉がありますが、スタートが良ければ後の経過も良くなるもの、雨降りを1日待ってくれたお天道様に感謝しきりです。
御朔日イベント
今月から、新しい御朔日の習慣として、朝活のメンバーと、今年コロナで大打撃を受けて苦しまれた飲食店さんに、激励の意味を込めて食事に行く会を催すことになりまして、昨日はその1回目と言うことで三宮の市役所の上にあるシャンカルと言うカレー料理屋さんに行って大いに盛り上がりました。私が若い頃には、飲食店のオーナーさんは皆さん、御朔日に忙しいく店が繁盛すると、その1月は縁起が良いとたいそう喜ばれたものでして、インド人の店員さんに説明したところ、なるほど、と納得&喜んでもらえたようでよかったです。甚だ微力ではありますが、神戸の地元の飲食店さんの応援を仲間とともにコツコツと続けていきたいと思います。
大阪都構想否決
そんな楽しいながらも若干飲み過ぎた日曜日の余韻を引きずって、朝目覚めてみるとテレビの情報番組では大阪都構想が否決されたニュースでもちきりでした。なんでも、前回に引き続き非常に僅差で大阪維新の会の政策が大阪府民からNOを突きつけられて知事も市長も任期を終えたら政治の世界から退くような報道がされていました。私個人としては、橋下元市長の「大阪都構想」なる本を読んで、少なからずこれからの日本では地方分権を進める必要があると思っていたこともあり、大阪府の新たなチャレンジには期待を寄せておりました。少し残念な気もしますが、大阪の人たちの選択なので変わりたくないと言う人が多いと言うのを事実として受け取るしかないのだと思います。
変化を好むのは子供
大阪都構想否決の報道を見ていて、以前に、誰かの本で「変化を求めるのは子供で、歳を重ね大人になるに従って人は変化に対して臆病になり、嫌うようになる」と書かれていたのを思い出しました。その本の文脈では、世界は常に変化しており、その変化に対して適応できないものは排除されていくしかなく、生き残っていくには常に変化に対して前向きに向き合う必要がある、変に大人ぶって変化を忌み嫌うのは、衰退への第一歩である。と、いくつになっても子供心を忘れずに新たなことにチャレンジする気持ちを持ち続けるべきだといった内容だったと記憶しています。その一文を読んだとき、確かにその通りだ、変化をいとわないように気をつけようと思ったことだけは、今もしっかりと覚えています。
対案無き現状維持かよ
この度の大阪都構想の否決は、その政策の良し悪しでNOを突きつけられたと言うよりも、変化を嫌う大人たちが面倒な改革を拒否したのではないかと勝手に思っておりまして、現状は決して理想的な環境にあるわけでも、未来に対して明るい希望が満ち溢れているわけでもないのに、リスクに目を向けず、改善する意欲を持っていない年寄りが多く投票に行っただけではないのかなんて思ってしまいます。逆に、これからの大阪を担っていく若者たちも、これから劇的に生産人口が減っていく日本で、本当に旧態依然のままの政治の枠組みで、市民生活が良くなっていくのかを真摯に向き合って考えたのかと疑問に思ってしまいます。もちろん、じっくり考えられた方もおられるでしょうが、新たな構想を否決するなら対案を出して今後の不安を解消してくれるような道筋をつけるべきではないのかと思うのです。
他山の石
そして、この変化を嫌う大人の問題は、決して大阪府だけのことではなく、私たちのような小さな事業所の組織運営にあっても同じような現象がしばしば見受けられます。未来を標榜し、理想を実現するために足元を見直して、変化する組織でなければ生き残っていけないと言う危機感をいくら説明してもわからないまま、未来に対しての責任を負わないものが、深く思考を巡らすでもなく、新たな取り組みを拒むだけで、何ら対案を出すわけではなく、ただ居心地が良いだけの現状にあぐらをかこうと人は誰しもしたがります。できない理由をことさら並べ立て、どのようにしたらうまくできるかを考えることから目を背けます。そんな変に大人ぶった組織になると、これまで積み残してきた問題の改善もできなくなり、衰退の一途を辿るしかありません。
根底に横たわるイマカネジブン思考
ずいぶん昔になりますが、とある設計スタッフと面談してる時に、「そんなに毎年、目標を決めて取り組まないといけないんですか?」と聞かれたことがあり、愕然とした覚えがあります。あらゆる人が目標設定をして、それに対して一生懸命取り組まなければならないとは言いませんし、そんな事はこれっぽっちも思いませんが、それは必要な成果を出し続ける力を持った人の域であり、できないことだらけ、たいした価値も生み出せない状態で、自分から考えることもなく、言われたことをやるだけの人では職業人として寂しすぎますし、周りの人に対して何の貢献もできません。今だけ金だけ自分だけ良ければ思考の最たるものになってしまい、結果自分自身をおとしめてしまいます。そんなことにならないようにするのが私たち経営者の役割ではありますが、人は変えられないと言われるように、本人に全くその気がなければどんなサポートも意味をなしません。
フューチャーペーシング
話を戻して、大阪都構想の住民投票の事前調査では、採択される可能性の方が高いと言われ続けてきました。前回の住民投票でも誤差の範囲と言われる位僅差で否決されたこともあり、2度目のチャレンジは大阪維新の会としては万全を期して投票に挑んだだろうし、そもそも地方選挙では維新の会が圧倒的な支持を得ている現状を鑑みると、採択されると思ってもおかしくありません。それが否決された背景にあるのは、吉村府知事、松井市長が改革後の未来のビジョンを大阪府民と共有できなかったことにあるのではないかと思っています。改革には当然痛みが伴いますし、二重行政の解消は公務員を減らすことにもなり、いいことばかりでは無いのは誰の目からも明らかですが、それを乗り越えた先にもっと素晴らしい世界があるとのイメージを大阪府民にに渡しきれなかったと思うのです。これは、私たちが取り組む社内改革でも結局同じことで、今回の大阪維新の会の敗北を他山の石、自分への戒めとして捉えたいと思います。
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