残酷で絶望的な世界。#アメリカ大統領選に思う

令和2年11月5日晴れ

歴史に残る接戦。

世間はアメリカ大統領選挙の速報で持ちきり。4年前、泡沫候補と言われていたトランプ氏が奇跡的な大逆転で大統領に選出され、これから世界はどうなることかと心配の声が多く上がっていたのを思い出しながら、私も興味深く朝から報道番組を見てしまいました。冷静に見ると、バイデン候補の方がどう見ても大統領の風格や、品があるし、似つかわしように見えますが、よぼよぼのおじいさん感も拭えず、認知症の疑いがあるようなじいさんに大きな権限を与えても大丈夫か?との声もなるほど一理あると思ってしまいます。一方で、トランプ氏はパリ協定の離脱を始め、近視眼的な自国の利益重視を前面に出されており、そんな人に大国の舵取りを任せるのはどうかと思ってしまいます。しかし、優秀なビジネスマンらしく、善し悪しにかかわらず公約を実行した実績は認めるべきだと思いますし、コロナで混迷を深める世界においては、足元の経済重視の政策を実行する力も必要な気がします。結局、どっちもどっちですね。(笑)

民主主義の根本的欠陥。

選挙の報道に対してそれぞれの立場の人が様々なコメントを出しているのを見て、意外にトランプ氏を支持する人が多いことに今更ながら気づかされました。その根拠はと言うと、大まか自分自身、もしくは自国にメリットがあるなしで判断しているように感じます。これは今回のアメリカ大統領選に限らず、先の大阪都構想の住民投票も然り、日本の国政選挙も然り、政策と言う名の予算の配分が自分に有利になる候補に1票を投じたいと思うのは、致し方ないというか、避けることができない人間の性なのかもしれません。考えてもみれば、投票する人にとって利益誘導のための選挙が定期的に行われ、潤沢な選挙資金を持っている候補が当選すると言う民主主義の構図は、世界が成熟に向かうのとは常に真逆の方向の結果を出し続けるのかもしれません。ポピュリズムと言われる衆愚政治に陥る宿命を民主主義は常に内包していると言うことなのでしょう。

世界は成熟に向かって進化する。

私が子供の頃、半世紀近く前から考えれば、今は夢の21世紀になっており、私たちの生活は当時からは想像がつかないくらい、ものすごく便利で、テクノロジーの進化の恩恵を受けています。あらゆる情報は一瞬にして手に入り、欲しいものは家にいながらにしてすぐに届けられます。日本人の貧困率が高くなっているとの報道も目にしますが、私の少年時代に比べるとやっぱり今の世の中は物質的な面で見ると随分と豊かになっていると思ってしまいます。しかし、それとは裏腹に、人々の精神的な部分はあまり変わっていないというか、どんどんセンシティブになって、生きにくい世の中になりつつあるのではないかと感じてしまいます。私は若かりし頃、世界は成熟に向かい、より良い世の中に変わるのだろうと思っていましたが、最近、思いの外そんなことはないのかと思い始めました。これは民主主義の根本にイマカネジブンの志向が反映される事と少なからず関係性があるのかもしれません。理想を掲げて、今ではなく未来のための選択をしなければ世界は良くならないですが、それが政治に反映されないのではないでしょうか。

絶望の世界。

世の中の良し悪しを測る指標の一つに、絶望して自ら命を絶つ人の数の推移があります。自殺者数は景気に大きく影響を受けると言われており、完全失業者数の推移と同じグラフを描きます。その面から考えれば、テクノロジーの進化の恩恵を受けて、国際的な競争力を身に付けたことで物質的に豊かになった現代の日本は失業者数を減らし続けており、それに連れて絶望を感じる人も少なくなっていると言われています。しかし、それでも昨年の自殺者数は2万人を超えており、単純計算で1日に60人程度が死を選びました。新型コロナよりももっと重要視して対策すべき深く大きな問題です。そして、何よりも問題なのは子供の自殺が激増していると言う事です。新型コロナによる自粛生活で家に引き込こもることが増えて、社会との関わりが減少したからか、今年四月の自殺者は昨年比で大きく減少したとの報道がありましたが、年単位での推移では子供たちの絶望は年を追うごとに増え続けており、社会が生きにくくなっていることを示唆しているとしか思えません。

 

 

 

 

 

 

 

志を以って万事の源となす。

若者、子供たちが絶望する原因は、私たち大人が作っている世界が生きるに値しないようなくだらないものになってしまっているとしか思えません。それは現代の政治も社会も企業も学校も、ありとあらゆる「社会」を構築する組織とそこにいる人が未来に希望を与えることを考えられずに、イマカネジブンだけ良ければいいのだと言う論理で回っている証左ではないかと思うのです。それが最も分かりやすく表出するのが選挙であり、その選択を行う人が自分の利益誘導ではなく、本当に世の中を良くしてくれる、次世代を担う子供達に良い環境を残してやれる、今より少しでも良い世界に変えて人生を終えたいと思う人を選ぶこと、そしてその前にそのような人が政治を志すような風土、風潮を世の中に起こしていくしかないと思います。それはまず、身の回りの小さなコミュニティーから始めるべきであり、まず隣人に対しての思いやりを持つ所からではないでしょうか。何気ない日常、普段から、青臭い理想論をたたかわせ、志を行動に移す人を一人でも増やすことが私たち大人の責務ではないかと思います。残酷で絶望的な世界を残すわけにはいかないのです。。


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