学生を職人に誘うならお前がなれよ。〜建設職人甲子園インターンシップ生への叱咤と激励〜

令和2年11月21日 晴れ

実践人の会

今日は博多駅前のホテルで目を覚まし、少しゆっくりして午前中に帰神。連日夜明け前に起き出して、朝1番に移動、日中は熱く語り続け、夜もがっつり飲みながら様々な人たちと懇親を深める忙しく、充実した九州出張の余韻を若干引きずりながら神戸に戻ってきました。今日は午後から、国民教育の父と言われ、没後30年近く経った今なお、その教えを守り、実践する人が全国に数多くおられる森信三先生の教えを忠実に守る「実践人の家」の秋季研修会に参加させていただきました。コロナ第3波が襲来し、メディアでは連日5名以上の会合は控えましょうと感染防止のために、大勢の人と集まるのが罪だと叫ばれている中、コロナに負けるかとばかりに100人もの人が集まり熱心な学びの時間を持っておられました。

心が動く講演会。

今回私は、あんな風に歳を重ね、かっこいい老人になりたいものだと以前からあこがれの的である行徳先生が登壇されると聞いて、一も二ももなく参加させてもらうことにしたのですが、講演をされた、松井秀喜をを始め多くの名選手を育てたとして高名な星陵高校野球部の山下監督と、森信三先生をして教育の奇跡を起こしたと評された立腰教育の草分け、福岡の仁愛保育園の古賀理事長のお二人のお話は久しぶりに素晴らしい講演を聞かせてもらえたと思える感動モノの講演会でした。そして、そのお二人と共にパネルディスカッションに登壇された行徳先生はファシリテーターからの質問や振りなど全く意に介さない独壇場で、同氏がよく引用される野鴨の話を迫力満点で話されて私の期待に応えてくださいました。(笑)
衝撃的に感動した研修会の内容についてはまた改めてまとめをこのブログで紹介したいと思います。

建設職人甲子園九州支部

話は変わって、、昨日は筑後での若手大工育成Pの講師を務めた後、博多の赤坂に立ち寄って、建設職人甲子園九州支部の例会のイベントに参加しました。これまた初めての参加でしたが、以前からサポート会員として関わっている建設職人甲子園の活動の中で、九州支部が非常に活発な活動を繰り広げられているとの噂を聞いていたのと、一般社団法人職人起業塾の福岡クラスに参画されている左官集団、道下組がその活動に熱心に関わっていると聞き及んでいたこともあり、丁度筑後の研修から帰る日とイベント開催が重なっていた事をこれ幸いと参加表明した次第です。森信三先生の遺訓に「人間は一生のうちに逢うべき人には必ず逢える。しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に。」との言葉がありますが、通りすがりに立ち寄っただけでご縁が広がり、倫理法人会繋がりで話が盛り上がって、なんと、来年2月に福岡市倫理法人会のモーニングセミナーで講話をさせてもらう事になりました。ご縁がご縁を生み、広がっていくいつもの感じ、これだから思いつきでの行動はやめられません。(笑)

コロナを言い訳にした反省と代替活動

そんな副産物?もあった建設職人甲子園九州支部のイベント、随分と楽しい時間を過ごさせて頂きました。コロナ第3波の襲来が取りざたされる中、理事長の高良さんは、「今年のイベントをコロナを言い訳にして中止にしてしまった事をすごく悔やんでいる、来年は何が何でも例会も、甲子園イベントも行います!」と熱く語られていましたし、今年のイベントの運営ありきでインターンとして参加していた(と思われる)福岡大学の学生さんはイベントには携われなかったけど、その代わりに建設業が抱える職人不足、若者離れを食い止めるべく、高校の卒業生などの若者達に建設業に興味を持ってもらい就職してもらえるようにと一所懸命に学校巡りをして、職業体験や建設業経営者による出前講座を売り込んでいるとの事でした。そして、その経験を元にビジネスモデル刷新のプランをまとめ、年末のビジネスプランコンテストに登壇して入賞したいと鼻息荒く話されてました。産学コラボしての取り組み、本当に素晴らしいと感心する事しきりでした。

無責任な就職支援活動。

イベントも終わりに近づき、お酒も少し入って場に馴染んできた私は、学生さんたちにせっかくなので、ビジネスプランコンテストで認められるようにアドバイスをしておこうと思い、数名の学生を捕まえて話をしました。「学校を回って建設業に、職人として就職しませんかとPRをされているのは我々受け入れ側にとっては非常に嬉しいことではありますが、新卒で就職する学生さん達にとって本当にそれはいいことなの?」と少し意地悪な質問をしてみました。実際、彼ら福大生は卒業してから誰1人として建設業界で働くことを望んでおらず、逆に言うと、高校生たちに建設業に来ないかと誘ってはいるけれども、それは人の人生なので自分には関係ないと、自分たちはそこに飛び込む気はさらさら無いけど、人手不足で困っているから行ってあげたら?的な無責任極まりない活動ではないのかと厳しい言葉を投げかけておきました。学生さんたちは、建設業のおっさんに感謝されるはずの活動をしているのに、まさかそんなことを言われるとは思ってもみなかったようで、神妙な顔をして私の言葉を聞いておりました。

建設業が若者に忌み嫌われる理由。

私としても、少し厳しいことを言い過ぎたかと思いましたが、せっかく大学に在籍している中で社会との関わりを持ち、問題解決に取り組んでいるのだから、上っ面の対処ではなく、根本的な問題解決につながるような活動をしてもらいたいと思うのです。学生チームのリーダーに聞くところでは、高校を訪問して先生方に建設業への就職を増やせないかと相談すると、どうしても学生は大手や中堅どころの製造業を選ぶと答えが返ってくるようで、要するに安心して就職できる安定した労働環境が整った就職先を高校生は求めており、建設業はその部分が他業種に比して圧倒的に遅れている現実が如実に反映されていると言う事です。ただ、私達(つむぎ建築舎)もそうですが、建設職人甲子園九州支部に参加している左官の職人集団、道下組さんなど、職人の正規雇用とキャリアアップシステムの構築に注力されておられる会社も中にはあります。そのような会社をピックアップして、建設業でも心配なく就職できる、そして技術を身に付けることで会社に頼らなくても生きていける力を身に付けられる。そんな人生全体を見据えた観点で、高校を卒業する学生さんたちが魅力に感じるところをしっかりとアピールする活動をしてもらいたいと思うのです。

 

甘えと諦めがイノベーションの芽を潰す。

これから建設業界は圧倒的な人材不足を迎えます。福大の学生さんたちが、若者に見放されて久しい建設業が抱える根本的な問題に焦点を合わせ、それを解決するスキームを考え出して、建設事業者と学校の橋渡しが出来る様になったなら、ビジネスプランコンテストで優勝する事も夢では無いし、なんなら学生ベンチャーで起業しても大きなビジネスチャンスがあると思っています。学生さんがインターンシップで企業に入り込んでプロジェクトに取り組む事は良くありますが、格好いい商品を開発するとか、認知を広げて購買を促進するとか、上っ面を滑る、対処を繰り返すだけの子供騙しの取り組みだと感じることが少なからずあります。ま、所詮子供の勉強の一環だからしょうがないね、という目で見て、すごいねー、いいねー、かわいいねー、と忙しい大人達は差し障りなく流してしまいがちですが、それではお互いの為にならないし、どちらかというと、学生はこの程度で認められるのかと勘違いするし、大人は所詮若者では使いもんにならん、と諦めてしまいます。私は若者だからこそ出来ることもあるし、鍛えてやれば一気に花が開くこともあると思っていますので、嫌ごとのような厳しい言葉を投げかけてでも、彼らの可能性を引き出したいと思うのです。福大建設職人プロジェクトチームの皆さん、頑張ってください!(きついこと言いましたけど、)応援してます!(笑)


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