太鼓岩登拝。#屋久島の魅力

令和2年9月11日 曇り

屋久島からの筑後。

今朝は筑後の羽犬塚の駅前のしなびた感じのビジネスホテルで夜明け前に目を覚ましました。今日はJBNの地方団体「一般社団法人ひとにやさしい家を考える会」主宰の若手大工育成プロジェクトの講師役の日。足場仮設工事と土台敷き、床下断熱と剛床敷き込みまでの実習研修を行いました。実務研修は実際の作業を行うので身体を動かし、職人の仕事を体験できるので、参加する塾生達は座学だけよりも随分と楽しそうで、若手大工だけでは無く、設計や施工管理、営業などの職務についているメンバーもあまり見ることの無いリアルな現場を体験できたと喜んでおりました。ただ、私が繰り返し言い続けているのは、大工は当然、設計にしても、営業にしても現場を知り、施工や収まりを把握することなく一流にはなれないと言う事で、施工図を自分でかけるレベルまで自己研鑽を続けろ、と言う事です。今日もプレカットだからと言って架構をプレカット工場の担当者に任す様な事はあってはならないし、全てを把握して承認を出す責任を負えと熱く檄を飛ばしました。

太鼓岩登拝。

この若手大工育成プロジェクトの講座はスタートが朝8時と追う事で、私は常に前乗りして羽犬塚なる筑後の小さな駅前のホテルに滞在することになっています。昨日まで屋久島におり、夜には筑後に入らなければならないので、自ずと研修のついで?の屋久島トレッキングも軽めのものになってしまいました。今回、ひょうご木づかい王国学校のメンバーと4名で屋久島への研修旅行に行ったのですが、そんな諸事情があり、他のメンバー全員が縄文杉を目指してトレッキングに向かったのを尻目に、私は(縄文杉は昨年お参りしたし)屋久島の山岳信仰の聖地である太鼓岩に登拝することにしました。と言うか、実はそもそも、私、山岳信仰に非常に興味があり、富士山に10年連続で登拝したり、毎年の初詣やそれ以外も事あるごとに日本最古の神社と言われる大神神社に通いつめています。今回は、スタジオジブリの大人気作品『もののけ姫』のモデルとなった、屋久島の苔むす森、通称もののけの森と呼ばれる「白谷雲水峡」という渓谷のを抜けた峠にある太鼓岩にお参りしてきました。

神の領域。

天然記念物に指定されている屋久杉は今では伐採も採取もできない、そして縄文杉は樹齢7000年の世界最古の生きている生物という事でつとに有名ですが、この屋久杉、実は樹齢1000年以上のモノのみを指しています。1000年以下の屋久杉は小杉と呼ばれるとの事です。日本全国の神社を巡ると御神木と呼ばれる大木が多く存在しますが、その中でも樹齢1000年を過ぎているものは稀です。屋久杉の生命力の圧倒的な力には驚かされるばかりで、7000年の命を未だに繋いでいることにまさに神の領域だと畏怖さえ覚えます。そして、私が今回お参りした太鼓岩はと言うと、1500万年前のマグマだまりの化石らしく、長年の厳しい風雨にさらされて現在の様なまあるい形に成形されたとのこと。Wikipediaによると、「約1400万年前 – ヒト科がヒト亜科とオランウータン亜科に分岐したと推定されている。」とあり、人が猿と区別がつき始めた頃からこの島に存在し、世界を見つめてきたとは、まさに神。日本一のパワースポットと言われる屋久島の山岳信仰の対象の岩に立ち、恐れ多いと言う気持ちにさえなりました。

若気の至りの反省。

私は若かりし頃、随分とおバカな勘違い野郎で、自分の人生は自分の力で思い通りに切り開いていくのだと大した根拠もなく盲信しておりました。今思い出しても、穴があったら入りたいと思うくらい恥ずかしいのは、結婚式を人前式で行なった際、冒頭に新郎挨拶を行い、神仏に頼らず、未来を自分たちの手で切り開いていきます。と啖呵を切った事で、若い時の事は極力思い出したく無い事ばかりですが、その中でもとりわけ恥ずかしい思い出です。それから随分と年月が経ちましたが、その間に様々な蹉跌があり、如何に自分の力がちっぽけで、自分一人で大した事は何にもできないことに気づかされました。しかし、年を追うごとに責任だけは重くなり、やらねばならない事と、出来る事とのギャップに悩まされることになりました。このままではマズイと気づき、親鸞聖人が教えたところの自力ではなく他力で本願を達成するしかないと、半ば強制的に分かりさせられました。

神に会える島へ。

だからと言って、宗教にのめり込んで、教祖の教えのままの道を歩むと言う事はありませんでしたが、自分でコントロールできない事の多さ、大きさに気づいてからは、神仏に対して祈りを捧げる様になりました。人一倍、屋久島に魅かれているのもそんな影響があると思います。そんなことを差し引いても、実際に足を踏み入れてみると、屋久島の雄大で荘厳な自然は圧倒的な魅力を放っています。今回は次は九州最高峰の宮之浦岳に登拝する心算を固めましたが、これから10年かけて神の島を踏破し尽くして、神々しくも厳かな自然界が私たち現代人に残してくれた遺産とそれに託されたメッセージを受け取りたいと思います。以上、もののけ姫の森、白谷雲水峡から太鼓岩までの写真と共に今回の屋久島行のレポート的なブログになってしまいましたが、定期的に屋久島に通いますので、ご興味がある方は是非ご連絡頂ければと思います。悠久の歴史と神の存在を感じに一緒に参りましょう。出来る範囲でガイド的なサポートもしますのでお気軽に!(笑)

 


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