継続が継続を生む論 #弁証法的成長の場

令和2年12月19日曇りのち晴れ

早くも最強寒波

昨日、一昨日とやたら寒いと思ったら北極圏から日本列島に最強寒波が押し寄せてきていたらしく、日本海側の地域では弓形状の日本列島のほぼ全ての地域で雪が降り積もっていたらしく、信越や東北では例年の何倍もの雪が一気に降り積もったそうです。昔、信州の八方尾根に車で向かった際、中央道が雪で通行止めになり、岐阜の山を下道で超えなければならなくなって、24時間ぐらいかかったのを思い出しました。急勾配の坂道に差し掛かると、前を走っているトラックがいくらアクセルを踏んでも空回りしてずるずると滑り落ちてきて、今にもぶつかると言う憂き目にあったのはひどく恐ろしかった経験で今でも大雪を見るとその時の恐怖が蘇ります。自然の大いなる力の前ではいつも人間があまりにも無力です。

関西横串会

そんな本格的な寒さが到来した中、今日は毎年の年末の風物詩となった恒例のTOTOリモデルクラブの面々とのゴルフコンペでした。関西横串会と名付けられたこのコンペはもう10年以上、毎年行われており、いつもはゴルフの後に姫路の山奥、峰山温泉の温泉旅館後楽に宿泊して猪鍋をつつきながら1年の振り返りと来年の抱負を語り合う会なのですが、今年はコロナの影響で自粛しようかとの流れでゴルフだけの会になりました。毎年楽しみにしている集まりなので、残念な感じも否めませんでしたが、それでも心やすいメンバーとのグリーンコミニケーションはたいそう楽しく、めっきり顔上好ことが少なくなったメンバーの近況報告なども聞けて非常に良い時間を過ごせました。

状態を作る結果。

今年は残念ながら、酒を酌み交わしながら経営談義をする時間は持てませんでしたが、それでも10年以上この会が続いている事は改めて凄いことだと感じました。10年の間に参加メンバーも多少なりは増えたり減ったりを繰り返しておりますが、大まか初期メンバーは毎回元気に参加しておられ、もちろん、それぞれ大変な時があったりもしましたが、厳しい競争にさらされている我々建築業界で生き残ってきたこと自体、非常に意義のあることだと思います。成果は状態に由来する。が私の口癖ですが、10年間誰一人、事業を破綻させていない「状態」を保てた一つの要因として、毎年年末に集まって情報を交換し、ライバル心を燃やし、刺激を受けて事業に対する情熱を燃やしてきたことも少なからずあるのではないかと思うのです。

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弁証法的螺旋

そんなことを考えながら、実は状態は成果に由来する側面があり、ヘーゲルが提唱した弁証法に様に、状態→成果→状態→成果の繰り返しが螺旋状の成長となり、10年と言う長い期間の継続に繋がったのではないかと思うのです。ちなみにそれは私が20年以上の長きに渡って大病も怪我も風邪さえも引くこと無く、決めた予定を変更する事無く過ごしてきたのにも繋がると思っていて、先日も最終講を終えた九州での若手大工育成の研修をはじめ、研修事業をスタートさせてからのこの4年間、半年間の研修を全て何事も無く終えることが出来たのも平素から習慣に執着し状態を整える意識を持ち続けてきた成果だと思っています。そう考えると世界は意思の力で変える事が出来ると思いますし、吉田松陰先生が言われた通り、志こそ万事の源だと思うのです。そしてそれも高い志を持った多くの仲間に囲まれているからこそ。今日は改めて、長年に渡り良い関係を続けてくれているメンバーに心から感謝したいと思いました。感謝します。

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二つの世界。#若手大工育成プロジェクト

令和2年12月18日 曇りのち晴れ

 

いつもの羽犬塚にて。

昨夜遅くに前のりで乗り込んだ久留米駅からローカル線に乗り換えて大牟田方面に3駅、羽犬塚駅前のホテルで迎えた朝は外気温−2度でした。少し大きめの窓のシングルガラスからしんしんと冷気が部屋の中に入ってくる冷気に参った、と昨夜はエアコンを点けっぱなしでベッドに入るのに攻めて少しでも湿度を保とうとユニットバスの浴槽にお湯を張ったままにしていたら、目を覚ます頃にはガラスだけではなく窓枠から零れ落ちるくらいにびっしりと結露していました。九州だからと言って別段、どこでも南国なわけじゃないよなー、福岡、北九州はどちらかと言うと日本海側やしなー、なんて実感した朝でした。

若手大工育成プロジェクト最終講。

今日はなんでも今年1番の寒波が襲来し、信越や東北方面では例年に比べてずいぶん早く大量の積雪になったようで、テレビのニュース番組ではまた自然の変化に脆弱な人間社会の弱さを映し出しておりました。そんな寒い中、今日は半年間にわたり通い続けた筑後での若手大工育成プロジェクトの実習研修の第12回目、最終講の講師を務めました。いつも感じることですが、研修のスタート時点では半年間の期間をずいぶん長い期間があるように感じるのですが、終わってみるとあっという間だったと思います。それは講師を務める私だけでなく、受講生も同じように感じるようで、終盤になると最終回を迎えるのがなんだか少し寂しい雰囲気が漂います。

ラッキーな若者たち。

JBN(全国工務店協会)の地方組織である一般社団法人人に優しい会を考える会が主催された、この度の若手大工育成プロジェクトの実習研修は3年計画であり、来年度は新しい受講生ももちろん迎え入れますが、基本的に、同じメンバーに継続して3年間実習研修を受けてもらうことになっています。なので、今日の最終講の終わりには、また来年会おう!と言う言葉で締めくくり、半年後の成長した受講生たちと会うのを楽しみにしながら別れをつげました。それにしても、3年間にわたって実際に小さな木造の実習棟を建てて、解体するするぜいたくなカリキュラムの半年ずつの実習研修を3年間継続して受講できると言うのは本当に恵まれていると思います。しかも、ほとんどの費用は全て国交省が負担してくれています。ありえない恵まれた環境に感謝したほうがいいよと今日も受講生達に(恩着せがましく)伝えました。(笑)

私が九州で講師を務める意味。

今回、私が遠く九州まで大工技術の自主研修の講師として半年間通うことになったのは、私が主催する一般社団法人職人起業塾が九州博多で開催する際の現地事務局をお願いしている関係で、一般社団法人人にやさしい家を考える会の事務局の方から新しい研修事業をスタートさせるので講師を務めてくれないかとオファーをいただいたからです。以前から、国交省の大工育成の事業の中で、技術実習の研修は繰り返し行われてきましたが、大体は引退した、若しくは第一線から引いたご高齢の大工の棟梁がやるもので、私のような(大工の世界では)まだ若手の部類になるような現役工務店経営者が務める事は非常に稀です。正直、技術だけを教えるのなら私がわざわざ毎回前日に前乗りして九州まで行く必要はありません。

技術だけではダメ。

研修講師のオファーをいただいたとき、正直、一瞬私じゃなくても良いのではないか?と考えて引き受けることに躊躇しましたが、「塾長が考えている通りにカリキュラムを変更してくれていいから」との熱心なお誘いを受けて、半年間筑後に通い続けることにしました。結果的には、実際に自習棟を建てるので技術的な研修を中心に行うのはもちろんですが、職人として、職業人としてのあり方、そこから生み出される価値を最大限生かせる状態を作る習慣の大切さを毎回の座学の中で繰り返し伝え続けました。1ヵ月に2回の研修のたびに、自分で決めた習慣に対する進捗や成果を発表させ続けることによって、はじめのうちは三日坊主でした等々、全く習慣に取り組めていなかった受講生も、カリキュラムが半ばを過ぎた位から全員がそれなりに実践できるようになり、最終的にはそれなりに、全員が習慣の力を実感してもらえたように感じています。

精神の世界の住人になれ。

研修の終わりは実務のスタート。明日から受講生たちが半年間の実習研修で培った知識やスキルをもとに、それぞれの現場や事業所、お客様先で活躍していくにあたり、本日の最終講義で私が彼らにこれだけは胸に刻んで業務に当たってほしいとお願いしたのは、「この世の中には2つの世界があり、1つは物質の世界、もう一つは精神の世界で、皆さんは物の世界ではなく心の世界に住んでいることを忘れないでほしい。」と言うことです。言い換えれば、理論と感性、表面的に目に見えるものと、目には見えないものの世界となるのですが、とにかく心のこもった仕事をしてもらいたいと言うことです。それは対お客様に向けてだけのことではなく、自分自身に対しても心を込めてもらいたいと言う願いであり、思考の中で理想を描き、心からそれを叶えたいと思った時、人は行動に移します。強い心を持って行動を継続することができれば、必ず手に入れられるものがあり、それはこの半年間、習慣を身に付けることで皆が体感してきたことでもあります。「思考は現実化する」とはナポレオンヒルの有名な言葉ですが、思考と言うよりは心を鍛えて心で感じてもらいたいとの私の願いです。

無限の可能性を秘めた若者たちへのエール。

文明の進化、テクノロジーの発達によって世の中は全て理論で構築されている様に思いがちですが、人と人との関係性は必ずしも理論で片付くものではなく、常に感情がつきまといます。頭の中ではやらなければならない、やったほうがいいと思うことも、心がそれを拒否すれば人は行動には移しません。私たちは建築と言う物理の世界に生きてはおりますが、決して全てがロジック通りではないのは世の常と同じであり、強く願う想いは現実となる世界の中に我々は生きていることを忘れないでいてもらいたいと思います。誰もが奇跡のような確率でこの世に生を受け、しかも大概の若者が忌み嫌い、興味を持たず、圧倒的な若手実務者不足に陥っている私たちの業界に飛び込んできてくれた若者は業界の宝であり、建築現場で働いているだけでもう既に凄いことです。これから未来にものすごい可能性を秘めていると思っています。彼らの輝かしい前途に心からエールを送りつつ、半年後たくましくなった受講生と会うのが今から本当に楽しみです。皆さん、半年間本当にお疲れ様でした。心を尽くして頑張ってください!
そして、サプライズプレゼントのマフラーありがとう。(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

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沈黙。

令和2年12月17日 晴れ

真冬。

TVの朝のニュース番組では、「今季最大の寒波の襲来で真冬のような寒さになるでしょう」とお天気お姉さんが言ってました。えっ!12月の半ばを過ぎても真冬では無かったんだ!と改めて思い調べてみると真冬の定義は冬の最中を指すとのことで、時期的な決まりはなさそうでした。気象庁が定める真冬日は気温が氷点下になる日のことを指すようですが、私の感覚では子供の頃、雪が降り始めていた記憶がある12月の半ばから2月末頃までを真冬だとすっかり思っていました。とにかく、神戸も随分と冷え込んだ朝になりました。

年末風情。

今日は夕方から、明日の九州での若手大工育成プロジェクトの講師役に備えて前乗りで筑後入り。半年間通い続けたいつもの羽犬塚というローカル線駅前のホテルに着いたのは午後10時をゆうに回っており、九州も北のほうは南国では無く、逆に日本海に近いんだと知らされるくらい、随分と冷え込んでました。夕方までは今日も延々とスタッフとの個人面談マラソンの続きと土地探しのお手伝いをしたお客様の不動産売買契約の立会い等、朝からギッシリと予定が詰まっており、今日も年末らしく慌ただしい1日を過ごしました。

コーチングになってない、、

私は一応、これまで20年近くコーチングのセッションを受けて来ており、また自分自身でもグループコーチングの勉強会を主宰している事もあり、スタッフとの面談の際は出来るだけ話を聞く事を心掛けようと思っているのですが、予定がギッシリ詰まっている時はつい、じっくりと相手の答えを待ちきれずに話してしまいがちで、本来守るべき、私の質問に対する相手の沈黙を破って口火を切ってしまいます。一人当たり1時間以上も時間を取っているにもかかわらず時間が足らなくなる事も少なからずあり、決められた時間内に聞いておきたい、また話しておきたい事がそれなりにあるので、タイムマネジメントも必要ではありますが、答えを待てない様ではあまりいい面談にならないと反省する事しきりでした。

沈黙

沈黙というと、遠藤周作の隠れ切支丹を題材にして小説が有名です。つい最近、平戸出身の人と出会う事があり、ふと思いついてNetflixでその映画を見てみました。キリスト教とその弾圧を題材にしたこの小説は世界13カ国で翻訳された同氏の代表作であり、戦後の日本文学でも大きな評価を得ている有名な作品です。子供の頃に読んだ覚えがあるのですが、大筋のストーリーくらいしか覚えておらず、改めて映画を観てみると自分が信じる守るべき思想や信念とそれを許さない厳しい現実の狭間で苦しむ人間の葛藤のドラマは人が生きていく上での選択について、時代は変われども、姿形を変えて常について回る根源的な問いを突きつけられたように感じました。自由を謳歌しているはずの現代社会でも踏み絵を踏む、もしくは踏ますような事が少なからずあり、それは単なる弾圧といった単純なものでは無いと感じました。

正義と正義

元切支丹の奉行、井上がイエズス会の司祭に棄教を勧めるくだりでの司祭とのやりとりは正義対正義であり、どちらも相手が悪でない事を認めながらも、見せしめの切支丹を拷問して、棄教をすれば隠れ切支丹を苦しみから解き放つと、その責任を司祭に押し付ける事で、最終的に司教は踏み絵を踏ませます。井上奉行が転んだ司祭に「私があなたに勝ったのではない、日本という(キリスト教の根が根付かない)底深い沼にあなたは勝てなかったのだ」と言った言葉は、人の意志ではコントロールする事が出来ない強く大きな力がこの世には存在し、それに対して人間はあまりにも無力だと示唆しているようにも感じました。また、理念を掲げ、理想の実現に向かって突き進む事を是としている私にとっては、自分でも意識していないうちに踏み絵を踏ませる弾圧を人に強いていないか、考えてみる必要があるのかと考えさせられる事にもなりました。小説ももう一度読み直してみようと思います。

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目的の細分化。#複雑な時代だからこそシンプルに。

令和2年12月17日曇り

寒波襲来

今週に入って、冬らしい曇天が続き本格的に寒さが厳しくなってきました。なんでもこの冬1番の寒波が北の方から押し寄せてきているらしく、温暖な瀬戸内にある神戸も随分と冷え込みました。寒さが大の苦手な私としては厳しい季節になってきました。本日は第88回目となる私が主催している無料の勉強会、継塾の開催日でした。先週までは小春日和が続いていたこともあり、懇親会は3階でリニューアル工事をしている完成間近の多可町町ヒノキとオーダーメイドキッチンのショールームのお披露目も兼ねてテラスで寒中バーベキューをやろうか、などと言っておりましたがそれどころではない寒さにあえなく諦めて冬らしく鍋パーティーに変更しました。やっぱり冬は暖かい鍋に限ります。(笑)

力みすぎか、、

今回で88回目とおめでたい感じの開催となった継塾は年末の忙しい時期にもかかわらず多くの方にご参加いただきコロナに負けじと強行した懇親会も含めて今回も大いに盛り上がりました。令和2年の最後の会と言うことで、今日のテーマは1年の振り返り「何を求め、何を手に入れたか」としました。今年の振り返りをすることで、もうすぐやってくる令和3年の新しい年を迎えるにあたって、大概の人が年の初めに行う目標設定がうまくいくように、少しでも寄与できればと思いながら勉強会の進行に努めました。ただ、1年の最後と言うことでコロナの影響で大きく世界が変わってしまった今年を振り返りながら、昨年末に先行きが全く見通せなくなる令和の時代を生き残るには、ブランディングが欠かせないと繰り返し語っていたのを改めてシェアして意識喚起をするのに時間を取りすぎて、各人の発表の時間が取れず、消化不良を感じられた方もおられるかも知りません。力みすぎて空回り、気をつけなければなりませんね。(汗)

今年の目標とその目的。

「今年1年を振り返ってどうでしたか?」と言う質問はこの時期になるとよく耳にする言葉です。今回は参加者の皆さんが年頭に立てた目標に対して、達成したこと、積み残したことを聞くだけではなく、もう一歩踏み込んで、目標設定のもとになっているはずの「目的」について考察をしてもらいました。例えば、私の場合、今年の目標の1つに、「顧客との関係をオンライン、オフラインの両方をシームレスにつないだコミニケーションが取れる場作り」というものがありました。今年の初めからスタートした社運を賭けたリブランディングの取り組みの大きな柱である地域コミュニティー事業「つない堂」の中心的な事業である会員制度を軌道に乗せたいとの強い想いでした。担当の尾上さんは熱心に取り組んでくれて、一緒に立てたロードマップに忠実に、地域で活躍する専門家の取材やその配信など、一生懸命取り組んでくれました。

目標達成どころかスタートライン

その目標を掲げた目的は、もちろん我々が事業を通して目指す先、理念として定めた「四方良しの世界を作る」です。一年を振り返って見ると、自分で考えていたよりも新規事業を軌道に乗せるまでの課題は多くあり、それらを試行錯誤しつつ、一つずつ解決しながらの取り組みは(コロナの影響もありましたが)当然、計画よりも進捗が遅く残念ながら私がイメージしていた目標への達成には遠く及びませんでした。冷静に成果を見直してみたら一年かけてやっと、ショールームも完成し、事務所のワークスペースをコワーキングスペースとして解放、営業できる体制が整ったところで、漸く本格的なスタートラインに立てた様に感じています。

目的の「良し」とはなんぞや

あまりの不甲斐ない結果に、自己嫌悪に陥りそうになっておりますが、気持ちを下げたところでどうなるものでもありません。大人は検証と改善を考えるものだと気を取り直して、もう一度、コロナ思考(*逆転のパラダイム)で前提条件から考え直してみる事にしました。目標設定は目的の達成の為であり、私の目的は四方(私達に関わる全ての人)を良くする事です。「良し」と言うのは状態を表す言葉で、外観での良いと、内観での良いの両面があります。外観の良しはWeblioで引いてみると、①りっぱだ。上等だ。②美しい。きれいだ。③すぐれている。善良だ。賢い。④高貴だ。身分が高く、教養がある。上品だ。⑤上手だ。巧みだ。すぐれている。⑥栄えている。豊かだ。幸せだ。⑦感じがよい。快い。楽しい。好ましい。⑧ちょうどよい。適当だ。都合がよい。ふさわしい。⑨親しい。親密だ。などの他者評価の部分が多分に入り込みます。もう一方、内観の「良い状態」とは?を考えた時、私は何事にも囚われず自由である事ではないかと思ったのです。そういえば、「人間の最も根源的な欲求は自由である。」とのヘーゲルの言葉もありました。

目的にダイレクトな目標設定。

そんな風に考えれば、意外とシンプルだと思い込んでいた目的も細分化すれば様々な側面があり、その達成を目指すならば、それぞれについて目標を設定し具体的な行動に移した方がいいに決まっています。要するに、私が目指したのは私を含めて私と関わりを持つ皆さんが、自由で、自立した、快適で、健康な、美しい、豊かな状態を感じる事だと改めて気づいた次第です。そんな風に考えれば、目標設定をするにあたり、事業の方向性とかKPIとかを設定することも大事ですが、直接、目的に対してダイレクトにアプローチすることも同時に行ったら良かったのではないかと思いました。私は自由を、スタッフには自立を、お客様には快適さを、家族には健康を、モノづくりには美しさを、会社には豊かさをそれぞれ手にして貰えるような目標の立て方をすれば、本来目指す先にもっと実感を持って近づけたのではないかなんて思うのです。

本当の目的は?

今日のワークショップの中で、参加者の皆さんにも同じプロセスで目的の細分化をしてもらったところ、宍粟で大工工務店を営んでいるM社長は「目的はずっと大工技術の継承と大工の地位向上だと思って目標設定をしてきましたが、細分化をして気付いたのは、本当は自分が事業を継承した父親である会長に対する親孝行がしたかったのではないかと気づきました。」と話されておられました。それならば、事業計画とは別に、直接親孝行をするような目標設定をすればいい訳で、もちろん、事業で結果を残して会長に喜んで貰うのも良いのですが、それ以外でも会長に喜んでもらう術はゴマンとあるわけで、縁起でもないですが、昔から「親孝行したい時にはなんとやら、」と言いますし、さっさと目的に対して直接のアプローチをしたら良いと思いますし、するべきです。

複雑な時代だからこそシンプルに。

目的と目標は違います。目的は目指す先であり理想の実現です。目標はそこにたどり着くためのマイルストーンに過ぎません。その重要度には大きな開きがあるはずですし、ごっちゃになったり、ひっくり返ったりする訳が無いように思いますが、実際は目的を見失った目標の達成に血眼になってしまったりしてしまいます。あり得ない様に思いますが、実際の仕事は時間の制限や限られた費用内で行わなければならないなど、様々な条件が折り重なる中で行わなければならず、あれこれと心を配る間に、本来の目的を見失ってしまいがちなのが現実です。感じるのでは無く感じろ、と感性を見直す必要性が叫ばれる、不安定で不透明、曖昧、複雑な混迷の時代を生きる私たちは、目的を見失いやすい状態に陥っているのかも知れません。そんな時代こそ、心に直接ビンビン響くような、目的にダイレクトにアプローチする計画を立てる必要があるように感じています。もうすぐやって来る新しい年を迎えるにあたり、少しでも参考にして頂ければ幸いです。

 


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なんてったって営業力! #逆転の時代のパラダイム

令和2年12月15日 晴

宍粟市の鬼登壇。

火曜日は朝活の日。今朝も早朝から神戸市倫理法人会のモーニングセミナーに参加して宍粟市倫理法人会の会長に就任された、兵庫県の建築業界では知らぬ人がいない位、先進的な取り組みをされている有名工務店ヤマヒロ社の三渡社長の講話を拝聴しました。創業者の祖父から引き継いで現在3代目の社長を務められているとのことで、事業継承の経緯などを中心に事業についての熱い想いを語っておられました。大学卒業後は大手アパレルメーカーのワールドで武者修行をされたと言う異色の経歴を持つ三渡社長は相変わらずのパワフルでユーモアたっぷりの語り口調で倫理法人会の教えと、ご自身の事業経験を通しての学びをリンクさせ、非常に面白くためになるお話を聞かせて下さいました。

ルーツとDNA

三渡社長のお話は朝起きして行った甲斐がある!と思える素晴らしい講話でした。その中でも、家系図の話から自分から4代前まで先祖をさかのぼると、16人のご先祖様に行き着きそのDNAが混じり合って自分の中に流れている。それこそが自分の力の根源になっている。と言うお話は、非常に興味深く、任侠人や医者、侍、職人などなど多彩な職業のご先祖様の生き方が凝縮されて今の三渡社長を形作られたのだと言う説に、なるほどと大いに納得させられました。哲学者の田坂広志先生が人にはいろんな側面があり、どれが本当の自分と言うわけでなく、二重、三重人格の全てが自分であり、様々な性格や才能を同時に伸ばすべきだの多重人格のススメ的な本を上梓されているのを以前読みましたが、その論説の根源は先祖から引き継いできたDNAにあるのかもしれないと改めて感じた次第です。

インナーブランディングあっての営業力

三渡社長率いる株式会社ヤマヒロ社は、職人の高齢化とこれから深刻さを増していく人手不足に先手を打つべく、数年前から大工の内製化、社員職人の育成に取り組まれています。その流れで私が主催する一般社団法人職人起業塾の研修にも数多くの社員さんをお預かりしてきました。また、社長自らが伊礼智さんを始めとする建築家に師事して、デザインを学ばれたこともつとに有名で、今の同社のブランドの基礎を作り上げてこられました。そんな三渡社長の口から、今日の講話で事業の中で1番重要だと口にされたのは営業職についてでした。三渡社長曰く「営業の仕事は自社を選ぶ理由を示し伝える仕事」とのことで、バックボーンに現場の精度を高めたり、デザイン力をアップしたりして高めてきたブランド力を背景にして、それをいかにお客様に伝えるかが最も重要だと口にされたのは非常に重い言葉で、非常に説得力がありました。

伝わらなければ無いのと同じ。

「マーケティング(ブランディング)は一切の売り込みを不要にする。」とは経営の神様ドラッカー博士の言葉。セールスマン不要にする仕組みこそマーケティングだと言われ続けてきましたし、私もそれを信じてこの20年間、営業力ではなく仕組みを作り上げる事業展開を行ってきました。しかし、コロナによって世界の価値観が逆転し、これまで正しいと考えられてきた全ての前提条件が崩れ去ったことを考えれば、あらゆるものは今まで通りではなく、変化することが求められていると考えるべきです。確かに売り込み(営業)をなくすこと自体は、別段事業の目的では無いわけで、そんなことに執着するよりも圧倒的な情報過多の今の時代では、余計な情報に惑わされない自分たちの良さや強みをしっかりと伝えることが改めて重要になるのかもしれません。

なんといっても営業が大事

確かにそのように考えたら、ブランディングをいくらしたところで、見込み客が購入を決める段階で、決定的な詰めの一手までが不必要となる事は考えにくく、特に高額な買い物である住宅やリフォーム等は直接のコミニケーションなくして最終的に選んでもらえる事はありません。いくらデザインや施工力でブランドを磨きあげたところで、その伝える術が弱ければ何もないのと同じになるのも確かです。「なんといっても営業が大事、」との三渡社長の言葉に激しく同意しつつも、社内にいるのは大工と設計士のみ、営業専任の担当者がいない私たちつむぎ建築者では、これからも営業職のみの人材を採用する予定はありませんが、大工や設計士などの技術職にもう一度改めて伝える事の大切さを理解してもらい、「営業マンがいないと言うことは、全員が営業だ!」を合言葉に営業職としてのスキルも上げてもらいたいと思いました。つい先日、設計チームでは横山桂子先生による4回シリーズの接遇講座の研修を終えた所ではありますが、今後更に伝える技術、その前の相手の立場に立って物事を考えるコミュニケーションの基本を社内文化として根付かせていきたいと思った次第です。三渡社長、いい気付きを有難うございました。感謝いたします。


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おとなしく、無口な若手職人の変容

令和2年12月14日曇り

冬空

小春日和が続いた先週までとはうってかわり、冬らしい曇天が広がる寒い1日になりました。今日も早朝から早出して、スタッフとの個人面談マラソンの続きからスタート。年末が押し迫り、忙しくなっていくのと並行して、朝夜関係なく隙間の時間を埋めていく個人面談はすっかり私の年末の風物詩になっております。今年はそれに付け足すかのように、顧問先の職人さんとのミーティングや、コーチングも入っており、例年に比べて目まぐるしい感じが加速してるように思います。

無口な若者との電話セッション

今日も、昼休みの時間を利用して、顧問先のシステムキッチン組み立て施工の職人さんと電話でのワントゥーワンコーチングを行いました。その彼は一般社団法人職人起業塾の第14期の卒業生で、高校卒業して社会に出てきてからまだそんなに年数も経っていない若者で、無口で、おとなしく、引っ込み思案で、はっきりとものが言えないタイプ。開講当初、全く職人の雰囲気が漂っておらず、こんな感じで我々職人の世界に馴染めるのか?と心配になってしまったほどです。当然、1人で現場を任されて施工に行ったこともなく、職人さんと一緒に行く手元をやってます。と、自信なさげに自己紹介をしていました。

頼りない期待の星

半年間の研修を終えて卒塾式の後、送り出す際も、1人前の職人になってがんばります。とは言っておりましたが、どうにも頼りない感じで、大丈夫かよ?と心配しておりましたが、とにかくその会社にとってははじめての新卒採用の社員職人であり、事業所の次の世代を担って立ってもらいたいと社長が願う期待の星です。何とか一皮向けるきっかけを与えたいと思って私も講義をしておりましたが、打てば響くタイプでもなく、いまいち手ごたえを感じきれていなかったというのが正直なところです。

職人の考え方と働き方改革

一般社団法人職人起業塾では、今年はコロナの影響で従業員を対象にした新規の集合研修を一切中止して、そのかわりに経営者向けの人事制度改革のワークショップを開催してきました。それは、職人や現場監督などの建築実務者向けの等級制度を軸にしたキャリアプラン構築のサポートで、現場実務者達に意識を変え、役割を変え、働き方を変えて決められたことを決められた通りに行うだけの道具のような職人から一方足を踏み出して、現場で付加価値を生み出してもらうように促すのと同時に、将来に希望を持って働いてもらえる環境を整える取り組みです。

僕、変わりました。

今日電話でコーチングを行った若者の所属する会社も、そのワークショップに参加して人事制度を刷新すると表明してくれた流れで今回私が顧問に入り、その運用をサポートすることになりました。今回は来年に向けて本格的に改革を進めるにあたり、目標設定をテーマに話す予定でしたが、約束の時間ぴったりに電話をかけてきた彼の声のテンションにまず驚かされました。今まで対面で話していた時には考えられない位、ハキハキした声でしっかりした口調で挨拶をしたのです。以下、彼とのやりとりです。

私「今日は何しとん?」

彼「今日は1人で新築現場にキッチンを組みに来てます」

私「やるやんかぁ、1人で現場行けるようになったんか」

彼「簡単な現場ならひとりでできるになりました」

私「凄い進歩やなー」

彼「ハイ!研修にいかせてもらって本当によかったです。」

人は変われるんや。

(私を含めて)職人の世界に就職する若者は自分から好き好んでこの世界に入ってきたと言うよりは他に行くところがなくて消去法で建築業界に入ってきた人が少なくありません、と言うよりその方が大多数かもしれません。将来への大きな夢を持っているわけでもなく、意欲が低い若者は、セルフイメージが低く自分なんて・・、と変わる事も成長する事にも否定的になりがちです。そんな彼らに小さな成功体験を感じてもらいながら、小さな一歩を踏み出させて、やった分だけ成果が出る、地道な努力が報われる世界がある事に気づいてもらえれば、今日の彼の様に一年足らずで人が変わった様な成長を遂げる事は少なくありません。私が職人向け研修事業を行う醍醐味であり、こんな若者へのサポートをするのが私の存在意義なのだと感じられるとても良いセッションでした。クラちゃん!どんどん行け!(^ ^)


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大工のリクルーターは18歳大工 #オレ達に明日がある!

令和2年11月12日 晴れ

多可町産ヒノキのショールーム

12月も半ばに差し掛かる週末。このところ毎週土日は打ち合わせや現場確認など、ぎっしりと予定が詰まっており、分刻みのスケジュールをこなしておりましたが今日は久しぶりに一切、外出の予定もなく1日中事務所に篭りきることが出来ました。先月から神戸市のチャレンジ補助金を活用させてもらって、オンラインでもオリジナルキッチンのフィッティングが出来るようにと改装工事を行っていた、3階ショールームがようやくほぼ完成に近づいてきて、今日はほとんどの時間をその兵庫県の地場産材、多可町桧を天井と床に貼った部屋で、精神を落ち着ける効果があるといわれるヒノキの香りに包まれて1日過ごしました。来週末には全て完成して、リニューアルオープンしている予定ですので、近くにお越しの際はぜひ癒しの空間を体感しに来てください。

仕事の中心はコミュニケーション

一日中事務所にいたからといって、(当然ですが、)別段、暇なわけではなくて、早朝7時から大工スタッフとの1on1コーチングをスタートさせたのを皮切りに、zoomを使ったオンラインでのミーティングや、年末恒例のスタッフとの個人面談等々、最終8時までぎっしりと予定が詰まっており、しゃべったり、聞いたりを延々と繰り返すコミニケーションの1日でした。企業は人なり、とよく言われるように、事業所における組織運営の最も重要な基礎は働き手が満足して働ける環境作りであり、その根本である人事制度の構築とその運用です。そして、人事制度の最も重要な三本柱は賃金規定、等級制度、評価制度であると言われており、私にとってスタッフとの個人面談は単なるお悩み相談の時間では無く、リアルにその人事制度の運用の場であり、非常に重要な意味を持っています。

課題を知る、見つける。

今日も一人当たり1時間以上もたっぷりと話込み、年頭に掲げた目標に対する進捗状況の確認や、やりたい仕事ができているか、社内の問題点、個人的な問題点はどのようなものか、それを私に改善できるか等々、役割と責任を全うしているかの確認と同時に、働く環境を整えるためのヒアリングを出来るだけ丁寧にと心がけて行いました。ま、聞いたからといって私が全て解決できる訳ではもちろん無くて、困ったねー、と、一緒に頭を悩ます事も少なくありませんが、4半期毎に全社員と面談を行う中で、次の面談の際に同じ事で悩まなくても良いように、少しでも改善出来る様に努力をしています。職場環境の改善にはキリがなく、しかもその内容は多岐に渡ります。先は長く、皆に納得、満足してもらえる様にするのは非常に険しい道ではありますが、とにかくまず、努力すべきことは何なのかを知る事が重要で、その為にも改まった場でのコミュニケーションがとても大事だと思っています。

若手大工リクルーター活躍中

そんな面談を繰り返す中で、今日は少し嬉しい事がありました。新卒1年目のカズキと話している中で「次の新卒採用を出身の県立工業高校の建築科に行って、先生に大工の良さを熱く語って、後輩をスカウトしてくる様に」と、以前から彼に託している事もあり、「その後の採用計画はどうなっている?」と聞いてみたら、再来年卒業の後輩が、大工になりたいとつむぎ建築舎への就職を考えているみたいです。と嬉しい報告をしてくれました。また、同級生でゼネコンに就職した友人が、仕事があまりにも面白くないので(もはや!)転職を考えており、弊社(というよりカズキにかもですが、)に興味を持っているみたいです。と、少し遅めの第二新卒の話も2件あります。と報告をしてくれました。大工の採用と育成は私達つむぎ建築舎の未来を拓く重要な事業であり、若者が興味を持って、就職したいと言ってくれるのは私にとって非常に嬉しい事で、いつでも面接するからと、機嫌よく答えておきました。(笑)

職人が働く姿を見て憧れる

若者が集まってくれるのはとても嬉しい事ですが、それよりも私が本当に嬉しかったのは、建築科の高校を卒業して、新卒で大工見習いになったカズキを見て、友達が、面白そうやなー、良いなーと大工に興味を持ってくれていることです。今日の面談でも役割と給与が一目で分かる等級表を見せて、来年はジュニア層からステップアップして職人層のレベル1に、4年後は新卒5年生のタクミ先輩と同じ様にリーダー層のレベル1に等級を押し上げていけ!とハッパをかけましたが、本人もすっかりその気になっており、「必ずできるようにがんばります!」と明るく答えておりました。その調子で順調にキャリアアップを重ねると、地方自治体に就職するより生涯所得は多くなり、しかもお金が欲しい若い時に他業種に比べて稼げる様になります。ただ、高卒の大工の見習いから、役割等級をランクアップしていくには、ただ単に現場作業を熱心に行っているだけではなく、技能検定を受けたりして技術を身に付けるのはもちろん、建築士の資格を取得したり、お客さんや協力業者の職人さん達とのコミュニケーションを円滑に行えるスキルを身につける事も重要です。決して低いハードルではありませんが、そこは職人向けの研修事業を行なっている一般社団法人の母体の会社ですので、万全のサポート体制を整えています。(^ ^)

オレ達には未来がある!

創業時から職人の地位向上をミッションに掲げて来た我々が目指したのは、簡潔に言えば、若者に大工になりたいと思われる環境を整えて、それを若者に伝えて受け入られる状態を整える事でした。そのために安定的な仕事量を確保できるように、マーケティングやブランディングに取り組んできたと言っても過言ではありません。若者に入職してもらうには、今現在働いている職人が、未来に希望を持ち生き生きと楽しそうに働いていることが絶対条件です。また、1年生のカズキが弊社に入社した最も大きな理由の1つに、私の旧知の知り合いでもあり、お客様でもある彼のお父さんが「大工はいいぞ、大工になれ」と強く推薦してくれたことがその背景にありますが、それは就職先として最低限の条件である、職人の正規雇用とキャリアプラン構築を行ってきた成果に他なりません。地味で成果に結びつくのに時間がかかる人事制度を起点とした組織運営を地道に継続してきた結果だと思っています。若者が集まる業界、事業所には未来があります。18歳のリクルーター、カズキに「なんて大工って仕事は素晴らしいんだ!」と感じてもらい、後輩や友達に熱く語ってもらえるような環境をさらに整えていきたいと思いました。カズキ、頼んまっせ!(笑)

 

 




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協力業者会って必要ですか?

令和2年12月11日晴れ

早めの打ち上げ。

昨夜は九州筑後での若手大工育成プロジェクトの講座終了後、来週は年末が迫ってきて予定が詰まっていることもあり、少し早めの打ち上げと称して事務局の方々と食事に行くことになり、当然最終の新幹線には間に合わず博多のお気に入り温泉宿に泊まることになりました。建築業界の未来を見据えて、若手の職人を育成する必要性を強く感じて、実際に活発な活動されている「人にやさしい会を考える会」の事務局の皆さんは、高い志と、理解したこと、やらねばならないと感じたことを愚直に実践できる素晴らしい方々で、本質に真摯に向き合う姿を見て、私も常日頃から大いに刺激をもらっています。昨夜も熱く、楽しい素晴らしい時間をいただきました、心より感謝しています。

協力業者会の必要性

懇親会場の居酒屋に向かう道すがら、そんな事務局の方々から突然質問を受けました。「塾長の会社でも業者会をやっておられるのですか?」と訊かれたのは、以前から協力業者さんを集めて会合を開きたいと思いつつ、未だ実現させていないのを、なんとかせねばと考えてヒントを探されていたようでした。私が一般社団法人で研修講師やセミナー事業を手掛けながら、本業は工務店をやっているように、一般社団法人 人にやさしい・・・の事務局の皆さんも本業は建材商社、いわゆる流通店を断熱や外構の工事も含めて販売、受注されておられています。近年、職人不足の顕在化につられてか、材工共で受注する案件が増えているようで、新たな職人さんとの取引を始めたりもあり、自社で発注する工事を施工する職人の意識レベルを揃える必要性を強く感じられている様でした。

何のための会合か?

私達、株式会社四方継では創業当時のかなり前から、年末年始に懇親会をメインにして、協力業者さんに集まってもらう会合を開催してきました。10年程前に、もっとしっかりと繋がりを深めたいとの想いで組織化を図り、当時、「四方良しの会」と命名して一年に二回、定期的な会議の場を持つ事を始めました。その際に最も気を付けた事は、私自身職人時代に大手ハウスメーカーの業者会に強制的に参加させられて、面白くもない、為にもならないくだらない話を延々と聞かされ、居眠りをしていた経験と同じような事だけは絶対にすまいと言う事で、そのために主催者側のこちらからの情報提供やお願いや規則の押し付けをするのではなく、業者さんの言葉に真摯に耳を傾け、自分達の身を正す事でした。説明会として開催したキックオフミーティングの際に私が協力業者の皆様に伝えたのは、「我々は決して自分達だけが良ければいいとは考えない。お客様も我々も業者さんも、そして地域社会や業界全体が良くなる様に考え、行動したいと思っています。」と、現在の理念と同じ目的を熱く語りました。

在り方を示すところから。

その上で、皆が良くなっていくように必要なアクションをみんなで考えてみんなで実践と検証を繰り返すプロジェクト会議を立ち上げたいと訴えました。まず初めに協力業者の皆さんに私がお約束したのは、弊社との取引で絶対に赤字の工事はさせない。発注書を交わした後でも、現場の段取りが悪い等で思うように工事が進まず、発注金額を割り込むような事が有れば、かかっただけ請求してください。と、私たちの関係が元請け対下請けではなく、対等な立場であると明確にする事でした。その上で、業者さんに対してあれこれとお願いや押し付けをするのではなく、まず我々に対して改善点を忌憚なく言ってもらいたいと、スタッフを交えたグループディスカッションでの我々に対するダメ出し大会を行ったのが、四方良しの世界を目指すプロジェクト会議の皮切りでした。今年は残念ながらコロナの影響で中止、延期を繰り返して開催出来ていませんが、それ以後延々と四方良しの世界を作ることを目的にして毎年二回の会議を続けています。

直感を信じろ。

私自身の協力業者会の立ち上げや運営の経験談を披露しつつ、相談を受けた協力業者会発足の担当者さんには一刻も早い段階での企画のまとめ上げと、早期の業者会の立ち上げ、開催をオススメしておきました。その方は、運営の方法論や出席してもらう人選、どのような内容で行うべきかのコンテンツ等、随分と考えなければならない事が山積しておられる様で、そろそろ始めなければならない、でも準備も整っていないのに見切り発射は出来ないと悩まれているご様子でした。私は、考える程人は動けなくなる。人が動くのは感じて心が動く時である。との感性哲学論を紹介して、直感的にいつ開催するのが良いと思いますか?と問いかけてみたところ、来年の2月だと思います。との返答を貰いました。じゃあ、2月開催を目標にして逆算してスケジュールを立てて進めていきましょう!と勢いだけで業者会の発足と第一回目の開催が決定しました。(笑)

職人の立場に立って考える。

実はワタクシ、これまで結構な頻度で建築会社の協力業者会、総会、安全大会で講演を依頼されており、全国各地の工務店、リフォーム事業者主催の会合で話させてもらっています。別に講演業を生業にしている訳ではないので、積極的に売り込んでいる訳ではないのですが、口コミで伝えられて、遠方からも多数のご依頼をもらいます。その理由を聞いてみると、よくありがちな元請けの言葉を代弁してあれをやれ、これをやれと職人たちを縛り付けるタイプの講演ではなく、職人の立場になって自分たちの価値を最大限に生かすにはどのようにすべきかと言った職人目線の講演やレクチャー、もしくは厳しい問いかけを行うかららしく、珍しさもあって職人さんや業者さんには強い刺激があるようで、居眠りをされる方は殆どおられません。私が昔、毛嫌いしていたように職人さんは強力業者会に対してアレルギーを持っておられる方が少なからずおられます。前述の担当者さんが新たに協力業者会を立ち上げるに際して悩んでいた理由の一つでもあり、不肖私がお手伝いに行きますよ!と珍しく自分から売り込んでおきました。明確な目的を持ったいい業者会が立ち上がることを祈っています。(笑)


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残心を成長の糧にしろ。#若手大工育成プロジェクトday11

令和2年12月10日 晴れ

若手大工育成プロジェクトday11

今日は九州、筑後にて。福岡県の工務店団体、一般社団法人人にやさしい家を考える会の主催で半年間、12回のカリキュラムで開催している若手大工育成プロジェクトの講師として指導のために昨晩遅くに九州入りしました。新規就労3年未満の若手大工を対象に小さな実習棟を実際に建てて、大工工事の全体像を体験してもらう取り組みも今回を終えると残り一回、最終回を残すのみになりました。自社(一般社団法人職人起業塾)の研修も半年間のカリキュラムで行なっておりますが、終盤が近づくと、当初長く感じていた6ヶ月という時間がいかに短いかを思い知らされます。今回も、まだ夏の名残が残る暑い時期に研修第一回目のオリエンテーションで大工としてのあり方、職人としての価値をどのように生み出せるかを熱く語ったのがまるで昨日のように感じられます。短く感じられる理由は半年間の研修で伝え足りないと私が感じるのと、成長のきっかけを掴んだ受講生が、もう少し学びたいと心を残している様を感じる両面で少しの消化不良を感じるからだと思っています。

若手大工の悔しそうな顔。

今日の講座では、前回に引き続き、階段や玄関框、フローリング貼りなどの内部造作、仕上げ工事を行いましたが、最終回にせっかく建てた実習棟を綺麗さっぱり解体撤去してしまうカリキュラムになっている事から、半日間解体作業を前倒しして、仕上げ工程の時間を短縮しておりました。あと半日あれば、階段も一応、2階まで上れるように出来ていたし、刻みだけで終わってしまった玄関框も取り付いて、フローリングまで貼り終えていたはずが全て中途半端な状態で終了し、受講生達は悔しそうな顔をしておりましたが、ワークショップは全てを終わらせることが重要だ。との原理原則に基づいて、解体工事を始めてもらいました。今日はいつもにも増して、講師、受講生の両方が消化不良を感じ、心を残す自習講座になってしまいました。

テーマは自分たちでやりきること。

実は、事務局からはせっかく楽しそうに、若手にはなかなか手をつけさせてもらえる事がない造作工事をやっているので「解体工事の時間を短縮して、会の理事メンバーさんに解体工事の応援を頼みましょうか?」との申し出もありました。その選択をしたら、きっと受講生達は喜んでくれたと思いますが、私としては敢えてそれをお断りして、中途半端で悔しい感じの作業終了を受講生達に告げました。確かに、失敗が許されない実際の現場では若手の大工が高価な造作材の加工をさせてもらうのは何年も先で、失敗しても良いよ、気楽にやれ、と言われながら作業をする機会は絶対にありえません。彼らにすると類い稀な大きなチャンスかも知れませんが、そんなことよりも、当初の計画通り、自分たちで全ての工程をやりきることの方がずっと大事だと考えた次第です。実際、思いの外、順調に進んだ解体工事ではこれまでないくらいに楽しそうに作業していました。

 

 

 

 

 

 

 

残心

日本が古来から大事にしてきた世界に誇る素晴らしい概念はたくさんありますが、「残心」もその中の一つだと思っています。心を残すと書くこの考え方は侍の果たし合いで決着がついた後も相手に対してリスペクトを持ち続けるという意味合いで語源のようですが、私は何に対しても割り切らないことだと定義しています。人との関係にしてもそうですが、心に留める事によって、何かしら次に繋がる事があると思っています。研修でも、もう少し出来たのに、との悔しい思いや、もっと学びたかったというもの足らなさ、消化不良の部分があるからこそ、次のステップアップに繋がると思っていて、満足して割り切ってしまうと成長などないと思うのです。そのな観点からすると、今日の実習で中途半端な終わり方をして、悔しい思いをしてもらったのは決して悪くないと思うのです。

残心(一部抜粋)
心が途切れないという意味。意識すること、とくに技を終えた後、力を緩めたりくつろいでいながらも注意を払っている状態を示す。また技と同時に終わって忘れてしまうのではなく、余韻を残すといった日本の美学や禅と関連する概念でもある。
だらしなくないことや気を抜かないことや卑怯でないことであり、裏を返せば「美しい所作」の継続ともいえる。
武道における残心とは、技を決めた後も心身ともに油断をしないことである。

出典:Wikipedia

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心技体のブラッシュアップ&バージョンアップ

ちなみに、この若手大工育成プロジェクトは3ヵ年計画であり、来年も継続してさらにバージョンアップした研修を行う予定です。また、来年の2月からは博多で職人起業塾の研修もスタートします。こちらは既に定員に達しておりますが、この実習研修に参加している若者で、もっと学びたいと希望するメンバーには特別に門戸を開くようにしています。来週で半年間に及んだ若手大工育成プロジェクトの実習研修は幕を閉じますが、研修の終わりは新たなチャレンジのスタート、今日の残心を胸に、更に学び、実践を通して経験をちみ重ねたいとの気持ちを若者たちが持ってくれることを強く願います。とは言いつつ、やっぱり少し残念な感じは否めませんが、今日も楽しい実習ができました。皆さんお疲れ様でした。(笑)

 

 

 

 

 

 


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コロナで変わった事、気づいた事。#TOTOリモデルクラブ経営革新会議

令和2年12月9日 晴れ

長い一日。

水曜日は朝活の日。今日も夜明け前に起き出して張り切って朝の異業種交流会に参加、終了後に愛犬チャックの散歩等の後のルーティーンを済ませて、同じBNIメンバーとのゴルフコンペの会場であるアーク吉川ゴルフクラブへと車を走らしました。神戸は先週からずっといい天気が続いており、今日は12月だと言うのに日中は汗ばむくらいの小春日和。気持ちの良い青空の下、気持ちの良いメンバーとのグリーンコミニケーションは非常に楽しく、(朝からずいぶん忙しいくバタバタしましたが)良い時間を過ごすことができました。夕方からは明日の筑後で開催する若手大工育成プロジェクトの講師を務めるために何とか日付が変わる前に九州の羽犬塚に前乗り。今日も長い1日でした。

謙虚と感謝。

ちなみに、昨日も倫理法人会の朝活に参加して、夕方からはTOTOリモデルクラブの経営革新会議に参加、その後すっかり定番となっている懇親会でも深夜まで熱く議論を戦わせました。毎日元気に早朝から夜中まで充実した日々を過ごせることに感謝しきりですが、考えてもみれば、強引とも言えるような過密スケジュールを長期間こなせているのも、病気もなく、コロナはおろか風邪もひかない健康で丈夫な体があってこそ、本来はまず両親に感謝しなければならないのかもしれません。人はつい、うまくいったら自分の手柄、失敗したら他人のせいにしたがるもの、しかし大元はこの世に生を受けたからこそで、忙しい毎日を過ごしながら、謙虚に感謝の気持ちを忘れずにいなければと思いました。

強制的パラダイムシフト

昨夜遅くまで大いに盛り上がったTOTOリモデルクラブのメンバーとの勉強会、経営革新会議の昨日のテーマは「コロナによって気づいたこと、変わったこと」でした。私は今年に入ってすべての価値観や前提条件が逆転したと思っていて、新型コロナによるパンデミックによって世界中が強制的にパラダイムシフトをさせられたと考えています。本来、風土病であるはずの感染症が世界中を巻き込み、GDP成長率の世界平均をマイナスに叩き落とした原因は、紛れもなくグローバル化した世界の経済システムにあり、実際、コロナ禍を抑える為に今も世界中が鎖国状態になっています。集団行動も、対面コミニケーションも、公共交通機関の利用さえも忌み嫌われるようになり、街中のロケーションが良いと繁盛するとされていた飲食店はバタバタと倒れ、地方都市の方が非常時に経済的な影響が少ないと商業施設の郊外への流出が始まっています。まるで鏡に映し出されたようなこれまでと真逆の世界です。

変わる選択。

そんな世界の大きな変化に合わせて、我々も変わらざるを得ないのは自明の理ですが、近視眼的な視点で対処を繰り返し、コロコロと生業を変えれば生き残れるかと言うと、決してそんな事はないと思います。zoomやUber eatsの二番煎じの和製ビジネスが一向に普及しないのを見てもそれは明らかで、混迷の時代こそ、本質的な価値の創出を担う商品やサービスの提供が求められるし、事業者はそこに焦点を合わせて変わるべきところを見つけ出し、変化しなければならないと思います。私達が今年になって株式会社四方継へと社名を変え、地域コミュニティサービスを行う「つない堂」なる新規事業部を立ち上げたのはコロナ禍が始まる前ではありましたが、昨年から変わらなければならない時代の潮目を感じていたからに他なりません。あくまで対処ではなく、予防的観点で「変わる事」を選択してきました。

価値観をひっくり返す。

そんな私達の選択がコロナ禍に対応出来たかは今の段階ではまだ分かりませんが、昨年一年かけて我々が生み出すべき本質的な価値(四方良しの世界の実現)に根ざした事業展開を考えたのは紛れも無い事実であり、それまでの前提をひっくり返して新たな会社のコンセプトにして来ました。すみれ建築工房から引き継いだ「つむぎ建築舎」は、「引き継がれる価値のある丁寧なものづくり」をコンセプトに、新建材と言われる早い、簡単、安い既製品の造作材の利用をやめて、時間も手間もかかり、費用も嵩張る無垢材の造作材や建具、キッチンをオーダーメイドで作るのを基本仕様と定めました。時代の流れに逆流しているようですが、一生に一度と言われる住宅の建築で、もっと住まい手に寄り添った世界に一つしか無い価値を提供したいと思ったのです。

日本昔ばなしかよ。

新規事業部として立ち上げた「つない堂」は、地域で活躍している専門家を紹介したり、たった1000円の会員フィーで無料メンテナンスを大幅に拡充したり、自分たちで作った無農薬野菜をおすそ分けしたりと、地域に住む人の為に良き事を行い続ければ、きっと良き事が我々に訪れる。との日本昔ばなしに出てきそうな日本古来からの価値観を実践する、収益面で考えると利益を生むまでに気が遠くなる程の時間がかかりそうな事業です。利益偏重が加速し続ける資本主義社会において、大企業の様に潤沢な資本があるわけでも無く、(20年続いたとはいえ)吹けば飛ぶような小さな建築事業者が母体の事業としては、常軌を逸していると言っても過言ではありません。しかし、お天道様は私達の想いと行動を見てくれているはず。少し時間はかかりますが、必ずいい結果に結びつくと信じています。

不易流行。

とにかく、誰もが理解している通り、世界は変わったし、事業を継続するには我々も変わらなければならないのは既に事実です。コロナ禍が行き過ぎるのを待つなんて方もおられますが、世界のパラダイムが転換した今、元の世界に戻ると考えるのは楽観的に過ぎるというものです。しかし、時代に合わせた〜との触れ込みで流行りに乗っかったところで長続きするビジネスになる訳もありません。俳句を文化にしたと言えるくらいの大きな功績を残された松尾芭蕉が「不易流行」が肝要だとの言葉を遺されておられますが、新たなものへの(対処ではなく)対応、変化する事と同時に、本質的な思考、変わらないものを守る軸を持つことがこれからのVUCA(不透明、不安定、複雑、曖昧)な世界を生き抜いていくには必要ではないかと思うのです。以上、経営革新会議での補足でした。中尾会長、参考にしてください。(笑)


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